【今日の美マネPoint!】
☆プロの意見を聞くときには、お金の出どころを見よう
☆「お金の出どころ」は正直に事実を明確にしてくれる
☆自分はなんのプロか客観的にみてみよう
まず「証券会社の窓口にいる女性」をイメージしてみてください。来客者の対応をしたり、資産運用の相談をしたりしています。この女性はどんな収入で生計を立てているでしょうか? 毎月お給料をもらっているので、その給与で生計をたてています。
では、その給与の元の収益源はどこでしょうか?
たとえば、窓口で振込手続きをした手数料だったり、資産運用の相談で、投資信託を販売した手数料だったり。それの収益源を見てみると、証券会社の人は金融のプロと思っていたのに、実は金融でお金を得ているのではなく、何か手続きなどをした手数料で収入を得ている人が多いのがわかります。
わかりやすく言えば、私たちが窓口に行き(もしくはネットで)投資信託にお金を振り分けたとき、その金額の数%が手数料として、その人(つまり証券会社)に落ちるのです。
もしこの人が、金融のプロ、投資のプロだとしたら、投資によってお金を得て、生計を立てているハズです。そうでないと、金融のプロ、投資のプロ、とは言えません。
この証券会社の人は、投資によって収入を得ていないのです。野球解説者が、プロ野球選手ではないのと同じで、金融に関わっていても金融のプロとは言えないのです。
ここまで「お金の出どころ(=どこから収入を得ているか)」 を考えると明確になってきますが、この証券会社の人は、金融のプロではなく、販売のプロ、つまりプロの営業マンだということがわかるのです。
では、不動産のプロと思っていた営業の人は、なにで生計を立てているでしょうか? もうおわかりかと思いますが、不動産の仲介手数料によって生計を立てています。つまり、不動産のプロと思っていた不動産屋さんは、じつは営業のプロだったのです。
床屋に言って、髪を切ったほうが良いか? と聞けば、必ず「切ったほうが良い」と言う。
こんな話があるように、営業のプロに聞けば、必ず「買ったほうが良い」という答えが出てくるにもかかわらず、私たちは営業のプロに対して、金融のプロと勘違いして相談しがちです。
なにで生計を立てているか? 「お金の出どころ」というのはそれくらい正直で、事実を明確にしてくれる大切な判断基準となるのです。
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/泉正人)