今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■道を知らないタクシードライバー?
タクシーに乗ると運転手が道順を聞くのは不勉強でけしからんという話があるようだ。まあ、俺も鬱陶しくはあるけどねぇ。でも仕方ないんじゃ。
「いつもと違う道だ」と怒る客がいると思うんだよね。そして「いつもより料金がかかった」とか「いつもより時間がかかった」とか。料金が安い道と短時間で目的地に着く道は必ずしも一致しない。またたまたま道路が混んでいただけなのに「いつもと違う道だったから(料金が高かった・時間がかかった)」と怒る客もいるだろう。
つまり運転手にとってはその客にとっての「いつもの道」を通るのが一番リスクが低い。だからいつも通ってる道を聞くのだと思うのだよね。
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また必ずしも客がいう目的地が正しくないこともあるだろう。どこかの出張で「○○ホテルへ」と言えばわかります、と言われて、実際そう言ったら目的のホテルに着いたのだけど、そのホテルの名前は○○ホテルじゃないんだよね(苦笑)。ずっと疑問だったのだが、ある時謎が解けた。そのホテルの1階のレストランの名前が○○。なのにみんな「○○ホテル」と呼んでいて、タクシーの運転手もちゃんとそのホテルに連れてってくれる。
当然、逆もあるだろう。オーストリアとオーストラリアみたいに。「自分は間違ったことなどない」というかもしれないが、客が間違ってるかどうかは運転手にはわからないわけで、確認のために情報量を増やすしかない。○○ホテルの件もそういう慣例(?)を知らない他所から最近来たタクシーの運転手は戸惑うだろうし。
本当に道がわからないケースもあるとは思う。俺も分からないし運転手もわからなくて、結局運転手が無線で自分の会社に尋ねていた。本気で調べれば調べられるけど、客に聞けば答えが得られるならその方が早いということだろう。仕方ないと思うんだよね。だれでも最初は初心者なんだし、別なところから最近こっちに移ってきたのかもしれないし。
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マンガ「さよならタマちゃん」でも、一生懸命だけど不慣れな研修医が描かれてるよね。点滴や採血が下手で、患者に「俺の腕を穴だらけにするのか!」と文句を言われる研修医。あと手術の時に脊髄に麻酔の注射をするのだが、下手で「イタタタ」と。すると医者が「すみません、はじめてなもんで」と。んで「なぬ~」と。
病院といえば、間違いを防ぐために患者にフルネームを言わせたりする。「いや、あなたさっき俺の名前を呼んだじゃないか」と(笑)。でもやっぱ万が一のミスも防ぐためには、そういうことが必要なのだろう。そういえば番号で呼ばれて激怒した政治家の先生もいたな(あれはあれで本人が自殺してしまったのはやるせない)。
誰でもベテランに対応してもらいたいのは同じ。でも一方で誰でも最初は初心者なわけで、成長してもらうことを期待しつつ耐えるしかないんじゃなかろうか。それこそ高齢者がそういう練習台になればいいと思う。社会への最後の貢献。
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「自分にはベテランの医者・タクシー運転手をつけろ!」というのは、わがままだよね…。なんか最近誰も彼もが完璧な接客(?)を求めすぎ。ちょっとしたことで不愉快になり憤る。まあ不愉快になるのは仕方ないが、そういう一時の個人的感情をあたかも社会問題にすり替え、正当化しようとするのはいかがなものか。社会から不愉快なことをひとつ残らずなくそうとでも思ってんですかね。
もし医者のやることはよくわからなくても黙って従うけど、タクシーの運転手には「こうすればいいじゃないか」と文句をいうとなると、やっぱタクシーの運転手を下に見てるってことだと思うんだよね。自分は医者はできないけど、タクシーの運転手ぐらいならやろうと思えばできるみたいな。自分の仕事を考えて見ればわかるだろうけど、どの仕事も外からは見えない苦労があると思うんだけどね…。
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年12月19日時点のものです。
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