筆者はここ数年、年間100本以上の映画を観賞する生活を続けて参りました。しかし2016年も終わろうかという12月の時点で、今年はまだ50本程度。それは、なぜか!?
動画配信サービスで観られる海外作品が面白すぎるからですよッ!
特に、『Amazonプライム・ビデオ』、『Netflix』、『Hulu』といった、もともと海外で展開しているサービスに関しては、オリジナル作品や独占配信へのチカラの入れようがハンパじゃありません。中でも今回は、『プライム・ビデオ』だけで観られる海外作品に絞って、ウォッチすべき注目作品を紹介します。
『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』
最新のシーズン2まで配信されている『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』は、米国のケーブルテレビ局USAネットワークで放映されている人気ドラマシリーズ。エミー賞のドラマシリーズ部門主演男優賞、ゴールデングローブ賞のテレビ部門作品賞と助演男優賞の3冠に輝きました。日本の動画配信サービスとしては『プライム・ビデオ』が独占配信しており、これがメチャクチャ面白い。
主人公のエリオット君はサイバーセキュリティ会社に勤めるセキュリティエンジニア。同時に、天才ハッカーという裏の顔も持っています。コミュ力ゼロの彼は他人との接触を好みませんが、脅威のハッキング能力で他人の趣味趣向、過去の秘密に至るまで何でもお見通し。だけど、薬物依存で頭の中はラリパッパ。頭の中のお友達にだけは冗舌な、いわゆる“信頼できない語り手”ってヤツです。
そんなエリオット君は、能力を買われてハッカー集団“f・ソサイエティ”にスカウトされます。目的は、“Eコープ”という企業の崩壊。通信、金融、証券、銀行、不動産、クレジットカードなど世界の産業を牛耳る巨大コングロマリットで、エリオット君がセキュリティの担当を務めるクライアントでもあります。サイバー攻撃を仕掛けてEコープの金融データを破壊し、世の中に富の再分配をもたらそうとするf・ソサイエティ。果たして、その運命は……。
当然ながらサイバーテロは大犯罪ですが、貧困層からするとEコープは悪魔の会社(Evil Corp)であり、f・ソサイエティは救世主となる。そんな倫理観をグラグラと揺さぶる社会派ドラマです。
『グランド・ツアー』
あの3人が帰ってきた! 『グランド・ツアー』は、英BBC制作の人気番組『トップギア』の元司会者、ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの有名トリオが立ち上げた自動車評論番組。『プライム・ビデオ』のオリジナルシリーズとして11月にスタートしたばかりです。
番組プロデューサーとのトラブル(顔面パンチをお見舞いしたらしい)を理由にクラークソンがBBCから解雇された結果、『トップギア』っぽい番組をアメリカンなテイストで作っちゃおう、というのが基本コンセプト。悪ガキ3人の軽妙なトークが展開されながら、ユニークな企画VTRを紹介していきます。第1話は荒野を何台ものスポーツカーが疾走するハイテンションなオープニングでスタート。『マッドマックス』かよッ! 自動車の評論は名目にすぎず、サーキットを貸し切ってレースしたり、ボロクソに貶したり、爆破したり、やりたい放題です。相変わらずぶっ飛んだ内容で、トークの切れ味とおバカ加減はマシマシのご様子。
さらに4KウルトラHDで撮影された映像は息をのむほど美しく、自動車に興味がない人でも「クルマ、ウルトラ格好いい!」と思うはず。知識は置いてきぼりでも十分に楽しめますよ。
『CRISIS IN SIX SCENES(原題)』
本国では9月に配信を開始したウディ・アレン監督・脚本のドラマシリーズです! 40年以上も映画を作り続けてきた巨匠がドラマを手掛けるとあって、各局が争奪戦を繰り広げたというウワサも。日本では「今秋配信」と聞いていたのですが、どうやら年明けになる模様。うーん、待ち遠しい。
舞台は1960年代末、アメリカ動乱の時代。郊外で暮らす中流階級の一家のもとへ、マイリー・サイラス(!)演じるヒッピーが訪ねてきたことから波乱が巻き起こるコメディ作品です。あらすじからしてウディ・アレンっぽい。アレン本人もサイラスに翻弄される家族の一員として出演します。1話30分の全6話で構成される本作は、タイトルの通り6つの難局が描かれるのでしょう。海外のレビューを見ると、「超長編の映画を観ているよう」とのコメントも。長く続いているドラマシリーズについていけない人でも、これなら安心して楽しめそうですね。震えて待て!
アイドルマスター.KR
はい、その名の通り、バンダイナムコエンターテインメントが展開する日本の人気コンテンツ『アイドルマスター』を原案にした韓国の実写ドラマです。韓国発の『Amazon』オリジナルとしては初の作品となります。日本や韓国に加えアジア各国のアイドルらが出演し、エンターテインメント業界で成長していく若い女性たちの姿が描かれるとのこと。
えぇ、分かってますとも。若干の不安は否めないですよね。実写化については言いたいことがないワケでもありません。でも、韓国制作だし、正直なところ出演者が知らない人たちばかりなので、やや距離感を保って、1周回って、逆に楽しめそうではありませんか? 何だかんだアイドルちゃんたちにハマってしまう自分が想像できます。彼女らが来日コンサートを開催するところまでは既にイメージできております!
『アイドルマスター』シリーズ総合プロデューサーであるバンダイナムコエンターテインメントの坂上陽三氏は、「これまで架空の世界の中で創造されてきた『アイドルマスター』が、今回こうして初めて実写テレビドラマ化されるという、これまでにないチャレンジは大変面白いと思いました。実写ならではといえる身近な感覚で、韓国の皆さんだけでなく世界中の皆さんにドラマを通じて彼女たちの活躍を応援してもらいたいと思っています」とコメント。こちらのドラマは、2017年初頭にスタートを予定しています。
その他、交響楽団のドロドロな人間関係を描いてゴールデングローブ賞のコメディ/ミュージカル部門で作品賞と主演男優賞を受賞した『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』や、エミー賞のコメディ部門で主演男優賞と監督賞、ドラマ部門(30分以下)でプロダクションデザイン賞の3冠に輝いた『トランスペアレント』など、Amazonスタジオ制作のオリジナル作品が各賞を沸かせております。超ハイクオリティのコンテンツを続々と配信する『Amazonプライム・ビデオ』から今後も目が離せません!
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