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高野孟:公明党に少しでも期待をかけた不明を恥じる
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高野孟:公明党に少しでも期待をかけた不明を恥じる

2014-07-09 09:00
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私も、集団的自衛権解禁に向かっての安倍政権の暴走に歯止めをかけるのは(民主党が役立たずである以上)公明党しかないのではないかと、わずかな期待をかけた一人であったけれども、まったくの幻想に終わった。創価学会について長年取材しているジャーナリスト乙骨正生は『マスコミ市民』7月号の対談で、「今のメディアの創価学会認識は、あまりにもお粗末です。創価学会を平和団体というのは、彼らが一方的に主張するプロパガンダであり、事実認識が決定的に欠けている」「自公連立発足以来、公明党は政権のブレーキ役になると強調してきましたが、実際にはアクセルの役割を果たしています」と言い、それは過去の通信傍受法、イラク特措法、昨年の特定秘密保護法の成立過程を見れば分かるだろうと一刀両断的に指摘する。そう言われればその通りで、少しでも公明党に期待をかけた自分の不明を恥じるしかない。

しかしねえ、池田大作名誉会長は過去に繰り返し「絶対に第9条だけは変えてはいけない」「憲法の精神を守り抜きたい」と言っていて、それは戦前の学会会長=牧口恒三郎が治安維持法違反と不敬罪で捕まって獄死したという痛切な歴史に根ざした本当の気持ちだと思っている部分がある。しかも、個人的に言うと、1979年イラン革命の後、井上義久幹事長と太田昭宏国交相がまだ30歳代で学会の総務部長と青年部長だった時代に、彼らが主宰する「宗教と社会変革」についての内輪の勉強会に呼ばれて肝胆相照らしたことがあって、35年経った今でもその残像が私の胸に残っている。

結局、そのような側面はタテマエにすぎず、そもそも学会が1964年に公明党を創って政界に進出した初志はともかく、その後69年の言論出版妨害事件への世間の怒りや、75年の共産党との創共協定に対する自民党の危機感に基づく「池田国会証人喚問」や学会に対する「税務調査」「宗教法人課税」の圧力に曝される中、“学会防衛”というホンネの側面がどんどん大きくなって、それがこの10年間の自公連立政権を通じて、何が何でも与党の立場を手放さないという同党の政局オンリーの堕落に繋がってきたのだろう。こうして、公明党は「平和の党」という看板を下ろしながら今秋の結党50年を迎えるという悲惨に陥ったのだが、より深刻なのは、それによって創価学会もまた原点であるアイデンティティを失って、何のための巨大組織なのか分からなくなって漂流を始めるだろうということである。▲


( 日刊ゲンダイ7月2日付から転載)


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<高野孟(たかの・はじめ)プロフィール>
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。94年に故・島桂次=元NHK会長と共に(株)ウェブキャスターを設立、日本初のインターネットによる日英両文のオンライン週刊誌『東京万華鏡』を創刊。2002年に早稲田大学客員教授に就任。05年にインターネットニュースサイト《ざ・こもんず》を開設。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
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「不明を恥じる」必要性はないのでは。
今までの公明党を見れば、最後は常に体制側に着くの繰り返しでした。高野さんも十分わかっておられたのは文章から伺いとることができます。他国を攻撃する集団的防衛が米国のための米国の戦争であれば、何故日本の若者が死ななければならないか、為政者の取るべき道ではないし、日蓮上人が説いた教えに大きく外れる行動であり、少しは歯止めになるのではないかと公明党に期待するのは当然の論理です。
如何せん、公明党を支配する思想は、現世利益であり、政権党に擦り寄って得られる魅力に勝てない俗物人間の集まりに過ぎないことが証明されたということでしょう。公明党の党是「平和の党」は信者に対する見せかけに過ぎなかったといえます。

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