出稼ぎができる留学として、いっそう注目が集まっているワーキングホリデーは、お金を稼ぐ目的だけではなく、日本で過ごしている自分とはちがう “ナナメウエのジブン” と出会える可能性を秘めています。海外での⻑期間の生活をとおして、本質的な価値を得られる留学やワーキングホリデーのことを、もっと身近な存在に感じてほしい。そんな思いから、距離の近さをリアルに感じてもらえるように、駅の案内サインをモチーフにした看板広告を企画したといいます。
じつは、留学コンサルタントへのインタビューで浮かび上がった課題は、「ワーキングホリデー」を選択した先にある「世界」という舞台が、やはりまだまだ遠いところにあることでした。そして、その背景には「世界」を「海外(overseas=海の向こう)」と考える日本の地理的な要因があります。そんな世界をより遠くに感じてしまう要因は、心理的なイメージや文化的・言語的なハードルによるものではないかと分析できます。
そこで、この課題を解決するために「海の向こう」ではなく、じつは「すぐそこ」にある「世界への道筋(社名の由来でもあるワールドアベニュー)」を駅の案内サインをモチーフにした看板で日常の中に登場させ、「ナナメウエ」のまったく新しい“世界のジブン” と出会える「方向性」を、もっと近くに表現する広告が誕生しました。
今後は、海外留学やワーキングホリデーを、より身近に感じてもらえるように「すぐそこ世界」というスローガンを軸にして、サービスの拡充をしていくとしています。
駅の出口案内サインに似せた自社広告ながら、「世界」「︎」など、ほぼ単独では意味をなさないがゆえに、逆に興味を引きつける効果をもたらしています。認知の獲得のためには、じつは多くの演出は必要ないということの好例となっています。情報過多の時代であるからこそ、多くを語らないことにこそ効果がある、とも言えるかもしれません。海外渡航のハードルが高くなってしまったコロナ禍を経て、規制のなくなった今だからこその施策でもあります。