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ラッキョウ味噌おいしいれふ^p^さん のコメント

                            
                    おれは今やつのスタンドをほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれはもこっちの記事をクリックしたと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか違う記事をみていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |
No.92
138ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 吐月――  かつて、本気で覚者になろうとした男だ。  高野山で修行をし、チベットに入ってカルサナク寺で、陳岳陵――つまり、久鬼玄造と出会っている。 「わたしはね、外法の中に、その手がかりがあるのだと、ずっと考えていた……」  カルサナク寺の地下で見た、アイヤッパンを中心とした『外法曼陀羅図』。  そこで見たのは、八番目、九番目、十番目のチャクラであった。  チャクラ――人体の背骨に沿って上から下まで並ぶ、力の発動部位である。  解剖学的には存在しない存在だ。  瑜伽(ヨーガ)においては、上から順に、次のように呼ばれている。  頭頂にあると言われている王冠(おうかん)のチャクラ、サハスラーラ。  眉間(みけん)のチャクラ、アジナー。  咽喉(のど)のチャクラ、ヴィシュッダ。  心臓のチャクラ、アナハタ。  臍(へそ)のチャクラ、マニプーラ。  脾臓(ひぞう)のチャクラ、スワディスターナ。  根のチャクラ、ムーラダーラ。  玄道――つまり、仙道では、これは次の部位に相当する。  やはり、上から順に――  泥丸(でいがん)。  印堂(いんどう)。  玉沈(ぎょくちん)。  膻中(たんちゅう)。  夾脊(きょうせき)。  丹田(たんでん)。  尾閭(びろ)。  瑜伽(ヨーガ)でも玄道でも、これを呼吸法で活性化させる。  呼吸し、天地の気を取り入れ、これを体内で上下させるのである。  それに、使用されるのが、背骨に沿って存在するスシュムナーと呼ばれる管(ナデイ)である。  この管(ナデイ)は、玄道では気道と呼ばれる。  スシュムナー管(ナデイ)もまた、解剖学的には存在しない管(くだ)だ。  チャクラは、この管(ナデイ)から開いた回転する花のようなものである。  呼吸し、気(プラーナ)を一番下方のムーラダーラチャクラに集める。  そのプラーナを、スシュムナー管(ナデイ)に沿って上に持ちあげてゆく。持ちあげて、また下ろしてゆく。ムーラダーラチャクラに溜まったこの気(プラーナ)を、また、スシュムナー管(ナデイ)の中で持ちあげてゆく。  これを繰り返すことによって、チャクラが回転を始めてゆく。その回転速があがる。  体内の霊的エネルギーがあがって、これによって、ムーラダーラチャクラの裡(うち)に眠っていた力――クンダリニーの蛇が目覚め、これがスシュムナー管(ナデイ)の中を駆け昇ってゆくのである。  このようにして、チャクラを覚醒させ、人の持つ筋力、認識力、智恵――そういったものをレベルアップさせるのだ。  仙道では、小周天 , しょうしゅうてん)の法とも呼ばれる。  鬼骨(きこつ)――というのがある。  ムーラダーラチャクラよりも、さらに下にある八番目のチャクラだ。  瑜伽(ヨーガ)的に言うなら、アグニチャクラ。  このアグニチャクラ、鬼骨が発動すると、人はその存在形態を変えてしまう。人が、進化の過程の中で捨ててきた、あらゆる形質が、無秩序に、爆発的に生じてしまうのである。  仙道の世界では、これまで、鬼骨は、伝説上のものであると考えられていた。  かつて、千年、二千年以上も前、中国において、赤須子(せきしゅし)という者がこれを発動させ、獣と化して、多くの人を喰らった。  これを、捕えて収めたのが、仙道の祖とも言われている老子であると。  それは、神話や伝説の類(たぐい)であるとこれまでは考えられてきたのだが、その鬼骨が存在するとわかったのである。  真壁雲斎(まかべうんさい)は、自身でそれをたしかめている。  しかし、吐月がカルサナク寺で見た『外法曼陀羅図』には、鬼骨よりもさらに下方にもうひとつのチャクラが、サハスラーラチャクラのさらに上方に、もうひとつのチャクラが描かれていたのである。  八番目の鬼骨のみならず、九番目、十番目のチャクラがあることになる。  相撲のしきりのように、蹲踞(そんきょ)して腰を落とす、尊神アイヤッパン。  ヒンドゥーの神、シヴァの化身(アーヴアタール)である。さらに、シヴァの化身であるハリハラとも、同じ存在と言っていい。  そのアイヤッパンの絵の、腕と足とが、カルサナク寺の図では消されていた。  その、九番目のチャクラ――ソーマチャクラは、この物語の中ですでに明らかになっている。  それは、ソーマチャクラだ。  月のチャクラ。  右手、左手に、念玉(ねんぎょく)を作る。  作ったらば手を合わせて、これをひとつにする。  その合わせた手を、頭の上で立てる。  これが、九番目のチャクラ、ソーマチャクラだ。  これをもって、キマイラ化を押さえることができるというのである。 「しかしね、九十九くん、わたしは今は違う考えを持っている……」  吐月はつぶやいた。 「違う考え?」 「人はね、仏陀になどなれなくともいいのだと思うようになった」 「―――」 「人は、人でいいのだよ」  吐月はつぶやいた。 画/今野隼史 初出 「一冊の本 2013年8月号」朝日新聞出版発行 ■電子書籍を配信中 ・ ニコニコ静画(書籍)/「キマイラ」 ・ Amazon ・ Kobo ・ iTunes Store ■キマイラ1~9巻(ソノラマノベルス版)も好評発売中   http://www.amazon.co.jp/dp/4022738308/
キマイラ鬼骨変
待望の新章「鬼骨変」がニコニコで連載開始!



⼰の内に「獣」を秘めた⼆⼈の⻘年を描いた、作家・夢枕獏の“⽣涯⼩説”。

1982 年に朝日ソノラマから第1巻「幻獣少年キマイラ」が刊⾏されてから 31 年、これまでに別巻を含めて 18 巻(ソノラマノベルス版〈朝日新聞出版刊〉は本編 9 巻、別巻1 巻)が発売されている。