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産経新聞10月6日「女性宮家」記事が裏付けた「世紀の大誤報」
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産経新聞10月6日「女性宮家」記事が裏付けた「世紀の大誤報」

2012-10-08 10:44
    by 高森明勅
    /

    産経新聞は、10月4日付の「世紀の大誤報」よりも、
    むしろ6日付の紙面によって一層、信頼を失墜した。
    
    メディアと言えども所詮、人間のやることだ。
    
    完全無欠なんてあり得ない。
    
    だから、時には誤報も避けられないだろう。
    
    確かに今回の産経新聞の誤報は、
    たちが悪いし、事柄の性格上、余りにも重大だった。
    
    だが、逆にそうだからこそ、
    事後の対処の仕方が大切だ。
    
    大きな過ちだったけれども、
    産経新聞が、皇室典範改正にからむ自社の政治的な思惑も越えて、
    誠実に、率直に非を認め、謝罪して、記事を訂正すれば、
    それはむしろ評価に値することだったはずだ。
    
    しかし残念ながら、6日の記事は完全に開き直ったものだった。
    「政府は…提出を断念する方針を固めているが、
    (政府の方針を公式に伝える)
    藤村氏は『必要ならば提出する』と述べた」という、
    苦し紛れの捩れ切った文章まで、飛び出した。
    
    だが、「断念する方針」がもし事実なら、
    産経新聞は6日に、何故あれほどの紙面を割いたのか。
    
    1面の半分を占めるトップ記事、
    2面の「主張」、
    5面「女性宮家に関する論点整理の要旨」、
    21面3段を使った記事。
    
    じつに盛り沢山だ。
    
    そもそも、既に政府が「断念」した典範改正案に対して、
    わざわざ社説で批判する必要がどこにあるのか。
    
    「主張」では
    「女系天皇に繋がる懸念は依然、消えていない」と、
    心配している。
    
    側室不在の状況下、
    男系限定は皇室の存続を不可能にするのだから、
    まことに馬鹿げた「懸念」だ。
    
    だが、そんなことより、
    政府が「皇室典範改正を断念」(4日トップ記事の見出し)
    したのに、何故「懸念は依然、消えていない」のか。
    
    実に不思議だ。
    
    1面の「論点整理」にケチをつけた記事も、
    既に「断念」されたプランなら、
    こんなゴタクを並べるには及ぶまい(中身も見当外れだが)。
    
    6日の紙面そのものが、「世紀の大誤報」を裏付けている。
     
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