菊地成孔さん のコメント
このコメントは以下の記事についています
長い夏休みの最初の10日が終わった。7月20日までなので、もう5分の1が終わってしまった訳だが、これは特に意味はないけれども、気がつけばこの10日間でコロナに関するニュースは一切入れなかった。今どこで何がどうなっているのかわからない。喫煙可の喫茶店は徐々に増えている。酒類を出している飲食店も増えている。
グローバルダイニングのように正面から闘う店も良いと思うが、勝手に深夜営業し、勝手に酒を出している個人的な抵抗行為を行う飲食店も増えている。人の外出も増えている。「戒厳令下の新宿」をご覧いただければ直ちに御了解されると思うけれども、最初の緊急事態宣言に、民は従った。今は従っていない。非常に健康的だと思う。対談時に言った通り、それに反対する勢力が店に営業妨害行為を行ったとしても、それもまた健康的だと思う。
山下洋輔も立川地区での聖火ランナー候補ですが、加齢を理由に辞退するのが可能なので、走っても走らなくても良いと思います笑。「今、コロナ禍なので走らない」というのは、すごく現代的なリベラリズムというか、一見リベラルに見えますが、クラスターを避けたいだけなのだったら、いくらでも方法はあるので、「私は東京オリンピック開催に反対なので辞退します。ランニングも辞退しますし、大会ももちろん見ません」と明言するランナーだけが本当のリベラルだと思いますね。炎と光が死んでいるのと全く同じで、リベラリズムや個人主義までが死んでいると思います。
あくまで僕の予想ですが、医療大麻の日常的使用アスリートによる医療大麻の持ち込みに対して、当局は全面的に許容すると思いますし、そのために特措法をでっち上げるのもイージーウエイだと思います。そして、御説の通り、それによって、少なくともスポーツにおける「ドープ」の概念は、下手したら根底から覆されるし、そのまま雪崩れて、音楽的な意味でのドープの概念枠も揺るぐと思います。そうした実験性が今回のオリンピックにはあり、やらないのは単に事なかれ主義であって、やってしまってから、あらゆる現象に対処するのが現代日本を強化する事になると僕は思います。
Post