「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
2018年3月19日(月)配信の「小飼弾の論弾」の全文をお届けします。

次回のニコ生配信は、2018年6月4日(月)20:00からのニコ論壇時評です。21:00からは通常の小飼弾の論弾になります。

お楽しみに!

2018/3/19配信のハイライト

  • 歴史から考える文書改ざん
  • 海猫沢めろんさん登場
  • お金とビットコインの正体
  • お金とは「信用」。評価経済の話
  • 資本主義、本気出せ!
  • ポイントカードは罠
  • 海猫沢めろんさんと熊本の縁
  • 日本の赤字国債を放っておくとどうなるの?
  • 小飼弾は月にいくらカネが欲しい?
  • やっぱり他人から評価されたい?
  • このご時世、本名を積極的にさらすべき?
  • 結局、お金で買えないものは何?
  • 何のために働くのか、何のための長時間労働なのか
  • 成果主義を言うなら経団連は全員やめてしまえ!
  • 今後も資本主義が世界で幅を利かせるのか?
  • エンディング

歴史から考える文書改ざん

山路:今日は作家の海猫沢めろんさんをゲストにお招きしておりまして、人類とお金について対談する予定です。

小飼:すごいな。海猫なのに、人類だ。

山路:その前に時事ニュースということで、森友学園に関連した文章の改ざん事件ですね。これっていうのは、例えばそれこそ、「安倍首相やめろ」とか「麻生やめろ」とかそういったような声が出ているんですけれども。

小飼:そんな小さなことでは、本来であれば済まないのね。
 日本を取り戻せるのかどうかというのが、これをきちっと出来るかどうかにかかってるんだけども、最初に言っておかなければいけないのは、公文書の改ざんというのはこれが初めてではないですし、今後も起こるだろうということは言っておかなければいけない。日本固有の問題でもないです。これはもう全世界いたるところで行われている問題ではあるんですけども、その問題をどれだけシリアスに捉えるかっていうので、その国の形が現れるというところはあるよね。

山路:日本はあんまりシリアスに捉えてないということですか?

小飼:そりゃそうですよ。戦争に負けたぐらいで、公文書をバンバン燃やしたんだから、それが多分日本で1番大きな証拠隠滅事件です。

山路:映画『この世界の片隅に』なんかでも描かれていましたね。

小飼:出てきます。

山路:バンバン、火にくべて燃やしてるみたいな。

小飼:そうです。だからこの国というのは少なくとも公文書の扱いということに関して言えば、世界の下から数えた方が早いのかもしれない。

山路:うーん。そんなにひどい?

小飼:そんなにひどい。
 人類は昔から文書の改ざんをしてきて、してきたが故にそれに対策もしているというのは、少なくともバビロニアの粘土板まで辿れるんですよ。彼らはどうしてたかって、粘土板ってただでさえ偽造しにくいじゃないですか。
 それでも例えば、粘土板を作った後に、ちょっと削って文言を加えるとかっていうことは出来なくもないですよ。なので特に重要な文書に関しては、更にその上に粘土を被せて、同じ文書を彫らせてたんですよ。

山路:きちんと原本のコピーをとっておいたという。

小飼:表の原本が、もう一つのだから原本の写しを保護しているという、これは頭が良いでしょう。

山路:虚構新聞が、もう公文書開示は粘土板にした方がいいんじゃないかみたいなことを書いていましたね。

小飼:もう本当にそれくらいの時代から、文書改ざんに対する対策というのはしていたし、考えられていたんですよ。
 その後なんですけども、これもまた紀元前の話です。中国の有名な故事で、「崔杼弑君(さいちょしいくん)」というのがあります。ある王さまの部下が、崔杼という人なんですけど、妻を寝取られて。その腹いせに王さまを殺してしまったんですね。王さまを殺してしまったんですけれども、王さまを殺すというのは、明らかに反逆なので、当時の中国のEthic(倫理)から考えると、あまりよろしくないと。それで政権を握っちゃうというのは、よろしくない。だから病死したことにしろと、書記官に。

山路:忖度しろと。

小飼:そうそう忖度しろと。書記官は、忖度を拒否したんですよね。拒否したので殺したんですよ。その人の弟も書記官で、「何書けばいいのかわかってるな。」というふうに言われて、でもやっぱり本当のことを書いちゃったので、殺されちゃったんですよ。

山路:(笑)

小飼:3人目に来たところを、「本当のことを書いておけば同情もされるでしょうし、悪いことばっかりじゃないですよ。本当のことを書くのは。」という風に言われて、そこで止まったそうです。はい。

山路:しかし気骨のある役人たちではありますよね。

小飼:はい。これ紀元前の話です。人であればそうした誘惑というのは必ずあるわけです。だからそれに対する防衛装置というのは、昔から色々考えて、昔からやってきたんですよね。

山路:その粘土板の仕組みしかり。

小飼:そうです。ちなみにバビロニアはまだ印鑑使ってました。それも中々素敵で、やっぱりまだ粘土が乾いていないうちにコロコロコロって押すんですよ。

山路:もう仕組み自体がその時に完成していたというか。

小飼:だけど今は印鑑偽造というのは、Photoshop一発なわけですよ。もうスキャナーにかけて、Photoshopしちゃえば、もうそれでおしまいなわけですよ。そういう時代になっても、印鑑を使い続けてるという事自体、文書改ざんというものを舐めている。ハッキリ言って、Why Japanese people?の案件なんですよ、これ。

山路:そういうWhy Japanese?がでたところで、アメリカというのはそういう防止措置はないんですか?

小飼:アメリカでも文書改ざんというのはあることはあるんだけど、どちらかというと隠蔽が多いです。それは何故かというと書いた端、もう片っ端から、公文書館に送りつけられちゃうんですよ。

山路:自動的に文書が送られて保存される仕組みが出来ているという。

小飼:そうそう、自分らの手元に残してないんですよ。それはもう自分らのものじゃないから。
 税務署が集めた税金が、マルサのものではなくって、我々を含んだ国民全員のものであるのと同じで、お役人が書き残したものというのは、我々のものなんですよ。我々の書いたものを代筆しているだけなんですよ。

山路:この前NHKの映像の世紀で、フーバー長官の話をやっていたんですけども、その歴史、大統領のスキャンダルやらフーバー長官のやったことやら全部、記録が残ってるんですよね。

小飼:今の首相のおじいさん(岸信介)が、実際にCIAのスパイだったというのも、アメリカの公文書館に残ってた記録から明らかになったことなんですよね。

山路:しかし日本のそういう公文書偽造、というか改ざんみたいなものって前もありましたよね。

小飼:前のヤツで、やっぱり有名なヤツといえばフロッピー改ざんでしょう。
 偽造事件としては今のヤツより深刻だといえます。それは何故かというと刑事事件の証拠を、原告側たる検事が改ざんしていたという。

山路:厚労省の女性局長だった村木さんの事件ですよね。

小飼:そう。なんですけれども、量刑を改めて見てみてビックリしたんですよ。実行犯だった前田元検事が出てきたというのは、もう知ってるんですけど、Twitterにも書いてますけれども。懲役1年6ヶ月なんですよ。

山路:なんかエラい軽い。

小飼:「はあ?」でしょう。その上司の大坪元検事に至っては、懲戒免職されたんですけれども、執行猶予がついてます。

山路:ついてんだ。はあ。それは確かに呆然と…

小飼:ちょっと呆然としますよね。
 本当に知りたかったのは、この事件を受けて、じゃあ証拠品や文書管理の体制というのがどういう風に変わったのかということなんですが、なんか今いちハッキリしないんですよね。
 その頃に比べて、同じ事件というのは当時ほど簡単には起こせません。二度と起こしませんというのは、そういう言い方をすると誇大広告になっちゃうので、じゃあどういうふうにそういう事件を起こりにくくしたのかっていうのが、全然見られないんですよね。だから多分この事件通りだとしたら、多分今回の事件というのは、下手するともう誰も逮捕されず、誰も起訴されず。
 この程度の量刑だとすると。検事が証拠を偽造しても1年半ですよ。
 これって村木さんが勾留されてた時間よりも……でもないか、これ5ヶ月って書いてあるな。でもそれにしても、確か堀江(貴文)さんは2年以上いたよね。

山路:そうですよね。それを比較するのはちょっとおかしいのかも知れないですけど、役人が文書を偽造することが1年6ヶ月ですめば…。

小飼:逆に1年半で済むような暴力犯、強盗ですとか強姦ですとかに比べると、なんでこんなに論理犯罪というのは、日本で扱いが軽いんだと。

山路:暴力とかの方が具体的にイメージしやすいからなんですかね?

小飼:でもこれで傷ついた人、傷ついたものというのは、ずっと多いわけですよ。

山路:言ってみたら無実の人を、罪人に仕立て上げるようなことですもんね。

小飼:例えば仮に、そうですね、財務省を放火したとして。

山路:それはまた過激な。

小飼:たまたまそれで森友学園に関する議事録が燃えちゃったという風になったら、懲役1年半で済みますかね?

山路:ああそう比べると確かに。相当放火は罪が重いですもんね。

小飼:放火は罪が重いです。

山路:放火の罪が重くて当然というのは理解できるんだけど、公文書偽造が軽くても、あまりそこには文句が言われてない気がしますね。

小飼:そこは不思議なところです。

山路:いやいや、これってどうにかなることなんですかね?

小飼:論理的なもの、モノでなくてコトに対する扱いの軽さというのは、ありとあらゆるところに見られますよね。ソフトウェアの軽視というのも、それに通じているものがありますよね。

山路:日本は全般的にソフトウェアが弱いみたいなことを言われたりもしますけど、根っこはこの辺にあるのかもしれないですね。

小飼:僕にはそれがもう全部繋がって見えますけど、これって被害妄想ですかね?

山路:ああ、何かそういう匂いがちょっとしますね。そういう偽造が、システムの改良云々で済む問題なのかどうかわからないけども。

小飼:だからこれで、元お役人だった超整理法の中の人が、ブロックチェーンにすれば解決よーとか。

山路:野口悠紀雄さんですね。

小飼:うん、すごい無邪気なことを言ってるからさ、もう。そりゃ一旦載せたものは、改ざんしにくい、おいそれとは改ざんできなくなるよとは、まだ改ざんの成功例というのは。でも、もしそんなものにのせなくてはと言ったら、今、中にいる人たちというのは書いてくれる?

山路:もう大事なことは手書きのメモで回しそうですよね、なんか(笑)。

小飼:むしろそっちから考えなくてはいけないんですよ。

海猫沢めろんさん登場

小飼:ちょっと我々だけで、考え続けるのは辛いので。救援を呼び出しましょう。

山路:ゲストの作家の海猫沢めろんさんです。めろんさんは、この『キャンプファイヤー.com』で……。

小飼:Kids-fireね。

山路:ああ、出だしからいきなりごめんなさい。『キッズファイヤー・ドットコム』です。

小飼:でもキャンプファイヤーというのは実際にあるクラウドファンディングの仕組みなので。

海猫沢:パロディです。

小飼:(笑)

山路:めろんさんは、元ホストであったりとか。いろんな職業を経験されて、作家になられた。

小飼:元ホストということは、IPアドレスいくつでした?

海猫沢:20年以上前なんでまだサーバーとかもたってなかったかもしれないですね。

小飼:ああ。僕はそれくらい、それ以上前からサーバー立てたので。

山路:弾さんがいきなりそんなフリから入るので、一瞬私、頭が真っ白になりました。

海猫沢:実際はホストクラブのほうなんですけど(笑)

山路:そのホストクラブの経験と、科学に対する取材なども小説に活かされていると。

海猫沢:僕ずっと基本的にアニメとかゲームとかラノベ好きなオタなんで、ホストの方がおかしんですよ。そのへんの経緯は『全滅脳フューチャー!!!』という小説で書いているので読んでもらうとして……。科学ルポはSFへの興味とつながってますね。

小飼:でも、科学的知見というのはホストに役に立つんじゃないかなと。

山路:それはどうなんですか(笑)。

海猫沢:それは行動経済学とかですかね? 確かに役立つかも。僕ね、ホストやってたの20年位前なんですよ。
 なので、これを書く為に取材をしなおしたんですけどその時に、ホストクラブのマニュアルを手に入れたんです。

小飼:マニュアル?

海猫沢:ホストクラブごとにグループがあるんですよ、あれって。そのグループごとにマニュアルがあって。僕は潰れたホストクラブのマニュアルを入手したんですよ。それがすごいんです、完全な新人研修マニュアルになっていて。

小飼:よく出来てるんですか?

海猫沢:まず心理学のこととかが書いてある。返報性の原理とか。ラポールとか。

小飼:おおー。

海猫沢:情報を開示して、向こうとラポールを築きましょうみたいなことがちゃんと書いてあるんですよ。

山路:へえ。

海猫沢:書いてあるんだけど、全部ONE PIECEのコラージュになってるんですよ。オフセット本なんですけど、これはギリギリ2次創作としてOKなのか? みたいな。

山路:それはみなさん読まれてるんですか?

小飼:それがあれば誰でもホストになれる!?

海猫沢:潰れたホストのグループのマニュアルなんで、多分無理だったんですよ。

山路:(笑)

海猫沢:でも面白かったですよ。

山路:『キッズファイヤー・ドットコム』の中にも、そういうものが活かされてて、面白かったですね。

海猫沢:そのマニュアルはちょっと古いんですよね。多分今だとスマホを使って色々SNSで管理とかもあるから、あれじゃ対応できない。でも僕が働いてた20年前とか、もっと古いですからね。今のシャンパンタワーすら全然なかった時ですから。

山路:あ、そうなんですか。

海猫沢:ないですないです、全然そんな。

小飼:え?そんなものがあるの?

山路:シャンパンタワーっていうのは、今もありますか。

海猫沢:基本的にありますね。

山路:私も行ったことはないですよ。行ったことはないですけど、風の噂で(笑)。

海猫沢:酒を飲ませてなんぼの世界なので。

小飼:ああそこでトリクルダウンエコノミーを学ぶみたいな。

お金とビットコインの正体

山路:ああそうですね(笑)。確かにシャンパンタワーってそういうものかもしれないです。じゃあそのシャンパンタワー、トリクルダウンというところで、無理矢理お金の話にいきますか(笑)。

海猫沢:はい(笑)僕は『キッズファイヤー・ドットコム』を書く前にこのルポをやってるんですよ。テクノロジールポをやってるんですけど。

小飼:これですね、はい。

海猫沢:『明日、機械がヒトになる』。この時って、テクノロジーといえばAIだったんですよ。

海猫沢:今はむしろビットコインとかブロックチェーンというのをすごく聞くじゃないですか、毎日。

小飼:そうですね。

海猫沢:わかってないのに、みんな(笑)。

小飼:ちょっと今向かい風っぽいですけどね。

海猫沢:バブル。

小飼:しかも日本国政府はどちらかというと、暗号通貨、ウェルカムの立場だったんですけど、財相がいけなくなっちゃったりしてね。

海猫沢:それで今、お金とテクノロジーのについての本を、ルポの第2弾としてやろうとしてるんです。それで色々調べてるんですけど、いやあ面倒くさいんですよ、お金が。なんかお金って、漠然としてるじゃないですか。

小飼:漠然としてるというよりも、すごく観念的ですよね。

海猫沢:お金の何を調べるのかによって、全然違ってくるんですよね。僕は哲学的なところ、何で価値が発生するのかを知りたいんですけれど、そういうのは国家とは関係なくなってくるんですよ、哲学的になり過ぎちゃって。

小飼:いや実は国家不要です。国家とお金とどっちが歴史ある?といったらお金の方です。

海猫沢:そうですね。

小飼:実は、はい。

海猫沢:だいたいそういうのって、ヤップ島の石貨の話とかが、最初に出てくるんですけど。今日は、VALUのリードプログラマーの小飼さんにいろいろお聞きしたいんです。VALUのやってることって、評価経済と信用を数値にして分割譲渡するみたいなことじゃないですか。それについてちょっと聞きたいんですよ。
 それ、話せるんですかね?話していい部分ってあるんですかね?

小飼:はい、発想は確かに単純なんですよ。法人が株を発行して資金調達できるのであれば、何で個人では出来ないの?という。なんですけど、例えばこれもし日本円でやったとしたら、明らかに出資法違反なんですよ。

海猫沢:そうですよね。

小飼:はい。なんですけれども、これをビットコインという、少なくとも今の、というか、厳密には当時かな、通貨でないものを仲立ちさせたらどうかというのが、発想は確かに単純なんですよ。何事も「あれが出来るんだったら、これが出来ない理由はなんだろう?」というところから始まっているので。

海猫沢:そうですね、貨幣の歴史とか色々読んでいたら、その時の便利なものを使っているだけなんですよね。

小飼:仰る通りですね、はい。

海猫沢:今はビットコインが便利だっただけみたいな(笑)。ちょっとさっきの政治的な話と全然つながらないですけど、大丈夫ですか?

小飼:いやいや結構。

海猫沢:つながりますか?

小飼:日本、面白いところというのは、さっき書類を大事にしない国だと言いましたよね。わりとお金は大事にするんですよね。日本の市井は。人というのは。だって、日本の人はあんまり証券買ってないじゃないですか。

海猫沢:そうですよね。

小飼:現金および預金の形で持ってるじゃないですか。

海猫沢:日本ってちょっと変わってて、キャッシュレスが進まないのもそうなんですけど、現金信仰がすごく強くて。

山路:どうしてみんなSuica嫌がるんですかね?(笑)。

海猫沢:神様が宿っていると思ってるんじゃないでしょうかね?モノに。

山路:私はコンビニで小銭をだすのが面倒くさくてしょうがないんですけど、なんでみんなそこまで現金が好きなのかというのは、正直よくわからない。

海猫沢:クレジットカードも使わない人がいるじゃないですか。

小飼:現金には少なくとも1つ、他の形をしたお金よりも圧倒的にすぐれたところがあります。匿名で決済ができる。

山路:何買おうがその記録は残らないというか。

小飼:実はビットコインの考えがすごかったというのは、そこなんですよ。ビットコインというのはコインとは言ってますけれども、全取引記録ですよね。ビットコインの正体というのは。それをどうやって偽造出来ること無く、全く同じ入出金記録を持ち続けるかということがビットコインのすごかったところなんですよ。もう1つすごいところは、にもかかわらず、結構な匿名性がある。完全な匿名性ではないけど。結構な匿名性がある。ビットコインの記録というのはもうあるアドレスから、どのアドレスに何BTCを送ったかというのに、すぎないんですけども、そのアドレスというのは、自分の財布、ウォレットからいくらでも作れるんですよ。いくらでも作れるんですけれども、あるアドレスがどのウォレットに帰属しているのかというのは、公開鍵があれば簡単に証明出来るわけです。

山路:どのアドレス、いくら入っているのか、見えますもんね。普通にアドレスを入力したら、どれだけBTCがあるか表示するサービスがありますもんね。

小飼:なんですけども、そのアドレスが誰のものかっていうのは、簡単にはわからない仕組みになっている。だからそういうところも含めてすごいなと。

海猫沢:調べてると、ビットコインとブロックチェーンとか技術的な話になるんですけど。

小飼:はい。どうしても技術的な話にはなってしまいます。

海猫沢:結局、本当に技術的な話をすると滅茶苦茶難しくなってくるし、素人に説明すると似たような説明になるから、これはあんまり掘り下げられないんですよ、取材で。プログラミングの話とか、どう使えば、別の使い方があるとか。

小飼:何を目指しているのかというのを考えれば、自ずと明らかには。

海猫沢:なんかお金と離れていくんですよ。意外と。

小飼:いや違うんです。

海猫沢:お、違う?

小飼:あっちが本当のお金だったんです。

海猫沢:ああなるほど。

小飼:はい。

海猫沢:ブロックチェーンが。

小飼:はい。だから今までめろんさんが見てたのは、

海猫沢:なるほど。

小飼:本物じゃないんです。我々が現金というのは、マネーというプレマネーくらいに思ってた方がいいです。

海猫沢:ほう。