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Vijuttoke23年8月号「千聖(MSTR Crack6 / PENICILLIN)× 咲(甘い暴力)」対談インタビュー
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Vijuttoke23年8月号「千聖(MSTR Crack6 / PENICILLIN)× 咲(甘い暴力)」対談インタビュー

2023-08-24 18:00

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    Crazy Monsters「Crack6 × Vijuttoke 6ヶ月対談企画」 第四弾​

    10月28日・29日に新宿ReNYで行なわれるCrack6主催のライブ・イベント『Crazy Monsters Halloween Party 2023』に向けて、
    千聖(vo/g)と同イベントに出演するアーティストの対談をCrack6にかけて6回に亘ってお送りしているコーナー。
    第四弾は、10月28日に出演 ”甘い暴力”の咲(vo)が招かれ、これまで接点のなかった咲が語る彼のバンド観に
    千聖は強い刺激を受けたようだ。初対面同士でいながら2人の会話は大いに弾んだ。 


    ライター:村上 孝之


    ――お二人は以前から面識があるのでしょうか?

    千聖:いや、会うのは今日が初めて。

    咲:お会いするのは初めてですが、僕はもちろん千聖さんのことは昔から一方的に知っていました。僕にとって、千聖さんはもう雲の上の存在という感じの方です。僕は学生の頃に、普通にPENICILLINさんを聴いていたので。なので、正直いって今すごく緊張しています。

    千聖:俺は優しいので、緊張しなくていいよ(笑)。

    咲:ありがとうございます。


    ――あまり交流がないということですので、まずは甘い暴力がどういうバンドなのかを話していただけますか。

    咲:甘い暴力は“拗らせ女子達に捧ぐ、スウィート・ヴァイオレンス・ロック”というコンセプトを掲げているバンドです。ヴィジュアル系というのは“がんばれよ!”とか“ハッピーにいこうぜ!”みたいなメッセージが響きにくい世界で、眩し過ぎるものが苦手な子達が求めるものだと思っているので、そういう子達に響くような歌を届けるというスタンスです。「とは言いつつも」、ライブ自体はコントをしたりとか、めちゃくちゃやっています(笑)。真面目な歌もありますけど、下ネタの曲がめっちゃ多いので、いい意味でいえばエロい。で、これは本当にリアルな話ですけど、PENICILLINさんのMVとかライブ映像とかを観てエロさの醸し出し方とか、いろいろな所作も含めて勉強させてもらっています。

    千聖:そうなんだ。さっき咲くんは“眩し過ぎるものが苦手”と言ったよね。俺も、どっちかというとそっちのタイプなんだよね。昔からマイノリティーなものに惹かれる。メジャー感に溢れていて必要以上に光り輝いているアーティストとかを見ると、疲れてしまうというか。人間というのは光が強くなると逆に闇が強くなるから、そういうのが強いアーティストが出てくるほど、闇を感じるという。そういう輝きが異常に強く感じる音楽は時としていいことなんだと思うけど、総ての人間が光り輝くわけがない……というか、むしろ逆だと思っているんだ。暗闇が占める面が大きい人が多いんじゃないかなと思う。

    咲:僕も、そう思います。

    千聖:そういう意味では、甘い暴力が表現していることが、人間の芯の部分なのかもしれないよね。だって、人間の歴史というのは争いの歴史だし、絶対にネガティブな感情しかないだろうという時代が多いから。だから、甘い暴力がやっていることは、逆にすごく正当な気がする。エロというのも人間のリビドーで、それがないと子孫が反映しないわけだし。生物学的に言っても、精神的に見ても、甘い暴力が言っていることは全部正しいんじゃないかな。ここまでの話を聞いただけで、すごくいいバンドだなと思った。

    咲:めっちゃ嬉しいです。僕は楽曲だったり、思想だったりというのはお客さんへの伝え方がすごく大事だなと思っていて、結局ライブの最後とかになると「明日から、またがんばったらいいんじゃねぇの?」みたいなことを自分も言いますけど、そこに至るまでをどういうふうに伝えていくかということにフォーカスしています。そこで、陰のオーラだったり、闇な属性でも着いていきたいなと思ってもらええるような存在になりたいと思っています。

    千聖:すごく、いいよね。


    ――甘い暴力はマニアックさや尖りなどとキャッチーさを併せ持った音楽性も魅力的です。

    咲:音楽性は、結構バランスは重視していますね。あと、最近は今のシーンの主流になっているような音像は敢えて採らないということに挑戦しています。最近のヴィジュアル系はすごく音を重ねていたり、シンセでバキバキに派手にしたりするバンドが多いけど、僕らは音を減らす作業をしているんです。レコーディングにしても、ライブにしても音を重ねれば重ねるほど厚みが出て、轟音になっていくけど、それはいいことなのかと思うようになってきて。嫌いとかではないけど、音数を減らしてより生々しくというところにいき着きました。

    千聖:音数を減らすというのはすごく良いことで、俺は賛成だな。音をいっぱい入れて、バンド以外のサウンドで迫力を出すバンドが増えているよね。でも、そういうバンドは面白いと思わない。バンドなのか、同期に引っ張られているのかわからなくなってきてしまうから。たとえば4人編成のバンドだったらギター、ベース、ドラムでサウンドが成立していて、そこにボーカルがちゃんと乗っかるというのが美しいと思う。俺は’80年代の音楽に1番影響を受けているんだけど、’80年代はそれしかなかったから。同期とかは今と違って、凄い予算がかかってしまって、大概はループを出したかったら生のパーカッションを入れろとか、オーケストラを鳴らしたかったら、ちょっと違うシンセを入れるか、本物を呼んでくるしかないという時代だった。だから、基本的にバンド・サウンドだけで表現する必要があったけど、そのほうがストレートに心に来ると思うんだ。音数がむやみに多いと一瞬派手に感じるけどね。音数を減らしているというのは深みのあるバンド・スタイルだと思うし、そのほうが人間らしくて、結局人間が1番求めているところを追究している気がする。だから、音楽性の面でも甘い暴力は非常に正論だね。俺からすると、咲くんは正論しか言っていない。

    咲:すごく嬉しいですし、自信になります。


    ――芯の強さを持ったバンドだということがわかります。そして、そんな甘い暴力は現在全国ツアーの最中です。

    咲:今回のツアーはタイトルが「口に出して!!!!」なんです(笑)。声出しを解禁したんですよ、今回のツアーから。

    千聖:それで、“口に出して”なんだ。いいねぇ(笑)。“口に出して”というのはちょっと思いつかなかったな。やるなぁ。勉強になりますよ(笑)。甘い暴力は全体的にいい。「イチオシのバンドは誰ですか?」と聞かれたら、「甘い暴力です」と言うよ。

    咲:恐れ多いです(笑)。3年5ヵ月ぶりくらいに声出しを解禁して、お客さんのフラストレーションも溜まりまくっていた状況で始まったんですよね。僕らはライブは、ホンマにめちゃくちゃやっているんですよ。今回もステージからフロアに降りたり、お客さんに下ネタを叫ばせまくったりしています(笑)。「非日常の今日しか言えへんねんやから、言うとけ言うとけ!」といって(笑)。

    千聖:そうすると、みんな言うんだ?(笑)

    咲:言います(笑)。うまく言えないですけど、お客さんもなり切るところがあると思うんですよ。そのときだけは、ちょっとMな女子になってしまっていたりとか。そんな自分を楽しんでいるというのもお客さんは絶対にあると思うので、そういうところを引き出してあげたいなとは思っています。

    千聖:せっかくライブに来たんだから、心を開放してほしいよね。


    ――同感です。ツアーといえば、千聖さんも<Crack6 :2023夏ツアー>を終えられたところです。

    千聖:コロナ禍が起こったことで、この3年間ライブはしていたけど、あちこちにはいけなかったし、ライブできても1発のみのワンマン・ライブで終わっていたし、声出しも全然できなかった。だから、今回のツアーはすごく楽しみにしていたんだ。6月に出した『カナリア最終楽章:CODA 』というアルバムのツアーで、Crack6としてはフル・アルバムは7年ぶりだったんだよね。途中でコロナが起こったせいで、3年間総てが止まってしまったから。4年ぶりにCDがちゃんとリリースでき、フル・アルバムとしては7年ぶりになってしまったので、今回アルバム・ツアーができて本当によかった。みんな、ものすごく盛りあがるんだ。声を出してもいいし、ジャンプとかもOKで、コロナ前にだいぶ戻ってきたよね。だから、すごく気持ちよかった。でも、甘い暴力くらいはみ出していたほうがよかったと思う(笑)。

    咲:いやいや(笑)。

    千聖:甘い暴力、いいな。(甘い暴力の資料を見ながら)今さらなことなんだろうけど、Webショップが“電子商店”とかさ、ライブに“現実団”という覆面集団が出てくるとかさ、面白いよね。CDのタイトルもいいな。「結局何が言いたいの?」(2018年11月)とか、「だいじょばない」(2018年8月)とかさ。普通は“だいじょうぶ”と言うんだよね。“だいじょばない”と声に出して言って作品に残す人はいないから、すごくいいなと思う。「幸せだよ。殺したい」(2017年9月)というのもいいな。対極の心理だもんね。もう病んでいるか、本当にヤバいか…という。なかなかのセンスだと思う。こういうバンドがいないと困るんだ、ロックのフィールドには。非日常的な感覚に持っていかれるけど、でもすごく自分達の感覚と密接しているというのは非常に難しいバランスだけど、甘い暴力はそれを形にしているよね。フラストレーションが溜まっている人間に対して魂の解放を上手くさせていると思う。だから、『Crazy Monsters Halloween Party 2023』も、すごく楽しみだね。


    ――千聖さんが甘い暴力を今年の『Crazy Monsters Halloween Party』に誘われた経緯は?

    千聖:名前が面白くて、興味を惹かれたんだ。俺の勘はあたっていたね(笑)。咲くんと話して、いろいろ刺激を受けたよ。そういうことこそが、イベントをやる意味なんじゃないかなと思う。

    咲:誘ってくださって、本当にありがとうございます。今回の話を聞いたときは、“よっしゃあっ!”と思いました。自分達以外のバンドさんはみんな大先輩で、甘い暴力のことを知らないお客さんもいらっしゃると思いますが、そういう人がいっぱいいるほうが僕らは燃えるんですよ。なので、本当に楽しみにしています。あとは、先輩方の演奏とか、魅せ方とかをしっかり見て、リアルに勉強したいというのもありますし。ただ、僕らはハロウィンというのを、まともにしたことがないんですよ。敢えて、やってこなかったんです。みんなが“オレ、カッコいいでしょう?”みたいになっているところには入っていかんとこうと思って。

    千聖:そこに関しては、逆なんだよね。俺達が若かった90年代頃は、日本にハロウィンはほとんどなかったんだ。西洋特有の文化で全く馴染みがなかったけど、2000年過ぎたくらいから急に流行り始めた。パリピの人達が乗っかっていったけど、ヴィジュアル系界隈ではハロウィンにちなんだライブとか企画をする人はほとんどいなかったんだよね。それで、採り入れることにしたんだ。

    咲:それは、めっちゃわかります。『Crazy Monsters Halloween Party』みたいなヴィジュアル系としてのハロウィン・パーティーは本当にいいと思いますけど、僕らが出たのはSNSとかの“承認欲求祭り”みたいなイベントだったんですよ。“ハロウィンを楽しむぞ!”というよりは、もうコスプレして楽屋とかで写真を撮りまくる…みたいな状態で、これはライブとして“あり”なんかなと思った。そういうことに労力を割くのはどうなのかという謎の意地みたいなものがあったんです。


    ――これまで避けていたということは、『Crazy Monsters Halloween Party 2023』の甘い暴力は必見といえますね。

    咲:どうだろう? 具体的にこういう仮装をしようというのはまだ考えてはいないけど、あくまでライブですし、先輩方と同じステージに立てるというのがあるので、どういうふうにアプローチをかけていこうかなということは考え始めています。

    千聖:ヴィジュアル系は特にそうだけど、毎日がハロウィンみたいなバンドもいるじゃない? そういう意味で、非日常の世界にいけるというのはヴィジュアル系の魅力だけど、そういう人達が“ハロウィンだ!”となったときにどういうものを出すかというのはリスナーにとってすごく面白いんだよね。アーティストの考え方によって様々な出方をするから。だから、よかったら咲くん達が“今日の自分は新鮮味があるな”というようなもの……自分のセオリーを壊すようなものを、精神的な方向というよりはフィジカルな方向で出してもらえるといいなと思う。

    咲:僕らは方向性がおかしいハロウィン・イベントに出て、そういうところが苦手だったというだけなので。ハロウィンということ自体に対しては、自分達がハロウィンをやるならどうやるんやろうとワクワクしながら今は考えられています。千聖さんの思いを聞かせていただけて、本当によかったです。『Crazy Monsters Halloween Party 2023』は、もう総てを思いきり楽しもうと思っています。

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    8月22日(火)18:00 ユナイト / カナシヴァリ
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