菊地成孔さん のコメント
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「天使乃恥部」が配信され、「クチから出まかせ」が出て、あれをやって、これをやって、これもやって、あれをして、これもして、もっともっとして、ああして、こうして、これでしばらくリリパ以外は人前に立つライブもしばらくない、という状態になって、いよいよ「<刑事コロンボ>研究」の執筆に着手したら、前の日記から10日近く経っていて本当にびっくりした。
体感で5日ぐらいしか経っていない。倍速で動いていたのである。今まで黙っていて、というか、隠すつもりもなかったのだけれども、この10日の間に、自動車免許も取得していたので、倍速感が強かったんだろう。
にしても、免許取得後の最初の運転が、法的には盗難したに近いタクシーで、しかも犯罪者と同乗する事になるとは思わなんだ。更にしかも、である。書いても信じては頂けないだろうな、と思いながら書くしかないのだが、僕、犯罪者、僕らとは全く関係のない運転手、の3人が午前3時の首都高を逆走の時速130キロで爆走した理由は、拉致られた元 AKB 48の前田敦子さんを救出するためなのであった。
前田さんは「素敵なダイナマイトスキャンダル」の完成披露の舞台挨拶で1度だけお会いしたことがある。この映画は本当に出演者が豪華で、今をときめく左大臣、柄本佑さん、今をときめくドライブマイカー三浦透子さんを始め、ほとんど有名な人しか出ていない、今は俳優業は廃業されたのかどうなのか、知る由もない(由はあるよな検索だ。しないが)神聖かまってちゃんの方もいらして、しかも撮影現場では左大臣(何故、伊周の発狂するほどの呪詛を受けても熱一つ出さないのか)としか一緒でなかったので、舞台挨拶はエグい事になったわけだ。
この文章は、ちょっと小忙しい時に寝落ちしてしまい、その時見た夢をそのまま可能な限り再現したもので、筒井先生のマルケス期というか、その頃に意欲的だった「夢そのものの文章化」に準ずるものですが、「暗殺の森」「天使乃恥部」における楽曲の中に介入するナレーションは、まあ、エリオットやヘミングウエイにすら見られる外部からの声、に類するもの、とも言えますけれども、文学マターではなくやはり音楽マターで、ブレヒトとかああいうものに属するのでしょうけれども、直近のリファレンスは、スパークすが音楽をやったオペラ映画の中で、指揮者がオーケストラを指揮しながら、恋人について話すんですけれども、サビ前まで話していて、サビに入る直前「失礼。良いところなので」と言って笑、サビになり、その演奏が終わると、また話し出す。というシーンですね。
厳格に考えると=感じると、自分が生まれる予兆の方が自分が死ぬ予兆より恐ろしいわけで、しかしこのベーシックは一般的ではありません。これも「天使乃恥部」に込められた円環性に寄与するものです。
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