「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2022年01月25日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2022年02月08日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
イベント:アルボムッレ・スマナサーラ×小飼弾対談
新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』
「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。
2021/01/25配信のハイライト
- トンガ噴火と「レールガンのメリットとは?」
- Coinhive事件判決とその意味
- そろそろブレークスルーデバイスが来てほしい
- 『大日本帝国の銀河』紹介
- ビッグテックへの締め付けとイノベーション
- 食べログのアルゴリズム開示、みずほ銀行「上の人が障害を生むシステム」、口直しにジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
トンガ噴火と「レールガンのメリットとは?」
山路:もうだいぶ飽きた感じもあるんですけど、いきなりもうコロナから(笑)、
小飼:ああー、
山路:どうです?
小飼:っていうのか、そもそもこれ(まん延防止等重点措置)やってるっていうことに気が付いてない人も多いような感じするんだけどね。散歩とかしてるとさ。
山路:今日、東京の感染者は1万3000人に近くいったんですよね。
小飼:いやでもちゃんと1万人カウントできるのかという、まぁぼんやりとした感動と、でも行政検査数が2万ちょっとしかないなという(笑)、だからそこだけ上がると、10人検査して4人は陽性なのかいっっていう、
山路:そうそうそう、でなんかその陽性率が、じゃ民間のやつはどの程度入れてるのかとかその辺のところっていうのははっきりと明示されてない気がするんですよね。
小飼:しないというのか、検査がサチってるというのは確かなんだけれども、逆に検査能力がどれだけあるのかというのも、わかんないんだよね。
山路:その検査自体のキャパシティが明らかになってないわけか。
小飼:そうそうそう。いやでも、どう考えても中国とかよりも2桁は少ないよね。アメリカとかよりも、桁違いに少ない。
山路:あと今回って、だいぶその感染の仕方、ルートみたいなのが変わってきた感じがありますよね。
小飼:子供からもらうというケースが凄い増えましたよね。
山路:私の妻の職場でも、子供が、保育園が休園になって、それで親が結局仕事に出れないみたいな形でどんどんダメージが職場で広がってるっていう。いや、これって小さいお子さんいる家ってもうその感染不可避じゃないですか、はっきり言って。
小飼:感染不可避だね。
山路:これ、誰がいつなっても不思議じゃない、
小飼:今度という今度は、僕も貰うかもしれないっていう、
山路:で、まぁもちろん飲食店、大騒ぎする人間を抑制するのはそれなりに意味があるのかもしれないけど、今飲食店ぎゅうぎゅうに締め付けても意味がないような気も、
小飼:というのか、日本に限らず、世界的にちょっと人類が疲れちゃったっていうのはあるよね。マラソンとかで、ゴールに辿り着く前に腰抜けちゃう人とかいるじゃないですか、なんか、ああいう、身体、足を動かさなければいけないというのはわかってるんだけども、力が入らない、もう本当に物理的に腰が抜けちゃったっていう、そういう状態に見えますね。
山路:欧米ではもうピークアウトしたんじゃないかみたいなことをWHOの関係者が言い始めて、それもなんかまた、そういう腰抜ける感じにも繋がってるのかもしれないですけどもね。
小飼:まぁでも、それでもニュージーランドとか台湾とか踏ん張ってるとこもあるし、中国も踏ん張る気満々ですからね。というのか、まぁそうでないとオリンピックなんかやってられないから(笑)。
山路:オリンピック、本当にどうなるんだろうな、いつも絶妙なタイミングでオリンピックが(笑)。
小飼:いや、でも1000万人超える人を3日で全検査するとかってさ、すごい、本当に、本当に桁2つ違うんだなっていう。
山路:いやいや。で、あといくつかそのちょっとコロナがらみの他にも話題がありまして。
小飼:そう、トンガはゼロなんですよ。だから、あれくらい隔絶した、海の孤島で人口10万とかだったらそれもできるんですよね。確かオーストラリアの、まだ今回のパンデミックの始まって間もない頃に、旅行者をだから2週間島に隔離するっていうのがあったでしょ、あれは本当に本来の検疫だし、本当に効果があるんですよね。
山路:物理的なディスタンス、
小飼:ただ今の人類というのはもう、相互依存があまりに強くなっちゃったんで、だから中国からもう3日モノが来ないと詰むという状態になってますからね。だから、それでトンガに救援に行ったオーストラリアの救援船で23名、陽性が見つかったって、おい、どうするよ(笑)という、
山路:トンガに広げに行く、みたいなところもちょっとありますよね(笑)。
小飼:で、トンガは何で厳しいのか、救助隊の人も直に触れさせないんだよね。だから、救援物資は置いてけ、でも、
山路:人は来るな、
小飼:人には触るなっていう、なかなか徹底した状態でやってるみたいですけどね。
山路:じゃそのトンガの話が出たところで、トンガ大噴火の話も行きましょうか。これ、思ったほど人の被害は今のところ少なくなってびっくりしたというか、もっとなんかこう壊滅的な影響を受けたかと思いきや、
小飼:でも、まだ以外の全容というのは明らかになったとは言えないんだよね。まだ、やっと衛星電話が回復したっていうところじゃん。ケーブルは切れたままだし。
山路:あれ百数十の島からなるとかでしたかね、なんかトンガ、めちゃめちゃ、
小飼:日本だって6000いくつあるって言われているし、インドネシアに至っては、そもそも数すらわかってないからね。まぁでもそこまで密度があるところではない、トンガの島々は。
山路:これ、トンガでその火山噴火して、これの影響って結局どうなるんでしょうね。
小飼:要するに、全地球的な?
山路:そうそうそう。
小飼:幸か不幸か、海底火山だったので、火山の噴火で地球が寒冷化するというのは、亜硫酸ガスの影響なんですね、SO2の影響なんですよね。でも海底火山の場合というのは、噴火の時に海がそれをけっこう吸収してくれてるので、はい。に対して、ピナトゥボの時というのは、ピナトゥボはもう陸の火山ですから、
山路:これってガス以外にその吹き出す、たとえばそのマグマが吹き出してこういろいろ、
小飼:ああ、火山灰?
山路:になったりするじゃないですか。それの影響っていうのはそんなにない?
小飼:幸か不幸か、火山灰というのはすぐ地表に落ちちゃうから、
山路:じゃあ結局その亜硫酸ガスがこう反応してみたいなことが一番、
小飼:一番影響があるのは、SO₂の亜硫酸ガスですね。まぁでも、それでも数年ぐらいで済むわけですよね。だからよくある誤解で、今度は大噴火があったので地球は寒冷化するっていうのは、あくまで一時的なんですよね。今回の噴火で、92年だったっけ、日本で大冷害になったのは、それだから米を、
山路:タイ米を、
小飼:輸入することになってね。そう、その時に輸入したタイ米があんまりいいやつではなかったので悪印象が付いちゃったという、うまいやつは本当にうまいのにね。
山路:なんか単純に日本の料理に合わなかったっていうのもまぁ一つあるでしょうしね。
小飼:いや、まぁでもそのおかげで、ちゃんとインディカ米のうまいやつというのも日本でも少しずつ知られるようになってきたという。炒め物とかっていうのは、長細いインディカ米のほうが本当にうまいんだよ、
山路:パラパラの炒飯とかうまいですもんね。なんか、このトンガ、
小飼:ビリヤニとかはもうあれでないとね。ちょっと日本のジャポニカ米だとグチャッとしちゃって、いやでもそもそも、僕はそう言う前に米をそんなに食えなくなっちゃったからな(笑)。そうなのよ。
山路:弾さんの個人的な事情で(笑)。
小飼:そうなのよ。どんぶり飯とかも、もうとんでもないしね。
「カボチャの転売屋にジョブチェンジしますわ」(コメント)
小飼:ああ(笑)、
山路:トンガの名物はカボチャというね、
小飼:日本の商社が持っていったらしいね、カボチャの話というのは。ちょうど日本とはずれた季節に作れるしっていうことで、日本の商社が進めたところ定着したらしいよ、カボチャは。
山路:だけどそのカボチャ農家は大損害ですよね、少なくともトンガでは。そこのとこはやっぱり、いろいろ支援とかのやつも、赤十字とがやるでしょうから、それはやりましょうということで、
小飼:いやでも、火山の津波でどういうふうになるのかっていうのがわかってなかったというのは知らなかったよね。
山路:海底火山だったらみんななるってわけでもないわけですよね、今回みたいなのは、
小飼:普通って言っちゃうとアレなんですけども、よくある津波っていうのは東日本大震災の時にも、チリの大地震の時にも、海底で地滑りが起こって、その地滑りが原因なんですけども、今回の場合は噴火で山体が崩れたことによって起きたものらしいので、かなり波の形とかも違うらしくて。高知とかで漁船がひっくり返ってたりしてたもんね。
山路:気象学者とか今すごいトンガ行きたいじゃないですかね。
小飼:でしょうね。
山路:こうちょっとそのトンガの話に絡んでちょっと面白いのが、イーロン・マスクがそれこそスターリンク持ってて、なんかいるんだったら持って行くけど、みたいなことをツイートしてて、
小飼:返事がないですけれども、確かにこういう時にこそ、衛星インターネットというのはやや強いはずですね、でも噴火直後というのはマイクロ版も通さないわけですね、火山灰で。だから衛星も切れちゃうわけですよ。
今はもうあんまり、パラボラアンテナを屋上とかバルコニーとかに付けてテレビ見てる人とかっていうのは、視聴者の中にもいらっしゃらないと、いたらちょっと手を挙げてください、うちまだパラボラアンテナが、サテライトディッシュがあるっていうところ、でも、うちは大昔、まだ世田谷区下馬に住んでた頃にはサテライトディッシュつけてて、雪が降るとやっぱり受信しなくなっちゃうんですよね(笑)。だから、あれのひどいやつが起こるものと思ってください。噴火が起きたら。だから、噴火が火山灰に空覆われちゃうと衛星インターネットもアウトですね。
山路:で、このSpaceXもう一つ、そのこれはトンガじゃないですけど、
「BS4K見てます」(コメント)
「トンガから『論弾』見えないのか」(コメント)
小飼:あ、今ちょっとどうしようもないのかな、うちは国別制限とかかけてないよね、これニコニコにしろYouTubeにしても。
スタッフ:ニコニコのほうはチェック項目があるんですけど、外してます。
小飼:だけど、物理回線が今亡くなってるから、まだケーブル復旧してないので。まぁでも、衛星電話は復旧したのかな。
山路:でこれ、もう一つSpaceX、これトンガと直に関係ないんですけども、アメリカ空軍と契約を結んだという、えーといくらだ、1億ドル、100億円ぐらいの契約を5年間結んで、これ何かって言うと、地球上の色んなところにロケットで輸送するということを実験するのかな、
小飼:弾道弾ね。
山路:まだ実用にはそれになってないから、たぶんそういう実証実験みたいなことをするんじゃないかと思うんですけれども、これなんか、サンダーバードじゃないですかと(笑)、
小飼:いや、昔から話があるというのか、第1宇宙速度にぎりぎり達した人工衛星っていうのは90分で地球一周するんですよね。だから地球の低軌道を回ってるやつとかっていうのは大抵90分で一周するんですけれども、ということは地球の裏まではその半分の時間で行けるわけですよ。というのか、計算してみると出せるんですけれども、理論的には地球の任意の位置に45分で行けるんですよね。そう、弾道弾というのか、弾道機というのは。
山路:これ、それこそ歩兵をなんか敵基地にすぐ送り込むみたいな使い方もできちゃったりする? ちょっとさすがに、それだけ人数の歩兵は無理か、ロケットでは。
小飼:ロケットだと、だいたいLEO、要は一番低い軌道に打ち上げられるのに、能力が10トンぐらいあるやつがだいたい600トンぐらいあるので、打ち上げの時に。だから、何十分の一なわけですよ、
山路:そうか、なんか凄いできるやつを何人か送り込むぐらいしか、やるにしてもできないわけですよね(笑)。
小飼:だから核弾頭積むわけですよね。
山路:そうですよね(笑)、人を送り込むよりは。これ、ミリタリー繋がりでもう一つ、レールガン、
小飼:本格開発へって言ってるけど、
山路:そんなにこの、防衛省ってそんな、レールガンってこうかなりSFチックな武器のような感じがして、まだ実用化はされてないじゃないですか、艦船なんかで実験とか行われてるとは思いますけど、
小飼:ズムウォルト級に載せるって言ってたけども、結局流しましたね。まぁでも、いちおうレールガンを載せても、電力不足にならないような発電能力は付けたみたいですけどね、ズムウォルト級は。結局載ったのは、だから普通の火薬式のほうなんですけれども。
「日本の科学予算でできるんですか」(コメント)
山路:そこだよな(笑)。
小飼:いや、でも結局レールガンで何が難しいかって言ったら、瞬間的に大電流を流すにはどうしたらいいのかっていうので、だからたぶんズムウォルト級に載せるというのも、それがクリアできなかったという。こういうのもなんですけれども、砲身の長さを際限なく長くできれば、たとえば数キロメートルぐらいできれば、もちろん今の技術でもできますよ。リニアモーターカーの長いやつだと思えばいいですからね。ただレールガンの場合は磁力ではなくて電力なので、ちょっと原理は違うんですけど、まぁでも結局のところ電力で加速するっていうところは同じですけれども。
山路:なんか前、弾さんがこれはけっこうインチキっぽいって言ってた、ぐるぐる回して地球軌道にロケットを送り込むみたいなスタートアップの話、あったじゃないですか、それを凄く円形のもので加速してみたいなことはダメなんですか?
小飼:円形に加速するということは、円形に閉じ込めとくためにもエネルギーがいるわけですよ。これでレールガンよりも速度であればもっと早い、粒子加速器の話でいくと、粒子加速器も今世界最高性能のやつはセルンが持っている、LHCというやつで、スイスとフランスの国境にあるわけですけれども。あれはぐるぐる回してるけれども、でも荷電粒子をぐるぐる回すと光、出しちゃうんですよね。シンクロトロン放射って言うんですけれども。
山路:それはまぁでも、LHCは、
小飼:要するに、円形にすると速度は稼げるんだけれども、
山路:エネルギーが無駄になる、
小飼:そうそうそう、弾頭の運動エネルギーだけではなくて、その弾頭を曲げるためにもエネルギーを使わなければいけないので、損失がものすごいデカくなる。
山路:材質的なとこはどうなんですか、たとえば、電力を十分に供給できたとして、短時間で、なおかつある程度の短さに収まるところでできたとして、それは今のある材質で耐えられるものなんですか?
小飼:金属を蒸気にしてというようなやり方をしてるみたいですね、だから電流を流すのに。レールガンの一番簡単な原理というのは、銅の棒を2本引いてレールを作っといて、そこにアルミの丸太みたいなのを置いといて、電気をオンにすると、ピューといくという、だからあれのエクストリームのやつだと思えばいい。
山路:それはじゃあ、素材のほうは何とかなるのかな、じゃあ。
小飼:実際の普通の火薬式の砲弾っていうのも、100発撃つともう摩耗しちゃうんで。
「日本には御坂美琴がいるじゃない」(コメント)
山路:これって『とある科学の超電磁砲(レールガン)』の主人公ですよね、
小飼:あれ科学じゃねえじゃん、魔法じゃん、
山路:あれってでも、そんな短い、指で弾いてるんだったらそんな砲身なさそうなんですけど、
小飼:あれはですね、電磁気を操ることよりも、だからそれで全く何もない空気中にレールガンを現出させるところがマジックなわけです、
山路:砲身を作ってるってこと、
小飼:そうなんです、そうなのです、
山路:空気で?
小飼:はい。
山路:ほーお、つか弾さん全部読んでるんですね(笑)、私ちょっとアニメ見たんだけど、その設定ってなんか説明されてなかったような、そうなんだ。
小飼:いやでもどこがすごいのかというのは、まぁ威力がすごいぐらいわかっていれば、お話としては成立するんですけれども。
山路:これ、そもそもコメントにもあるんですけど、レールガンのメリットは何なのって、
小飼:あ、まず普通の火薬式よりも弾速を速く、もっと加速できる。で、さっきも言ったように、砲身長の制限がなければ、本当に際限なく加速できるんですよ。第一宇宙速度ぐらいまで、出そうと思えば出せる。ただその場合というのは、砲弾が燃え尽きちゃいますけどね(笑)。でも普通の火薬式の砲弾っていうのはせいぜいマッハ3ぐらい、地上で打った場合というのは。
山路:これ、最近よく北朝鮮とかロシアなんかが開発しているっていう極超音速ミサイルとか話題になるじゃないですか、あれとかを撃墜したりとかっていうのは可能なんですかね? 捉えることができたら。
小飼:それやる、でも捉えることができたら、光の速さん兵器であれば、極超音速といえども、ハエが止まったみたいなものなので。ただ、そういったものというのは、そもそも発見されにくいんですよね。
山路:極超音速の軌道とかが、
小飼:そうそうそう。
山路:下から来るみたいな感じで。
小飼:そうそう。弾道弾であれば、地球の丸みとかというのは陰にならないんだけど、極超音速弾というのは、それに比べるとずっと地表に近いところを飛んでるわけで、ということは水辺線の向こうだとなかなか見えないんですよ。いちおう水平線の向こうも見通せるレーダーというのがあることはあるんですよね、OTHレーダーって。電離層を使うんですよ。
山路:反射させて、
小飼:そうそうそう。
山路:昔のラジオ、無線通信みたいな感じですよね、
小飼:そうそうそう。逆に言うと、そんなに電離層を突き抜けるような高周波、短波長の電波というのは使えないわけですよね。
山路:これ、レールガンってSFマインドはけっこうなんかワクワクさせるものはあるんですけど、弾さんがたとえば軍事予算とかを割り振りできるんだったら、これってそんなに優先的に開発すべきもの? どうすか。
小飼:うん、いや、既存の砲弾でいいんじゃねという話はあるんですよね。実際にズムウォルトクラスも既存の砲弾、砲を載せましたし、既存と言っても性能が上がってて、ロケット加速もできるやつで、それを使うと射程150キロぐらいあるんですよ(笑)。それだけあれば十分じゃないのというのもありますし。
山路:なるほどね、なるほど、そんな、そういう兵器開発にそこまでなんか未来チックな技術が果たして本当にいるのかみたいな(笑)、
小飼:未来チックな話というのは、ミリオタの心はくすぐられるんですけども、実地運用するほうにしてみれば、いざという時に確実に動いてほしいわけですよね。だから、それで言うとたとえば、銃弾とかも一時期ケースレス、要は薬莢がないタイプの銃弾というのを作れたらいいなっていうふうに言ってたんですけど、それもやっぱ流れちゃったんですよね。
山路:それはやっぱり安定的に動作するかどうかの問題で、
小飼:そうそうそう。だからそれ使うと、薬莢の長さの分、弾薬の長さを節約できるんで、それだけたくさん銃弾を持てるということで、じつはドイツとかも熱心に、冷戦が終わる直前ぐらい熱心に開発してたりもしたんですけど、そんなこと言ったら、M2機関銃とかってもう100年超えてますからね、基本設計が。
山路:そんなになる、
小飼:そうですよ。
山路:そうなんですか、へええ。
小飼:12.7ミリ機銃。じつは二次大戦の時は日本軍もコピーして使ってたというね。今も日本でちゃんと川重かどこかがライセンス生産してて、それで談合でボッてたと言ってちょっとした話題になりましたけど、まぁでもそれはさておき。
山路:なんていうか、兵器のある意味ローテクによる、
小飼:だからこれでないと敵わないっていうのでもないない限りは、あんま熱心には開発しないんですよね。たとえば戦車砲とかっていうのは、二次大戦の時に57ミリじゃもうぜんぜん打ち抜けないから、75ミリで、75ミリじゃダメだから88ミリでとか言って、それで最終的に現代の戦車っていうのは120ミリの砲を持ってて、それが30年ぐらい来てて、もっとデカいの開発するかとかっていう話はちょくちょくでるんですけれども、もうそれ止まりですね。120ミリ砲どまりですね。自衛隊も90式と10式とありますけど、口径変わりませんでしたからね。
「じゃあワンチャン素人でも作れる?」(コメント)
山路:っていうの、これ機関銃ですかね(笑)。機関銃のことを言ってるのかな、ワンチャン作れるかって。
「自作できたら家にも欲しいよね」(コメント)
山路:これも機関銃のことなんだろうか。
小飼:じつは銃はまぁ簡単とは言えないけれども、数発撃ってバレルがパチンっていってもいいというのであれば、たぶんネットで設計図を、ググって3Dプリントすればできると思うんですけど、意外と難しいのはカートリッジ、装薬のほうだと思います。あれはですね、火薬とはちょっと違うんですよね、あくまでも装薬っていう言い方するんです、火薬ぐらいだと早く燃え過ぎちゃってボカンになっちゃいますからね、だからちょうどいい燃焼速度を持っていなければいけなくて、それをきちんと作るというのがちょっと素人技を超えているかもしれない。でもいったんガンパウダーができちゃったら、アメリカとかだと売ってますからね(笑)。ウォルマートとかにも売ってますからね、自分でそれを薬莢に詰めて、ちゃんとかしめる器械もあって。ガンパウダーどうするよ問題はある。
「弾さんは作れそう」(コメント)
小飼:あーとね、綿火薬は作ったことあるけど、でもちょっと自分でガンパウダー作って、それで自作の銃を撃つほどの度胸はないな(笑)。
山路:火縄銃ぐらいだったらできちゃうのかな、やっぱ。
小飼:いや、それもやっぱりけっこう黒色火薬っていうのは意外と大変ですね。
山路:そうか、けっこうな、やっぱり火薬というのはテクノロジーな、
「リアル『Dr.Stone』や」(コメント)
山路:そうですよね、おっしゃる通りで。
小飼:そうそうそう。
Coinhive事件判決とその意味
山路:じゃ次あれ、このタイトルにもあったCoinhiveの事件も行っときますか。これ、デカいじゃないですか、
小飼:いや、だから本当何度こういう受難に遭えばいいのかな。もう日本の、プログラマーでさえないもんね。
山路:ただの別にウェブサイト、
小飼:ウェブオーサーだもんね。
山路:これ、要はマイニング機能があるような、ものをサイトに設置したと、
小飼:したら、それは人のコンピューターを勝手に使ったという罪ができたんですよね。えっと何だったっけ、正式な名前、電磁的記録、
山路:なんか長いやつ(笑)、ちょっとぱっと出てこないんですけど、
小飼:でもあれが違法だったらさ、広告とか適法になりようがないじゃん。
山路:なんか動画広告のほうがCPUパワー使ってるじゃないかみたいな(笑)、
小飼:そうそう、要は動画の自動再生なんてもってのほかだよね。実際にそういう法理を弁護側は持ってきて、まぁそれで勝訴したんですけれども。
山路:これ、判決なんですけど、これって弾さん的にはこの判決自体には問題がないと思います?
小飼:えっとですね、今回の事件そのものに対する判決としては強いです、普通こういう最高裁まで行ったものというのは差し戻しが多いですね、同じ勝訴にしても。その裁判のやり方、結論の導き方というのはこういう点がおかしいので、そこをやり直しなさいっていうような形で出て、もう一度差し戻されてやっぱり間違えましたっていうのが多いんだけども、今回はもうバッサリ切ってるんですよね。棄却するなんです。
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