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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>12

 いつも生々しいドキュメントを有難うございます。東京はいよいよ暴動が近いような雰囲気になってきました。ここ数十年「平和ボケ」と云う言葉が横行しましたが、実際に平和で治安が良い国において「我々は(あるいは君達は)平和ボケだ」と言っても、それは温泉に浸かったまま「温泉はいいねえ」と言っているぐらいの効果であって、何日も風呂に入れず、体がクタクタになっている時の「温泉はいいねえ」の10分の1ぐらいでしょう。

 今、地上波で「古畑任三郎」と「ドクターX」をやっているんですが、どちらを見ても、現在の東京からパーすべくティブするに、「ああ、確かに、あの頃、我々は平和ボケしていたのだな」とはっきりわかるようになりました。東京の緊張状態は
かなりのもので、僕は、なんとかこの国の、平和を愛する民が、こころ穏やかに過ごせる道を探り、共有し、維持できるか、オリンピックを前に、また60年代初期のような動乱の時代に入るのか、両眼でロンパリに観察しながら街を歩いていますが、僕個人の心の中に、「治安よ、もっと悪くなるだけ悪くなれ」と云う欲望が渦巻いてしまっていて、何もない1日でさえ、興奮してなかなか眠れません。来月で58になりますが、これが僕の最後のW=若さだと思っています。

 グラスの破片などにご注意ください。悪いやつと、それより悪い奴がダブルフェンスとなっている状況は、ある意味で健康的で、今は「悪くない奴が悪い奴になりかけている時代」だと思い、それは悪さのアマチュアなので、大変悪質です。ライブにお越しいただけたのはとても嬉しく思っています。来週、浜松でペペトルメントアスカラールのライブをやると、僕は演奏の機会を、オリンピック後まで失います。そういえば、そちらは、64年の、こちらのオリンピックの後の大会が行われましたね。あれから半世紀が経ってしまいました。僕は老境に向かいますが、あなたはまだでしょうか?

No.15
41ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 こんなにライブが飛んでいるのに何故こんなに小忙しいのであろうか。毎日「あれをしなきゃ、これをしなきゃ」と思っている間に、田村正和がなくなったり、星野源が結婚している。田村正和については「ユングのサウンドトラック」に、星野源については「次の東京オリンピック」に書いてあるが、推測するに、今エゴサをしたら、星野源についてはあの記事が出てくるだろうが、田村正和については出てこないだろう。ネットに連載していなかったからである。今はネットに書いたことだけが発言になる。書籍は何のためにあるのか、自己沈潜の最初のツールである書籍は、きっと近い将来、古文書のようになり、ある特殊な趣味と教養を持った人々の物になるだろう。ルアーフィッシングのように。    「喫煙可能(できれば全席)の喫茶店を探すのが趣味みたいになっている。今は神保町の喫茶店にいるが、アールグレイのアイスが無茶苦茶にうまい。一番美味いかもしれない。あまりの美味さにストローを使わないで飲んでいる。  
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