アメリカでは毎年11月の第4木曜日、カナダでは毎年10月の第2月曜日に行われるサンクスギビング（以下感謝祭）は、17世紀のピルグリムたちにルーツを持つ祝日です。現代においては七面鳥やチキンの丸焼きを食べながら家族と時間過ごすのが一般的な形とされており、アメリカン・フットボールのシーズン中ということもあり多くの企業が宣伝活動を行うタイミングでもあります。

大きなオーブンが搭載されたキッチンが多いアメリカ大陸において七面鳥は自宅で焼くものとされていますが、年に数回しか作らない料理だからこそその火入れを間違えてしまうこともあるでしょう。せっかくの休日が台無しにならないように、万が一失敗したとしてもすぐにチキンにありつくことができるというメッセージを打ち出したKFCの広告が話題を呼んでいます。

複数種類のOOHとSNS用動画として公開されたキャンペーンは“KFCデリバリーがあってよかった”というキャッチコピーで統一されており、料理に失敗してしまった人にとって最高の「プランB」であることをアピールしています。

 

祝日だからこそファストフードのデリバリーではなくしっかりとした料理を作りたい……でも、料理に失敗してしまって台無しにすることはできない……そんな絶妙なユーザー心理を掘り下げ、あえて自分たちを補欠的なポジショニングに置くことでしっかりとニーズを刈り取ることを狙った事例でした。

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