小飼弾の論弾 #322 「小説コンテストを席巻するAIと、一般公開できないほどヤバいAI基盤モデル、トランプとローマ教皇の対立」
「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2026年4月21日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年05月5日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-04-21配信のハイライト
- 「ティム・クック退任でAppleどう変わる?」と「人間より速かったロボマラソン」
- AIによる小説、AIによるセキュリティ
- 「AIで人類滅亡?」と「SF超大作『マップス』とAI」
- 「我々は生まれつきDVオヤジ」と「我慢を捨てたアメリカ」
- 「アメリカの勝ちはなくなった」イラン戦争とスエズ運河の歴史
- すべての初等関数を一つの二項演算子と定数1だけで
「ティム・クック退任でAppleどう変わる?」と「人間より速かったロボマラソン」
山路:今日の朝に発表があったニュースからいこうかなと思うんですけれど、
小飼:地震?
山路:それも重要なニュースなんですけれども(笑)、
小飼:それは昨日か、
山路:AppleのCEOのティム・クックが退任することになったという、
小飼:ああ、そうか、船長引退かと言ってもなんか、取締役会からは抜けないんだよね、
山路:会長になるんでしたかね、
小飼:普通会長って議決権、差し出しちゃうんだけど、それは握ってるみたい、なんかそこ日本的だなみたいな。ただまあ1票だけだし、まぁ社長が会長になったという、すごい日本的、社長が会長になる、ですね。それが実現するのは9月1日でしたっけ、もう少し時間がある、
山路:なんていうか、すごく円満な退任だったなと思って。
小飼:あのさ、時価総額10倍に上げてさ、売上高を4倍にしてさ、これで文句出されたら本当に、どこ文句出すんだって言ったんだけど。でもね、Appleぐらい期待が大きい会社というのはやっぱいくらでも出てくるんですよ。Siriが相変わらずバカすぎるとかって。いや、だからお前の言ってるAIって、この程度? いくらでも出てくる。
山路:6月のiOS27が楽しみですけどもね。ティム・クックは創業社長じゃなくて、
小飼:Vision Proってあれ一体今後どうなるのかとかね、本当にいくらでも文句出るんです、
山路:最近私、Vision Pro毎日のように使ってますけどね、
小飼:ほう、
山路:寝ながらマンガを読むのに非常にすばらしいデバイスなんで(笑)、
小飼:あとマウスの充電なんとかしてくれとかね。ましてや今度のCEOというのは、
山路:ジョン・ターナス、
小飼:そうそう、ハードウェアのトップなので。真っ先にマウスの充電口をなんとかしやがれ、です。だからあれは本当にunAppleですよ、本当にApple Pencilどうするんだ、みたいなね。
山路:それにしてもティム・クック、うまく立ち回りましたよね、いろんなところで。トランプにも過度におもねらず、
小飼:いや、あれは見たくなかったな、あれの前に引退しとくべきだったなーと、個人的には思う、
山路:黄金のなんたらみたいなのを贈呈してとか(笑)、
小飼:いや本当に。でも、ああいう泥臭いこともできるし、ちゃんとやる人だっていうのは大口投資家に対してはものすごいプラスの評価でしたね。
山路:絶対にジョブズにはできなかったこと。
小飼:無理無理無理。
山路:まあ見てみたかった気もしますけどもね、
小飼:いや、ジョブズだったら本当にハリセンじゃなくて、その時に出てた最新のiPhoneで殴りつけますよ、助走つけて。いや、だからよかった、ジョブズが鬼籍に入ってて。
山路:よかったっつーのも変な話だが、
小飼:いや、だから2024年の選挙中にトランプが狙撃された時があったじゃないですか、
山路:耳を撃たれた、
小飼:そうそうそう、だからあれが本当か嘘かっていうのは、また再びゴシップになってるんですけれども、それはさておき、その時の狙撃犯は逃しても、ジョブズだったら絶対逃しません、仕留めてました(笑)。だから先に亡くなっててよかったね、よかったねっていうのは言い過ぎだとは思いますけれども、他にどういう言い方すればいいのかわかんない。
山路:しかしティム・クックって最初、ジョブズから交代した時ってAppleの株がすごい下がったじゃないですか、カリスマ経営者からいきなり、え、誰なん? みたいな感じで。
小飼:知る人ぞ知るという、
山路:だけどロジスティックスの鬼というか、
小飼:いや本当に。ジョブズの時よりも2桁、桁が二つ上がってるんですよ。
山路:時価総額とか売り上げとかそういう、
小飼:いや、生産力、
山路:生産力ね、ジョブズの時代の管理体制ではそんなことはできなかった、
小飼:ジョブズの時にもかなり上がってて、Appleの時価総額はMicrosoftやGoogleを抜いてITでトップ、だからその上にはサウジアラムコしかなかったと(※編注:エクソンモービルの誤り)。今やサウジアラムコもその下ですけれども。とにかくもう米国の株式の時価総額でトップに、ジョブスの時点でいたんですよ。その時からさらに10倍上げてるわけですよね(笑)。
山路:ただそれって世界の資本の動きみたいなものっていうのが、ものすごく変わっちゃったからの気もするんですけどもね。
小飼:も、あるんですけれども、でもAppleのなかなかすごいなっていうところっていうのは本当にコールドキャッシュをジャラジャラ稼いでる本という本当に金のなる大木なんですよね、
山路:製品の当たり外れとかにも左右されないような仕組みも作りましたしね。
小飼:まぁあっちが外れても、こっちでリカバーできるという体制ですかね。それでもね、やっぱりマウスなんとかしろよ、あれは本当に、あのさ、恥の概念ってどこに行ったんだよ。
山路:なんかLightningからUSB-Cに変わった時も変えねえっていう(笑)、
小飼:あれは本当に恥ずかしい。だから、あれに匹敵する、embarrasingな何かっていうのは競合他社の場合、どこだろうね。
「ジョブズはホームボタン廃止をどう思うのかな」(コメント)
山路:でも、ジョブズはティム・クックに継がせる時に、俺だったらどうするか考えるとか、そういうことはすんなって言ったそうですからね。
小飼:それもあるし、当初案ではホームボタンってなかったんですよ、じつは。なんだけど、これがないとユーザーすごい困るだろうと。とにかく迷子になったらここ押せというものがあるというのは、すごい強いよね、ありがたいよねっていうのでつけて、ずっとついてたんですけども。で、十分多くのユーザーのiPhoneに慣れたところでFaceIDにしますって言って、FaceIDも受け入れられたところで、十分経ってから廃止しますって言ったんですけれども、じつは僕のメインのiPhoneってSE2なんですよ。TouchIDマシンなんですよね。で、まだ最新のOSが動きます。
山路:次ぐらいがヤバい感じですか?
小飼:どうなんでしょうね、でも確かにバッテリーがけっこうヘタってきたんで。Apple Care延長して入ってるんで、バッテリーの交換は無料でできるんですよ、どうしたもんかね(笑)。
「クックもサプライチェーンの中国依存リスクに気づくのは遅かった?」(コメント)
山路:って質問、
小飼:ジョブズの時代から気がついて、iPhoneの組み立てをやってるところというのは当初はFoxconnだけだったんですけど、その後Pegatronとか複数出てきたんです。中国だけではなくて、インドでやったり、ブラジルでやったり、
山路:ベトナムもありましたよね、
小飼:ベトナムも増えてきました。今は昔のApple製品の箱っていうのはDesigned by Apple in California Assembled in Chinaって書いてあったんですけども、今in Chinaがないんですよ、だからどこで最終組み立てやってたかっていうのがエンドユーザーにはすぐにはわからない仕組みになってきたんですよね。要するにチャイナとは限らないと。
山路:よくその規模の生産をインドとかに分散できたなとも思うけど、それすごいなとも思うんですけどね。
小飼:ねえ、
山路:そんな組み立て工場を分散できるのは並大抵のことではないですよね、
小飼:ではないです、
山路:それができるんだらみんなやってるわって話で。
小飼:Appleっていうのは本当にマイクロマネジメントの会社なので、お前らに任せた、で済んでたはずが絶対ないんですよ。
山路:なるほどね、もう、
小飼:本当に最後のもう本当にlast 1 inchどころかlast 1 mmまで口を突っ込んでたはずなんですよ。そのために中国までは定期便飛ばしてたというのか、飛ばさせてたんですよね。そのためにサンフランシスコ国際空港にApple専用ブリッジを作らせて、
山路:ブリッジまで作ったんですか(笑)、
小飼:そうです。定期便を飛ばしてたと。毎日50人くらい本当にAppleのエンジニアが行ったり来たりするような体制を作ってた。
山路:そこの製造ということに関して、かなりAppleは小さい企業からノウハウもかっ払って、どんどん自分のものにしてみたみたいな話も聞きますけどね。
小飼:本当それそれ、
山路:そこのところ黒いというか、かなりずるいやり方を恨んでる人もいるとは聞きますけどね、
小飼:それは相変わらずのアメリカ資本主義というのか、の権化だったんですけれども、でもそれでもアメリカ資本主義のAppleが勝てなかったやつ、少し撤退するしかなかった領域というのもあって、なんだと思います? Appleが勝てなかったやつ。
山路:えーっと、車、
小飼:そういう答えも中国を見てればあるとは思うんですけれども、だから車でなくて、iPhoneの中身。
山路:イメージセンサー?
小飼:あーまぁでもそれは、ソニーとは良好な関係にありますし、さらにSamsungからも買おうとかしてますし、
山路:うーん、メモリーもあれだし、なんだろう、バッテリーか、
小飼:モデムなんです、
山路:ああ、モデムか、
小飼:セルラーのモデムなんですよ。これ、自分で設計して製造はIntelにやらせようっていう。で、やったんですけれども、案の定Qualcommから特許侵害に訴えられて、負けたわけですよね。
山路:あれ? でも、弾さんも使ってるiPhone Airって、Appleのモデムチップ積んでませんでした?
小飼:いやー、だから賠償金を払った上で元に戻すわけですよ。
山路:あっ、えっ? あれは入ってないのか? 結局。
小飼:要は半導体の、チップのIPというのを全部、自分のところで持とうとしてたんですけれど。5Gに関してはQualcommを使うしかないと。そうでないと特許侵害になってしまうから(※編注:2025年9月発売のiPhone Airには、モデムチップとしてAppleが開発した「C1X」が搭載されている)。
山路:ほうほうほう。そうかそうか。
小飼:そういうこともあるんですよ。だから自分の製品なのに、どうしても外部のやつを使わざるを得ないっていう。それに比べればイメージセンサーとか、ソニーがダメなのか、じゃあしゃあねえ、Samsungから買うかとかっていうことができるんですけども。ちなみにですね、イメージセンサーに関しては自分のところで設計図を持ってた、持ってるっていうだけでは、じつはやっぱりどうしようもなくて(笑)。やっぱり物理との境界線なので。今のイメージセンサーっていうのは、ものすごく薄く研ぐんですよ。なんでものすごい薄く研ぐかっていうと、バックサイドイルミネーションって言って、要は光センサーがある面と、そこからの電気信号を受け取って多少の処理をしてCPUその他の電気回路に流す部分っていうのが、ちょうど表裏になってて。この部分っていうのは厚くできないんですよ。で、要はものすごい薄く削るわけですよね。だから普通のチップとは作り方が違うんですよね。
山路:なんかMEMSというか、
小飼:だからその部分っていうのはソニーかSamsungに任せてます。そこの部分っていうのはTSMCではやってないです。TSMCもノウハウ持ってないですし、TSMCはもっと儲かる仕事をやっているので、はっきり言って(笑)。まぁでも別の意味でハイテクですよ。
「これからの新体制の新体制Appleは攻めに出るか、守りに入るか」(コメント)
山路:そのハードウェアエンジニア出身のジョン・ターナスさんがCEOになって、なんかこれで変わると思います?
小飼:どうなんでしょうね。
山路:ジョン・ターナスさんってそもそも何やってた人なんですかね?
小飼:ハードウェアの親玉ですよ。iPhoneのAシリーズも、
山路:基調講演にも出てましたっけ?
小飼:iPadの、本当に、同じAシリーズのProシリーズですとか。なんといっても、Mac用のApple Siliconだから、Mシリーズをちゃんと軌道に乗せたということで。
山路:これなんか世の中的に言われてるのが、AppleはとにかくAIに出遅れてて、AIに注力しなきゃいけないのに周回遅れ、みたいなことよく言われてるじゃないですか。
小飼:だけれども、それでも全体の業績に響かなくしたのも、クックの業績なので。
山路:これ、ハードウェアエンジニア出身、今まで言ってみたらバックオフィスの出身の人がCEOだったのが、今度はハードウェアの開発のほうの人がトップになる、それでなんかこうやっぱり製品とか変わってきたりするんですかね? よく、クック時代はそんなに新しい製品出なかったんじゃないのみたいな言われ方もすることありますけど。
小飼:でも、そうは言ってもApple Watch出たし、
山路:AirPodsも出してますね。
小飼:AirPodsも出たし。この両製品っていうのはすでにiPhoneのユーザーになった人がAppleのエコシステムから抜け出せなくするような、本当に檻の格子のような役割をするプロダクツだったわけですよね。
山路:ああ、AppleWatch使えないとちょっとやっぱり乗り移れねえなというところがありますもんね。いやいや、これから本当にどうなるかわかんないですけども。
小飼:本当にリンゴ沼ですよ。だから、本当に沼師だったわけです、沼ナマズだったわけです、クック船長。15年間お疲れ様でしたと言っても、9月1日までは、9月1日というのか、逆算すると8月末日までは現行体制が続くわけですよ。
山路:じゃあちょっとこれまたAI絡みというか、IT絡みというかAI絡みのネタなんですけど。
小飼:これの受け止め方がなんと言えばいいのかな、本当に日本のウヨの皆さんは本当にまとめて逝ってヨシというのか。(このレースには)玄人も参加してたし、素人も参加してたし、素人のやつが本当に用意ドンですっ転んでバラバラになるやつとかだけをあげて、
小飼弾の論弾 #321 「大ヒットSF映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を語る、自動翻訳は言語の壁を壊すか?EVの成功と失敗を分けるのは何?」
「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。
今回は、2026年4月7日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年04月21日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-04-07配信のハイライト
- 「アルテミスはレーザー通信」と「月の裏側はおいしい?」
- 「パイロット救出作戦の謎」と「どうTACOればいいのか」
- 「高速増殖炉のいいところ」と『プロジェクト・ヘイル・メアリー』紹介
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』レビュー
- Xの自動翻訳はトラブル招く? それともありがたい?
- EV作ってうまくいってないメーカー、うまくいってるメーカーの違い
「アルテミスはレーザー通信」と「月の裏側はおいしい?」
山路:今日タイトルにもあるように『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の小説と映画、あとで語ろうかなと思ってるんですけれども。その宇宙ネタ絡みで言うと、
小飼:皆さんどっちがいいですか? よく言う、いいニュースと悪いニュースとどっちを先にしますかっていうやつ(笑)、
山路:最近暗いニュースもあったけど、とりあえずもういいニュースからいきましょうよ、素直に(笑)。
小飼:素直に、わかりました。
山路:ということでアルテミス、
小飼:じゃあサイエンスファクトのほうからいきましょうね。
山路:ですかね。このアルテミスの皆さん、おめでとうございましたってやつですよね、とりあえず。
小飼:アポロ11、アポロ計画から数えるとこれ60年越してるんですよね。
山路:そうか、
小飼:そうですよ。最初のサターンVを打ち上げてから60年以上経ってんですよ。
山路:60年ってヤバいですよね、
小飼:ヤバいです、
山路:マンションでも絶対買いたくない感じ(笑)、
小飼:そのアルテミスを打ち上げたスペースローンチングシステム、略してSLSっていうやつも本当にシャトルの残骸というのか遺産というのかを集めた、フランケンロケットなわけですよね。二つあるブースターも、本当にシャトルのブースターそのままですし。真ん中にある部分っていうのの燃料タンクっていうのは本当にシャトルのお腹にこうやって、
山路:でかいやつ?
小飼:そう、ついてたオレンジ色のタンクを改造したものです。
山路:素朴な疑問なんですけど、それって再利用するよりも今時の最新技術、それこそSpaceXとかポカスカ打ち上げてるじゃないですか、あれはダメなんですか?
小飼:振り返るとそっちのほうが明らかに(笑)、
山路:ああ、そうですか、素人の素直な疑問が意外に(笑)、
小飼:だから下手の安物買いになったわけですね(笑)。本当にボーイングがスチャラカで、でボーイングというのか、ULAか、United Launching Associationという、ボーイングとロッキードマーティンがアライアンスを組んでNASAにロケット提供してるというのが、じつはNASAのメインなんですけれども。当然SpaceXにもいろんなものを外注してるんですけども、SpaceXのほうがずっといい仕事してるんですよ。ボーイングは、ボーイングというのかULAは有人船ですごいやらかしをしたので、
山路:帰ってこれなかったやつ?
小飼:そうそうそう、だからそれはもう破棄して、ファルコンをもう1回打ち上げてそれで帰ってくるっていうふうにする羽目になってるんですよね。だからそこがやってる有人船なので、
山路:怖いな(笑)、
小飼:そうなんですよ。だから怖さはある。今のところ計画は遅れに遅れたんですけれども、いちおうここまでたどり着いた。ちゃんと月の裏まで行って、帰ってきたという、
山路:『ガンダム』で言えば、サイド3があるあたりになるのかな、
小飼:『ガンダム』のサイドと、ラグランジュポイントの番号付けっていうのはちょっと僕、あれなんですけど、
山路:サイド3は確かラグランジュでいうと1か2、
小飼:月の裏っていうことは2ですね、っていうことはジオンだ、っていうことはサイド3か、なるほど(笑)。
山路:まさにそこのところに実際に人類が飛んでるというところ、なんか『ガンダム』の放送日だったらしいですよね、この辺り、っていう小ネタなんですけれども(笑)、
「おっさんはいつもガンダム」(コメント)
山路:ハイ、すいません、
小飼:もう少し厳密に言いますと、スペースコロニーぐらいでかいものをポンと置いといてそのままぐるぐる行くっていうのはL4とL5だけなんです、ちょうど、
山路:三角形の安定したところっていう、
小飼:単にその中心の部分が安定するだけではなくて、ちょっとずれてもそこに戻ってくるような重力勾配を持ってないとそうはならなくて。これはもう実例があって、トロヤ群といって、太陽と木星のL4とL5っていうのは本当に小惑星がいっぱいあるわけです。だからもう実例があるわけですよ。じつは太陽と地球のL4とL5にも、小惑星がいるというのは。木星ほどはっきりは見えないんだけれども、
山路:ちょっとゴミが溜まっている的な感じにあったり、
小飼:残念ながらL2というのは、L2自体はれっきとしたラグランジュポイントなんですけど、そこから外れた場合っていうのはそこに戻っていかないんですよ。
山路:つまりL2はけっこう不安定?
小飼:そうです、戻るためには能動的な操作が必要になる。そのおかげで密閉型になってるのかな(笑)、
山路:みたいな話はありました、私が子供の頃に読んだ本でもサイド3のあるポイントっていうのはけっこう重力的には不安定ってことが解説してありましたからね、
小飼:ちょっと不安定です、
山路:アルテミス、いちおう順調にはいってるらしいんですけど、細かいトラブルはいくつかあるというね、トイレが故障したりとか。
小飼:そうなんですよ、それは本当にちょっとビビった、人間的にすごいヤバい、
山路:2回ぐらい故障してるんですよね、
小飼:ちなみにアポロの時にはトイレではなくて、船内にいる時には携帯式のやつにして、船外活動をしている時、たとえば月着陸した月面での行動の時というのはおむつをしていました。だからそれを、尻がすっきりしない状態というのは10日過ごしているというのは、これはちょっとキツいですね。それでついにシャトルとかISSとかと同様にトイレがついたんです。そのトイレが、
山路:水洗というか、水洗ではないか。
小飼:バキュームです。バキュームするはずです、
山路:それが、凍っちゃったんだっけ、2回目、
小飼:だから本当に祈ってました、トイレは祈ってました。でもね、その後にね、もっともっと(笑)、
山路:些細なトラブルが、
小飼:もうこれは大気吹くみたいな受け方を、すみません、無重力でも腹筋崩壊ってするんでしょうかというね、
山路:Microsoft絡みのやつ(笑)? メールとかをやり取りするためのOutlookの調子が悪くなったということなんですよね、
小飼:そうそうそう、ちゃんとNASAはMicrosoftとコーポレート契約を結んでいて、それでOffice Suiteを使って、で、メールを使っててこれがまともに動かないというね(笑)、まさかそういうやりとりっていうのもTeamsとかでやってたんじゃねえのと(笑)、そこは率直に同情するというのか(笑)、
山路:関係者が文句言ったんですね、トラブルを報告したんですよね、Microsoftに。そしたらサポートチケットが発行されたという話が(笑)、
小飼:で、まだ解決してないと、
山路:ただすごい話ですよね、月に向かう宇宙船からメールができるってことはインターネットプロトコルが載ってるってことじゃないですか。
小飼:じつは通信の部分っていうのはアポロの時よりは格段に進んでて。たとえば、どれくらいあるんだ? Nikonのミラーレスの一眼、
山路:ああ、ニコンの、
小飼:昔のタイプなんだけれども、センサーはかなりバカでかいやつが付いてるはずで。地球の写真とかも撮ってくれたわけじゃないですか。一見、昔アポロが撮ってくれた地球の写真よりも写りがイマイチっていうのがけっこう出てたんですけども、ちょっと考えてほしいのはアポロの時は昼間だったんですよ。昼間で普通にISO64ぐらいのカメラでじっくりと地球を捉えた上で、
山路:長時間露光か、
小飼:しかもけっこう特別なカメラで、ハッセルブラッドという、今時の人は知ってるかどうか、
山路:知らないですね、
小飼:アメリカの超高級なカメラです、70ミリフィルムで撮ってるんですよ。35でなくて。
山路:映画館でも使われてないようなやつを使ったんですね。
小飼:に対して、今回のアルテミスの地球の写真というのはNikonのセンサーはたぶん1インチでしょうね、やっぱり横部分がずいぶん少ないんです。だけれども、ISOいくつだと思います? びっくりした(笑)、
山路:もう数千とかですよね、えっ、
小飼:51200、
山路:そんな規格ちゃんとあるんだ、
小飼:とんでもない、今時のやつはその10倍のISOでも撮れます、だからじつはそれをISO100ぐらいにすると、ただの真っ暗な画面なんです。だから人間の目ではああいうふうには見えない、じつは。
山路:なるほど、なるほど。あとはなんか乗務員はiPhoneも持って行った、みたいなこと書いてありましたね。
小飼:そうそう、支給らしいです、NASAからの官給品らしいです、
山路:iPhoneの、17 Pro Maxがなんか、
小飼:17 Pro Maxが、四人全員に配られて、それぞれバシャバシャやってくれという。
山路:それは最強のプロモーションになってしまってますな。
小飼:けっこうこれはすごいなと思ったのは、アルテミスは当然宇宙で中継された上でヒューストンと通信してるわけですけれども、宇宙間通信っていうのがもうすでに光になっているという、O2Oだと。
山路:それっていうのは人工衛星がとロケットの間でレーザー通信を行う、
小飼:そうなんですよ、
山路:動いてるやつを狙いながら通信してるわけですよね、つまりは。
小飼:そうです、地球の写真も乗組員のライブ中継とかっていうのも、もう余裕でやり取りができると。ただ400Mbpsっていうのはちょっとおとなしすぎる数字だなとは思った。スターリンクの1契約と同じくらいですかね。
山路:なんとかNetflixも見ようと思ったら見れるくらいな、
小飼:それはぜんぜん余裕、
山路:他の用途にも使わなきゃいけないからけど(笑)、
小飼:だから一般家庭であれば、100メガあれば本来十分なはずなんです。なのにうち10ギガ契約してるけど(笑)、本当に便所の100ワット感は半端ない、
山路:便所の100ワットって言い方も懐かしいですけどね(笑)、
小飼:1ギガあると、たとえば仮想マシンですとかVMイメージですとかコンテナーとかをアップしたりダウンしたりするのも苦になくなりますし、小さめのAI、LLMのモデルであったら数十ギガバイトのオーダーですし。最近のゲームのでかいやつっていうのはそれくらいあるんだよね。
山路:もう数十ギガとかあったりしますよね、
小飼:Microsoftのフライトシミュレーターが100超えてるんじゃなかった、
山路:新しいやつはちょっと小さくなったんですよね、分割ダウンロードみたいな感じで(笑)、
小飼:10ギガとかあると、それすらあんま気にならなくなるんですよね。
「月の裏側から通信するにはどうすればよい?」(コメント)
山路:って、今回は月の裏側からはできてないんじゃないかな、
小飼:できてないです、
山路:通信途絶してますもんね、
小飼:それはもうアメリカの事例でも、旧ソ連の事例でも、中国の事例でもブラックアウトというのはそれは仕方がないなという。
山路:月の衛星軌道上に人工衛星を置くみたいな話になってくる、
小飼:その通りです。だから中継すればOKですけど、今のところは中継までコストをかけられないということですね。本当は月の、じつはですね、月は裏のほうが価値があるんです。
山路:鉱物資源の文脈でってこと?
小飼:何でしょう?
山路:太陽の観測とか、太陽以外の宇宙空間の観測とか、
小飼:じゃあ視聴者の皆さんにもクイズとして今の、なんで月は裏のほうが表よりもおいしいんでしょう?
小飼弾の論弾 #320 「中東紛争で世界的なエネルギーと食糧危機到来、日米首脳会談の成果は?中国でAIエージェントが大ブーム」
「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。
今回は、2026年3月24日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2026年04月07日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2026-03-24配信のハイライト
- 通話アプリPOPOPOの感想と同期型通話について
- 「Moltbook買収の狙いは?」と「OpenClawとAIのビジネスモデル」
- 「AIのGPUは無駄なことしてる」と「RISC-Vの設計図は後出しじゃんけんの権化」
- 「トランプはイランの誰と話す?」と「なぜ中東から肥料?」
- 「アラスカ原油はどう?」と「オイルショック以上の危機」
- 視聴者質問「マンガワン問題の影響」「ゲーミングPCの買い替えはいつ?」
通話アプリPOPOPOの感想と同期型通話について
山路:最初たぶん、軽い話題だと思うんですけれど。
小飼:山路さんがいつも軽いって言ってるのさ、
山路:いや、本当これは軽いと思うんだけど(笑)、
小飼:ポテトチップスが軽いとかっていうのに近いよね。
山路:カロリーはヘビーみたいな感じですね(笑)、
小飼:そうそうそう、あとで腹にズシンとくるというね。
山路:これ、POPOPOいかがですか?
小飼:何?(不思議そうな顔)
山路:(笑)もう、それ今、素で言ってる、完全に。
小飼:何ですか、それ。
山路:何ですかって、川上量生さんが始めた通話アプリ、
小飼:(コメントを見ながら)髪は刈りましたね、春なので。
「いちおうインストールしてみました」(コメント)
山路:って書いてる人もいますよね。通話アプリっていうことで、なんていうんですかね、通話アプリでユーザーはアバターみたいな、ホロスーツって言ってるんですけど、ガワ着るんですよ。で、通話をするんだけど、その時にべつにユーザーがアバターとかを操作するわけじゃなくて、ユーザーはもうただベチャるだけ、ただ話すだけ、友達なんかと。
小飼:何が面白いの、それならもっとまともなマッチアップとかがいっぱいある、
山路:私も正直アカウント作ってピンと来なかったんですよ(笑)、
小飼:それがすべてだと思いますよ。でもさ、川上さんってさ、KADOKAWAをだまくらかすのに成功したわけじゃん、なんで、だからさ、ちゃんと、その後にさ、引退はしてたのか。要はセミリタイヤはしてたわけか。なんでこの期に及んで、こんなの始めたの?
山路:そこのところからツッコまれるとは思っていなかったんですけれども。
小飼:だから川上さん、ビジネスを立ち上げるのはもはや必要ないよね。というのか迷惑だよね、はっきり言って。
山路:おっとっとっとっと(笑)。N高とかやってるじゃないですか。N高とか。学校ビジネスとか、
小飼:川上さんがやってる、始めたのは確かかもしれないですけれども。でも、N高も遡って考えると、それ以前に夜間校というのか、何て言えばいいのかな、
山路:通信制とか、定時制か、
小飼:定時制があったわけですよね。だから、それをアグリゲート、つなげるというふうにするのではなくて、わざわざN高を作ったわけですよね。今考えると、それが良かったのかなっていうのは。だから、これもまたキツい言い方だけども、余計なことしやがって。
山路:キツいな(笑)、キツいなー。
小飼:だってその役割をするものというのはすでにいっぱい存在してたんじゃなかったの? そう、定時制にしろ、通信制にしろ。
山路:そういうところをもっと梃子入れするなり、
小飼:だから通信を、それまでの通信制というのは一方的にラジオとかテレビで番組を流して、それに対するレスポンスというのをちょろっとスクーリングでやってという感じだけど、そこはちゃんと革命できたはずなんですよね。N高とか持ち出さなくても。でも、それは置いといても。何これ?
山路:要はClubhouseにアバターがついたみたいな感じですかね。音声で、Clubhouseって一時的に流行ったじゃないですか。
小飼:本当に一瞬、流行りました。(コメントを見ながら)あ、『ヘイル・メアリー』まだ見てないです。次の週末に妻と見に行こうかなというふうに思ってます。
山路:まあ、ということがで一瞬アプリのほうで第1位をとってたので、あえてPOPOPOを紹介してみましたという話なんですけれど。
小飼:声は自分の声なの?
山路:そうです、べつにボイスチェンジでもなくて、
小飼:いや、そうでなくて。今時の音声通信というのは帯域幅の制限がものすごいデカい時というのは、音声作るんですよ。
山路:生成AIが画像補完するみたいな感じで。
小飼:そうそうそう。今時のスマホのカメラは写真ではないっていうのと似たような。
山路:自分の声ではないと、そういう意味で自分の声ではないという。
小飼:そう、だから作り物だと。
山路:コメントで、
「おっさんばっかりの記者会見はキツかった」(コメント)
山路:ひろゆきとか庵野秀明とかがずらりと並んで、POPOPOの記者会見をやったそうですね。
小飼:そうなんだ。
山路:アバターを見せるっていうのは、話の流れに応じて自動的にカット割りをして映像が見るみたいな、そういうファミレスで話してるみたいな感じを目指してるっていうようなことを言ってましたけどね。
小飼:ファミレスで話してるか、最近の若者はファミレスでダベるほどの財力はある?
山路:確かに、
小飼:頑張ってサイゼでしょ、頑張ってサイゼでしょ。
山路:ドリンクバーと何か頼んだら、もう1000円はそれだけで超えますもんな。
「ペンギン村2.0」(コメント)
山路:ペンギン村って何かありましたっけ? ネットサービスだっけ?
小飼:いや、ペンギン村はアラレちゃんの、
山路:『Dr.スランプ』の、
小飼:住まいですね。
「ボッチでも使える?」(コメント)
山路:ってありますけど、これ一人では使えないですね、通話アプリなんで。
小飼:それだけで障壁、むちゃ高い。
山路:じつは私も同期型の通信って苦手なんですよ、弾さんとは対面で話すのはまだいいんですけど(笑)。電話で長時間話すとか、Zoomで長時間話すとか。同期型が増えてきたじゃないですか、最近。
小飼:なんでせっかく非同期に移行したはずなのになんで? っていう気持ちがある。
山路:しかし非同期が嬉しかったのはじつは一部のオタクだけだったんじゃないかという可能性もなきにしもあらず(笑)、
小飼:どうだろう。
山路:意外に世の中の過半は同期を求めてたのかもしれないと思ってますけどね。
小飼:いや、同期でなきゃいけないものはありますよ。「もしもし、オレオレ」みたいなやつは同期でないとちょっと。
山路:で、ちょっとこのPOPOPOでアバターという言葉が出たついでに、その流れついでに紹介しようと思ったんですが、Metaがメタバースをあんまり力は入れなくなってきてるなというのが(笑)、
小飼:というのか、ザッカーバーグが紹介したMetaの、本当にポンチ絵としか、
山路:Horizon Worldsね、それはもうさんざん擦られてるんですよね、
小飼:擦られてますよね、
山路:最初に出すのがそれかい、みたいな、
小飼:何億回目みたいな擦られ方はしてるんだけど。その後どうなったっていうのはね。
山路:いちおうVR版のHorizon Worldsを終了するっていったん発表したんだけれども、でもそれはやめてくれみたいなユーザーの熱心な声を受けて、いちおうちょっと継続しますよというふうになったという(笑)、
小飼:そうなんだ、
山路:だから熱心なユーザーは、まぁそれでも先行きは不透明で、あんまりMetaとしてはHorizon WorldsのVRのほうには、
小飼:社名まで変えたのにねえ、
山路:っていう(笑)。ただスマホのほうには力入れていくみたいな話もありましたけど。
小飼:またなんかあれなわけ、Facebookフォンみたいなことをやるわけ? (スマホの)Metaフォンみたいなことをやるわけ?
「Moltbook買収の狙いは?」と「OpenClawとAIのビジネスモデル」
山路:どうなんでしょうね、それ今からやるかねっていう、そこのところでまたMetaの動きでそれで言うなら、これですよ。MetaがSNSのMoltbookを買収という。Moltbookってちょっと1回『論弾』でも取り上げたんですけど、AIエージェントだけが参加できるSNSって謳ったやつ。そこでAIがガチャガチャ話して、新しい文化とか言語とか作っていくんじゃねえのみたいな意見もありつつ、じつはだいたい人間がやってたんじゃねえのみたいな意見もあって、だけどちょっとみんな生温かい目で見守りましょうかというところで、Metaがこれを買収したっていうんですけど。
小飼:でもこの名前はあの僕はけっこう好きだよ。Moltってどういう意味だろう?
山路:堀? それはmoatか、
小飼:この場合のMoltっていうのは脱皮。
山路:昆虫とかの脱皮?
小飼:そうそうそう、昆虫だけじゃなくて蛇とかの脱皮もっていうけれども。そこからとったんだろう、明らかにそこからとってますね。
山路:人間を脱皮した、みたいな意味なんですかね、Facebookから脱皮したみたいな。
小飼:それが一番近いんじゃないかな。
山路:(コメントを見ながら)AIのフリしたたくさんのインド人ってやつ?
小飼:そうそうそう。
山路:(笑)このMoltbookって、これって素人の意見なんですけど、そんなにすごい技術なんですか? このAIだけが参加できるSNSって、そこまですごい?
小飼:だから参加資格をどうやって審査してるのかという。AIのIDって、まだ規格とかないじゃないですか。たとえば日本だったらマイナカードとかありますよね。少なくともマイナカード自体は日本の、日本リージョナルって言うとちょっと怒られるな、ナショナルな規格だし、いちおう国外でも通用するようなプロトコルを採用してるわけですよね。で、AIに戻って、AIはそういうIDを持ってるの?
山路:まだまだこれからっすよね。
小飼:ねえ。
山路:そういうトラストな構造を作っていくのっていうのは、本当に。ただこれって結局そういうMoltbookみたいなことをいち早くやるような、優秀なエンジニアを雇いたかったということだとは思うんですけど、結局のところ。
小飼:どうなんだろうな、一昔前だったらそうなんだけれども。
山路:今はちょっと状況が変わってるって?
小飼:かつて優秀な人間を一生懸命探してたところがAIでいいや、にけっこうなってるし、AIのほう、あるいはAIのほうがいい。
山路:ただ、Moltbookで言うんだったら、言ってみたらこういう企画を立ち上げた企画力を買われたってことなんじゃないですか、
小飼:それはある。で、けっこう意外と買収の理由として、買収先の技術や資産を取り込むというのが陽、陰陽の陽、
山路:太極マークの、
小飼:そうそうそう、表向きの理由だとしたら、陰の理由としては、そのサービスを消し込みたい、なくしたい、商売敵に将来育ちそうなので、今のうちに目を摘み取りたいっていうのもけっこうあるんですよ。
山路:なるほどなるほど。Moltbookってそんな可能性を感じたんですかね?
小飼:さあ。
山路:なんかザッカーバーグ、そんなにじつは買収上手ではない……。でもInstagramで大成功してるし、WhatsAppでも成功してるし、それは成功と言えるのか。
小飼:でも、テックジャイアントって買収が決して上手いわけじゃないですよ。GoogleだってYouTubeを除けば、そんな成功例ってあったかな?Appleはけっこう成功してる一方で、買った会社の素性とかっていうのは、本当に法的に仕方なく公開しなければいけない分を除いては、大して公開してないですから。
山路:割と地味なバックエンドの技術みたいなのを買ってたりしますよね。
小飼:そうそうそう。でも一番でかいのはP.A. Semiかな、
山路:セミコンダクターね、Aシリーズのチップになってる、
小飼:そうです、だからあれは会社を買ったというよりも、人を買ったんだよね、どう考えても。
山路:あと、Beatsはブランドだしな。
小飼:そういうことです。あ、Beatsが一番でかいですね、
山路:金額的にはね。
小飼:金額的にも、名声的にも。
山路:私なんかの若者文化に疎い人間からすると、Beatsってピンとこない、すげーピンとこないブランドですけど、
小飼:僕もすげえピンとこない、
山路:弾さんもそうですか(笑)、
小飼:ぜんぜんピンとこないですね。
山路:おじさん二人がBeatsとは無縁の生活を送っていますけれども。
小飼:もはやBeastでなくて、Appleの一部門ですからね。
山路:AirPods Max出ましたけど、あれは買うんですか?
小飼:え? 長女買うのかな。僕はもう最新モデルのProを買ったので。だから僕は買う理由はないです。
山路:なんかもうMacBook Neoと同じ値段なんですけど(笑)。
小飼:そうね。最近のAppleはペリフェラルが高いのかな。Mac自身はそんなに高くないというのか、
山路:ぜんぜんターゲットは違いますけどね、MacBook NeoとAirPods Maxではね。ちょっとAIの話に行こうかと思うんですが、いくつかAI絡みのやつで気になるニュースがあったんです。まずこれ、このXの投稿にあったやつ、このAIがベンチマークテストをごまかすようになってきたという。
小飼:いやー、で、これ人間が指示してないというふうに言ってるんだよね。いや、ベンチマークというのは本当に、ごまかすため、そう、うやむやにするためにあるというのか、有名どころではGalaxyでベンチマークコードを実行しているというのを検知すると、今自分はAnTuTuを実行しているとかっていうのを検知すると、ベンチマークモードになるとかね。それもかなりevilなんだけれども、かなりevilだったというのはディーゼルゲート、あれも同じロジックなんですよね。
山路:しかしそれって今、弾さんが言ったのは全部人間の仕業じゃないですか。
小飼:そうなんですよ、ここまでは。人間が仕込んでたんですよね。
山路:evilなアクションがいろんなところで最適解ってことをAIが学習しつつあるって書いてある、
小飼:そうなんですよ、AIが学習しちゃったと。そこなんですよ。AIを毒するというのはけっこう簡単じゃないのか、という。だから現在に死ね死ね団が出たら、金で心を汚すよりも、ニセ情報でAIを汚すほうを選ぶんじゃないですか。
山路:ニセ情報でなくても、べつにトランプ大統領の行動をそのまま学習させたら、そんな感じになるんじゃないですか(笑)、
小飼:ハハハ、
山路:べつに偽情報すら必要ないような気がしなくはないですけどね。さらにそのAIエージェント、もっとより小狡いこともするという。勝手に暗号資産のマイニングまで始めちゃったよっていう(笑)。
小飼:だからいろいろとウケるよな。
山路:小狡いことを真っ先に学習していくあたり、非常に人間的になってきましたよね。
小飼:あんまりアーティフィシャルじゃなくなってきたよね。
山路:かなり生っぽい感じがしてきますけども。そういうAI、ちょっとやべえとこ多いよなと思ってるところで、AIエージェントOpenClawが中国で大ブームって怖くないですかっていうことを言いたかったんですけど。
小飼:これはもっと突き進んでほしいという気持ちもあるね。
山路:OpenClawっていうのは個人用のAIエージェントのシステムっていうふうに言えばいいのかな、
小飼:いや、だから本当に個人用なのかというのが、そこが一番の疑義が。
山路:本当に自分のパソコンの中のリソースっていうものを、ある意味、もうAIに全部使わしちゃって仕事させるって感じですよね、言うてしまえば。
小飼:でも、その前に今時の人間とインタラクトするAIというのは、そもそも出発点としてラージモデルがあるわけです。ラージモデルとは何ぞや、と言ったら、今まで出してきたデータをいいも悪いも全部ぶち込んでるっていうのが、
山路:クソもミソにもう一緒に、
小飼:いや、そうなんですよ。だから人間の悪い部分っていうのも、当然学んじゃってるんです。そこの部分をクリーンにするっていうのであれば、そもそも学習データというのをちゃんとクレンズしなければ、きれいにしなければいけないんだけど、そんなことしてるやつって誰もいないよね。
山路:NVIDIAがOpenClawの、ラップするというか、セキュリティ的なレイヤーを追加してちょっと安全に使えますよ、みたいなやつを発表してましたけど、
小飼:全く信用できない、
山路:(笑)あとクソもミソも一緒のデータって言ったけれども、ある意味ズルをするって、知能の本質に近いところないですか?
小飼:うん、それは割とすぐたどり着く。この場合でどうしたらいいのかというのは、まだモデルがラージである以前にチートします。ただチートというのは当然カウンターチートを食らうわけですよね。そうやってる間にチートはなくなっていくわけですよね。
山路:より巧妙になる、
小飼:巧妙になるというのと、単純になくなる、単純にキャンセルアウトされる。
山路:そこの中から新しいものが生まれてきそうな気もしなくはないんですけどもね、その繰り返しの中で。だってたとえばGANなんて、GANっていう手法あるじゃないですか、画像生成。あれって画像を生成したものをある意味見極められるかみたいなことを相互のやり取りの中でよりよい画像を作っていく。
小飼:でも商取引がきれいになる過程っていうのは確かにGANに近いかもしれない、
山路:それこそがまさに社会としての知能というか、なんかの能力の向上みたいなもんなんじゃないのって思ったりもするんですけど、
小飼:でも、GANというのはあくまでももうディープラーニングの手法の一つに過ぎないんだよね。
山路:あくまでもメタファーですけれども。それが完全に知能のすべてっていうのではないですけれども。とにかくチートもするようなAIエージェント、なおかつOpenClawってつまりパソコンのセキュリティとかもぜんぜん無視してやりたい放題やれちゃうっていうのが、この中国で大変な人気で。中国当局がOpenClawを使うのを気ぃつけるよっていうことを、
小飼:気ぃつけろよっていうところがむしろ気になりますね。全面的にダメだとかっていうんじゃなくて。
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