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声優のギャラについて考えてみよう~その4(たかみゆきひさ)
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声優のギャラについて考えてみよう~その4(たかみゆきひさ)

2014-06-16 16:30
    声優のギャラについて考えてみよう~その4(たかみゆきひさ)

    今回はたかみゆきひささんのブログ『shadowcube』からご寄稿いただきました。

    ■声優のギャラについて考えてみよう~その4(たかみゆきひさ)
    【これから声優を目指す人、また、目指してる人向けのブログシリーズ】

    さて、声優を目指してる人にとってたまにはこういうことを考えて欲しいということで、TVアニメで食って行くことに焦点を当てて、ここ数日ギャラの話を書いてますよ。

    たまに個人的な意見も書いてますが、基本的には一般論として書いています。

    うちの事務所ではどうとかそういうことではないので、あしからず。

    また、うちは世間的には声優事務所という認識がありますが、母体は制作会社であり、声優はその中の一部門です。

    なので、制作側とプロダクション側の両面から見た形として、そして声優は今後のアニメ業界の発展にもっともっと寄与すべきという思いもありつつ書いてます。

    さて、これまででわかったことはTVアニメのアフレコだけで食っていくのは厳しい!ということです。

    なので、TVアニメに付随するイベント出演やラジオ出演、その他いろんなことをやっていかないと…ってことになります。

    近年は殆どのアニメで出演声優によるイベントやラジオへの出演、OPまたはED、キャラソンなどの歌唱などがありますよね。

    でもそれらをできるのは殆どの場合、メインの声優のみです。

    ですから、メインの役になれない声優さんは他の仕事(ナレーションや外画その他)をして食いつないでいかなければなりません。

    ということで本題

    いまや声優が歌ったり踊ったりというのは当たり前の時代になってきました。

    10代の若い世代の声優も増えましたね。

    声優がタレント化してアイドル歌手のような状態であるとも言えます。

    今までの時代の流れをみると、これはなるべくしてなった状態であると思います。

    これまで裏方であった声優に付加価値をつけていった方がマーケットとしては広がります。

    時代がそれを望んだ流れでもあるでしょう。

    そうでなければ、これだけアイドルアニメが人気になり、声優のユニットがたくさんでてくることもありません。

    いずれにしてもこの「付加価値のついた声優」というものが生まれ、そして世の中に認知されたお陰で「そういった声優」は通常の声優よりももらえるギャラが増えました。

    これはある意味喜ばしいことだと思います。

    アニメ業界でも色々なビジネスチャンスが生まれました。

    これも業界の活性化にはよかったのではないでしょうか。

    とは言え、そこには当然しわ寄せもあります。

    さて、それはどんなしわ寄せでしょうか。

    デビューしている声優はそもそも色々な意味で「自立した大人である」ことが前提(実際大人かどうかは別)です。

    ところが近年、未成年の声優がかなり増えてきました。

    これはどういうことかというと年齢的にも「心身共に大人ではない声優」が増えてきたということです。

    そして、声優がタレント化してきたことにより、様々なことが増えてきました。

    これによって起きたのは次の事態…

    マネージャーのやるべき仕事が増えた!

    です。

    なんだそんなことかと思うかも知れませんが、これは結構重大です。

    未成年の場合、ある程度マネージャーが面倒を見なければいけません。

    未成年なら親が面倒見ろよ、っていうひともいるかもしれませんが、親御さんはマネージメントのプロではありません。

    アイドル化していることもあってある程度守らなければならないことも増えてきます。

    独特の専門スキルも必要です。

    そんなの事務所が責任もって面倒見るのが当たり前だろ!と言われるかも知れませんが、それは一般芸能事務所にあてはまる論理であって、声優業界の論理にはあてはまりません。

    また、現実的にマネージャーの絶対数で考えると、全員を見られるとは限りません。

    タレントが未成熟なのでマネージャーが面倒を見なければならないことは結構たくさんあるのです。

    10代はいろいろ手間がかかるものなのです。

    「声優とは大人として自立しているもの」
    という前提が通じなくなって来ているのです。

    これらは所謂アイドルをマネージメントしている一般芸能事務所では極めて普通のことなのですが、声優業界ではマネージャーが現場につかないのが普通、台本取りに行くのも声優本人だったりします。

    それぞれの業界のマネージメントに対する概念は実は根底で違います。

    ネットなどを見ているとそこがなかなか認識されないまま議論されていることが多いです。

    そんなことで、時代の流れをわかっているマネージャーさんには芸能のマネージメントのやり方を採り入れるべきと考えてらっしゃる方もいて、時々意見交換をしたりしてます。

    うちの場合は芸能界のマネージメントと声優業界のマネージメントのハイブリッドでやってきています。

    かつて某ラジオで「スタイルキューブはタレントに甘い」(笑)と言われたのも、尤もだと思います。

    芸能界のやりかたでマネージメントをしてると声優に対して過保護という印象になると思います。

    あの当時はですが。

    最近の動向を見ると、現在はそんなことは言えないような状況になってきているかなーと思います。

    ここ近年でもだいぶそのあたりは変わってきたんじゃないかな。

    でもね、芸能のマネージメントをちゃんとやろうとするとマネージャーの仕事が今に比べてものすごーく増えてしまうんですよ…

    大丈夫か!? って心配になります。

    さて、声優に手間がかかる分 事務所は人件費がかさんできます。

    そうなると問題になってくるのは所属声優と事務所の取り分の比率です。

    そんなことでこれから声優を目指す君たちが考えておかなければならないポイントはギャラの取り分の比率と自分を見てくれるマネージャーの人数です。

    マネージャーが自分に対して何をしてくれているか、きちんと認識する目を持たなければいけません。

    マネージャーの仕事というのはタレントからはよくわからない事が多いものです。

    でも、見えないところであなたのためにいろいろな事をしてくれるはず。

    そういうことをきちんと知っておきましょう。

    そして、その上で自分のギャラの取り分は適性かどうかきちんと認識しましょう。

    ちなみにマネージャーはあなたが全然稼げていない時代にもきちんと面倒をみてくれることがあります。

    そういうことがある場合はすべて事務所があなたに対して行ってくれている先行投資です。

    きちんと自分に投資してもらった分を返すつもりで仕事に励みましょう。

    さて、次回は若い声優が直面する「アレ」!いってみたいと思います。

    関連記事:

    「声優のギャラについて考えてみよう~その1」 2014年06月13日 『ガジェット通信』

    http://getnews.jp/archives/597894

    「声優のギャラについて考えてみよう~その2」 2014年06月14日 『ガジェット通信』

    http://getnews.jp/archives/597924

    「声優のギャラについて考えてみよう~その3」 2014年06月15日 『ガジェット通信』

    http://getnews.jp/archives/597956

    執筆:この記事はたかみゆきひささんのブログ『shadowcube』からご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年06月13日時点のものです。

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