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『ホットロード』三木孝浩監督インタビュー「原作ファンの女性に“ちゃんとやってよね”と言われました」
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『ホットロード』三木孝浩監督インタビュー「原作ファンの女性に“ちゃんとやってよね”と言われました」

2014-08-15 09:30
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    「別冊マーガレット」(集英社刊)で1986~87年に連載され、単行本は全4巻で累計発行部数700万部を突破、今もなお熱狂的なファンが多い、紡木たく先生の「ホットロード」。能年玲奈さんと三代目J Soul Brothersの登坂広臣さんの2人を迎え、『ソラニン』『僕等がいた』の三木孝浩監督が実写映画化した『ホットロード』が8月16日より公開となります。

    三木監督らしい丁寧な演出と、透明感あふれる映像で紡ぐ若者の葛藤と成長、そして恋愛。湘南の海、不良チーム「Nights」、尾崎豊さんの名曲「OH MY LITTLE GIRL」、全てが触れたら壊れてしまいそうな繊細な美しさにあふれています。今回は三木監督に作品へのこだわりや、2人の印象など色々とお話を伺ってきました。

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    ――『ホットロード』拝見して、私はジャスト世代では無いのですが、その普遍的なストーリーに涙してしまいました。監督は当時原作を読んでいたのでしょうか?

    三木監督:原作が連載していた頃、僕はほぼ同世代なので女子たちが熱狂していた事をとてもよく覚えています。今回実写映画化のお話をいただいた時に読んだのですが、恋愛ストーリーなのに、お互いが反発したり、ぶつかり合っている所がすごく良いなと思って。春山は不良チームに属していてヤンチャではあるし、和希も親に反抗しているけど、とても純粋な心を持っていて、そんな人物描写に惹かれました。

    ――今もこれだけ熱狂的なファンがいる原作を映画化するというのは、相当なプレッシャーだったのでは無いでしょうか?

    三木監督:僕が監督をやると発表された瞬間、同世代の女性陣から連絡がたくさん来ましたね。「ホットロード映画化するの!?」「ちゃんとやってよね!」って(笑)。他の作品では言われた事が無かったので、それだけすごい作品なんだなと思います。

    ――『ソラニン』や『僕等がいた』といった、青春物語を描く事に定評がある三木監督ならではの映像美と時間の流れ方でした。

    三木監督:逆に青春物、恋愛物を多くやってきたからこそのプレッシャーはありましたね。例えば「三木が撮るの?えーっ!」って言う反応だったら、「やってやるよ」って思えるのですが(笑)、これまで作ってきた青春物語とは絶対に違う物にしないといけないし。僕は青春映画、恋愛映画にこだわっているワケでは無いのですが、10代の曖昧な感情や、自分の感情に無自覚な世代を撮りたいと思っているので、そういった意味でピッタリの題材だったと思います。

    ――特に登坂さんは演技初挑戦という、プレッシャーを感じさせない見事なたたずまいでしたね。

    三木監督:そうですね。お芝居の経験は無いといっても、アーティストとしてステージに立っている方なので、自分がどう見えているかという勘が良かったです。歌を歌っている方なので、声も良くてリズム感があるので、僕が言ったことに対しての反応がすごくはやくて。何より度胸がある。ファンがたくさんいる原作で、映画初出演なのに……、ってものすごいプレッシャーだったと思いますが、ビシっと引き受ける。その心意気だけでも格好良いですよね。

    ――その他、本作で特にこだわったポイントを教えていただけますか。

    三木監督:撮影する場所ですね。撮影前、ロケハンする前に、紡木先生が実際に湘南を歩いて「ここが出逢った場所です」とか「喧嘩のシーンはここです」とか説明をしてくださって。藤沢フィルムコミッションの方にもたくさん協力していただいて、先生が思っていた通りの場所で撮影出来たので満足しています。

    ――湘南の海に沈んで行く夕日、空の色が美しくて切なくなりました。

    三木監督:セリフで伝える作品では無いと思ったんですよね。10代の、自分の事すらちゃんと分かっていない曖昧な心情や感情を、夕日が沈んでいく昼と夜の中間の曖昧な時間で表現出来たらと考えたり。

    ――そして、エンディングの「OH MY LITTLE GIRL」。個人的に、あそこで感動しない人はおかしい! とすら思ってしまいます(笑)。

    三木監督:この作品の主題歌は尾崎豊さんの曲しか考えられないですよね。僕の中で尾崎さんと春山が重なったんです。僕も尾崎さんが好きでよくライブDVDなどを観るのですが、基本的にクールなのにMC中にふっと笑う瞬間とかがあって。その、時折見せる表情にゾクっと来るというか、その柔らかさが春山に近いなと。

    ――尾崎さんの曲も「ホットロード」も、時代を越えても心に染みるパワーがありますよね。

    三木監督:そうですね。携帯やインターネットが無い、コミュニケーションが取りづらい時代だからこその感情の育み方。2人の感情のぶつかり合いは、今の若者世代にもきっと響くものがあると信じています。

    ――今日はどうもありがとうございました!

    『ホットロード』ストーリー
    望まれて生まれてきたわけではないと知り、心を痛める和希は、転校生のえりに誘われて行った夜の湘南で不良チーム「Nights(ナイツ)」の春山に出会い、不良の世界に居場所を求めるようになる。次第に春山への思いを募らせていく和希だったが、Nightsのリーダーとなった春山は敵対するチームとの抗争に巻き込まれていく。

    http://www.hotroad-movie.jp/

    (C)2014『ホットロード』製作委員会  (C)紡木たく/集英社

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