一次産業の課題解決を目指す和歌山県のベンチャー企業、株式会社はまさとは、初の自社製品として、「みかんくれよん」を販売すると発表しました。「みかんくれよん」は、県の特産品であるみかんの栽培過程で生まれる、みかんの皮や剪定枝などを活かして開発したアップサイクル商品です。

県内の生産者への取材・圃場訪問を通し、子どもも大人も、一次産業をもっと身近に感じられるきっかけづくりとなれば、との思いから「みかんくれよん」の商品開発に至ったものです。また、従来は破棄される農業副産物を買い取ることで、生産者にも利益が生まれる仕組みをつくることを目指しています。

全5色のクレヨンそれぞれの色を表現している素材には、みかんの「栽培」に着目し、1年間の栽培プロセスを感じられるものが使用されています。また、原材料はすべて自然由来なので、万が一、子どもが口に入れてしまっても安心な商品になっています。

素材をクレヨンの材料になるパウダーにまで加工する作業は、農家さんが持っているドライフルーツ機や粉末パウダー加工機を活用。それぞれの色の種類と活用されている素材は、青みかん色が間引きで落とされる摘果みかん、じゃばら色が温州みかんと時期をずらして収穫される雑柑(晩柑)、完熟みかん色が加工品を作る時に出る完熟みかんの皮、みかんの枝色が木の健康を保つための選定でカットされた剪定枝、みかんの炭色が畑に撒かれるみかんの木が材料の柑炭となっています。

パッケージデザインのフォントには、「障がい者の方のアート作品をデザイン化し社会に繋ぐプロジェクト」で作成された、ご当地フォントの和歌山ふぉんとを使用。フォント利用料の収益の一部が福祉に還元される仕組みとなっています。

アップサイクル商品はその数を増やしていますが、みかんの栽培過程で破棄されていたものを素材として活用してクレヨンという画材に変身させるという着目点が秀逸です。自然由来の素材のため、子どもが口に入れても問題ないというのも嬉しいですが、みかん栽培の過程で発生するもので5色ものバラエティ豊かな色が作れるということも驚きます。

パッケージデザインへのこだわりや地域還元の仕組みなども含めて、地域に根ざして伴奏型支援を行う企業らしさが溢れる商品設計の好例がありました。

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