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佐村河内守の謝罪会見 とんだ茶番劇だった
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佐村河内守の謝罪会見 とんだ茶番劇だった

2014-03-08 13:30

    世間は佐村河内守氏の謝罪会見ネタで盛り上がっているようだ。遅まきながら、ようやく会見全体を見終えた。ずいぶんくだらないことに2時間半も費やしてしまった。

    あらかじめ断っておくが、多くの関係者を騙し、聴覚障害者に肩身の狭い思いをさせ、社会保障制度を悪用した佐村河内氏を擁護する気は毛頭ない。ただ、このウソツキを叩くことに終始し、当事者でもないのに謝罪を強要するかのようなマスコミの報道姿勢はいかがなものか。佐村河内氏と質問者の“ボケ・ツッコミ”に反応してせせら笑いしていた会場の記者たちに対し、薄ら寒さを覚えたのは筆者だけではあるまい。

    佐村河内氏の主張には、他の関係者の証言と食い違うところが多々あったり、記者の質問に対して“逆ギレ”してみせたりなど、この期に及んでさらにウソを重ね居直りするつもりにしか見えない場面があったことは否めず、謝罪会見に相応しい態度だったとは言い難い。

    しかし、そもそもこのウソツキを「現代のベートーベン」などと持ち上げていたのは一体誰なのか。あるいは、せいぜい十数万人の、権威に弱いクラシック音楽ファンの間でしか知られていなかったこのウソツキのウソが明らかになるまで傍観していながら、謝罪会見となった途端、200人以上で取り囲んで断罪し、嘲笑を浴びせ、トップニュースに仕立てあげようとする姿勢は何なのか。正義ぶってはいるが、安全圏から集団で弱い者いじめを楽しんでいるようにしか見えない。

    今後、このようなウソツキが出てこないようにするという意味では、徹底的に叩いておくことにもいくらかの意義はあるだろう。だが、それで聴覚障害者への理解が深まるわけではなく、義手の少女バイオリニストの心の傷が癒やされるわけでもない。まだそっとしておいたほうがいくらかマシというものだ。騒動の当事者たちの目には、今回の謝罪会見は茶番にしか映らなかったのではないだろうか。

    恐ろしいのはこの会見で“ボケ・ツッコミ”している場面が面白おかしく取り上げられ、聴覚障害者への偏見が強まってしまうことだ。「被爆二世」「全聾の作曲家」のような情緒的な設定に飛びついて詐欺の片棒を担いだマスコミの間から自省的な検証報道が出てこなければ、また第二、第三の佐村河内氏が作り上げられるだけだ。

    画像:FNNnewsCHより引用

    動画:(全録)佐村河内 守氏、騒動後初会見(1/4)(YouTube)

    https://www.youtube.com/watch?v=PlDlg4IZwAs&list=UUoQBJMzcwmXrRSHBFAlTsIw

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