本作で描かれるのは新型コロナウイルス感染症のなかで過ごすカップルの日常で、コーヒーを淹れて朝ごはんを食べたり、旬の果実酒を漬けたり、ソファでダラダラと過ごしたりするふつうの日々。思うようにならない状況でも、等身大の生活を楽しむ2人の姿が描かれています。
冬はクリスマスを祝い、節分には恵方巻を食べ、春は果実酒を飲みながら桜を眺め、夏はそうめんをすすり……。時に喧嘩しながらも、愛にあふれた豊かな暮らし。流れる季節や行事ごとに合わせて、インテリアや部屋を彩る草花の変化もまた見どころです。
そして新型コロナウイルス感染症が収束し、友人たちが集まる希望あふれる場面がエンディングとなっています。
本作を手掛けた松本壮史監督は、2021年に「青葉家のテーブル」(「北欧、暮らしの道具店」製作)「サマーフィルムにのって」という2本の作品で2021 TAMA映画賞受賞 最優秀新進監督賞を受賞。楽曲はその「青葉家のテーブル」にて音楽を担当した小田朋美さんによる「万葉 feat. TENDRE」。柔らかくメロウネスな歌唱は、ベース・ギター・鍵盤・サックスなど様々な楽器を奏でるマルチプレイヤー・河原太朗さんによるソロ・プロジェクトTENDREで、本作に登場する映画の中にTENDRE本人も登場しています。