多文化な国であるイタリアにおいて、サッカーは信仰や文化を超えて国民を繋げる、文字どおり国民的なスポーツです。そんなサッカーを抜群の臨場感で楽しめるスタジアムにおいて、唯一サッカーを楽しめない人々がいます。それはスタジアムの売店で働くスタッフ。大手食品会社のハインツは、そんなスタッフたちの日頃の努力を讃えるとともに彼らをヒーローとして謳った心温まるブランディング施策を行いました。

施策の舞台となったのはACミランやインテル・ミラノのホームグラウンドとして知られるStadio Giuseppe Meazza、通称サン・シーロ。主役として選ばれたのは、サン・シーロの敷地内で長年サンドイッチを販売する3人のスタッフでした。何十年もスタジアムのために尽くしてきたにもかかわらず、その仕事の特性上自ら通して試合を生観戦したことはない3人……。

そんな彼らとサッカーの素晴らしさを共有したいと願ったハインツは、1日限定で代わりのスタッフを用意した上でサン・シーロで行われる試合に無料で招待しました。毎日スタジアム内から響いていた歓声を間近で感じることができた3人の様子を描くシーンで、動画は幕を下ろします。ケチャップをはじめとした商品を実際に使用する人々にスポットライトを当てることで、エンドユーザーとの関係性を大切にしたいと願うハインツのブランド姿勢を強く打ち出した事例でした。

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