商標登録出願中の「ふろマド」は、広告主、設置協力する銭湯、銭湯利用者の「三方良し」を実現できる事業を目指しており、まずは大阪を中心に開始し、順次、規模・エリアを拡大する予定です。
今回のサービス開始の背景には、コロナ過で立ち上げた物販事業を通して、サウナグッズを中心に120軒以上の温浴施設と取引してきた経験がありました。銭湯の減少を肌で感じ、少しでも役に立てることはないだろうかという思いが芽生えたことが発端です。
「もっと価値向上に貢献できないか」「銭湯にさらに収益還元する仕組みを実現できないか」銭湯が持つ「場所」としての魅力、これまで培ってきた銭湯とのネットワークを最大限に活かす方法として、銭湯を「場として優良なメディア」と捉え、銭湯利用者と広告情報をマッチングさせる「ふろマド」事業を推進していくことになったそうです。
「ふろマド」は銭湯に設置したデジタルサイネージに、広告を配信できるサービスです。そのため、広告主視点ではエリアやシチュエーションが明確であるターゲットメディアとして「銭湯」を活用することができます。
デジタルサイネージの設置に協力する銭湯には、本サービスの収益より協力金を支払われため新たな収益源となります。また、サイネージに合わせて設置するAIカメラによって、1日の来場者数や混雑時間などの可視化も実現し、銭湯経営に役立てることも可能です。
銭湯利用者にとっては、銭湯帰りに寄りたい近所の飲食店や湯上りにあったら嬉しいアイテムの情報を中心に配信。さらには、天気予報や施設のお得情報も配信予定です。
今回の「ふろマド」の開始に伴い、これまでのサウナグッズの物販・OEM事業に加え、今後は銭湯特化型の広告代理店業務やコンサルティング業務などの領域にも事業拡大を予定しています。銭湯と企業の橋渡し役として、新たな付加価値のあるサービスを提供していくことを目指したものです。デジタルサイネージ広告をはじめ、子育て世帯向け・インバウンド向けのサービスなど地場産業とも連携し、五感を通じて日本のお風呂文化を広く知ってもらうとともに、銭湯にとって新しいサービスのサポートを行っていくとしています。
タクシーやトイレなど、限られた人が利用する場所でのデジタルサイネージの広告活用が活況となっています。そんな中で新たに誕生した、銭湯特化型のデジタルサイネージ「ふろマド」。経営継続の難しさから減少傾向が続く銭湯ですが、歴史・文化が集約する地域の憩いの場である銭湯や温浴施設を絶やさぬよう、さまざまなアイデア施策も全国で実践されています。
広告主、設置協力する銭湯、銭湯利用者の「三方良し」を実現しながら、広告媒体としてどのように成長できるのか気になる取り組みがありました。