マーケティング、テクノロジー、消費の3分野は変化が激しく、さまざまなバズワードが飛び交います。この中から、中長期的に注目すべきトレンド(潮流)の見極めを目的とし、日経クロストレンドの活動に助言する外部アドバイザリーボード約50人と、編集部の記者など各分野の専門家の知見を集約し、その分析結果を「現時点での経済インパクト」と「将来性」の2つのスコアでマッピングしたものです。
・各分野でスコアを伸ばしたキーワードランキング(2022年下半期調査との比較)
今回、将来性スコアが伸びたトップ3は、マーケティング分野では「音声SNS」「チャットbot(対話型AI含む)」「ジオターゲティング(位置情報・人流マーケティング)」でした。また、テクノロジー分野では「VUI(音声ユーザーインターフェース)」「人間拡張」「スマートフォン」、消費トレンド分野では「越境EC」「インスタ映え」「ナイトタイムエコノミー」となりました。
経済インパクトでは、全体でスコア上昇率がトップだったのが消費トレンド分野の「Z世代」でした。そのほか、マーケティング分野では「クッキー代替技術」、テクノロジー分野では「バーチャル・ヒューマン・エージェント(VHA)」、がジャンル別でそれぞれ高い伸びを示しています。
・新たな追加キーワードは将来性スコア
今回、新たに追加されたキーワードは、マーケティング分野の「CX(顧客体験)」と、テクノロジー分野の「生成AI(ChatGPTなど)」、消費トレンド分野の「リベンジ消費」「リスキリング」の4つです。どれも、最近よく耳にするワードとなっています。
・トレンドマップ2023「マーケティング分野」の例
将来性のスコアはChatGPT特需で「チャットbot」が上昇していて、アフターコロナ関連への期待も高まっているのがわかります。前回の調査から、マーケティング分野で将来性スコアをもっと大きく伸ばしたキーワードが「音声SNS」で、0.46ポイント増の3.24となりました。国内のポッドキャスト利用者数は1680万人に達しているとされ(※1)、とくに若年層を中心に音声メディアが復権の兆しを見せていることが、将来スコアの上昇につながりました。
あらためてトレンドマップを見回してみると、最近のニュースやリリースにも登場するキーワードがトレンド入り、上昇傾向ということがわかります。個々の情報だけではなく、マップから全体の傾向を俯瞰してみるというのもマーケティングにおいて大切なことのひとつかもしれません。
・※1参照元:国内のポッドキャストユーザーは1,680万人に。Z世代は約3割が毎月利用。「ポッドキャスト国内利用実態調査」を発表
・関連リリース:日経クロストレンドが「今後伸びるビジネス」ランキング(トレンドマップ2023年上半期)を発表!
・日経クロストレンド:発表! 23年上期「今後伸びるビジネス」ランキング 88項目調査