まきろんさん のコメント
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というわけで初日というか厳密には00:30上映開始という、魔女に出会えそうな回に前編見て来たので。
404 Blog Not Found:奇跡も、魔法も、あるんだよ - 作品評 - 魔法少女まどか☆マギカ
以下、「視た」という前提で話を進める。ネタばれを避けたい人は[続きを読む]を押さないように。もっとも本作は遠からず古典となり、「好き嫌いはとにかくあらすじなら一応皆が知っている」ことを前提にできるようになるのだろうけど
そういう作品なので、未見の方は絶好の機会。すでに古典化は決定事項なので。
[2012.10.14 後編を追加]
[2012.10.16 転載 ]
前編
初日特典らしいものをもらった。行列も人ごみも苦手な私はこの手のものはすっぱり諦めるたちなのでなおのことうれしいな、って。
TV版で第一話から第八話までのエピソードを、130分にしている。各話の放送時間がOP/ED込みでだいたい25分、合計200分なので、長さは半分弱にしかなっていない。いかに「原作」の密度が高かったかがここからも伺われる。
これがどれほど高密度かというと、1stガンダムが全43話で映画三本、エヴァが全26話で映画三本。
しかもたいていのアニメ番組の映画化では、新メカや新キャラ、時には新設定が登場したりして事実上別の話になるのに対し、本作ではそういったものは一切ない。あくまで「原作」のディテール強化。つまりどちらか一方だけ観ても、「原典を観た」と胸をはって主張できる。TV全話を観なきゃ観たことにならないだなんて言われたら、私、そんなのは違うって…何度でもそう言い返せます。
それでは、TV全話を観た人はもう観なくてもいいかというと、観ずにはいられないでしょこりゃ。特にイヌカレーファン。多分今回一番仕事をし直したのは彼ら。「原作」のキモカワが、 キモ カワになってる。本当にキモ出てくるし。
その一方、新台詞もないので、一番余裕だったのは声優一同かな。「きゅっぷい」は録りなおしてるっぽいけど。
個人的には、「ルミナス」より「コネクト」の方が好きかなあ。CD屋(ここが一番作り物っぽい!!あの未来都市見滝原っでCD屋ってどんだけ)の中など、作中でBGMとして登場する分まで丁寧にルミナスに差し替えられていたけど、一カ所だけ残してあった。なるほどね。
一方「Magia」はしっかりEDを飾ってた。しかも1:30秒のTV用ではなく、映画用に録り卸しされたやつ。魔女空間の次に仕事したのは明らかに音楽。
伏線ではないのだけれども、一つ知りたかったことがあって、それは巴マミの願い事。実は彼女のそれだけが明らかになっていない。TV番では交通事故に巻き込まれて潰れた車の中でキュゥべえに出会っているので、「とりあえず私をここから救出して」という感じの緊急避難的な願いであった事が仄めかされてはいるものの、具体的にどんな願いだったかはついぞわからずじまい。
なんでそんなことを気にするかというと、実は残りの四人の魔法少女は、すべて自分以外の誰かを救うというのが願い事になっているから。BD/DVD版に至っては、一周目のまどかの願いまで付録のドラマCDで明らかにされているだけに、本筋に干渉しないとはいえやはり気にはなる。
で、前編時点では、それは明らかになっていない。後編でそれをつまびらかにする余裕はあるのかな…
後編は109分とのこと。つまり9話-12話はダイジェストなしどころか少し長くなっている。本番は多分こちら。前編が全部シネスコではなく16:9のTVアスペクトレシオでやっていたのもそれを暗喩しているのではないか。
来週が待ち遠しい…
後編
同じシネコンの同じスクリーン、しかも同じ座席ということもあって、映画の予告編が全く同じだったので「あれ?前編のスクリーンの方に入っちゃった?」とちょっと不安になったり。シネコンだと前後編両方やってるはずなのでこのあたりはご注意を。
もうなんというか、「魔法少女まどか☆マギカ」という物語の完成度のとんでもない高さの再検証でした。TV版が iPhone 4 なら、映画版が iPhone 4S とでもいうか。
声優の吹き替えなおしは、前編よりわかりやすかった。TV版からBD/DVD版で絵が強化されなおしている感じで、TV版から映画版では声も強化されている。
それと、今回は(わずかながらTV版より)尺が伸びたおかげで新台詞もあった。「目玉焼きの味付けは、醤油ですか塩ですか?」
あと台詞の改変も。人類の人口はTV版では69億人だったのに映画版では70億人になっている。近未来じゃなくて現代だったのか…
しかしそういった増補改訂できる箇所を除けば、ほんと変わっていない。こういうのもなんだけど、「違い」を期待する視聴者にとっては「原作」たるTV版の高すぎる完成度が仇になっているとさえいえる。
TV版10話のEDをどうするのか興味津々だったのだけど、まさかのそのまま。厳密には絵は一部変えているのだけど、「訂正するほど間違ってはいないね」。でも映画しか見てない人は「何がどうなっていやがるんだ」って感じではないか。でもあれを変えたらTV版のファンのソウルジェムが粉々だし、難しいところだ。
まどかとほむらの最後の会話部分が、より「全年齢向け」に。
エンドロールがまさかの魔女語。
のあとにTV版Cパートが来て本当のエンドロール。
のあとにまさか 新編の予告 。
後編もすべてアスペクトレシオ16:9だった。ただしTV版を横に縮めたのではなく縦に延ばしたので、見応えは増している。BD/DVDに収めた時にはレターボックスなしということになる。
というわけで「本番」はこの新編の模様。「まだ誰も知らない」魔法少女まどか☆マギカを作ろうとしたら確かにこうするしかない。もはや魔法少女まどか☆マギカという物語は原作者の Magica Quartet を超えて、視聴者すべてのものになったというべきで、そうなると原作者といえども改変は許されない。変えたらそれこそ「 ミザリー 」だ。
その意味で、あくまで「原作」のディテール強化に徹するという前後編の作りは正しい。正しいのだけど、TVの放映形態に依存した部分もそのままにするしかなかったところが、完成度が高すぎる物語の罪作りなところではある。
「 銀河英雄伝説 」が演劇になったように、魔法少女まどか☆マギカもそうなるのだろうか。もはや物語そのものは確定し、人口に膾炙され、台詞がありとあらゆるところで引用される…ある意味この世界にとっての本作は、本作にとっての鹿目まどかのような存在になったのか知れない。
Dan the Contracted
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