3月13日曇り。取材班が到着したのは12時40分で、受け取った整理番号は「93」。少し遅れてきたスタッフの番号は「137」。今日は陸山会事件の控訴審判決の日とあって、多くの人が傍聴券を求めて並んだ。最終的に、一般傍聴者に割り当てられる約60席に対し、最終的な傍聴希望者は約170名だった。
13:00、抽選開始。なんと2人ともハズレだったが、関係者のご好意で入廷。東京高等裁判所からいよいよ控訴審の判決が下る。
東京高等裁判所102号法廷。13時半開廷。飯田喜信裁判長が被告3人の名前を呼び、裁判長に向かって右から池田被告、石川被告、大久保被告が横に並んだ。そして…
「控訴を棄却する」
飯田裁判長から主文が言い渡されると、出入り口付近の報道記者席は勢いよく部屋を飛び出した。傍聴席からは裁判官に向かって罵声があびせられた。
「判決を読み上げが終わるのは15時半すぎになりますので」と3人に座るように勧めた。裁判長が読み上げた判決の要旨は以下のとおり。
1,10月15日、水谷建設からの裏金
一審判決の認定に誤りはない。一審判決は、岩手県の胆沢ダム工事受注に関し、石川議員が
2004年10月に水谷建設の川村元社長から5000万円を受領したと認定した。「小沢事務所の裏金として受領しており、小沢氏から4億円を借入れたことや土地購入が同時期なので陸山会事件との関連性を肯定できる」(飯田裁判長)
※補足 今回の控訴審では検察が作成した調書や証言を覆す証拠が採用されず、15日に裏金を受け取った一審の証拠が残った。石川氏は今回の控訴審に向けて、金銭の授受があったとされる10月15日の行動を証明する情報を徹底的に集めていた(後半のインタビュー参照)。
2,虚偽記載の故意
一審判決では、石川議員が小沢氏からの4億円を分散入金して目立たなくしたこと、04年分の政治資金収支報告書で4億円の存在を隠そうとしていたことを指摘していた。「あえて時間と手間をかけたのは、目立たないようにした」と裁判長は一審の隠蔽工作であるとの判決を支持した。
3,量刑について
一審判決の量刑判断は正当。弁護士側が禁錮刑でなく罰金刑を求めたのに対し、4億円の存在が発覚しないよう意図的に虚偽記載した犯行は「悪質な犯行」「犯情が悪い」。石川議員、池田元秘書の控訴審の弁解は、「反省の情は伺えず、執行猶予付きの禁錮刑は重すぎるとはいえない」と弁護側の求めを一蹴した。
14時半に裁判長が水を飲んだ以外は、2時間丸々、判決の読み上げが続いた。石川議員は時にメモを取りながらも、終始目を閉じ裁判長の声に耳を傾けていた。
15時半に陸山会事件の控訴審は閉廷した。
公判と記者会見を終えた石川氏は控訴審を振り返り、「高裁があれほど採用してくれないことはびっくりしました」と語った。「採用してくれなかった」のは、控訴審のために用意した「新証拠」のことで、その大半が却下されていた。今回の控訴審は、初公判から絶望的なものだった。この日は報告会の後、インタビューにも応じてくれた。
インタビュー:石川知裕衆院議員(新党大地)
─新証拠の大半が不採用になった。一方で事件後に出会った妻が証拠採用された。どのように思ったか。
高裁があれほど採用してくれないものとはびっくりしました。いくら簡素化とはいえ、一年間努力して持っていったものは、もっと採用しなければならないでしょう。
─具体的にはどのような証拠があったのでしょうか。
新証拠は、水谷功(水谷建設元会長)さんや川村尚(水谷建設元社長)さんの陳述書が一番の目玉でした。私自身、10月15日の行動をもの凄く追い ました。ただ、私の手帳を本当に見ていたのかと思うぐらい、その(現金を手渡されたとされる)時間帯がダメなんです。(続きはインタビュー映像にて)
収録内容
1,オープニング
2,<0:35>石川知裕衆院議員独自インタビュー
3,<4:55>控訴審報告会・記者会見(登壇者:佐藤優元外交官・鈴木宗男新党大地代表・安田好弘弁護士・石川知裕衆院議員)
4,<15:33>鈴木宗男新党大地代表より
5,<23:10>安田好弘弁護士より
6,<31:50>質疑応答
7,<57:58>終わりの言葉
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■《第1回》陸山会事件公判傍聴記 ── 水谷建設からの5000万円は断じてありません!
http://ch.nicovideo.jp/ch711/blomaga/ar7938
■石川知裕:私が事情聴取を録音した理由
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/post_723.html
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