菊地成孔さん のコメント
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<12月25日(月)>
ピットイン3デイズ最終日。山下洋輔とのデュオ。起きて、楽器の練習をスタジオでやって、それからピットイン入りして、演奏を終え、帰宅するまで、クリスマスイルミネーションも一つも見なかったし、街から国産クリスマスのバイブスを全く感じなかった。 21 世紀=令和は、ひょっとすると、昭和のクリスマスが持っていた、かなり多岐にわたる<総合力>を解体し、例えば<恋人がラグジュアリーに食事してセックスする、「恋人たちの贅沢の日」>みたいに、ジャンル化するかもしれない。
演奏については敢えて一切書かない。ご来場いただいた皆様と、僕らだけの秘密だ( SNS に感想書いたらダメとか、写真載せたらダメとは言ってるんじゃないですよ。バンバン書いてください。「ああこの方はよくわかってくださっているなあ」という方も「何を聴いてんだこの変なエグみのライブレポーター笑」という方からも、愛は平等にちゃんと伝わっております)。
音楽 / 音楽家は売れてくると、小箱では演奏できなくなってくる。政治経済的な意味ではなく、もう、演奏家 / 歌手、の体質として。これははっきりと堕落と言って良い。音楽は、20人から5000人までが一番向いているジャンルだ。1万人以上になると、音楽が聴かれている訳ではなくなる(それが悪いという訳ではないが、純音楽としては保てない。大観衆で聴くためのテクノロジーが自走的に発達しているだけで、これは「良質な」ファシズムの提供機械のことだ、現在のところ)。
と、日が日なので、皆様にシーズンズグリーティングを。
はい。というわけで楽曲はファイナルズとはむしろ遠いアメリカンオールディースで(「アメリカングラフィティ」は全て既成曲=アメリカンオールディーズポップだけで構成されている映画です)すし、ファイナルズが「ユーリズミックス」のパクリ。と言ったのは、ジャケットで着ているブルーのスーツ(「頭の上にパン」はサルバドールダリです)の事だけで、音楽的には影響関係はありません。
あのCMは男女2人組がブルーのスーツ(カットはファイナルズ型のタイトではなく、流行りのズーティー=ブカブカですが)を着ている印象だけで、ユーリズミックスからのストレートパクリですらないと思います。
つまり僕が何を言いたかったというと、「スタッフにファイナルズのファンがいた」とはあまり考えられません。ファイナルズのことを全く知らなくても、あの絵とあの音にはたどり着くので。影響関係というのは、「それを知らないと、成り立たない」という絶対的な関係であって、ファイナルズはまだ、2期のような、音楽的な後継もいない状態ですので、もうちょっとしたらアチコチのクリエイトに影響が見られるようになるかも知れませんね。
とはいえ、僕は自分では大ぴらにパクったりしますが、パクられたことがあまりないので(カヴァーは、どのバンドも盛んにされていますが→ペペを除く)笑、今後も出ない公算は高いですが笑。テレビ番組のBGMで「あ、パクられたかも(嬉)」と思うと、そのまま原曲が使われたりしています笑。また、あらゆるジャンルで、各バンドの熱烈なファンの方がいることはよく聞くのですが、それが可視化、可聴化されているのはまだ一度もないですね。
止まれ、今回の件は、同様投書多数の物件ですので(けっこう言われました笑)、これは偶発的な近似で、「シュミュラクラ」に換算するのが一番的確だと思われます。
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