菊地成孔さん のコメント
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「コレで最後のタバコかあ、死刑囚みたいだな」とか思いながらベランダでキャメルを吸っていたら、矢野沙織さんの事務所から久しぶりの新譜が届き、コメントを求められた。
天才サックス少女上がりで、僕が査定する数少ない本物のビバッパー(ビバップは学究的に扱われやすい。矢野さんはビバップを快楽主義&血肉化の一点張りで愛し、実行しているので、要するにかなり本物だと思う)であり、まだまだフェミニズムが旧態然たる音楽界に於いて(僕は、単体 SSW はともかく「バンドのヴォーカルだけが女性」「バンドのキーボードだけが女性」といった、「伝統的=歴史的」な構図は、20世紀の遺物としての側面が強い限りにおいて、フレッシュさがないと思う。もう随分探しているのだが、「バンドのドラムがおばあさん」というのは終生トライし続けるし、トーキングヘッズのファンとして、バンドのベースだけが女性、というのはイカしているなあ、と思っていたら、小西さんと知り合った。小西さんは最初、スタイルズに入っていただく予定だったが、 ACC ジャズ要員に着任させて大成功だった。まだ才能は開花しきっていないけれども)、「女性サックスプレイヤー」ということが些かの特別感がある世界の中で、ややもすると「アルバム単位で何をするか?」という交通整理が難しくなっていた矢野さんの最高傑作ではないかと思う。ドスが効いて、筋が通っている。気がつけば天才少女も35歳である。
<今風のバンドで、ファンク、ドラムンベース、ヒップホップ、アフロビーツを。ラッパーやシンガーも大量投入>というのは、文字で書けば凡庸だが、とにかく一音残らずパーカーフレーズなので、途中からおもわず笑ってしまった。もちろん、ヤラれた時の笑いである。「すげえな矢野さん。本当にバップしか吹かないのね笑」。ジャズをあまり知らないリスナーの方に。僕はモーダルプレイヤーでビバッパーではない(それこそ学究的に、ペン大でパーカー研究クラスを持っているが)。ジャズマニアの方に。「人工的なバップ&エレクトリックトラック with ストリングス」の傑作、清水靖晃さんの「北京の秋」のストリングス抜き、マジバップの側面があります(北京の秋のソロフレーズは予め書かれている公算が強く、そこがポストモダニストとしてすごいのだけれども)。
<が過ぎて、歯が抜けてインプラントしたことがあります。
すんげーなソレ笑
<メルロウのTwitterにちらりと菊地さんの事言及していたので、ああ繋がってるんだなぁと感心しております。快く引き受けてくれそう!
あいつ本当に頼めばやってくれそうなんで笑、本当にやるかもしれないです。一回ぐらい笑。ソレ、めちゃくちゃ面白いですよねえ笑。
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