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オーストリアのヴァルター湖畔のライフニッツという街で、フォルクスワーゲンのファンイベント『ヴェルターゼ』が5月末に開催された。今年で33回目の開催を迎えたこのイベントは、元々は”ゴルフGTI”のオーナー向けに始まったイベントだが、今ではフォルクスワーゲングループが全面バックアップしており、なんと毎年20万人が来場。さながら野外ロックフェスの様な賑わいを見せる一大イベントである。

単に”走り屋”の為のイベントではなく、美しい自然の中でフォルクスワーゲンを愛するヨーロッパの人々が集い、それぞれのライフスタイルに合わせて楽しむイベントでもあるといった点が何よりも特徴的である。一言で「カスタム」といっても見た目にこだわるユーザーや、「音」を追求するユーザーなど、その嗜好は様々である。また、色とりどりの”ゴルフたち”をただ眺めるユーザーや、お酒を飲みながら大騒ぎしにきたユーザーもおり、会場はまさしくライフスタイルそのものを具現化していた。

■世界自動車業界の傑物”フェルディナンド・ピエヒ氏”が名誉市民賞を受賞

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今回の『ヴェルターゼ』には、フォルクスワーゲングループの監査役会会長フェルディナンド・ピエヒ氏をはじめ、フォルクスワーゲングループの重役が多数来場しており、プレスカンファレンスでは、ピエヒ氏に『ヴェルターゼ』開催地であるマリア地域への多大な貢献を称え「名誉市民賞」が贈られた。

フェルディナンド・ピエヒ
ポルシェ社、アウディ社に勤めた後、フォルクスワーゲン社の取締役会会長を経て、現フォルクスワーゲン監査役会会長。
ポルシェ博士の孫として知られ、往年は優れたエンジニア・経営者として活躍。世界における自動車業界の重鎮中の重鎮であり、日本野球界で例えると、あの人。

■2台のコンセプトカーが登場! どちらも化け物すぎるだろ・・・・・・

プレスカンファレンスの目玉として、日本が世界に誇るプレイステーション用ゲームソフト「グランツーリスモ」のために用意された特別モデル『GTI ロードスター ビジョン グランツーリスモ』と『ゴルフR400』がお披露目。

●GTI ロードスター ビジョン グランツーリスモ

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プレイステーション3用ゲームソフト「グランツーリスモ6」とのコラボプロジェクトとして生み出されたこの車、発表されたばかりであったが今回の『ヴェルターゼ』で世界初お披露目!この車を見るため、「グランツーリスモ」シリーズのプロデューサーである"山内一典"さんも日本から来ていた。インタビューをすることができたので、気になる方はぜひ下記参考記事を見て欲しい。

参考記事
■【ヴェルターゼ byフォルクスワーゲン】『グランツーリスモ』コラボ車両世界初お披露目! 山内一典さんインタビュー
http://getnews.jp/archives/589185

●ゴルフ R 400

R400

北京モーターショーで初お披露目された、正真正銘の史上最凶のゴルフ。フォルクスワーゲンの高性能スポーツカーブランド”R GmbH社"によって開発され、WRCで活躍する「Polo WRC」で培ったエンジンの開発ノウハウを元に、2.0リッターTSIエンジンをチューンナップし搭載している。0-100m加速は3.9秒、最高速は280km/hという凶悪なスペックである(メーカー公称値)。

どちらも特別感の溢れるコンセプトカーだが、「グランツーリスモ」とコラボして生み出された『GTI ロードスター』は、やはり日本人として微妙に嬉しさを感じる。そして『ゴルフR400』は、見た目からしてそのまま生産されそうな雰囲気である。筆者個人的には、「ノーマルっぽいルックスだけど速い」というのは一種の美学でもあり、それをメーカーがやってのけるという所に、最大のロマンとギャグを感じる。生産を公言されてはいないものの、いざ発売となったらドイツにはアウトバーン以外、どこで走るんだ!?

■ワーゲンの職業訓練生による力作も展示
ワーゲンの工場でトレーニングを受けた職業訓練生によるコンセプトモデルも紹介された。

●ゴルフ GTI ウォルフスブルク エディション

ウォルフスブルク

1974年に生産された初代ゴルフ誕生40周年にちなみ、ウォルフスブルク工場でトレーニングを受けた18歳から23歳の職業訓練生たちにより制作され、スポーティな2ドアモデルをベースとし、”アブソリュートレッド”にペイントされている。

ハイエンドなオーディオシステムに加え、24インチテレビやプレイステーションを搭載。さらにカーボン製のエアクリや手溶接ステンレスのエキゾーストも装着しており、まさに若者らしいこだわりが感じられる一台だ。

●ゴルフ ヴァリアント ヤングスター 5000

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ツヴィッカウ工場の職業訓練生により制作されたモデルがこちら。「ヤングスター 5000」という名前は、搭載されているスピーカーの出力が5000wであることに由来する。”5000w”というと、ライブハウスなどにあるような、体中にドコドコ振動が伝わってくるような代物で、そんなモノを車に積んでしまおうという発想がなんとも海外チック。ちなみに日本の一般家庭は1500wである。。

この車には専用のアプリが用意され、電子制御ダンパーや上述したスピーカーシステムをスマホから操作することが出来る。

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■街中がイベント会場! 『ヴェルターゼ』の信じられないスケール

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日本でモーターショーやモーターイベントというと、イベントホールやサーキットを貸し切って行われることが多いが、この『ヴェルターゼ』は街全体が会場なのである。筆者も昔から車が好きで、大小様々な車コミュニティを見てきたが、この規模は初めて見た、いや、正確には予想も出来なかった。もうどこを見てもゴルフ!ゴルフ!ゴルフ!宿泊しているホテルの部屋にも、夜な夜なエキゾースト音が聞こえてきていたほどである。

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たくさんのユーザーが思い思いにカスタムした車を持ち寄り、車が好きでたまらない若者から、一族でワーゲンを乗り継いでいるご家族まで、幅広い層がヨーロッパ中からこの街に集まってきていた。あまりに多くの車が集まるため道路は常に渋滞しているが、そこで激怒しているような人は一人もおらず、むしろ愛車を自慢する絶好の機会とばかりに、向けられるカメラに向かって笑顔を見せていた。『ヴェルターゼ』では渋滞までもが会場になってしまうのだ。唯一不満げな表情を浮かべていたのはシャトルバスの運転手さんだが、若者の圧倒的エネルギーに押され気味であった。

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ユニークだったのは、会場ではお酒も販売していたことで(むしろメインのような雰囲気さえあったが)、BARには人々が押し寄せるように集まり、浴びるようにお酒を飲みながら思い思いのゴルフ愛を語り合っていた。若者の集団に話しかけてみると、「オー!TOKYO!オー!ドリフト!」と、わけの分からないままウォッカを一気飲みさせていただいたが、彼らが車が好きでたまらないことは一瞬で伝わってきた。雰囲気が誌面上で伝わりづらいことが残念でならないが、ワールドカップ時の渋谷を想像すると良いだろう。

※ドイツでは、日本と比べて飲酒運転を取り締まる法律が緩く、ビール1杯程度では違法と判断されないそうだ。

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日本でもフォルクスワーゲンフェスに代表される自動車メーカーによるファン感謝イベントが開催されているが、ヨーロッパ中から車好き(車バカ)が集結する『ヴェルターゼ』はまさしく祭典と呼ぶに相応しい。日本にもワーゲンファンは多数居るものの、なかなか一堂に会する機会は少ない。オーストリアで開催されるため気軽に行けるわけではないが、来場していた山内一典さんの言葉を借りるのであれば、ぜひとも”聖地巡礼”してほしい。

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kuma-

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