「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2022年11月01日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2022年11月15日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2022/11/01配信のハイライト
- 新iPad ProとLiquid Text紹介
- 「格差の四騎士」と「クラウドはお得じゃない」
- マスクTwitter買収の影響と「Twitter認証の仕組み」
- Twitter代替と有料サービス、広告ビジネスの今後
- 視聴者質問:不登校と「教育の迂回路」
- 「大国ブラジルはもう先進国?」と「AIにも七つの大罪を」
新iPad ProとLiquid Text紹介
山路:さっきまでちょっと『チェンソーマン』の話で盛り上がって、
小飼:そこから(笑)、
山路:たんですけれども、今期アニメがめちゃめちゃ充実、
小飼:アニメのほうね、
山路:そうそう、
小飼:いや、でもさ、よくあれでアニメにして動かして違和感ないなぁ、
山路:『チェンソーマン』?
小飼:昔、一昔前って原作とアニメで絵がぜんぜん違うわけじゃん。それがネタになってたりしたわけじゃん。本当に、『サルでも描けるマンガ教室』とかではあれなんだよね、ちゃんとそれがもろにネタになってたり(笑)、
山路:『とんち番長』アニメ化のやつですよね(笑)、とんち番長すぐに出てくる俺もなんですけど(笑)、
小飼:でもさ、今、藤本タツキ絵が違和感なく動くんだよね。
山路:3年、5年くらい前までは3DCGで作ったっていうのが明らかにわかったじゃないですか、
小飼:そうそう、この部分は3DCGで動かしてて、それをセルと被せてるって言うのモロわかりだったんだけどね。
山路:トゥーンシェーダーだけじゃなくって、たぶん、そもそもマンガって立体で見るようには作られてないはずなのに、なんでこんなに違和感なく見られるようにあの3Dでできんだっていうのは本当に不思議なんですけどね。
小飼:タツキ絵って線とかも、マンガとしてはとてもいいんだけれども、ぜんぜん写実的ではないじゃん、だから塗っちゃうとなんか別のものになっちゃうっていう感じだけど、ああいうのでもちゃんと動かせるようになったっていうのはすごい、
山路:ただあれ、なんだろう、ああいう2Dっぽいというか、2Dのセルアニメの進化系みたいなやつって、日本以外であまり需要ないんだろうかなとは思うんだけどな、世界の趨勢的にわりと3DCGのほうが多かったりもするじゃないですか、最近だと。
小飼:まぁでもそれは何と言えばいいのかな、数の問題じゃない? 日本だと白黒のマンガ作品っていうのがまずどっさりあって、どっさり要求されるわけじゃん、どっさり要求されるが故に白黒でもオッケーだったわけだけれども。
「ufotableは3D動かして、上からアニメーターに描かせてた」(コメント)
山路:『鬼滅の刃』ですよね、
小飼:そうそうそう、
山路:中華アニメはバリバリ3D、なんかそういうイメージがありますよね。
小飼:日本のも、予算や納期が不足してたりすると、そのへんがもろ3Dモデルのままで動かしてるっていう、なんかあのFacebookのメタバースの初めの、何だったっけ、ザッカーバーグがやって(笑)、
山路:スクリーンショット上げてたやつね(笑)、
小飼:そうそうそう、ああいうトホホなやつが、日本のアニメとかだって時々出てきた気がするけれども。
山路:まぁでも本当に、2Dセルアニメの延長でアニメ作ってる人、マジで頑張ってるなと思いますわ、今期なんか『チェンソーマン』もそうだし、あと『ガンダム 水星の魔女』とかも、そうとういい感じじゃないですか、
小飼:そう、『ガンダム』も、ちょっと前のやつとかは人間がセルで動いてるのと、ガンダムが3Dで動いてるのと、けっこうちぐはぐ感あったよね(笑)、昔のやつとか見ると、そういうところがあったけれども。あんまない。なんだけど、『水星の魔女』何がふざけるなって、お前ら、まだスマホ使ってるのかっていう、
山路:そこなの(笑)、
小飼:むしろそこ、なんかそこの部分っていうのはすごい先祖返りしちゃったというのか、もう前からSFというのは未来を予測してるんじゃなくて、現代をじつは追ってるんですよっていうのはもう持論としてこの番組でも何度も取り上げてるけども、クソもろじゃん。
山路:現時点でのやつをそのまま出してきてますもんね。
小飼:クソもろじゃん。そこはすげえ文句を言いたいよな、人類があれか、地球圏だけじゃなくて水星とかに行ってる時代でもスマホをかよって、
山路:でも本当にリアルな未来予測かもしれないですよ、俺ら50年後にスマホ使ってる可能性ありますよ、
小飼:まぁでも50年経っても(MacBook Airを見せながら)これはあんま変わんなかったからね、変わんないものは変わんないと思う、変わんないものは変わんないけど、スマホは宇宙世紀になってもスマホかえー。
山路:可能性あるかなと思って(笑)、
小飼:でもさ、それ言ったらさ、ファーストガンダムとかさ、アムロ、紙のマニュアルめくってたよね、
山路:(ファーストガンダムでは)公衆電話使ってなかったっけ。(スタッフの渡してきた設定資料集を見せながら)『地球外少年少女』、あれはスマホの次としてスマートっていうデバイス、
小飼:そうそう、なだからあれなんだよ、プロジェクターで映して、(手の甲を指さして)ここの部分っていうのがタッチスクリーンになるんだよね、
山路:あれはもうほんとNetflixでやってるやつ、ぜひ、見といてください、
小飼:そっちのほうが先進的だけれども、そこの部分っていうのは何とかならなかったのかっていうのは。でも一つ感心したのは、(『水星の魔女』の舞台であるアスティカシア高等専門学園の)学校の制服はユニセクシャルになってた、あのデザインはいいんじゃないか、現代にバックポートとしていいんじゃねえか。色が変わるというのは置いといても、あれはとてもいいと思う、でもスマホはもう少し頑張れなかったのか、でもそれを言ったらさ、21世紀にもなってまだ『ガンダム』かよっていう(笑)、
山路:IPの強さですよね、
小飼:IPの強さという、
山路:あのスマホがあることで、そうとうたぶん、中高生とかに刺さりやすくはなってると思いましたよ。そこはかなり作戦勝ちかなと、SFよりも実をとった、
小飼:(現実と)あんまりかけ離れてるとわかんないんだよね。
山路:ちょっとコンテンツの話を軽くしたところで、ちょっと今日はこれ、iPad Proでやってる、
小飼:そうそう、なんか山路さんさりげなく、それは何、新しいやつ?
山路:新しいやつ、
小飼:なんか、前よりも薄いね、(ボディカラーの)グレーが、
山路:ああ、そうですね、
小飼:もうすこし白っぽくなってる、
山路:色だけちょっと薄いんですけどね、
小飼:それでわかる、じゃあここにMacBook Airが2台と、これがあって、これが最強か。
山路:そうかもしれない、M2プロセッサ搭載だから。
小飼:これがiPhone 14だけど、iPhone 14でもちょっとそっちには勝てないわな。
スタッフ:前のiPad Proです、
山路:これ、ナオヤさんの持ってるやつはでもサイズ的にはたぶん、外見的にはほぼ同じだからね、これ2年前だよね、確か。これ、別にはっきり言って新味は何もないと言うか、ただちょっと私がこの12.9インチのiPad Proを使ってみたのはですね、このアプリ使いたかったからなんですよね。
スタッフ:これ映しちゃっても大丈夫なんですか?
山路:大丈夫ですよ。これがなかなか優れもののアプリケーションでして。こういうふうな感じでPDFを読み込めるんですよ。まぁこれは普通じゃないですか。
小飼:まぁそこまでは。
山路:これをたとえばですね、こんな感じで、何か選択したい文字があったとしてこういうふうにやるでしょ、それをひゅっと持ってこれる(文字選択した部分が、本体PDFの横に表示されているワークスペースに抽出される)
小飼:それはだから文字としてのにちゃんと認識してるわけ、
山路:そうそう、こんな感じで、自分の気に入ったところ、気になるところとかひゅっと持ってこれるんですよね。
小飼:それは偉いな。
山路:さらにそれを複数のドキュメントとかを読み込んで、それを同時にこう見たりとかまでできちゃうんすよ、これが。読み込んだら、そこんところを、別のところをたとえばひゅっとやったら、ちょっと待ってください、こういう元のところのやつをすっと、これいいでしょ、なかなか(抽出したテキストをタップすると、文書の元の位置が表示される)。
さらにこの画像とかがあるとですね、画像をひゅっと、これちょっとうまく、これなんか変になっちゃった、今変になっちゃった。あれなんか今バグっちゃったな。これを今なんかアプリがバグっちゃいましたね、要は何をやりたいかというと、画像も切り出して持って来られるんですよ、グラフとか気になるところがあったら、ワークスペースにひゅっとその図を切り抜いて持って来られる、これなかなかいいアプリでして、Liquid Textって言うんですけどね。これを使いたい、使いこなしたいなと思って、この12.9インチのでかいやつを買ったんすけども。と言う、iPad Pro自慢でした(笑)。
小飼:M2も載ったんだったらさ、いい加減、これでXcode動かしたいよ(笑)、もう4、5年ぐらい言って気がするけれども(笑)、もうアプリは作れるじゃん、アプリは作れるんだけども、あくまでもSwift Playgroundsからなんだよね、Xcodeではなくて。
山路:噂では、このiPad Pro上で動くmacOSはもう試験し始めてるっていう、
小飼:そりゃもう動かないわけがないもんね(笑)。
山路:ただ、本当にmacOSをこれで動かすっていうのは、Appleにとってはけっこうリスクでもあるんじゃないですか、つまりカニバる、共喰いするというのか、
小飼:どうなんだろうね。
山路:あんまそっちの心配はしなくていいんだろうか。
小飼:でも、それよりもiPad用に売ってるキーボードにescキーを付けなければいけなくなるという(笑)、
山路:そういえばついてなかったっけ、
小飼:ない、
山路:新しいのもないんだっけ(笑)、
小飼:ない。新しいのもない。
「格差の四騎士」と「クラウドはお得じゃない」
山路:妙に変なところでなんかこうAppleは意地っぱりですよね。で、それに関連してGAFAMの決算がいろいろ出てきましたね。
小飼:まぁおおむね残念だったんだけど(笑)。
- グーグル親会社、7-9月利益と売上高が市場予想下回る-株下落 - Bloomberg
- コラム:アマゾンも襲うハイテク業界の逆風、投資家は利益重視へ|ロイター
- メタの50%利益損失で投資家たちは逃げ出す|Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
- Windows OEMが15%売上減。Microsoft、2023年第1四半期は増収減益 - PC Watch
山路:ただそのAppleだけは、
小飼:まぁそうなんだよね、しぶといね(笑)。しぶというっていう言い方もあれだけれども。
山路:あれ、なんでだと思います、Appleあんなに、このGAFAM全体的にメタメタだった、メタメタってMetaじゃないですけど、調子悪かったのにApple、やっぱり高級路線だから?
小飼:何なんだろうね? 最近は台数発表してくれてないじゃないですか。ちょっとわかんないんだよね、そこは、
山路:iPhoneとかの売り上げは減って、減速はしてるみたいな話はありましたけれども。
小飼:というよりも、そろそろ人類のキャパシティ的に、これ以上増やせないよねという、
山路:デバイスをってこと?
小飼:だからデバイスの売り上げを。しかもどっちかって言うと、デバイスあたりの寿命というのはかなり伸びてきてるから、ほんと昔は毎年のようにiPhone買い替えてたけれども、今、うちも3年は使ってるからね。だから、僕が買って、それが長女にいって、それが妻にいって、そのあとに下取りに出すかバックアップデバイスになるかっていうふうにしてるから、(MacBook Airをかかげて)これに至ってはもう本当に4、5年使うのが普通になってきたしね。
山路:私も今使ってんの、iPhone 12 Proで、それでぜんぜん困ってないんですよね、正直(笑)。
「Pixel 7めっちゃ安」(コメント)
山路:ただまぁPixel 7、数が出るわけじゃないからなー。
「半年ごとにガラケーやPDA買い替えてた老人会」(コメント)
山路:いや、私も老人会所属してましたから、わかりますけれどもね。Palmとかすごい買いましたよ。
小飼:あと、これは日本にやや固有の事情とはいえ、円安で買いにくくなったというのもあるかもしれないね(笑)、なにせ中古のやつまでに値段上がってるからね、今。
山路:iPad Proもちょっとギョッとするほど高かったですよ、正直(笑)。
小飼:(MacBook Airを指しながら)これより高いんじゃないかな、それ。それはスペックは?
山路:512GBのストレージで、
小飼:あれ、セルラー?
山路:セルラーモデル。
小飼:セルラーついたやつ、だと20万超えるのか、
山路:そうなんですよ。
小飼:これ買った時よりも高いわ。これが16gigaの1テラで、税込で18万円ぐらいだった、これが。
山路:GAFAMの話でいうと、
「Metaは四天王の中で最弱」(コメント)
小飼:いや本当に、そろそろ四天王から落ちてるんじゃないか。そろそろNVIDIAとかに食われてないか、まだ?
山路:同等、NVIDIAのほうがちょっとまだ下だったかな、
小飼:なんかメタバース路線に行ってから迷走してるよね。でも、メタバースは成功してほしい、メタバースという概念が普及してほしいと思う一方、でもさ、それはMeta社の主導だっていうのはちょっとっていう感じするよね(笑)。
山路:あともう一つ、アバター要ります?っていう(笑)、
小飼:それそれそれ、
山路:私は、アバターの必要をまるで感じないんですけど(笑)、
小飼:あとやっぱUIだよなぁ。『水星の魔女』の、今のスマホに逃げるというのはわからんでもないんだよね。だから、ここまではもう確実なわけ、まさに鉄板なわけよ、鉄板じゃなくて、ガラスの板だけどね(笑)。だから本当に、本当にどうしてくれようと、これ持ってちょっと街を徘徊、徘徊って言っちゃう(笑)、
山路:音声認識だけでも、弾さんですら抵抗あるって言ってましたもんね、音声入力するの、
小飼:日本だと電車の中で使えないじゃん、音声認識は。
山路:結局、何て言うのか、今んところの最適解がスマホという(笑)、10年か20年ぐらい続くんじゃないかっていう気はしてるんですけどね。
小飼:あるいはもう神経直接接続、
山路:それをイーロン・マスクがやってる会社に任せて大丈夫なのかみたいな(笑)、
小飼:それだったらMetaの軍門に下ったほうがいいかな(笑)、
「テキストから逃れられない」(コメント)
山路:そうなんですよね、情報を取り入れる手段として、つまりTwitterなんかが、後でも触れますけど、Twitterが人気なのって、テキストだったからっていうのがデカかった、
小飼:べつに逃げる必要もないんでしょ。だから、MacだってmacOSになってなにが良くなったかつったら、ちゃんとシェルが使えるっていうのが僕の答えだよ。
山路:ああ、つまり、そのコマンドライン、
小飼:そうそう、コマンドラインでも、
山路:CUIとしてのシェルってことですね、
小飼:そうそうそう、
山路:GUIのシェルじゃなくて、
小飼:両方できるようになりましたと。
「無重力で支えて脳みその中身をダウンロードされそう」(コメント)
小飼:ほんとUIって難しいよなーっていうのはね。そろそろ、そろそろ画期的なのが出て欲しいんだけどね。
山路:しかし、なんて言うんですか、人口も予想よりも早く頭打ちになるみたいなのってどんどん出てきてるんじゃないですか。なんか経済の減速っていうのも、じつはいろいろなところで始まってるとかそういう話もありまして、そうなってくると、ますます新しいUIみたいなもの、出づらくなるかもしれないですね。
小飼:いや、でも経済の問題じゃないと思うよ。Appleはどん底の時だって、(iPodの)Click wheelを開発してたわけだし。こればっかりは、いくら金突っ込めばものになるっていうのが、ぜんぜん読めないんだよね。ヒントはあってさ、いっぱいニアミスしてきたわけじゃん。
山路:スマホにたどり着くまでってこと?
小飼:そうそうそう。
山路:Palmのグラフィティとかね。
小飼:そう、グラフィティとか、iPhoneのこれでいいのに行き着くまでにさ、やっぱりいろんなとこで試行錯誤してたわけじゃん。いや、だからザウルスとかもう少し頑張って欲しかったなあって本当に、本当に思うね(笑)。
「経済予測って天気予報みたいにできるの」(コメント)
山路:私が今読んでる本で『Slowdown』って本あるんですけど、そこでは変化率、変化率をグラフの軸において、どれくらいスローダウンしてんのかっていう、微分した、たとえば経済成長とかグッと進んでるその伸び方とか、その様子で分析してると何かこう、停滞というか、安定の状況に今向かいつつあるよみたいな、そういう話ですけどね。
小飼:安定がけっこう誰にとって痛いのかというのも、徐々に明らかになってきたしね。
山路:それっていうのは、今の格差のある状態で固定されちゃうってこと?
小飼:そうそうそう。だから、平和というのは底辺の人にはじつは厳しいというのはわかってきたしね。だからっていって、戦争やるとちゃんと入れ替わるかっていったら、ロシア見てごらんなさい(笑)。ただロシアはロシアでなあ、脳外科医を徴兵しちゃったりとか(笑)、
山路:小児脳外科医でしたっけ、代わりいねえやつをもうウクライナですりつぶそうとしてるわけですよね。
なんでしたっけ、格差の四騎士だったか、総動員戦争と、すごい経済危機と、革命と、あと疫病、なんかその四つとかが格差を減らす、歴史的に格差を減らしてきた4つで、
小飼:要はかき混ぜる要員だよね。
山路:でも、多くの人は今、さすがにかき混ぜられたいとは思ってないわけじゃないですか(笑)。だから、そうなると結局、悪い奴ら、悪い金持ちが意図するとかそんなんじゃなくて、格差が固定されてしまわざるを得ない方向に今向かってないかという気がするんですけどね。
小飼:いや、でも、それで格差を固定すると、やっぱり成長も止まるっていうのはね。
山路:やっぱ高所得者層に、富裕層への税金とかアップしてかき混ぜるというか、
小飼:だから何でアメリカ強いかっていったら、確かに格差はあるんだけれども、わりと外様でも上に行けるわけじゃん。アメリカでよくあるのは、外国人の高所得高学歴の連中が頭ごなしに出世していくという。ちゃんとかき混ぜが起こってはいるんだよね。
山路:今スタンフォードとかハーバードとかに行くの、めっちゃ学費が高くなってたりとかはしますけどもね(笑)。
小飼:うちも次女が留学生なので(笑)。
「アメリカ、金持ち叩きが日本よりは緩そうな印象」(コメント)
小飼:どうなんだろうな、場所、時と場所によるかな。アメリカっていっしょくたにできないんだよね、いっしょくたにできないと言うのか、アメリカ自体が国連みたいなものだから、もう伊達にユナイテッドステイツって言ってるわけじゃないからね。
「アメリカのエリートはたくさん働いてるよね」(コメント)
山路:確かにそれはよく聞く話ですよね。
小飼:いや、でもエリートとエスタブリッシュドっていうのは、これまた違う概念なんだよね。ごっちゃにしがちだけども。
山路:アメリカのエリートっていうのは、言ってみたら高学歴で高スキルでみたいな、実績を積んでってことがエリートなわけですよね、、成金も含めてのエリートなわけですよね。エスタブリッシュはもともと家が裕福とかそういう、
小飼:そうそうそう。
「セレブ叩きひどそう」(コメント)
山路:それも一概に言えないところありますよね。セレブ、やっぱり人気だったりもするわけだし。
小飼:とても人気だったりするし。
山路:だって、何でしたっけ、なんだ、なんかめちゃめちゃ最近インフルエンサーとか、カー……、
小飼:Kim Kardashianね、はい、Yeの彼女ね、カニエ・ウェスト、
山路:カーダシアン、すみません、おっさんですみません(笑)。あのへんとか、なんかもう人気すごいじゃないですか、正直、なにが、
小飼:いやまぁディスもすごいけどね。だから、そういう意味でちょっと鉄面皮でないとかなり苦しいところはあるね。コミュ障というか、叩かれ弱い人はやっぱりかなり辛い社会なんじゃないかな。あのね、引きこもりは逆にむしろいいかもしれない、引きこもるスペースがいっぱいあるから、ほんと文字通り、物理的に、日本で引きこもるっていったら、せいぜい部屋じゃん。だから、家丸一軒に引きこもりができる、引きこもりにはむしろいいかもしれない。
山路:仕事が、というか食っていくつてがあれば、
小飼:今はリモートワークもあるし、
山路:それはできる人の話ではないのですかという気がしなくもないんだけれども(笑)。
小飼:Starlinkのディッシュ(衛星通信の受信アンテナ)を置いちゃって、それで、あと太陽電池も置いて、充電池も、もうgrid(送電網)から切り離されても、核戦争が起こってもバッチシみたいなやつで、
「無名な金持ちになりたい」(コメント)
山路:それは正解だと思うんだよな。多くの人、最近、特に若い人に顕著な気がするんですけれど、金持ちになるためにはSNSで人気者にならないとどうしようもないと思ってる人、多すぎじゃないですか(笑)。
小飼:あんまり表に出るのは賢いことではないよね。
「自室警備員プラス両親というパトロン」(コメント)
山路:それ最強じゃないですか(笑)、そのシチュエーションをいけないことだと捉えるからキツいのではないだろうなというふうには思うんだけどな。これちょっと、なんかもしかしたら後で、限定のほうで取り上げる視聴者からの質問にも関わってくる話かもしれないですけどもね。
小飼:というわけでとりわけ、
山路:あともう一つ、IT絡みでクラウドの話、ちょっと弾さんに聴きたいなと思って、クラウドサービス、最近GAFAMの場合だったらGoogleとかMicrosoftとかAmazonのが、ちょっと減収というか、伸びが頭打ちになったみたいな話があるんですけど、クラウドがそもそもお得じゃねえよっていうこと、
小飼:お得じゃないに決まってるじゃん。
山路:(笑)オンプレミス、要は自分とこで立ててっていうふうな動きが強くなってきたということなんですけれども。
小飼:いやだって、それアパートとホテルで、アパートのほうが高かったらダメだろ、それは。そういう、それだけの話よ(笑)。それだけの話よ。それは使ってる人だって、それは知ってるでしょ。だけど、ホテルだったら、もう明日チェックアウトしますっていうのができるけれども、アパートとかだと、ひと月はだから借り切ってなければいけないし、そのあと部屋も現場復帰しなければいけないしっていう、まぁそこなんですよね。
山路:ただ日本の中小企業なんかがオンプレミスにこだわってんのは、その辺のところじゃない気がするんだけど、
小飼:逆であるべきなんです。だから、まだちっちゃくて不安定なうちは、なるべくクラウド使って、大きくなって、資本を自分でも調達できるようになって、必要なリソースも大きくなってきたら、この部分は自前かっていうのは、そっちが正しいやりようなんだよな。
山路:日本の中小企業の場合、SIerに騙されてなんかサーバーとか専用に作りこまれてる印象が(笑)あるんですけど、気のせいなんですかねっていう。
「クラウド使ってた、ごめんなさい」(コメント)
小飼:それ正しいですよ。クラウド高くね?って言い始めたのは、けっこう大きなところよ。37signalsとか、もはや中小企業じゃないじゃんお前らという、Dropboxとかもかなりデカいよねという。
山路:これってどれぐらいのところっていうのが、まぁ一概には言えないんでしょうけど、その企業の事業形態とかによって。どれぐらいからクラウドがお得でなくなるものなんすかねっていうか、もう、それこそ大企業、いわゆる日本で言ったら一部、今だとプライムっていうのか、そういうプライムに上場してるみたいなところだったら、もう自前で構築したほうがいいとか、そういう話なんですか?
小飼:資源の使い方の波が緩くなっところだね。(波が変動するジェスチャーをして)こういうふうになってるうちはクラウド様々なんですよ、だからすぐにインスタンスを立ち上げられて、不要になったらすぐインスタンスを落とせるっていう、まさにその頃っていうのはホテルのほうが却って安くつくわけなんですよね、何泊するかわかんないとかね、どれだけの広さがいるかっていうのがわかんないってうい。だけどもそれも、ちっちゃいうちっていうのは不安定だけれども、これが社員が一人だったところが10人になり、100人になりっていうふうになると、1人1人はまだけっこうドタバタしてても、全員で足すと均らされていくわけじゃないですか。そのへんで、これはもう自分でオンプレミスでサーバを立てたほうがいいんじゃねっていうのが出てくるはずで、常に計算しとくべきだし、常にリファレンスサーバーは少なくとも、1台ぐらい、1スタンスぐらいは自分のところに置いとくべきですよね。
最近は両方の組み合わせっていうのもやりやすくって、一番単純なやり方っていうのは自分のところでイメージを作っておいて、コンテナイメージを作っといて、デプロイするときにコピーすると、そのデプロイ先というのがクラウドなのか、あるいは自分が借りているレンタルサーバーなのか、はたまた自分で回線引いてきて、自分のところに置いとくのかっていうのは、それは別だけども、常にそれくらいは用意しておくべき。
山路:ドワンゴっていうのはいちおう自前で、
小飼:いや、だからその頃には、まだクラウドという選択肢があまりなかったから。
山路:うまく移行できなかったって、
小飼:アンド、もともとある意味はクラウドというのか、YouTubeに、動画がトラフィック食ってたわけやん、YouTubeに叩き出されたので仕方なく、
山路:あれからだいぶ経ってますけどね(笑)、
スタッフ:まぁさすがに、すいません失礼します、自前だけあってニコニコも、始まった頃は接続制限があったりとか、ありましたからね(笑)。
山路:これなんか、栗田さんが答えてんのは「なぜニコニコは全体停止メンテナンスをしないといけないのか」って、GAFAのようにメンテしながらサービスできるほど大量のサーバを持ってないからって答えて、日本のサービスでも全体メンテしないところあるぞっていう質問に対しては、そういうところはGAFAのクラウドを使ってるから、ニコニコは自前でサーバを持ってるって、
小飼:それはイエスであり、ノーでありというのか、確かにどっちが効率的かって言ったら、止めて修理するほうなんですよ。止めて修理するほうが必要なリソースっていうのは少ないんだけれども。その代わり、止めて戻す時に戻せなくなったりすると大変なわけだよ(笑)。
山路:ニコニコぐらいだと、どれぐらい、今の状態ってのが一番最適、企業規模的には丁度いいぐらいなんですかね?
小飼:どうなんだろうね、いや、でもこの程度でちょっと止まっちゃダメでしょ。
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