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フリーランスの哲学者・内山節さんが、いまから10年近く前、こんなことを語っていた。
「私はこれからは、農業にかぎらず、どんな分野でも、商品を半商品に変えていく関係づくりをしていったほうが面白いと思っています。そのことによっ て、暴力的な力を持っている今日の市場経済を、内部から空洞化させていくことができたら、私たちは今日の市場経済の支配から大分自由になることができるでしょう」(1998年「農村文化運動148」)
内山さんは、「半商品」の概念を、1992年に92歳で亡くなった明治生まれの経済社会学者・渡植彦太郎氏に教えられたという。
「彼は私と会うと、よくこう言っておりました。『明治の人間は、町に半商品が沢山あった時代を知っている。それが明治の人間の強みだ』と」
「半商品」とは、商品として流通はしているが、それをつくる過程や生産者と消費者との関係では、「よりよいものをより安く」というよう
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