「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。 8月1日(月)の配信から番組のハイライトを今回と次回の2回に分けてお届けします。リアルタイムの配信を見逃した方は、気になった部分だけでも動画でぜひご覧ください。 次回のニコ生配信は、8月15日(月)20:00を予定しています。
■2016/08/01配信のハイライト(その1)
- 都知事選の結果、どう見る?
- 【会員限定】本音で語る『シン・ゴジラ』
- 【会員限定】視聴者からの質問:弾さんが受け入れられる庵野イズムはありますか?
- 【会員限定】視聴者からの質問:ムーアの法則はいつまで続く?
都知事選の結果、どう見る?
―――新都知事には、小池百合子氏が選ばれました。弾さんは、都知事選の結果、どう見ました?
小飼弾
「少しでも投票率が上がるよう、ポケモンGOのルアーモジュールを投票所に刺してきました(笑)」
―――粋なオヤジですね(笑)。小中学生も投票権を持っていたら、すごい効果があったんでしょうねえ。
「というか、知事なんてポケモンでよくない? 選挙でなく、バトルで決めたらいい! 途中で辞めてしまう場合も考慮して、アメリカの正副大統領のようにバックアップも含めて選ぶ仕組みにした方が僕はいいと思う」
「『何で後出しジャンケンなのに、チョキに対してパーを出すような真似をするんだ?』とある人がTwitterでつぶやいていました。『候補がパーしかいないから、グーの音も出ないから』と返したんですけど」
―――うちに配られた、選挙に行くことを促すチラシがすごかったですよ。元総務大臣の候補者に投票しましょうと書いてあるんですが、候補者名が書いてない(笑)。
「候補者名を書いてしまうと、その人が負けた時に責任問題になるからでしょうね。それにしても、『元総務大臣』の増田寛也氏は、石原慎太郎を上回る金銭的被害を東京に与えた数少ない人です。石原慎太郎氏は銀行税を創設しようとして、銀行に訴えられて敗訴。納付済みの税金に利子を付けて銀行に返す羽目になりました。その後、新銀行東京でも1,500億円の損失を出しています。『元総務大臣』による損失はこれを上回るんです。東京も東京だけでやっていけるわけではないけど、『元総務大臣』は『地方交付税特別枠』を作って、東京に納まるはずの税金をほかの県に流してしまった。東京都は7年で1兆円の税収を失ったことになります」
―――じゃあ、新都知事はマシですか?
「どうなんでしょうね。例えば、石原慎太郎氏と小池百合子氏は仲が悪そうだけど、彼女は石原慎太郎のエピゴーネン(模倣者)みたいな人でもありますから。日本の主要な女性政治家は、オヤジ以上にオヤジっぽい人ばかり」
―――野党は弁護士の宇都宮健司氏で行くのかと思ったら、いつの間にかニュースキャスターの鳥越俊太郎氏になっていました。
「宇都宮健司氏は過去に2回負けていますが、悪くない負け方だった。でも、今回の鳥越氏は悪い負け方になってしまった。ああいうのを見ていると、ポケモンの方がいいですよ。カイリューとかどうです? バトルで決めればいい」
―――バトルと言えば、これから小池氏は都議会とバトルすることになりそうですね。
「都議会というのもよくわからない。猪瀬直樹氏も舛添要一氏も自分から辞めているじゃないですか。不信任案提出までは行っていません。おそらく、都議会は本当に、ものすごく仕事をしていないんですよ!」
―――今回、誰に投票するか本当に悩みました。
「当選した小池百合子氏は民主主義的にヤバい。次点の増田寛也氏は資本主義的にヤバい。3位の鳥越氏は壊れかかっている。でも、どんなパーでも務まるのが東京都知事という見方もできなくはない」
(略)
「オリンピックを中止にしてくれないかなあ。ロシアのドーピング問題でもっと揉めて、『そもそもIOCが腐っている!お前らに俺たちを糾弾する資格はない!』とロシアに逆ギレしてもらいたい」
―――『大前研一氏はどう?』というコメントが流れました。
「頭が切れるように見える人ではダメ。東京都くらいのサイズになると、柔らかく見える人でないと長になれない。橋下徹氏も大阪だから知事になれたけど、東京都知事は難しいでしょう」
―――小池氏が都知事になったことで、東京はどう変わると思いますか?
「少なくとも予算に関して、白紙委任状ということにはならないでしょう。そこはブレーキがかかるんじゃないですか」
(略)
「都知事は仕事をする人ではなく、仕事をさせる人なので、どういう人材を集めてこられるかによって変わるでしょう」
―――これから都政がどう動くかちゃんと見ていく必要がありますね。どうしても私たちは選挙の時だけ注目して、あとはほったらかしにしてしまいます。
「都議会の議員は副業も禁止されていないし、おいしい仕事なんです。米国の自治体は、無給だったりする」
【会員限定】本音で語る『シン・ゴジラ』
―――『シン・ゴジラ』が公開されましたが、弾さんはもう観ました?
小飼弾
「いいも悪いも、庵野作品ですね。まず、いいところは何といってもゴジラの造形ですよ。あれが今後の標準になるんじゃないですか。熔岩を思わせる造形が素晴らしい。あれは本当によくやった」
(略)
「ゴジラとは何かという基本に立ち返っています。放射線をまき散らしながら街を破壊する、得たいの知れない怪獣という原点に戻りました。そこはいいですね。その意味で、僕としてはゴジラをもっと純粋な災害として描いてほしかった。今回、人の手で"neutralize"(無力化)できてしまいましたが、本当の災厄だったら人の手ではどうにもならない。地震とゴジラでは、地震の方がずっと恐い。打つ手がないから。それくらいのものとして作ってほしかった。自衛隊くらいでどうにかできてはダメなんです!」