菊地成孔さん のコメント
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いよいよ資料も執筆メモも全部揃ったんで、、、、と、そんなモン揃えたことが今まで一回もなかったんで自分でも驚いているんだが「刑事コロンボ研究」の執筆に取り掛かった(因みに「第二昭和の日本映画音楽」は、来年からリスタートしますんで、来年書き下ろし2冊出ます)。
還暦ちゅうのは読んで字の如くどこかに還るわけで、自覚レベルでも「確かになー」と思うことも多々あるのだけれども、還るばっかりじゃタイムマシーンになってしまう。
「全く新しい」ことも生じるわけで、僕にとってそれは何とコンサバなのであった。そもそも<いよいよ資料も執筆メモも全部揃ったんで>とか言っちゃってそんなモン揃えたことねえわ今まで一回も!!!と自分でも驚いているんだが、検索はしまくるは、翻訳ソフトは使いまくるは、関連動画は買いまくるわ、しかも単著!!
まだ誰にも言わないで、というか単なる計画の段階でぜーんぜん未定だ、普通こういう研究本とか論文とかは平均そんなモンだということで以下
それは何作目ぐらいですか? と言っても、原理というか、渥美清が演技派で天才。というのは、小林信彦の影響力が大なるところがあり、確かに天才的な俳優ですけれども、基本的に一人芝居型なので、寅さんシリーズを改めて現在見直すと、渥美清以外が全員、他者とコミュニュケーションする演技力を持っており、「フーテンの寅」という人物造形が、渥美清の七男隠すという側面はあったと思います。タコ社長とかを単なる脇のコメディアンぐらいに査定していると、驚かされますね。
そんな中、車寅次郎が交情をきっちり演じているのが、唯一、妹であるさくらに対してのみで、もう圧倒的です。
最初は、天才、渥美清がコントロールしているのだな、すごいなー、ぐらいに思っていたんですが、映画を見れば見るほど渥美清が通説とは違い、かなり不器用な俳優であることがわかり(これを唯一覆しているのが、川島雄三の、しかも失敗作である「縞の背広の〜」で、ここで右翼の巨魁役である渥美は、ほとんどセリフがなく、実際、右翼の巨魁に見えるので、贔屓目ではなく川島雄三はかなりヤバいな。と思うばかりですが)、倍賞千恵子の恐ろしい実力が痛感されると同時に、その能力を、渥美清保護保存のためのファミリーである「とらや」に繋いでしまったヨージ・ヤマモトの帝国主義には、犯行する気持ちも失せますね笑。
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