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 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年2月10日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年02月24日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-02-10配信のハイライト

  • 「アメリカ人の体重と燃料費」と「エプスティーンと陰謀論」
  • 「中道大敗」とその影響、海外と憲法
  • 「失われた半世紀」と「海外で働くには?」
  • 視聴者質問「経済政策のスタンスは?」「配信10年で変わったこと」
  • 「Google100年債の意味」と「細菌が結石を」
  • 「100倍に巨大化した細胞」と「自重の1万倍を支えるミウラ折り」

「アメリカ人の体重と燃料費」と「エプスティーンと陰謀論」

山路:すいません、開始時間がちょっと遅れてしまいまして、

小飼:はい。僕がいけない。

山路:なんかトラブルがあったようで、無事に着けてよかったということで。

小飼:ちょっと本日は30分ぐらい、30分は遅れてないか、普段はもう少し早く来てちゃんとブリーフィングとかして始めてるんですけど、今日は、

山路:ぶっつけ本番というね(笑)、

小飼:そうですね、

山路:今日、タイトルは衆院選2026っていうのを一番大きく持ってきたんですけど、

小飼:なんでそんなゲロいタイトルを持ってきてるんですか、

山路:じゃあ軽い話題から言っておきますか、

小飼:そうね(笑)、

山路:私的に軽い話題として、

小飼:軽い話題あるのか、

山路:アメリカの航空会社の話なんですけど。

小飼:本当に軽くですむ?

山路:軽い、しかもある意味本当に軽いという話ではありますね。

小飼:ほう、山路さんがそこまで言うのであれば。

山路:ここのところスライドが作られていない、じゃあリンクだけ出しますね、

小飼:あ、そうだ、

「髪が短い」(コメント)

小飼:っておっしゃってる方いますけれども、切ったのヒゲだけです(笑)、

山路:あ、そうですか(笑)。これだ、

小飼:ああ、あったあったあった、

山路:すげえ軽いニュースじゃないですか、いろんな意味で、

小飼:これ、そこまでアメリカ国民全体に行き渡るほど、行き渡ったの、オゼンピックとかマンジャロとか?

山路:まだそこまでのレベルにはなってなくて、けっこう高い薬ですもんね、それなりに毎月ずっと使い続けようと思ったら。なんか数万円ぐらい日本円でするじゃないですか、

小飼:当然飛行機というのは重すぎると飛べないので、乗客の体重というのは聞くのはとても失礼なので、だいたいどれくらいかなっていうのはちゃんとやってるんですよ。それは全世界の航空会社がやっていて、いちおうオフィシャルな数字というのはあるんです、何も考えなくて男性ならいくつ、女性ならいくつぐらいのがあるんですけれども。たぶん独自のやつもやってるとは思うんですけど、その一方で今は本当にeチケットの時代なので、そもそもチェックインしない。チェックインしないので、平均値というよりも、FCCがこれ使いなさいっていう数字をそのまま当てはめてる。たいていそれって実情より軽いんですよ(笑)、

山路:ありがちだなあ。

小飼:ありがちです。だから広告会社はその辺の余裕も見てちゃんとやってはいるんですけれども。

山路:だけど、それにしてもアメリカ人、太りすぎやろみたいな(笑)。

小飼:だからこれは本当に文明が起こした悲劇というのか、

山路:喜劇に近いところもある、

小飼:いや、だから食い物が悪い、一番悪いのは食い物なんだよね。次に運動しないことなんだよね。

山路:この記事によるとですね、アメリカ社会が1割減量すれば燃料費が1.5パーセント削減されると分析したという、この調査会社、

小飼:どこ?

山路:アメリカのジェフリーズって会社の分析らしいんですけど。これ、1.5パーセント重量を下がったら、航空機かなり燃料変わりますよね。

小飼:変わるね。

山路:だから、これによって航空、

小飼:1パーセント超えるっていうのはすごいsignificanceな。

山路:航空機燃料の費用は運営コストの2、3割なんですってね。

小飼:もっといくかもしれないな、だからそれはもう本当に原油価格にじかに連動みたいな形。そう、だから他のどんな要素よりもでかいんですよ、燃料価格っていうのは。

山路:それにしても、それが乗客の体重が影響するっていうのがまたね、

小飼:正しい、いや、だから、そういうことなんですよ。ちゃんと飛行機は物理学に従って飛んでるので。

山路:この1ガロン、4リットルあたりたとえば1セント燃料コストが変動したら、1四半期で数百万ドルぐらい変わってくるそうなんですよね(笑)。

小飼:いや、全部合わせれば数億ドルというのか、それで利益が出たり利益が吹っ飛んだりするという、ものすごいでかいファクターです。だから本当に乗員をリストラした、リストラしない、新しい飛行機を買わないって話してますけれども、そんなのよりぜんぜんでかいんです。

山路:航空会社の運賃ってけっこうギリギリみたいなところがあるんですかね、

小飼:昔は燃料サーチャージって単語すらなかったじゃないですか、いや、それだけ上がったんですよ。だから燃料サーチャージを導入することによって、ちゃんと運賃を反映させられるようになったんです。あれはけっこう航空会社の目線からするといい発明だったんですよ。

山路:しかもこの肥満減少薬の影響って、外食産業にも相当影響してるらしくて。アメリカの食事ってとにかく量多いじゃないですか、特に日本人にとっては。

小飼:デカいね。

山路:デカいですよね、一つのポーションが。それが最近はもっとちっちゃいのでくれっていうリクエストがすごい増えたらしいんですよ。

小飼:それはいいことだね。

山路:そこのところでスナック菓子とかの需要も減ってるとか、数値に表れて減ってきてるみたいなこともあるらしくて。

小飼:本当? って思うかもしれない、いや、そもそもキャフェテリアのメニューからしてもうダメなんだよね、

山路:ダメなんだ(笑)、なんかもうコークで、

小飼:キャフェテリアがダメなんだよね、

山路:コークでフライドポテト流し込むみたいな感じの、

小飼:日本だと地産地消の給食だからね、この差はでかいね。

山路:でもこれ、意外にアメリカの問題って、アメリカ人が痩せたら解決することってじつはめっちゃ多いんじゃないかみたいな(笑)、

小飼:そう、いや、でもこれは個人の取り組みだけではダメでしょ。本当に、子供を学校に通わせる、キャフェテリアのメニューがもう本当に『スーパーサイズ・ミー』のままっていうのは、もうこの段階でアウトなんですよ。

山路:ある意味、児童虐待ですよね。

小飼:その通り。なんですけども、今のアメリカは国単位の教育行政というのすらなくて、ましてや食育なんてどこの国の話? なんですよ。

山路:それにあと医療費がじつはけっこうこれで助かるところもあるんじゃないか、

小飼:でしょうね、

山路:特にアメリカって医療保険なくて、それに苦しんでる人もいるけども、糖尿病とか減ってきたらだいぶそれでその辺のところも和らぐんじゃないのか、

小飼:スーパーサイズは医療費もスーパーサイズにしちゃうので、

山路:これはけっこういいニュースかなと、良くて、しかも軽いニュースじゃないですかと(笑)、

小飼:いや、重いじゃん、じつは、

山路:影響はね(笑)、

小飼:だって一番医療費使ってる国よ。いや、だからこれはじつは一番重い(笑)、一番重い。

山路:まあまあちょっと明るめの、

小飼:ただその一方であの国の厚生大臣というのか、厚生長官って誰でしたっけ、

山路:あのジュニア、なんかあれほどのバカなジュニアも、

小飼:そうなんだよ、だから、

山路:今麻疹がアメリカ中で蔓延しとるというニュースが出てましたけどね。

小飼:いや、本当に、これって意外と日本語に訳しにくい言葉でものすごい英語ではよく出てくるフレーズなんですけれども、ああいうのをWhat a shameと言います、

山路:なんという恥、という、

小飼:いや、だから「恥を知れ」なんですけれども。日本語じゃ時代劇レベルじゃないですか、こういうセリフが出てくるのは。英語ではけっこう使う機会が大きいんですよね。

山路:しかしこの麻疹、子供の時につまり重症化した人って相当後にダメージ食らう人も何パーセントかでは絶対出てきますよね。

小飼:measlesはね、デカいね、

山路:大きくなってからも麻疹の影響って、麻疹にかかったらまたそれですごい影響あるじゃないですか、

小飼:(コメントを見ながら)はいはい、日本でも中年向けに抗体検査してるので、もし自分が該当するんじゃないかなっていうふうにいったら、気軽に聞いてみてください。もし該当するのであれば、無料で受けられますから。

山路:ああ、そうですか、大人になってからも、

小飼:はい、大人になってからも。というのか大人対象なので。僕も受けました。僕はちゃんと抗体があるということで。

山路:私はワクチン受けてないかもな、麻疹にかかったことはあるけど、

小飼:それでもいいの、ちゃんと抗体があるかどうかなので、かかったことがあってもそれを忘れちゃうよね、

山路:抗体がなくなっている場合もありますしね、

小飼:そうそう。

山路:そうか、これはちょっと本当に聞いとかんといかんですね。

小飼:恐ろしい、免疫をザップするっていうのは恐ろしいやつだよね。

「MRワクチン最近見た」(コメント)

山路:そうか、MRワクチンには麻疹のやつも入ってんでしたっけ? 3種類ぐらい入ったやつありましたよね、あれはおたふく風邪となんだったか、

小飼:おたふくはなくなったんですよ、日本では3種じゃなくて2種になったんです、これ有名な話なんですけど、

山路:そうか、でもいずれにしてもちょっとチェックしておいたほうが皆さん、良さそうですね。

小飼:おたふく外すっていうのはかなりアホなんですけれどもね。

山路:そんなにコスト変わるわけでもないんじゃないのとか思うんだけど、そうでもないのかな。

小飼:そうか、MRのMがmeaslesで、Rがrubellaか、だから、2種混合ですね、

山路:じゃあ麻疹のやつ、私打ってるかな、

小飼:はい、MR打ってるんであれば大丈夫なはず、

山路:良かった良かった、

小飼:Mはmeaslesなので、

「麻疹は特定の世代の男性が打たれてないんだよね」(コメント)

山路:ああ、そうなのか、

小飼:そうそうそう、だから子供の病気だし、子供のうちにかかっとけというふうに言われて、僕もたぶん予防接種はしてないんじゃないかな。たぶん、ガキの頃に知らない間にかかってというやつじゃないですかね。おたふくもそうです、明らかに打ってないです。Mはわかんないけど、Rは明らかに。

山路:せっかく明るいアメリカのニュースだったところなんで申し訳ないですけど、アメリカのちょっと嫌なニュースもついでに続けていってみましょうか(笑)。

小飼:いや、だからこれはもうずっとだからね(笑)。エプスティーンですね、これ、また表記の揺れが出てきたんです、アメリカでも最初みんなエプスタインって言ってたんでだけども、今ではエプスティーンになりましたね。

山路:ビル・ゲイツがまぁ奥さんから、がっかりだわーって、

小飼:あああ、あれは何、凄い、embarrassingなニュースでしたね、

山路:もうその影響の広がり方っていうのが、

小飼:プライドとかっていうのではなくって、いや、こういうハニートラップに引っかかるんだなぁと、いうすげーよなぁ、ロシアンカによりによって梅毒を移されているというのは。でメリンダにもうつしちゃったかもしれないというのは、これは、これは、これは。

山路:まぁこれはただまだビル・ゲイツ自身は否定してますけどね、そういうことっていうのは。

小飼:いやー、でもこれだろう。

山路:あとイギリス、スターマー首相が、要はイギリスの労働党の重鎮がこのエプスティーンと関わりがあったっていう、そいつを任命したってことでめちゃめちゃ責められて、

小飼:しかも米国大使にしちゃったんだよね。

山路:さらにノルウェーでは元首相か、元首相がなんか関係してたんじゃねえかとか、

小飼:いや、でもこれ、エプスティーンってべつにエスタブリッシュメントではないんですよね、もともと金持ちの階層にいたわけではなくて、成り上がりであそこまで行ったっていうのはなかなかすごい。

山路:そこのところでじつはロシアと繋がりがエプスティーンね、あったんじゃないかというこの疑惑も出てて、

小飼:いや、だからそれも含めて。

山路:今回のエプスティーン文書の公開って、非常にこれがもしも、

小飼:にしてもなんでエプスティーンなんだろう、普通、あそこのSTEINって書くところはスタインって読むんですよね、英語圏でアインスタインですとかね、バーンスタインですとかね。なぜかエプスティーンなんですね。まあでも、そういう固有名詞というのは固有名詞なので。

山路:さらに、そういうのと関係なさそうなノーム・チョムスキー、

小飼:(コメントを見ながら)後流悟十三さんは十三であって、サーティーンではないんですよね(笑)。

山路:そのエプスティーン文書に名前が出てきた人、ノーム・チョムスキーまで名前が出てきた、

小飼:そうなんですよ。

山路:ただ広報やってる奥さんの話によると、エプスティーンってすげえ文化人とか、そういうとこにもどんどんアクセスを持ってきた、

小飼:日本も無縁じゃないですからね、もうすでにJoiは何度も名前が出てきてますからね。これ、覚えておいてください。

山路:これ意図的かどうかわかんないんですけど、今回のエプスティーン文書の巧妙なところって、完全に裏が取れたものとかだけじゃなくて、全部混ぜこぜで公開してるじゃないですか。

小飼:混ぜこぜじゃなくて、混ぜない、で公開してるの。

山路:混ぜないで、か。

小飼:そうそうそう、だからとにかくファイルにあるものをそのままぶちまけてるの、だからそこがポイントなの。

山路:これって逆に、罪ある人が言い訳しやすい状況でもないですかっていう、逆に。

小飼:どういうこと?

山路:たとえば名前が上がってて、明確に有罪じゃないみたいな、罪を犯してもない人が言い訳しやすいふうになってない?

小飼:じゃあ言い訳するのであれば、どこからアリバイを持ってくるのかな、

山路:それが難しいでしょ、

小飼:だから結局アリバイを出せるかどうかだね。エプスティーン文書にお前の名前あるけど、この時あんた何してましたって言われた時に。いやー、だからそんなヤリ島になんか行ってませんよっていう。だから、確たる証拠をあげられるか。

山路:いやー、なんか予想以上にでも広がってますよね、

小飼:すごいね、ものすごいやり手だったんだね。で、ヤリ島に行った人たちの多彩なこと、チョムスキー含めね。

山路:マーヴィン・ミンスキーとかも、

小飼:ミンスキーも行ってましたね。(コメントを見ながら)あ、Joiは何度も会ったことあるよ(笑)。いやー、Joiもやり手なので。

「エプスタインの不審死はロシアっぽいかも」(コメント)

小飼:あ、そうかもしれないね。じつはアメリカにはソ連の時代から、いやもっと前かな、それこそ宮廷ロシアの時代からスパイはいっぱい入ってて、一番人気の亡命先じゃないですか。なので、だからけっこう暗殺部隊を送り込んでて。まぁでもアメリカで暗殺されたというのは、意外と有名になってない、それはアメリカの当局の失敗なので、だからあまり多く言われないのかもしれない(笑)、でも有名なところだと、トロツキーがメキシコで暗殺されているというのがありますよね。

山路:ありますね。

小飼:もう一つ、明らかにアメリカで何度も暗殺されかけて、それを逃れたという人には、ベレンコという人がいます。ミグ25を函館空港まで持ってきた人です。

山路:持ってきたっていうかね(笑)、

小飼:持ってきたというのか。当然アメリカに亡命したわけですけれども、その後も何度も暗殺されかけて。アメリカに亡命した時には亡命とも同時にFederal Witness Protection Programっていう、なんて言えばいい、証人保護プログラムですか、で、それでもう別のアイデンティティを与えられたにも関わらず、ちゃんとKGBはそれを調べて。だから何度も暗殺されかけてますね、ベレンコ。

山路:今回のエプスティーンの事件文書の公開で、陰謀論のまた何かいいタネを追加した感じになってますね。

小飼:そうですね。そうなんですけど、やっぱりなんでここまでデカく取り上げられてるかって言ったら、ロリータ島ですね。単なるヤリ島じゃなくてロリータ島という言い方をしてますね。

山路:英語圏のメディアでは、

小飼:英語圏のメディアでは。要は未成年をそこに配置してやらせまくったというか。

山路:本当にフィクションである、フィクションそのものじゃないですか、三流スパイアクション(笑)、

小飼:ノンフィクションなんですよ。だから、あれが現実なんです。ああいう現実があったからこそ、たぶんフィクションも書けるんでしょうね。本当にもうあれこそ事実は小説より奇なりというか。

山路:それこそこれから為政者、そういう上流階級とかあるいはそういう支配階級と思われる人がなんかいいこと言っても、すぐ疑われちゃうってことにならないですか、結局お前ら、ああいうことやってるんだろうって、

小飼:それはなるでしょ。それはなるし、そういうのを見越したかどうかはわかんないけれども、早めに王室の権力と財力を縮小してたっていうところ、国っていうのは先見の明があるって言っていいんじゃないですか。

 

 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
 無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。

 今回は、2026年1月27日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年02月10日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-01-27配信のハイライト

  • 「受験はオンラインで」と「試験すべきことを試験する」
  • 「金持ちが責められなくなった日本」と「社会保障費を所得税に」
  • 「リベラルと新自由主義」と「プルデンシャル生命の大規模不正」
  • 「中国でEV大型トラック普及」と「中国軍幹部の粛清」
  • アメリカ国内の混乱と経済
  • 「未解決問題を解いたAI」と「AI災害のパターン」

「受験はオンラインで」と「試験すべきことを試験する」

山路:この1月の半ば、この前共通テストがあったばかりなんですけど、さすがにこの番組見てる人はあんまり受験生いないんじゃないかという気もするんですが。こんばんは、どうもどうも。さっそく共通テスト、回答とか新聞にも警察されてるじゃないですか、問題文とか。

小飼:その前に、その前日に天候が荒れに荒れて、山手線動くのかとかって言ってなかった?

山路:なんかまあ無事だったみたいですけどね、幸いにして。

小飼:それが無事だったっていって、よく共通テストがあってその間に楽天候とかで電車が潰れちゃって、タクシーが運んでくれたとかっていうのが美談になってるじゃないですか、バッカがと、バカが、と、

山路:もう仕組みとしてくれと(笑)、

小飼:あのさ、けっこう集団的な不正があったとはいえさ、TOEICとかさ、もうとっくにオンラインでできるようになってるわけで。共通テストって確か選択式だよね、

山路:マークシートですね、

小飼:要は答えを手書きさせたり、要は自由回答ではないですよ、選択式ですよね、オンラインでできるじゃん。

山路:まあ、そこで不正を、

小飼:なんでオンラインでやらないの?

山路:不正をどう防ぐかっていうことになってくるんじゃないですか?

小飼:いや、だからそれこそ、たとえばTOEICとかっていうのはカメラがある機材を使うわけですよね。だから、受験生は監視下で受けるわけで、それでもたとえばチーティングの余地というのはあるわけですけども。それは人間が管理してても完璧じゃないわけですよ。

山路:これ、弾さんの言うオンラインっていうのは、それぞれの個人宅っていうんじゃなくて、そういう通信設備のあるところに集めるということ?

小飼:そういう妥協でもいいし、でも本来であれば個人宅でできるようにすべきです。だってTOEICができてるじゃん。実例があるじゃん。実際の受験の時には、たとえばTOEICの点数ですとか、たとえば日本の英語検定の2級以上とかっていうのは、ちゃんと評価されるわけじゃないですか。そういったものというのは共通テストというのは別にやってるわけです。いや、だから本当に誰得なの? 実際に大学にお勤めの方の怨嗟が、毎年その頃に聞こえてくるわけですよね。いや、だからなんでこんなことやらなければいけないの、とか。だからお前らが文句言えよと。本当にお前らが悪い、はっきり言って。

山路:そういうことに声を上げない大学関係者、

小飼:そういうことに声を上げない、お前らが悪い。

山路:その話にもまさに直に関わってくることなんですけども、最新版のAIに解かせてみると得点率が97パーセントだと。

小飼:そうなんですよ。これから皆さんは何を読み取ります? いろんなことを読み取れると思うんですけど。山路さんはどう思った?

山路:受験生のモチベーションが下がること、多そうな気もしますね。

小飼:ああ、受験生のモチベーションが下がると。要はAIのほうがマシだと。

山路:もうそれって選別基準になり得るのか、みたいなことはちょっと考えてしまいますね。

小飼:でも僕は受験生ではなくて、作問者のほうがダメージ受けてると思うんですよ。受けるべきなんですよ。要は試験すべきことを試験する、テストすべきことをテストするんじゃなくて、採点しやすい問題ばっかり出し続けてきたんじゃないの、っていう。前々から言ってることだけれども。

山路:しかしこの、採点しづらいものとかでないと測れない能力、たとえばどういうものを測るような試験であったりするんでしょうか?

小飼:もうそれこそ実際の、たとえば数学能力、公式を覚えて解ける問題っていうのはあんまり良くないわけです。

山路:それこそ難関大学の二次試験みたいな形で、真っ白な紙にもう本当に回答を書かせる手順、

小飼:それはそれでやっぱり今度は採点者の裁量が出すぎるという、

山路:そうそうそう、

小飼:だから今回共通テストとかの話題ではないですけど、たぶん一番話題になったのは灘の国語の問題、詩の問題? ごめんなさい、あ、灘でよかったっけ? 灘だよな?

山路:えーと、ちょっとそのニュースは知らなかったんですけど、

小飼:はい、そこで出した詩というのがパレスチナの難民の子供の、

山路:あー、中学受験で出た、

小飼:だからそれを問題に出すことそのものを採点するほうはかなり持ち上げてたんですけれども、僕は「ふざけんな!」なんですよ。だから、お前らの血の色は何色だっていうふうに思いましたね。それって本当にたかだかお受験の問題にしていいのかと。

山路:どういう形の問題か、ちょっと私それを読んでなかったんで、

小飼:ちょっとそれはググって見てください。じつはどんな問題を作るのかっていうのも、絶対にバイアスが出るわけですよね。

山路:どういうふうにしてもバイアスって出ると思うんですよ、それこそ弾さんが言うように採点しやすい問題にしなかったら、じゃあそこでそれはちゃんと公正に測れるのか、

小飼:出題者のバイアスがあるわけです。共通テストっていうのは受験者が多いので、その辺はなるべくバイアスが出ないようにっていうのはものすごい気をつけてらっしゃると思うんですよ。でも、そもそも科目が、科目ですよ、まさに分かれてるっていうこと自体、採点者バイアスなんじゃないですか。

山路:それを言ったらもう(笑)、何て言うか、文科省のカリキュラムのところから、

小飼:いや全くその通り、何をどの時期にどれだけ教わっておくべきなのかっていうのは、それこそ本当に社会的な説問じゃん。本当にこの番組でも何度言ったかわかんないけれども、なんで簿記がないの? 義務教育の中に。僕は二次方程式は成人になる前には触れておくべき問題ではあるけれども、じゃあ簿記と二次方程式のどっちが重要か、どっちが切実かって言ったら、やっぱり簿記と答えざるを得ないです。

「文科省カリキュラムで日本は落ちぶれました、文系理系で分けるのも」(コメント)

小飼:どうなんだろうなー。一方アメリカという国は受験に関してはもう本当に英語しかないんです。

山路:個人の得意を見せるみたいな形での、

小飼:いちおう受験のこと、受験を英語ではentrance examっていうふうに訳されてはいるんですけども、そもそもアメリカにはそんなものないんですね。アプリケーションはあります。で、俺はいかに、貴校に、貴学って言っちゃいけないな、貴学にふさわしい人物かっていうのを延々とアピールするわけです。アピールする中で、たとえば共通、SATのような共通テストを使ったりするわけですけども、SATの点数とかって言ったらalumni、日本語で言うとOBとかOGですね、の推薦状の前にはもう本当に鼻紙みたいなもんです(笑)。

山路:めっちゃ簡単だって言ってましたよね、弾さん。ふざけんなみたいな。

小飼:SATの点数とかではなくて、いちおうそういう推薦状があれば必ず入れる組というのを全部満たした上で、残った部分を、

山路:コネで、

小飼:いや、だからコネで埋まらない部分というのを点数でやってるわけですよ。

山路:それで言うんだったら、アメリカの受験制度というか、大学とかの仕組みっていうのがうまく機能してるという、必ずしもそういうわけじゃないですよね?

小飼:何をもって機能してるか、ですよね。なんだかんだ言って、世界で一番自然科学系のノーベル賞を集めて、トランプは置いといて(笑)。

山路:それっていうのは他のところから呼んできた人だったりもするわけですよね。

小飼:呼べるわけです。

山路:今言ったSATとかで上がってくる人たちの優秀さみたいなのと、ちょっと断絶がないですか?

小飼:そういうのを混ぜるっていうのに効用があると。だから、完全にコネだけでもダメだし、完全に点数だけでもダメで、そういう連中が交わる環境を作るというのが肝要であるというのが彼らの結論で、だからそれは実績を伴ってるわけです。

山路:(アメリカは)科学と技術で世界一にはなっている、

小飼:その通りです。

山路:でも中国とかって、大学の仕組みってまたぜんぜん違いますよね。

小飼:そうですね。中国とかは日本よりもさらに受験の比率が高い国です、

山路:科挙の伝統で、

小飼:それでやっぱりうまくいってますし、そこからさらにアメリカとかイギリスとかに留学して、博士号を取って戻ってきてっていう。でも、その間にアメリカとかイギリスにいる間に結婚して、妻子もうけて、妻子アメリカに置いといてっていうのは、中国語でそういうエリートのことを裸族と言うそうです、

山路:はだか族と書いて、

小飼:裸族と書いて。

山路:全裸中年ではないわけだ(笑)、

小飼:そうなんですよ(嘆息)。

山路:なんで残念そうな声を出すんですか(笑)、

小飼:だって僕は日本語的な意味で裸族なので、

山路:ああ、家で(笑)、

小飼:布団にくるまってる時には特に何も着てないので。いや、それちょっと違うよと、

山路:ただそこまで国によって仕組みが違うって言うんだったら、それはつまり中国的なやり方にしたほうがいいとか、アメリカ的なやり方にしたほうがいいって、それだけで変わるもんでもないんじゃないですか?

小飼:なにを求めてるか、ですよね。平均の底上げを求めているのか、一番トップがどこまで上に上れるのかというのを求めているのか、というのでやっぱり変わってくると思います。たぶん今のところの正解というのは、下にいるうちというのは、要は点数方式で、

山路:下にいるっていうのは国としてってこと?

小飼:国としてというのか、そうですね、高校あたりまではお受験方式でも、要は受験の問題さえ適切であればいいし、その後はアメリカのようにそもさんせっぱ方式、要はすごい奴のお眼鏡にかなったやつが弟子になるという、

山路:大学に入るのに、日本は高校の延長上でやってるのが問題じゃないかっていうこと?

小飼:そうなんですよ、僕もちょっとさっき言い間違えてしまいましたけども「学」ですよね、大学ですよね、「校」じゃなくて。学校ではなくて大学なんですよ。違い分かりますか?

山路:スクールじゃなくて、学びに行くんじゃなくてっていうことですよね、大学とかっていうのはそれこそ院とかになっていくと自分で研究をする、とかそういうこと?

小飼:院の定義もあるんですけども、もちろん英語にもあって、英語の「校」というのはまさにスクールですよね。スクールでは正解を叩き込むんですよ。正解がある問題というのはそれが徹底に正しいし、特に重要なものというのは、正解から外れたら人が死んだり、牢屋に落ちたりするわけですよ。だからそういったものというのは本当にロースクールですとか、メディカルスクールですとかで叩き込むんですよね。

山路:ああそうか、ロースクールはスクールだもんな。

小飼:どちらもマスターズなんですよね。

山路:ん? ん?

小飼:日本語で言うと修士ですね。で、これがドクターになると、もう全く自由というのか、そもそも何を研究するのかっていうのも自分で決めなければいけないですし、じゃあどうやってドクターになるのかって言ったら、他のドクターに戦いを挑まなければいけないわけですよね。というのか、他のドクターから攻撃されるわけですよね、お前は本当にドクターにふさわしいのかという。

山路:しかしそれで言うんだったら、

小飼:跳ねのけたらドクターになれるという仕組みなわけですよね。

山路:そういう本来の大学院とかのそういうあり方って、みんながみんなに必要なもんでもないですよね、いっちゃなんですけど。

小飼:ねえ。なのになんでみんなに大学に行かせようとするかっていうふうに言うと、これ特にアメリカで顕著なんですけれども。なんて言えばいいのかな、ワーカー、要は労働者ですよね、本当に手に職的な労働者ですよね。ドイツであれば、ずっと行くとマイスターになるのですよ。アメリカではそれを制度的に尊ぶというふうにならなかった、でも最近なりつつあるみたい。

山路:ブルーカラーの収入が増えて、

小飼:その通りです、

山路:職業訓練校の人気がめちゃめちゃ高いみたいな。

小飼:その通りです。思い出した、クラフトマンシップって言いますね、あまり尊とばれなかったんですよね。

山路:でも日本もそうですよね。

小飼:過去形、どうなんだろう、それでも日本はまだ「匠」だのなんだのっていう言葉が死んではいないから。

山路:なるほどね、マシという見方もできるわけだ。なるほどなるほど。

小飼:日本には高専があるのはでかいね。最近は高専も、

山路:呪術を教えたりとかね(笑)、

小飼:だから中高一貫校というのか、高短大一貫校みたいになってはいる。

山路:でも、これ日本のはとにかく時流に、今の時代に合ってないということなんですかね、教育の仕組みみたいなものが。エリートを伸ばすわけでもなく、底上げをやるための仕組みでもなく、なんとなく高度な教育と言いつつも、高校の延長みたいな感じで受験をさせるみたいな感じでバラバラになっているということ?

小飼:うーん。

山路:けっこう本当になかなか難しいところかなと思って。

小飼:えーとですね、いや、でも難しいところまで待てるっていうこと自体、今や高学歴の証なのかもしれない。あのね、そんなに待てない、待たなくなった。

山路:知識を身につけて働き始めるまでってこと?

小飼:いや、何か問題が出た来た時に答えを出すのに。だから、その意味ではA級戦犯は小泉ですね。

山路:今の、待たなくなってきたっていうのは、どういう意味?

小飼:要は、本当にこうすれば解けるというふうに簡単に言い切れない問題をこうだというふうに言ってしまう。はっきり言って詐欺師なんですけどね。考え込まなければいけない時ってあるんですよ、長考に入らなければいけない。なんですけど、今の人というのは1手10秒以内でお願いします、ばっかり見てきてるわけです。

山路:なんかちょっと感じとしてわかるような気がする、たとえばそれこそどうなんだろう、適切な例かわかんないですけど、就活なんかもどんどんわかりやすいテンプレの受験的なものになりつつあるような、そんな感じ?

小飼:そうですね。そもそも正解のない問題に、あるいはまだ答えが出てない問題に晒されるのが遅すぎるっていうことはあるね。

山路:それって(笑)、ただ言いたいことはすげーわかるんですけれども、世の人の半分以上ってそんな人じゃないというか、そういうことを求めてない人たち、

小飼:いや、とんでもない、とんでもない。いや、誰もがぶつかるんですよ。どっちが正解とも言えない、そもそも選択肢がどれなのかっていうのがわからないっていう状態に、みんなぶつかるわけですよ。それが本当に10代のガキに進路を聞くとかって、バカか! って、

山路:それは同意ですね、働いてみないとわからないだろうっていうのは。

小飼:その点ドイツはもっとヤバくて、中学生にそれやってるわけですからね。中学生どころか、小学生か、小学生にそれ強いてるからさ。

山路:それも早すぎんじゃねえの、という気もしますけれども、

小飼:早すぎる早すぎる、早すぎる早すぎる。

山路:自分の頭で考えろって、知識を身につける前に考えろってなんかあんまり意味がないような気がするんだけどな。

小飼:自分の頭で考えなければいけないんだけれども、自分の頭で考えればいいというものでもないという。自分の頭で考えて、でもやっぱり間違ってましたっていう体験を誰のせいにもできない、痛い思いっていうのを積み重ねないと大人になれないというのか、結局大人と子供の違いってそれでしかない。誰のせいにもできない失敗を、痛い目をどれだけ体験してきたかっていう。

山路:それで言うと日本って割と痛い目に合いづらい社会ではあるかもしれない。

小飼:それはある。いや、たかだか不合格ぐらいだもんな、10代で。

山路:前も言ったかもしれないけど、日本って割と凡庸な人に優しい国だと思ってるんですよね、私。

小飼:それは人類的には正しいと思う、

山路:その面で言うんだったら、日本ってある意味うまくいってると逆説的に言えないですか?

小飼:(コメントを見ながら)宿題ある国のほうが少ないんじゃなかったっけ? 僕はオランダ語は話さないんだけども、ドイツ語で宿題に相当する言葉があるのは知ってます。ハウスアフガーベって言いますね。あるんですよ(笑)。いや、でもドイツで使われてるかどうかはわかんないです。ドイツ語のクラスでは必ずハウスアフガーベがありましたね。

山路:だからこの日本っていう国があんまりそういうことに向き合わずに済んだから、みんなこういうふうな教育のシステムになってるとも言えんじゃないのかなっていう気はすんだけれども。

小飼:あー、まあでもそこはわかんないな。でも、一つ確かなのはそろそろ失われて30年になるのかな(笑)、

山路:それで言うんだったら、

小飼:ちょっと待って。確かにマクロで見ると、もうはっきり言って冴えないですよね、今の日本は、経済だけでなくて。でもその一方で、文化だとか個人技だとか、そういうところっていうのはものすごい伸びてますよね。なんかサッカーとかむちゃくちゃ強くなりましたよね(笑)。だから確かに個性を伸ばす方向には来たんですよ、日本の若者を育てるマインドセットっていうのも、社会の歯車にピッタリ収めるっていう方向は嫌いすぎるぐらい嫌うようにはなったんですよ。それは確かにあちこちに現れている。

山路:個人の活躍っていう形で。

小飼:だけどそれはこの30年の停滞を正当化するほどのものだろうかという、

山路:それで言うんだったらたとえばアメリカの大学を出た人とかのたとえば失業、職につけない割合だったりとか、学歴、いい大学に入れなかったら人生オワタみたいな感じになる人も多いわけじゃないですか。

小飼:いや、もちろん。

山路:そのところの過酷さと比べて、どっちがいいみたいなんてなかなか言えなくないですか?

小飼:それはある。

山路:あと中国のあのお受験競争の激しさだって、もう想像するだに絶対体験したくないじゃないですか(笑)。

小飼:まぁでもそれは中国人になってみないとわからんからね。いや、でもその中で勝ってきたやつらというのはやっぱりすげーよなと。

山路:そこのところって、なかなか、

小飼:そう、だから結局あっち立てばこっち立たずになるんですよ。

山路:そこのところなかなか一言では、こういうふうにやったらこうなるからいいみたいなんて言えない気がするんだよな。

「金持ちが責められなくなった日本」と「社会保障費を所得税に」

小飼:いや、でもね、一つ日本がこういう層にとっては格段にいい国になったという、

山路:こういう層?

小飼:日本のこの30年で、すごい良くなったというふうに感じる人たちっていうのはどういう人たちでしょう?

 

 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年1月13日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年01月27日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-01-13配信のハイライト

  • 「ベネズエラの重油」と「考えた戦略という誤解」
  • 「お笑い南鳥島」と「キドカラーとレアアース」
  • 「トランプ戦艦はボツ?」と「議会解散の仕組み」
  • 「憲法の抜け穴」と「Metaの詐欺」「空っぽな台湾ならあげる」
  • 「エンドユーザーに金を払わせる力のあるApple」
  • 「イランで今一番不足している資源は?」と「マグロ漁船でNetflix」

「ベネズエラの重油」と「考えた戦略という誤解」

山路:明けましておめでとうございます。

小飼:明けましておめでとうございます。

山路:本年もどうぞよろしくお願いいたします。もう1月13日で正月の話するのも何なんですけど、正月休み、何してました?

小飼:えーとですね、例年になく寝正月でしたね。っていうのも、じつは去年度秋から長女も給与生活者になりまして、

山路:いよいよ社畜に。

小飼:そうです、そうです、社畜化しました。やっぱり社畜というか、社畜の休日というのはもうひたすら寝るという、

山路:1年目だときついですよね、特に。

小飼:連休何がいいかって言って、彼女曰く、たとえば3連休とかですね、月曜日が移動祝日日で休みになっているとかっていうのは、平日が4日しかないのかいっていう(笑)。

山路:週休3日が人類最低限の目標にしないといけないような気がするんですけどね。

小飼:その一方で次女はスキーリゾートに、何と言えばいいのかな、僕もよくわからないのですけれども、すごいゴージャスなところで働いていたみたいですけれども。

山路:ほうほう。正月はみんなダラダラと家で寝ていたという、

小飼:そうですね、

山路:弾さんは『刃牙』をまた読んだりとかみたいな感じですか(笑)、

小飼:あははは、

山路:それぐらいなんか頭使わないぐらいで休むのが正月休みいいのかも。

小飼:ただやっぱ物騒なニュースも多かったので、それに絡むものの調べ物とかっていうのもけっこうしてましたね。けっこういろんなことがわかりましたね、それで。

山路:その物騒なものっていうのは今回の番組にも関わるような話?

小飼:そうですね。例の、本物のbattleshipですとか、

山路:ほうほう、そのことはじゃあぜひ番組の、

小飼:ちょっとその中身とかね、

山路:まぁそうやって私のほうもちょっと旅行とかでぼんやりしてただけなんですけど、

小飼:じつはbattleshipよりも、アメリカの場合フリゲートのほうがヤバい。小さな船のほうがちょっとヤバい状況にあるという。

山路:そういうわけでさっそく入ろうとは思うんですけど、

小飼:どれから行く?

山路:そうですね、まずはメローニの言葉からいっておきましょうか。

小飼:そう、だから年末の挨拶で本当に「ご挨拶」でしたね。ああいうの大好きだ、

山路:「2025年はもうひどい年だと皆さん思われてるかもしれませんけど、安心してください、2026年はもっとひどい年になります」という(笑)。もうその通りでしたわと。世界、なんかこう、年明けからもう全速力じゃないですか、松が取れるまで待たんのか、みたいな、

小飼:もっと早くなる可能性がなきにしもあらず、なんで。まだこれで全速だと思っちゃいけないのかもしれない。

山路:メローニのように怖いことを(笑)。まずはとっ始めでやっぱり一番デカかったのこれじゃないですか?

小飼:じつはですね、この手のことに関してアメリカは前科だらけなんですね。懐かしいところですとパナマでやってます。当時はパパブッシュ政権でしたね。

山路:ノリエガ将軍でしたっけ?

小飼:そうです、

山路:なんかラノベでもそういうのあったような気がしますね(笑)、『NORIEが将軍』っていう、確か。

小飼:自国に連れ去って刑事犯として裁くっていうのは、これはっきり言って国際法違反というのか、もう国の自治というのをシカトしてるわけです。でも、その一方でべつに占領してるかではないわけです、その辺がロシアと違って、あくまでも特殊作戦なわけですよね。

山路:いちおうロジックとしてはアメリカに迷惑をかけている犯罪者を捕まえたぞっていう建付け、

小飼:そういう建付けにはしている。でも、カルテル・デ・ロス・ソレス(太陽のカルテル)、組織というのはないわけです、本当にweapons of mass destruction(大量破壊兵器)並みになかったわけです。今回もっとひどいのはベネズエラの石油を勝手に売っ払ってるんですよね。

山路:もうすでに?

小飼:売っ払って懐に入れることを正当化するための大統領令、もう出してるんですね。どういうことかっていうと、普通犯罪とかで差し押さえたものというのは勝手に処分できないわけですね。そう、だからまともな法治国家であれば。ただし戦地であれば、それを売って国庫に入れて、いろんなものに充当していいっていう法律もあるわけです。

山路:しかしそれ、すごい矛盾してないですか? つまり戦争じゃないって言ってるのに、その戦地で得たものを売っちゃって、

小飼:だから非常事態を宣言してるわけですよ。ただし、この非常事態というのは対テロ程度なんですよね。軽度なんですよね。全面戦争ではないわけです。だから、それをずっと引きずってるわけですけれども。

山路:さらに好き勝手できるように、

小飼:で、タンカーとかを拿捕してて、これはロシアに持っていくタンカーとかして言ってる写真もあるんですけど、でもよく見ると空荷なんですよね。なんで空荷ってわかるかっていうと、喫水線からずっと浮いてるわけです。もうギリギリ、タンカーとかは割とどれくらい荷物が積まれているのかっていうのは見ればわかるんですよね。浮いちゃうんです、空荷だと。

山路:空荷のタンカーを拿捕したってこと?

小飼:そう、それは要は石油を密輸してるという言い方をして。ここまで堂々と泥棒してるというのは珍しいです。ロシア以下ですね。

山路:すごいな(笑)、えー、そんなことまでやっとったんですね。で、

「Altmanのせいで個人用PCの値段がやばい」(コメント)

小飼:これも、もしかしたら止まるかもしれないというニュースも(笑)。

山路:そうですか(笑)。で、ベネズエラなんですけど。今後トランプなんかはいろいろ長期化するとは言ってるんだけども、こんなのってベネズエラの石油利権みたいなものって正当な権利なく、そんなにアメリカが自由にできるものなの?

小飼:それはできない。それはトランプが勝手にできると言い張ってるだけで。今回の顛末というのは議会にも報告を入れてないんですね。the Executive Branchが勝手に、要するに行政が勝手にやったものです。

山路:それってもうすでに憲法違反ですよね、

小飼:ですよ、立派な。

山路:堂々たる憲法違反ですよね。

小飼:だからそこが割と、アメリカはいろんなところに攻め入っては、そこにあるものを勝手に処分してきたという歴史はあるわけですよね。近年だとイラクですとかね。

山路:でも議会の承認は得てたわけだ。

小飼:そうです、今からやりますよっていうのは言って。パパブッシュの頃というのは、パナマは黙ってやったんですけれども、湾岸戦争の時には多国籍軍を構成してやったじゃないですか、だから世界に対して今からこうします、我が国はこうしますっていうのを言ってからやってるわけですよね。

山路:それを大統領の思いつきで、

小飼:そうです、勝手にやっては勝手にそれをTwitterで、Twitter以外にもTruth socialとかあるので、SNSで誇ってるわけですよね。一つすごい気になる「誇り方」がありまして、This is our hemisphereっていう、

山路:これは私らの半球であると、

小飼:具体的には南北アメリカを含む半球で、グリーンランドも入ってるわけですね。だからグリーンランドもよこせっていうふうに言ってるわけですね。

小飼:カナダもアメリカの州にするとかって言ってるのも、その文脈なんですよ。本当にトランプの頭の中の世界地図っていうの、バカ世界地図っていうのがありますけど、ほんとそうなんですよね、ああいいところに(地球儀を手に取りながら)で、これですね、This is hemisphere. That’s why he said it’s his.で、とりあえず僕の視界の裏だから、この辺にベネズエラがあって、次はキューバとかグリーンランドとか言ってるわけですよね。

山路:トランプって南北戦争も、北アメリカと南アメリカの戦争とか思ってそうですよね(笑)、

小飼:いやそう思ってんじゃない?

「今から石油に投資するのどうなの?」(コメント)

小飼:いや、バカです。ましてや、ベネズエラの石油っていうのはすごい質が低いんですよ。

山路:地上に出た途端に固まるという話を聞きましたが。

小飼:いやー、だから本当に重油とアスファルトなんですよね。重油もいちおうランク付けがあってABCというふうにあって、アルファベットが上のほうが軽いわけです。で、Aとかはまぁ普通に常温で液体で、もうそのままディーゼルエンジンに入れられるんですけど、重いやつというのはまず燃料にする前に、エンジンにくべる前に温めて液体にしなければいけない。なんですけども、そういったものなので、安いわけです。安いので、大きな商船は一番重たいC重油を燃料にできるようにしてます。ただ、重たいで温めないと使えないっていう以外にも、もう一つ困った欠点がありまして、それは何かっていうと炭化水素だけではないんですよ、純粋な炭化水素だけだったらいいんですけども、けっこう硫黄を含んでるんですね。なので、燃やすと亜硫酸ガスが出るわけですね。

山路:環境負荷が高い。

小飼:火力発電でも、炭化水素、重たい炭化水素ですね、重油ですとか、あるいは石炭ですとかっていうのを燃やした時には当然亜硫酸ガスが出るんですけれども、最近の火力発電所っていうのはそれ、大気に出さないんですよね。スクラブラーという装置がついていて、そこでもう全部取り除いちゃうわけです。でも、船というのはそこまで広くはないので、そのまま垂れ流しにしてたんですけれども、最近厳しくなりだして、大きな船とかだとスクラブラーをつけたりですとか、あるいはもう少し小さいやつだとかだと燃料を変える、LNGとか、あるいは灯油というのか、軽いディーゼル燃料ですね、硫黄とかを取り除いた、

山路:そんなベネズエラの石油って、簡単にアメリカの石油メジャーとかが入ってちょちょいってやったら利益にできるようなもんではぜんぜんなさそう、

小飼:ぜんぜんない、

山路:エクソンのCEOがかなりネガティブな、これ不可能だぜみたいなと言ったら、もうお前はその石油利権に入れたらん、みたいなことをトランプが。

小飼:じつはですね、アメリカの原油というのは特にメキシコ湾のまわりで取れるやつっていうのがすごい軽くて、質がいいんですね。ルイジアナスイートという言い方もします。スイートって言い方をしますね、軽い炭化水素の分子量が小さいやつを多く含んでるやつというのは。そういう質がいいのがいっぱいあったんですけれども、それでも中東の石油を輸入してたというのは、温存しておきたいっていうのもあったんですよね。だから、外が買えるうちは買えっていうのをずっとやってきたんですよ。で、中東のやつというのは重いんですよね。でも、使えるといえば使えるので。

山路:ちなみにそういうアメリカ国内の頁岩から取るシェールオイルなんかはどうなんですか?

小飼:シェールはいろいろあるんですけども、割と軽めですね。

山路:じゃあアメリカの今の精油の仕組みっては基本的に割と軽めのでやるように、石油、

小飼:ただテキサスにあるやつとかっていうのは昔はいっぱい中東から、より重い原油を輸入してたわけですじゃないですか。それを精製できる設備というのもあって、それだとベネズエラのいいほうの、マシなほうの原油はプロセスできるということで。

山路:しかしベネズエラはそんなに石油の質良くないんだったら、でも中国はベネズエラの石油のことに関していろいろ結ぼうとしてたりとかしてたわけですよね、中国はそういう質の悪いやつでもとにかく押さえときたかったってことなんですか?

小飼:そういうこと。まぁでも石油が欲しいからというのは二次的なものですよね。アメリカにフットプリントが欲しかったっていうのはありますよね。だから、そう言ってる間にもペルーに世界最大級の貿易港、港を作ってますからね。あっさりちゃっかり。日本ではそのままでは使えない全長400mのコンテナ船とかも横付けできるような港を作ってますからね。それを大西洋岸でもできたら、それはいいに越したことはなくて。その意味ではベネズエラっていいターゲットだったんですけれども。

山路:これ、しかし、アメリカが中国のパワーを押し返そうとしたっていう見方もできるのでは?

小飼:そういうふうに見てる人もいるでしょう。でもですね、今のオーバルオフィスの主というのは、そんなに深く考えてないんです。だから、あのね、皆さんの一番の誤解というのは、僕も含めた誤解というのは、そういうきちっと戦略を考えた上でやってるわけではないんですよ。だから根底にThis is our hemisphere.があるわけですよ。

山路:もっと幼児的衝動みたいな感じなわけだ、

小飼:そうです、はい。いや、Argentina(アルゼンチン)の経済政策も結局早くも馬脚が出てて、倒れかけたのを、要はデフォルトを起こさせる代わりにアメリカのほうが債権をライトオフしたんですよね、ベールアウトしたんですよね。だから、それもだいぶアメリカ国内でも非難が出ましたけれども。要するにour hemisphereなので。

山路:いちおう友達だから助けて、

小飼:友達じゃない、

山路:友達というか、

小飼:部下というか、舎弟なわけです、

山路:舎弟ね、はいはい。餌をあげたわけなんですね。それで、

小飼:餌をあげたというよりも、尻を拭ったんですよね。

山路:それがベネズエラだけではなく、さらにはグリーンランドに関しても。

小飼:そうです、

山路:これもour hemisphereだからという、

小飼:そうです。そういうことです。5歳児くらいにならないと。だから5歳児になってください。今のアメリカのドクトリンを読み取るっていうのは。細かいことを考えるのは取り巻きの連中なので。アメリカの軍事作戦はすごいです、やっぱりUS Armed Forcesっていうのはすごいですよ。あんな作戦ができるのはアメリカだけです。でも、根底にはThis is our hemisphere.なんですよ。

山路:これ、グリーンランドのほうとか絶対に必要みたいなこととかを、

小飼:だからアライアンスで、グリーンランドでアメリカがやるべきことというのは全部できてたんですよ、冷戦時代はもっとアメリカ人がいたんですね、もっといろんなところに米軍基地がディプロイされてたんですけれども。今はもう一か所だけになってるんです、冷戦終わっちゃったから。

山路:しかもそのデンマークとの関係で言えば、そんなのって基地まであるわけだから、何にも、今のままで良かったんじゃないかと思うんだけど、

小飼:そう、アライアンスで十分で、アメリカとソ連の一番の違いっていうのはソ連はoccupationだったんですよ、

山路:占領、

小飼:そう、アメリカは同盟だったわけですね。alliesだったんですよね、ワルシャワ条約機構って言ってますけれども、実際は属国だったわけじゃないですか、東ドイツもポーランドもチェコスロバキアもハンガリーも、全部under occupationだったんですよ、形だけだったんですよね、国の独立性というのは。いちおう国連では一票あるけれども。

山路:そういう旧東の、東欧の国ってめちゃめちゃロシア嫌ってますもんね。

小飼:に対して、NATOというのは本当にアライアンスだったわけです。それでもアメリカの影響が大きすぎるということで、一時フランスはそこにも入ってなかったです。NATOにすら入らずに物事を独立性を保とうとしてたわけですね、フランスは。でも、それでもアライアンスのほうが、アライアンスでいいじゃんっていうことで今はもうNATOの中心的なメンバーですけれども。あくまでも同盟で済ませてたんですよ。すごい違いなんですよ、これは。

 
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