L→R 一也 -kazuya- / YUKIYA / ATSUSHI / kazu
7月号の続きからまたインタビュー再開です!
■その年の2022年12月よりライブ会場限定にてシングル「残月」もリリースしました。こちらの曲については聖詩さんのアドバイスもあったんですか?
YUKIYA:そうですね。どの曲も出来たら一度は送っていますね。彼はファンの方や他の人が聞くより、多分どの曲も早く聞いていますね!(笑)
■この曲はシャッフル調のKαinには珍しい曲ですよね?その中でちょっと怪しい感じも出ているような!
YUKIYA:いわゆる4度進行の曲ですね。ありがちと言えばありがちなんですけど、D≒SIREやJILSやKαinでも、あんまりシャッフルの曲は今までないので、珍しい曲ではありますね。
■「残月」の歌詞はどんな内容になっていますか?
YUKIYA:歌詞はね、そんなに大した歌詞じゃないですね。(笑)ありがたいことに、YUKIYAの歌詞をきっかけに好きになってくれたって方が凄く多いみたいなんですけど、自分としてはやる気が無いように感じてしまうかもしれませんが、今は余り歌詞に重きをおいてないんですよね。
■YUKIYAさんの中で現在歌詞とはどう向き合っているんですか?
YUKIYA:Kαinは始動して最初に、『-paradiselost-』と言うフルアルバム出したんですけど、そのアルバムの歌詞が自分にとって集大成で、過去ここまで勉強した事ないぐらい、色んな文献とか資料も調べて、ちょっとノイローゼ気味になって書いたんですよ。それが書ききれた後、しばらく歌詞が書けなくなってしまって、なんか書くことが無くなってしまったんですよね。Kαinと言うバンド名もそうなんですけど、人間の歴史を振り返った時に、『-paradiselost-』というアルバムは旧約聖書の中の創世記をモチーフにしていて、人間はどうして生まれたのかとか、その人間を、性善説で考えるべきなのか、性悪説で考えるべきなのかみたいな事をテーマにしたんですよね。僕らはバンドマンですし、僕らの昭和世代の感覚で言うと、バンドマンとしてこれで生きていこうなんて人間は、ほぼチンピラに近いというか、まともな人間じゃないと自分では思っていて。近年はなんだかサステナブルとか多様性みたいな言葉でごまかして、どんな時でも自分の正当性だけを主張しようとしすぎている感じがあって、日陰者の道を歩くのって、自分達で選んだことなんじゃないのって思うところもあるんですよね。だからオレ達はアベルじゃなくてカインだなっていう所で、カインは最初に生まれた子供だけど、失敗作だったのか?みたいな皮肉というか、逆説的な意味も込めて、Kαinというプロジェクト名にしたんですよね。そのテーマを突き詰めすぎて、聖書だったりとか、各国の伝承とかを調べ始めると、全く違う国の文化に似たような記述があったりとか、いわゆるおとぎ話みたいに中世とかに残っている話とかでも、宗教的に調べると、これって聖書にあった話がモチーフになっているみたいなのが出てきたりとかして、その文化などを突き詰めて調べる事が原点回帰に繋がると思って、自分が1番最初にバンドやりたいと思った気持ちの所に戻らないといけないと思って、原点回帰って部分を突き詰めていったら、人間そのものの原点回帰まで考えてしまいました。(笑) それですべてを出し尽くした後は逆に歌詞を書かずにステージに立つと言う事を10年やってみたんです。新曲が出来ても歌詞は書かずにいきなりステージで歌って、そこで初めて自分が何を歌ううのか?を試しました。訳分からない嘘英語みたいになる事もありますが、でも不思議とバシッとハマる言葉が出て来る時もあるんですよ。それを10年やった結果、 何にも考えなくても歌詞っぽいのは書けるようになってきました。(笑)
■「残月」の歌詞に関してもそんな感じなんですか?
YUKIYA:これも自分で書いた曲ではあるんですけど、ライブの録音を後から聞いて、こういうこと歌っていたんだって気付きましたね。不思議な物で、知らない単語とかも出てくる時あるんですよ。それを後で辞書とかで調べてみると、なんとなく辻褄が合っていたりもするんですよね。多分自分では知らないと思っているけど、過去にどこか何かで本で読んだりとか、何かのニュースで見たりとか、しっかり認識はしてないけど、意識外でインプットされていたであろうモノが、追い詰められてテンション上がった時に、ポンと何か出てくるみたいな感じなんですよね。だから近年の曲は、あまり歌詞は考えてないと言うのが正直なのかもしれません。
■今までの取材の中でコロナの事があって、それを題材にして歌詞を書いているアーティストとかもいましたがそこも無いですか?
YUKIYA:無いですね。なるべく調べずに書きたいので。勉強したり、テーマを決めたりして書く事は、多分2007年の『-paradiselost-』以上のことはもう僕には出来ないと思うから、逆の方向に振り切って今はやっていますね!
■そして今年、Kαinワンマンライブ「約束の日」を今年も5月2日に新宿ReNYにて開催しました。大分平穏を取り戻した日常の中でやっと開催出来た公演だったと思います。毎年誕生日に開催をされていますが、毎年コンセプトとかあるんですか?
YUKIYA:コンセプトは無いですかね。やり始めた当時、イベンターの社長さんが俺をカニ食いに連れて行ってくれて「YUKIYAさんの誕生日に何かやりましょう!」って接待を受けたのがはじまりだったので、きっかけはカニです!(笑) 流石に現在はいい歳して自分の誕生日を祝いたい!みたいな気持ちはないですが、1つのアイコンとして、その日が1年の中で1番集客もありますし、東京以外からのファンも沢山駆け付けてくれるので、みんなの希望にもなっているんだと思うんですよね。無理にやめる必要もないかな。だからコンセプトと言えば、「愛されたい!」みたいなコンセプトですかね。ライブ自体は単純に盛り上がりましたし、手ごたえのあるライブになりました!
■この日はプラス、「未発表音源の「graver」をCDとして入場者全員にプレゼントする」公演ともなりました。こちらの音源はどんな音源になっていたのでしょうか?
YUKIYA:僕のルーツを考えた時に世代で言うと邦楽では、BOØWYジャスト世代では無く、BOØWYのちょっと下の世代、BUCK-TICK、KATZE、PERSONZ、UP-BEATなどがジャスト世代で、BOØWYで成功したプロデューサーの佐久間正英さんが、日本のいわゆるビートロックっぽいバンドを多数プロデュースしていた頃の音楽に一番影響を受けたんです。そして洋楽では1980年代半ば以降の、U2やThe Cure、打ち込み色が強いバンドで言うとDepeche ModeなどのいわゆるUKのバンドに強く影響を受けたのでそういう部分を自分の中で上手くミックスしました。今回の「graver」は、割とそれが良いバランスで書けて、ダンスミュージックっぽい打ち込みもあるビートロックのナンバーみたいな曲になりました。メロディーはビートロックの王道の様なメロディーだけど、ギターのアレンジはUKぽいアレンジになっていて、割と趣味性が強く出た曲だと思います。
■そしてこのVijuttokeが発刊する時には公演は終了はしておりますが、Kαin結成16周年記念公演「GIGS VISUALIVE~東京、モノクローム…」が2DAYSで7月に開催しますね。こちらはどんなライブになるんですか?
YUKIYA:渋谷REXのライブは、お話をいただいて会場見学に行った時に、割と小規模のライブハウスなのに、背面三面にLEDスクリーンがあって、ステージも高くて、お客さんも見やすそうだし、 このLEDを使って何か出来ないかなと思いまして、自分はVJ映像なども作るので、バンドの生演奏とVJの映像を同期してリリックビデオのようにずっと歌詞等がリアルタイムで出ているっていう、詞と映像と音に特化したスペシャルライブみたいなのをやってみようと思って、会場から発想して企画したライブですね!
■2日間あるのですが、各々コンセプトは違ったりするんですか?
YUKIYA:去年はその2DAYSでセットリストを完全にシンメトリーにして成立するかどうかを実験したライブにしました。SE含めて1曲目からラストまで順番通りに2日目は完全に逆にやるって事ですね!実はこれ大分考えないと、どちらかの日が盛り上がらないライブになっちゃうんですよね。自分の書いている楽曲で、それでも成立するか試しました。2日目は、お客さんは途中で多分これ昨日の逆だ!みたいになると思うんですよ。どのバンドもそうだと思うんですが、やっぱ定番って固まってくると思うんですよね。それをぶち壊しかったですね。
■去年やってみて実際どうだったんですか?
YUKIYA:アートっぽい事が出来て、自分では満足出来ました。お客さんの反応も良かったので、今年も話をまたいただけたんで、第2弾やりましょうと言う事で今回に至りました。 ただ準備が大変なんですよね!(笑)
■ここに合わせてニューシングル「NOWHERE」をリリースしますが、こちらはどんなシングルになっていますか?
YUKIYA:実はこのライブのコンセプトに打って付けのシングルでして、「NOWHERE」と「Nowhere Else」の2曲が入っているんですが、実は同じ曲なんですよ。同じ曲なんだけど、BPMが違うし、アレンジも全く違うし、なんなら曲調も違うんですよ。ただ歌詞とメロディとコード進行は全く同じなんですよ。だから2DAYSのライブの際、スクリーンに入れているリリックは同じですが、この曲だけが1日目と2日目で違うって事になるんですよね。
■これは本当には面白いライブじゃないですか!そういう仕掛けもちゃんと作ってあったんですね!
YUKIYA:なかなかこういうことやっているアーティストは見た事無いですよね!そういうのを突き詰めたいのがKαinなんですよね!
■リリース以外で、今後の展望などあればお伺いしたいです。
YUKIYA:まずは名古屋で人気が出たいです!(笑) 1番最初にバンドを始めた時に、当時は大阪に住んでいたんですけど、時代的にめちゃくちゃ治安が悪かったんですよ。暴力沙汰とかが多くて、打ち上げには救急車が来ない日が無かったです。それで名古屋に救いを求めてじゃないですけど、名古屋に来たら円盤屋があって、そこで1番最初に紹介されたバンドがLaputaだったりしました。同じ年の結成で、年齢も同じぐらいだから、仲良くしてあげてみたいな感じで、お互いまだデモテープしか出してなくてそれを交換して、それがきっかけで、当時で言うとMerry Go Round、Of-Jなど名古屋のバンドと仲良くしてもらえるようになりました。一時は大阪のバンドなのに、完全に名古屋の方がライブ多かったですね。大晦日の大阪のイベントには出てないのに、名古屋の大晦日のカウントダウンにはD≒SIREは出ていて。それもあって名古屋にはお世話になったというか、あの時、あの時期がなかったら今は無いので、名古屋のシーンには盛り上がって欲しいという気持ちは凄くあります。今もlynch.のメンバーだったり、deadmanのメンバーだったり、名古屋の keinのメンバーだったりとかは個人的に親しいですしね。 出来れば今後は名古屋で沢山のライブがしたいですね!
■今は名古屋が少し元気無い感じもしますので、ぜひお力を貸して下さい!それでは最後にVijuttoke読者に一言お願いします。
YUKIYA:なかなかKαinが普段こういうメディアに出ることも少なかったのですが、今はバンドが非常に良い状態ですし、今後何かの機会があればKαinの音楽に触れてもらって… 今回のVijuttokeのフェスは勿論、是非見て聴いてもらえたら嬉しいです!
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Vijuttoke INFORMATION
*Vijuttoke掲載インタビューを配信中!
・WEB【club Zy. 】https://www.club-zy.com/contents/free_paper
・ブロマガ【club Zy.チャンネル 】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga
8月21日(月)18:00 アンティック-珈琲店-
8月22日(火)18:00 ユナイト / カナシヴァリ
8月24日(木)18:00 Kαin / 千聖 (MSTR Crack6 / PENICILLIN)× 咲(甘い暴力)
8月25日(金)18:00 D
Artist INFORMATION
Kαin2023年ライブスケジュール
●07月08日(土)東京「渋谷REX」 ※ワンマン
●07月09日(日)東京「渋谷REX」 ※ワンマン
●8月19日(土)名古屋「Vijuttoke!!Festtoke!!2023」※イベント出演
●8月20日(日)名古屋「静かの海」
●08月26日(土)東京「池袋手刀」 ※ワンマン
●09月18日(月祝)東京「池袋手刀」※ワンマン
●10月28日(土)東京「池袋手刀」 ※ワンマン
●10月29日(日)東京「新宿ReNY」「Crazy Monsters Halloween Party 2023」※イベント出演
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●11月11日(土)東京某所ワンマン(Kαin16周年&YUKIYA30周年記念公演)
●11月12日(日)東京某所ワンマン(Kαin16周年&YUKIYA30周年記念公演)
●11月24日(金)名古屋「静かの海」
●11月25日(土)名古屋某所ワンマン(Kαin16周年&YUKIYA30周年記念公演)
●11月26日(日)名古屋某所ワンマン(Kαin16周年&YUKIYA30周年記念公演)
●12月24日(日)東京「新宿LOFT」※ワンマン
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Kαinニューシングル「NOWHERE」2023年7月よりライブ会場限定販売
収録曲(全タイプ共通)
01:「NOWHERE」
02:「Nowhere Else」
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Aタイプ「NOWHERE」盤(写真上)※KZCD-058A
■YUKIYA撮影による長野県の写真ジャケット
■YUKIYA撮影によるイギリス・シェフィールドの写真ポストカード
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Bタイプ「Nowhere Else」盤(写真下)※KZCD-058B
■YUKIYA撮影による新宿の写真ジャケット
■YUKIYA撮影による新宿の写真ポストカード
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Cタイプ「TMFR-web shop」盤 ※KZCD-058(近日発売)
■YUKIYA撮影によるイギリスの写真ジャケット
■歌詞カード詳細は近日発表