ウォーキングは健康に良いとされていている。しかしそれが2日間一睡もせずに48時間連続で歩くとどうなるのか。2012年の年末にチャレンジしてみた。スタート場所は東武東上線にある埼玉県の小川町という駅。駅には参加者9名が集まった。見送りにきてくれた筆者のニコ生リスナーや裏方(パソコンの充電など)のスタッフも待機してくれていた。スタートは12月30日の15時。
ルールは明確である。
・48時間決して寝てはいけない
・長時間の休憩禁止
・脱落したら罰金1万円
そう、ひたすら孤独に耐え歩くのが今回の目標だ。そのために過酷なルールにした。果たして何時間かかることやら。
しかし12月の年末だけあって気温は5度と大変寒い。おまけに天候は雨。傘をささないとびしょ濡れになるほどの大粒の雨がザーザーと音を立てて降っている。非常に心打たれる雨である。
15時20分、参加者の自己紹介をしたあと小川町駅をスタート。次の中継地点である武蔵嵐山駅を目指すのだが、しょっぱなから電波は入らないし雨で靴の中はぐしょぐしょだ。全員がずぶ濡れになりながら歩く。
まだ始まったばかりだが次の駅までの道のりが遠い。本当に遠い。濡れた体に冷えた風が当たり、我々をより凍えさせるのだ。
そして日は落ち闇がやってきた。
冷え切った体に濡れた靴下がつらい。歩いても歩いてもゴールの池袋は遠かった。足の裏だけではない、腰や背中にきしむような痛みが広がり、一歩一歩進むたびに襲って来る。そして休憩をすると余計に足に疲労が溜まりどんどんと痛くなる。
ようやくゴールの池袋に辿りついたのはちょうど大晦日の日の午後19時30分過ぎ。スタートしてからおよそ30時間が経過しようとしていた頃にようやく到着したのであった。しかし自らの力だけで60キロ近い距離を克服できたのには自分自身驚いた。他の9名の参加者のうち途中でギブアップした者はたったの2名(こちらからのドクターストップのため罰金は無し)。みんな限界の中でのゴール。小さな中華料理屋で祝杯をあげる。
スタートして約30時間後にゴール地点の池袋に到着
リタイヤせず目標を達成して安堵の表情を見せる参加者A
みんなお疲れ様でした
と、ここで終わればよかった。そう、この時点で東武東上線の小川町~池袋まで歩く1つの目標は達成したのだが今回は「48時間ウォーキング」と題にあるとおり48時間を歩ききらなければならない。
ここからは記者一人で世田谷区にある千歳烏山駅(ちとせからすやまえき)まで歩いた。しかしここからはさらに筆舌に尽くしがたい地獄であった。歩くのにバランスが取れず千鳥足でヨタヨタと酔っぱらいのように歩かざるを得ない、おまけに片手に配信用のパソコンもあったのでずっと画面を見ながら喋り続けている。大晦日の夜0時をすぎ遂に正月がやってきた。
牛丼屋でお正月を迎えながら食べた牛丼は、これまで食べたどの食べ物よりも一番美味かった。人間お腹が減って限界を迎えた時の食事が最高に美味しいことがわかった時である。ここまで89km歩いた。
ちょうど開始から32時間ほど経過したころ。2013年は牛丼が最初の食事となったが美味しかった。
足を引きずりながら深夜3時30分にニコニコ生放送の人気配信者NERさんの家に到着。3年ぶりの再会で元気をもらう。NERさんの優しさが本当に嬉しい。そして同時に千歳烏山駅にも到着。
深夜4時35分、本来の目的である48時間ウォーキングの為にここから原宿に向けてまた歩き始める。体調はすこぶる悪く体が冷え込む、朝方になりついに裏方にギブアップを申し出る。もう肉体も精神も限界であった。ここまでやれば十分だろうと「もう辞める」と伝えたのだが、「もう少しやってみて下さい」と反対され、しばし悩む。そして引き続き歩くのを決断。足はテーピングで固定してあったが痛みが激しく焼けた石の上を裸足で歩くような感覚である。
歩いてはコンビニや駅などで10分休むの繰り返しで午後11時14分にようやくニコニコ原宿本社まで到達。
ニコニコ原宿本社に到着、スタートしてすでに44時間ほど経過だしたころだ。
そしてさらに、この原宿から新宿に行くことを決意。しかし、肉体は限界を超えており動きを止めると急激に足に痛みがはしりまともに進めない。原宿駅から新宿駅に向かってる途中、午後15時にようやく48時間のウォーキングを達成。達成感でその場で寝込み配信は終了。もうほんとに限界である。
ちょうど放送開始から48時間を歩ききった様子、路上にぶっ倒れてしまう。
48時間ウォーキングの感想だが、「正直もう二度とやりたくない」。疲れは一週間抜けなかったし、今だに左目は軽い痙攣が治らない。極寒の中歩くという行為がこれほどキツイとは想像できなかった。
過去に二度挑戦したが、どれもあと一歩の所で失敗。今回なんとか48時間達成できたのは自分の力だけではない。今回裏方で車出してくれたり、機材を貸していただいたり直していただいたり差し入れや応援で駆けつけてくれた方達がいなければ絶対に歩ききることは不可能だったからだ。
こういう人達の優しさのおかげで48時間が達成できたのだが、ほんとにもう二度とこんな地獄は味わいたくない。
ウォーキング生放送は全て動画で公開されている。48時間分見たいという暇な人は是非ご覧になってほしい。
【ニコニコ動画】20121230 暗黒放送Q 極寒地獄の48時間ゥォーキング放送① (01)
【ニコニコ動画】20121230 暗黒放送Q 極寒地獄の48時間ゥォーキング放送① (01)
※この記事は、ゴールドラッシュの「横山緑」が執筆しました。
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