若者だからパソコンができると思うなよ

今回はそーきさんのブログ『(´・ω・`)まったりいこうぜ』からご寄稿いただきました。

※この記事は2013年01月18日に書かれたものです。

■若者だからパソコンができると思うなよ
と少しいつもと違った感じの内容で。先日Twitterでこういうのが回ってきたので、前々から思っていたこととか書いてみようと思います。

あきお@拡張現実ライフ@akio0911

タブレットの普及で、入社時にまともにキーボードを打てない新入社員が増える気がする

2013年01月17日

https://twitter.com/akio0911/statuses/291845950278860800

すでにそういう現象になっていると思っています。5年ほど前に非常勤で専門学校で教えた時ですが、その時でもキーボードで文字を入力できない、または非常に遅い学生がいました。サンプルは少ないのですが、周りにいる大学生にも使い慣れていない人が多かった印象があります。

タブレットの普及と言及されていますが、現段階では携帯電話の普及が大きな理由だと自分は考えています。「一家に一台PCがある」時代ですが、それ以上に「一人一台携帯電話を持っている」時代です(2台以上持っている人もいますが)。大学生・専門学校生までで考えた場合、使用頻度はPCよりも携帯電話でしょう。少し前でサンプルは偏っていると思いますが、こういう結果もあります。

「自分専用の携帯電話の所有率は、高校生以上で93%!」 2007年12月26日 『Benesse(ベネッセ)教育情報サイト』

http://benesse.jp/blog/20071226/p1.html

話は少し変わり。以前働いていた時から少し思っていたことがありまして、それは「若いからパソコンできるよね?これやっておいて』という中高年が少なからずいるということです。暴論だと思うのですが、周りではよく見聞きしていました。

若い人はPCができる理由は推測ですがこういうものではないでしょうか。

・ 学校でパソコンを使う授業も増えているから使えるでしょ
・ 家にもパソコンがあるから
・ 生まれた時からパソコンがあるんだから

これ以上にもありそうですが、自分が思いついたのはこれぐらいです。他に何かあれば聞きたいところです。

パソコンを使う授業が増えている、というのは事実です。教育の情報化の下に学校へのPC導入が進んでいます。ネット回線も引かれています。電子黒板やタブレットを使った授業も行われています。しかし一部です。そしてハードの面であり、ソフト面―利用した授業の内容、教員のスキル―は一概には言い切れません。設備が揃っていても授業に使わないこともあるでしょう。授業でしたんだったらできるだろ、という方は是非とも一度高校受験の問題集を手にとってください。中学校レベルですか当然できますよね。

余談になりますが、教育の情報化については文科省にページがあります。

「教育の情報化の推進」 『文部科学省』

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/main18_a2.htm

『教科指導におけるICT活用とは、教科の目標を達成するために教員や児童生徒がICTを活用することである』というのは手引きの冒頭にある文言です。

また、今まで実業系で実施されていた情報の授業は2003年より普通科高校で『共通教科「情報」』が始まりました。

「情報 (教科)」 『Wikipedia』

http://ja.wikipedia.org/wiki/情報_(教科)

よく誤解されますがこの教科の目的は以下のものです。

『情報及び情報技術を活用するための知識と技能を習得させ、情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに、社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。』

PCの操作技術よりもデマに惑わされないためにはどうしたら良いか、という情報の扱い方を学ぶことが重要視されています。

家にPCがあるのは上記で十分でしょう。それから自宅のPCでしていることと、職場でしていることを比較すると使用するスキルは異なります。自宅で動画編集とかゲームをするスキルは、Wordで文書を作ったりExcelで方眼紙作ってというスキルとは別物です。

生まれた時からあるとは言え、色々と過渡期でした。PCで言えばWindowsが出たのは1995年、今から18年前です。その時代、ネットはテレホーダイの時代でした。こうした過渡期は使う人はどんどん先に進み、使わない人はどんどん置いて行かれる時代でもあります。できる人はできる、できない人は本当にできないと差が広まったのが現状ではないでしょうか。

こう書くと若い人たちはPCができないという話になってしまうので少し補足をします。

1つ例を挙げましょう。言うまでもなくフィクションですよ。

職場では今まで手書きで資料を作っていました。しかし職場でPCを購入しました。これで書類を作れば楽だろうと。しかし手書きのように上手く作れない。しかし折角あるのだから使わないと損だ。そうした時に若手が入社。若いからパソコンぐらいできるだろうと『これ、ワードで作っておいて』と書類作成を頼みました。『元の形式の通りに作ってね』と手書きの資料を渡される。性別、生年月日は○で囲う形式。そうして作ったら今度は『それに入力して管理しよう』となった。性別は○で囲うのでいちいちオートシェイプを出して、それから一人一ファイルになって……デスクトップに増えるファイル。起動するのに時間がかかる。作ったのは良いが上の世代の人達はできないので若手に『入力しておいて』と仕事を振る。作った若手が諸事情で退職して、次に入ってきた人がそれを使おうとしたら凄まじいことになっていた。

フィクションですよ?これで「あるある」という方がいらっしゃればお仕事お疲れ様です。

あまり知られていませんが、PCにはPCで入力しやすい文書の形式があり、手書きは手書きで入力しやすい文書の形式があります。「今まで手書きの形式に慣れているのでそのとおりにPCで作って」というのは非常に労力がかかります。それに若手はできるだろうという思い込みが重なれば完全な無茶振りです。せめてそこについて議論の余地があれば随分と違うのでしょうが、そう上手くいかないのが現状でしょう。

仕事なんだからしろよ、という人の意見も分かるつもりです。できないからという理由で突っぱねるのはよくないことでしょう。ただできないと言えない、または自分ができないから「若いからできるだろう」という勝手な思い込みで仕事を投げるのはそれとは違うのではないかと。自分は無能だと言っているようなものではないでしょうか。

こうしてブログを読んでいる人は恐らくある程度PCについての知識があり、理解もあると思っています。そして一番読んで欲しい人には読んでもらえないというこの現実です。デジタル・ディバイドってこういうことを言うかなぁと思ったりします。

愚痴のようになったり、資料が不足している面もありましたが。長々と考えたのに、結局こんな駄文になってしまいました。

最後に。PCができないと思っているのにできると思われて仕事投げられている方。無理しすぎないように。体を壊しては元も子もありませんからね。どうしてもできない場合は業務上の情報漏えいにならない程度にできる人に相談するのも手だと思いますよ。

執筆: この記事はそーきさんのブログ『(´・ω・`)まったりいこうぜ』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年02月28日時点のものです。

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