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話題沸騰! 世紀の大傑作『ゼロ・グラビティ』はいかにして作られたのか? 製作者インタビュー
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話題沸騰! 世紀の大傑作『ゼロ・グラビティ』はいかにして作られたのか? 製作者インタビュー

2013-12-19 18:30
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    「最後の最後になって、2013年マイベスト映画1位に滑り込んできた!!」。映画ファン達の多くがそう語るのが、13日より日本公開となった『ゼロ・グラビティ』。何を隠そう、筆者もその一人。ストーリー、映像、キャストの熱演、結末……。全てが最高に素晴らしく、この作品に携わった全ての人に感謝した気持ちでいっぱいなのです(頼まれてもいないのに)。

    『ゼロ・グラビティ』は、球の上空60万メートルに無限に広がる空間。摂氏125度からマイナス100度の間で温度は変動し、音も空気もない世界、“生存率0%”の宇宙の無重力空間=ゼロ・グラビティを舞台に、突如放り出されてしまった人間に襲いかかる究極の絶望と、その中で生を渇望する強き女性の全身を貫くような感動のドラマ。

    一言で言うと、宇宙ヤバすぎ。

    冒頭の13分ワンカット長まわしから始まる、観客までは息がつまる、映画体験。正直、映画の中でどんな殺戮や、怖い出来事が起こっても、スクリーン前の私たちには関係無いじゃないですか? ぬくぬくとコーラ飲みながら映画観れるわけじゃないですか? でも、『ゼロ・グラビティ』は違った。動悸はすごいは手汗びっしょりだわ、異常な緊張感で91分を終えました。

    GRAVITY

    出演はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの2人。というか、ほぼサンドラ・ブロック1人。本作を手がけたのは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『トゥモロー・ワールド』を手がけたアルフォンソ・キュアロン。そして、この天才アルフォンソ・キュアロン監督とタッグを組み、歴史に残る傑作を世に生み出したのが製作のデヴィッド・ハイマンです。

    『ハリー・ポッター』の映画権を得て、全8作のシリーズを全て手がけた名プロデューサー。監督、サンドラ・ブロックと共に来日したデヴィッド・ハイマン氏にインタビューを敢行。「こんなすごい映画どうやって作ったんですか!」など、色々とお話を伺って来ました(興奮で前置きが長くてすみませんね)。

    デヴィッド・ハイマン

    ――――映画を観させていただいて、心から「こんな映画初めてみた……」と驚いてしまったんですが、まず『ゼロ・グラビティ』製作のはじまりについて教えていただけますでしょうか。

    デヴィッド・ハイマン:この映画の物語は監督と監督の息子さんが書いたんですね。この物語を書いた当時監督が色々な問題を抱えていて「逆境に立ち向かう」話を書きたいと思ったのがきっかけだそうです。スタートはキャラクター、次にテーマ、その後に場所が決まったんです。

    ――――宇宙が舞台というのは一番最初に決まったわけでは無いのですね。

    デヴィッド・ハイマン:とにかく孤独で極限な状態で、主人公の逆境がより際立つカタチにしたかった、と。宇宙に一人取り残されて人生諦めてしまっている状況の中、彼女がどんな行動をするのか。この映画は逆境に立たされた時にこそ、人は生まれ変わるという事を伝えたかったんだ。監督の他の作品にも共通しているのですが、「今を生きろ」という強いメッセージがこめられています。

    私がこの映画で特に素晴らしいと思ったのは、宇宙という非日常な舞台でありながら、誰もが経験したことである「逆境」を描いている所です。だから観客の皆さんがこんなに強く共感してくれるのでしょう。

    ――――デヴィットさんは『ハリー・ポッター』シリーズ全作にかかわっていて、名プロデューサーとして知られていますが、『ゼロ・グラビティ』もヒットするという確信があったのでしょうか?

    デヴィッド・ハイマン:監督から『ゼロ・グラビティ』の企画と脚本を見せてもらった時に、その場ですぐにやりたいと思いました。監督の様な天才的な才能と一緒に仕事が出来るのは私の特権だなあと思っています。私は、『ハリー・ポッター』シリーズである程度の成功はしていたわけですが、この作品がビジネス的に成功するとは予想していなかった。でもクリエイティブ的に成功するという事は確信していました。

    GRAVITY

    ――――登場人物はほぼ二人で、後半はサンドラ・ブロック一人。非常にシンプルな作品ですものね。

    デヴィッド・ハイマン:否定的な事を言う人もいましたし、映画を作り上げるまでにはたくさんの苦労がありました。でも監督にはどんな困難の中でも「作りたい」という強い気持ちがあって、私は彼がしたいことを出来るだけしてあげたいと思いました。

    映画のビジネスであって、アートでは無いから、出資してくれる方に対して出さないといけない売り上げもあるわけです。『ゼロ・グラビティ』は40代後半の女優と50代の俳優しか出てこない、舞台は宇宙、女優の顔は宇宙服の中でほとんど見えない、モンスターも出てこない、と多くの要素がビジネス的には成功しないと思われるものばかりでした。でも幸運なことに、才能のある監督をきちんと支援してくれるのがワーナー・ブラザースという会社なんです。クリント・イーストウッド、クリストファー・ノーラン、これまでの歴史でも多くの監督を支持してきた様に、アルフォンソ・キュアロン監督も同じ様に映画を作れたわけです。

    いわゆる、「これはヒットしないだろう」という要素がたくさんある『ゼロ・グラビティ』がヒットしたのは私は本当に嬉しいんです。これから映画を作ろうという人がこの映画を観て「セオリーに囚われない映画でも良い映画はヒットする」と勇気を持ってくれたら素晴らしいと思っています。

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    ――――この映画を観た人がまず驚くのは冒頭の長まわしシーンだと思います。映画を観ている、というよりは自分もその場所にいるかの様な緊張感でした。技術的な苦労は相当されたのはないでしょうか?

    デヴィッド・ハイマン:観た瞬間にその場所が無重力だと思う空間を作り出す為にはどんな技術が必要なのか? 映画を作りはじめた当初、私たちにはそれが分からなかったんです。冒頭13分という長まわしのシーンで、どの様に無重力空間を作り出すか。この映画って本当にたくさんの事をコンピューターの中で作り出したんですね。映画作りをしている間はほとんど太陽の光を見ることも無く、室内にこもっていました。

    無重力空間を表現する為に、動かさないといけないのは俳優では無くてカメラだという事に気付くまでが大変でした。サンドラ・ブロックを逆さまにしたら、重力で顔や髪が下に行ってしまうわけですから。皆さんが観た映像の中で本物はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの顔だけなんです。その他は全てコンピューターで作っています。

    ――――スティーブン・スピルバーグ監督とジェイムス・キャメロン監督も本作に嫉妬したというコメントをしていますね。

    デヴィッド・ハイマン:スピルバーグ監督とも、キャメロン監督とも話しましたが「一体どうやってこの映像を撮ったんだ!」と驚かれましたね。彼らや、デヴィット・フィンチャー監督、ギレルモ・デル・トロ監督は自分達が映画で身につけた知識や技術を皆に共有してくれる偉大な人々です。ですから『ゼロ・グラビティ』での知識や技術も共有して、今後の映画の発展の為に役立てていければと思います。

    ――――本当に本当に素晴らしい映画でした。どうもありがとうございました。

    「ゼロ・グラビティ」本ポスター

    【ストーリー】 君は生きて帰れ。“必ず生還する”と誓うんだ――。

    地表から60万メートル上空。すべてが完璧な世界。そこで、誰もが予測しなかった突発事故が発生。スペース・シャトルは大破し、船外でミッション遂行中のメディカル・エンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)と、ベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)は、宇宙の無重力空間=ゼロ・グラビティに突如放り出されてしまう。漆黒の闇で二人をつなぐのは、たった一本のロープのみ。他の乗組員は全員死亡。NASAとの交信も断たれ、残った酸素はあとわずか。次々と襲いかかる危機を突破し、果たして地球に無事生還することができるのか…!?

    http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/

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