デザイナー自らが語る「トフ＆ロードストーン」の魅力。秋の新作バッグに込めた想いとは
「持っていると必ず"それどこの？"と聞かれる」という人が多いのは、このブランド独特のあたたかな雰囲気とセンスの良さゆえでしょう。クラシックな「TOFF（洒落物）」とモダンな「LOADSTONE（人を惹きつけるもの）」の絶妙な調和がブランド名の由来です。クラシックな中にもどこかモダンな表情を見せるバッグは美しいだけでなく、とても機能的。いたるところにデザイナーや職人が抱くモノづくりへの想いが込められています。
興味深いのは、こちらのバッグの制作はまず真鍮（しんちゅう）金具のデザインから始まるということ。まずこの金具をデザインし職人につくらせてから、デザイナーが金具から受けたインスピレーションをもとに、革の種類や色、バッグの形を決めていくというのです。
真鍮は手間もコストもかかるため大量生産には向きませんが、耐久性はメッキの比ではありません。ふくよかな厚みとなだらかな曲線があたたかみを感じさせ、時間が経つにつれて独特の風合いを見せてくれます。「トフ＆ロードストーン」の真鍮金具こそ、ブランドのコンセプトをそのまま体現した"顔"とも言える重要なパーツなのです。
そしてもうひとつ特徴的なのが「革」。「トフ＆ロードストーン」のバッグの多くに用いられるのは、一般的な牛革より軽く丈夫で傷つきにくい山羊革です。さらには、デザインに応じて3種類の山羊革を使い分けるというこだわりよう。
「使用する革はすべて日本のものです。真鍮も日本の職人さんでなければここまできれいに仕上がりません。例えば、モザイクタイルを特殊なプリント技術で再現したバッグは、下町の小さな工場を1年も口説いてやっと引き受けてもらえました。日本の技術って本当に素晴らしいんです。『トフ＆ロードストーン』は革も金具も縫製もすべて"メイドインジャパン"。大切に使ってくださる方がいる限り、とことんこだわりますよ。ラクしていいものはできません」とはデザイナー坂井一成氏の言葉。
そんな想いでつくられたオリジナリティーあふれるバッグたち。春夏で大人気を博した「ハイエンド キャンバス」シリーズには小さなサイズが登場。今シーズンよりキャンバス地には防水加工が施されています。レザーの「ハイエンド クラシック」は写真のブラックやマスタードのほか、秋の装いに映えるキャメルやグレージュがラインナップ。デザインだけではなく、ポケットや仕切りなど機能面も充実したトートバッグが4万円台からというのは、かなり嬉しいですね。
しっとりと重厚感のあるクラシックな「サドル」シリーズは、革を重ねてわざと厚みを出すなどディテールに凝ったつくりながら、とても軽くてびっくり。定番のモノトーンはもちろん、差し色にするなら新色のパープルもおすすめです。ファスナー部分の金具もベルトのバックルももちろん真鍮ですよ。
仕事、旅行、お出かけ......とさまざまなシーンをおしゃれに演出してくれる「トフ＆ロードストーン」のアイテムたち。クローゼットのバッグを総入れ替えしたくなるほど魅力的です。
7月末からの新作バッグ展開にあわせて、公式サイトがリニューアル。ショップリストをチェックして足を運ぶもよし、オンラインショッピングするもよし――いずれにしても、ぜひ早めにお目当てのアイテムを見つけてくださいね。ゆっくりしていたら売り切れてしまいそうですから。
（取材・文／大森りえ）