「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2022年10月18日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2022年11月01日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2022/10/18配信のハイライト


ロシアの台本読んでるようなイーロン・マスクの発言

「今晩iPad Pro発表って本当?」(コメント)

山路:私らに聞かれても困りますよね(笑)。

小飼:困るんだけども、出てくれると嬉しいなーというのも、実はですね、僕はiPadも2台体制というのか、片方充電器にさしてる時、もう片方を使えるようにって、実はたぶん一番使ってるAppleデバイスってiPadかもしれないですね。

山路:意外にMacBookじゃないんだ。

小飼:時間的に、時間だとそうなりますね、たぶん。何と言っても、ベッドで使うときに、

山路:本読むために使う、

小飼:もう片方がですね、これ、iPad Airの2代目のやつですね。で、ストレージが64gigaと小さいんですけど、問題が二つあって。一つは次のiOSにはもう対応してない、15止まり。あと、もう一つは物理的に、もうここに、ここが浮いちゃって。さすがにこれはどうよって思うだけれども、普通に使えてるので。

山路:今回の発表、プレスリリースだけなんじゃないかっていう噂が出てますね。なんか大がかりな発表とかするんじゃなくって。私はM2搭載した12.9インチのでかいやつ買おうかなと思ってるんですけど、

小飼:M2出たら、うちの最強のCPUはProになるのかってことだよな。

山路:そこまでの性能がいるのかっていったら、どうなんだろうと思いますけど(笑)、

小飼:ただ、ディープラーニングのおかげで、再びローカル側のシリコン需要っていうのが起こってきたと思います。

山路:あー、特に絵師というか、AI絵師のみなさん、

小飼:そうなんですよ、AIのラーニングのことを考えると、やっぱりクラウドでやりきれないというのは。

山路:ただiPad Proでラーニングのほうやる人はいないような気はしなくもないが(笑)、

小飼:絵を描かせるというのはクラウドにデータにやらせるかもしれないけれども、けっこう需要がありそうなのは、何だったっけ、Adobe Frescoだったっけ、要は自分の落書きを清書してくれるやつ、ああいうのはまさに、

山路:image to imageみたいな、

小飼:ローカルで、

山路:そうか、あれはけっこう使うかもしれないですね。

小飼:いや、だから、絵師とか動画がやる人とかっていうのは、まだまだCPUが足りない状態だと、CPUというのかシリコンがって言ったほうがいいな、今CPUに含まれる、含んじゃうかどうかっていうのが怪しいからね。

山路:たしかにGPUとかのところでやったりとか、あるいはAI、ニューロチップ、ニューラルネットワーク用のチップ積んでたりもしますもんね。

小飼:ただこういう番組を見るのであれば、(古いiPad Airを見せながら)これでも足りるしね(笑)。これ何世代前だ、もはや次のiOSが対応しないぐらい古いやつでも(笑)、ぜんぜんいけると、

山路:Appleも、他のメーカーに比べるとサポートが長いほうではありますけどもね。ITがらみの話出たところで、Starlinkの日本でサービス開始の話題、いっときましょうか。

「弾さんのところ買わなかったの」(コメント)

小飼:一度、ここも回線事故で番組が一度流れたことあるので用意したほうがいいか、

山路:動画ストリーミング配信はキツくないのかな、Starlinkで、

小飼:Zoomとかも問題なくいけるそうですしね、Netflixとかも問題なく見れるそうですし、

山路:本当、じゃあバックアップ回線で買っといても確かにいいのかもしれないな。あとこれ、すなおな感想としては、自治体が本当に一つぐらいは持っといたほうがいいんじゃないのっていう、

小飼:本当に、本当に。ただそれ、Starlinkで行くべきかどうかっていうのはね。例えば一応競合サービスっていうのも、ここ数年で出揃うはずじゃないですか、OneWebとか。こう言うのもなんだけれども、マスクが不安定すぎる。

山路:あっはっは、技術的な問題じゃなくて。

小飼:技術的な問題ではなくて。

山路:CEOのほうがね。

小飼:CEOのほうが。

山路:人的な問題があると。

小飼:人的な問題というのが。あのウクライナの一件はひどいよ、はっきり言ってひどいよ。でも、それを言ったら、そもそも、個人の善意に、そんな大事なことを委ねるべきではないというのは、そもそもそこなんだけど。

山路:ただ、ものすごく最近、個人の力が強まっているというか、個人の影響力なしにものごとが立ち行かなくなってる面もありますよね。

小飼:これは、はっきり言ってすごい良くないこと。

山路:それこそワクチン開発とか、篤志家としてのビル・ゲイツが乗り出さないとみたいな話だったりとか、

小飼:そう、だからこう言うのもなんだけれども、ブレイクスルーをやり遂げた個人っていうのは偉いんけれども、一度ブレイクスルーが果たされたら、それは個人の動静に依存しないようにしないといけない。

「独裁に繋がる」(コメント)

小飼:その通り。だから、その個人がSPOFになっちゃうわけですよ、single point of failureになっちゃうんです。今や、ロシアのSPOFはプーチン。

山路:戦争を終わらせる目的は簡単にはなりますけどね、そういうのがあると。

小飼:で、なんか、最近のマスクの話し方というのが、

山路:陰謀論者っぽい?

小飼:陰謀論者というよりも、ロシアの台本を棒読みしてるような感じがするんだよね。いや、だからハニートラップとか、なんかの形でロシアがうまいこと弱みでも握ったのだろうかと、

山路:あるいはマスクが頭がよすぎて、ロシアのやってることが、いくらなんでも普通の考えをしてるやつだったらするはずがないというところから、

小飼:陰謀論ではなくって、台本を読んでるって言うのはクリミアの扱いに関して。だから、ロシアが併合したときに言ってことっていうのをそっくりそのまま言ってんだよね。

山路:なんなんですかね、本当に。

小飼:いや、でもこう言うのもなんだけども、トランプを操り人形にしたわけじゃん。それと似たようなやり方で、特定の個人を狙い撃ちにして。もちろん金じゃ操れないよ。トランプは金で操れたかもしれないけど、マスクは金では操れないよ。でも、それ以外の弱みというのは探せばいくらでもあるわけじゃないですか。

山路:まぁそれはそうですけどね。マスク、ウクライナにStarlink提供してましたけども、そこんところでもう金、もたんからみたいな話、ことを言い出し始め、

小飼:たけれども、今回の話が出る前から、国防省からも、DoDからもお金は出てましたよっていう記事をワシントン・ポストが出してたんだよね、今年の4月頃。

山路:どっちが本当なのか、いまいちよくわからんというか、マスクの言うことがどこまで信用できるのかというのが、正直よくわからんところがあるんですよね。

小飼:そうなんですよ。

山路:そういうところでマスクが心配っていう弾さんの気持ちもよくわかる、

小飼:ましてやTwitter買収するしないっていうのが。

山路:これ、結局、どっちやねんみたいな話ですよね(笑)、今リンク出しましたけど。

小飼:元言った値で買いますよっていうふうに言ってるけどもね。

山路:さらに、このTwitterに関してマスクが言ってることでよくわかんないのがX app、Twitterは何かこう、X appのプラットフォームになるみたいなことを言ってませんでしたっけ、そのXってなんぞや、

  • Elon Musk
    • Buying Twitter is an accelerant to creating X, the everything app

小飼:なにを言いたいのかっていうの、ちょっとわかんないね、僕、そこ見逃してたかもしれない、

山路:メディアによってはXっていうのは、いわゆるWeiboみたいなスーパーアプリを作るってことを言ってんじゃねえのみたいなことを言ってる人もいたりするんですけどね。ただ本当にTwitterって、もっとすごいプラットフォームになりそうな気はするんですけどもね。なんかこう、なんかすごいポジションにいるのに、すごいことがなかなかできずにいるようなイメージがあるんですけど、そんなことないですか。

小飼:すごいポジションね、すごいまずいポジションにもなりうるよね。

山路:こんなに国家元首が罵り合う場を民間企業が提供しているっていうこと自体もすごいことだなあとは思うんだけど、

小飼:ましてやマスクの手に渡るかもしれないっていうのはね、なかなかね、

山路:まぁでも独裁国家のなんか変な金持ちとかが手に入れるよりはマシなのかなという気もしなくはないけど、

小飼:えー、

山路:そうでもない(笑)? 同じようなもん、マスクも(笑)?

小飼:えー、

山路:たとえばサウジアラビアの大金持ちが買うとか(笑)、どっちがマシかなっていう話、

小飼:まぁ、アメリカ国民である点というのが、まぁややマシなのかな。

山路:理想的ではないけれども、何か誰かが買うとしたら、まぁマシなところかなーぐらいなとこなんですけども(笑)、あんまり素直にうなずけないところではありますよね。

小飼:うなずけない。マスクが買うっていうことになると、上場も廃止になるわけじゃん。再上場しますとかっていうことになる、だからそれだけで公的監視が弱まるわけじゃん。今までゴネてたのに、再び素直に買いますっていうのも、それとマスクのロシアの台本読みが始まったのっていうのが期を同じくしてるっていうのは、すごい気になるんだよね。だから、なんで買うときにゴネたかって言ったら、マスクが現金を用意しがたいと、だから実際に現金を用意するためにはTwitter株じゃなかった、ごめんなさい、Tesla株をものすごいたくさん手放さなければいけないという計算になってそれでゴネてたっていうことに、はずなんだけど、

山路:本当の理由はそうじゃないかもっていう、

小飼:こっそりロシアがファイナンスしてるとかっていうのは、

山路:ロシアにそんな金はあるんでしょうか、

小飼:それはあるさ。だって、戦争が始まる前というのは、外貨いっぱい持ってたわけですよ。天然資源売りまくったおかげで。だから、武器は尽きちゃったけど、金はあるんです。でも、単に決済してくれないというだけで、自分のところにあるドルというのも、送金してもスイート止められちゃうっていうか、受け取ってくれないわけです。

山路:金とかも確かなんか、輸出制限とかなんかかけられてませんでした?

小飼:いや、でもわりと貴金属というのは密輸しやすいんで。金を第三国に流出させて、そこの資金を特殊工作に使うっていうのはいっぱいありだと思うよ。実際に北朝鮮とかっていうのはまさにそうやって裏工作の資金を送金してたわけだから。

山路:ただマスクがそういう裏取引に手を染めたんだったら、かなりがっかりですよね、もう仮に。仮にそういうルートでの資金が流れこんでたら、

小飼:そういうのも、監査しなければいけないので。30兆円の男というのはそれにふさわしい監査対象になってしまうのよ。避けられない、それは。

山路:非上場にするっていうのは、つまりきちんとした手続きさえ踏んでいれば、非上場にはできちゃうわけじゃないですか、

小飼:できちゃうわけです、

山路:そこんとこを止めることはできないわけですよね、どこも、

小飼:どこも止められない、だからきちっと正当な手続きを経てTOBした場合というのは、もうそれで消し込まれちゃう。ただその後で再上場するというケースはあるんだけど、DELLみたいに。でも、やっぱりパブリックカンバニーっていうのを経営するというのは、ウザいわけですよ。でも、そのウザさに耐えるというのと引き換えに、大量の資金を調達できるっていう事になってるんで。

山路:まぁマスクの場合はあまりにも、

小飼:Teslaですら、非上場にしようとしてたわけだよ、彼は。だから、マスクの上場嫌いっていうのはもうこれはもう鉄板なわけですよ、

山路:SpaceXもじゃあ、やっぱりIPOはしない?

小飼:どうかなあ。

山路:なんかSpaceXこそ、これからバンバン衛星あげるんだったら、もっと資金とかは調達しなきゃいけないような気はするんだけども。

小飼:まぁだけれども、SpaceXの場合、政府の金も引っ張りやすいので。ましてや今回のStarlinkの話というのは、まさにその延長の感じがしません?

山路:そうだよな、なんか私なんかもパッと自治体ひとつずつ買えばいいんじゃねーのって思ったぐらいだから、そういうことでお金は入りやすいかもしれないですね。

小飼:あと、サービスできる地域とできない地域というのがあるじゃない、なんで衛星インターネットなのに、地域がわかれてるのかっていうと、単に経済的というのか、商売的な理由かと思えば、もっと物理的な理由かもしれないと、

山路:え、どういうことですか?

小飼:基本的に地上局がおけるところでないと、

山路:へええ。

小飼:衛星インターネットというからには、もう地球上のどこでも、太平洋のど真ん中でもできそうな感じがしますけれども。StarlinkっていうのはLEOなわけですよね、低軌道なわけですよね。だから当然、見通せる範囲というのは静止軌道とかよりもずっと狭いわけですよね。その場合、衛星と衛星が通信して、ローミングしてるのかと思いきや、基本的にはワンホップ、

山路:あ、地上局とやってんだ。

小飼:今のところは。

山路:あ、そうなの。

小飼:今のところは衛星同士で中継というのは、ただ、いちおうそのための機能というのはついてはいるみたいね。光通信で衛星同士とか結ぶことになっていて、

山路:今打ち上げられてるStarlinkの衛星って2700基とか、そんなもんでしたかね。まだ足りない感じなんですかね。

小飼:というよりも、本命は次のStarlink2だといわれてる、

山路:あのでかいって言ってたやつ、

小飼:そう、だからでかい、25平米のアンテナを載せて、専用のディッシュがなくても普通の携帯電話と通話できるようになるという。

「反射衛星砲式にしないと」(コメント)

山路:反射衛星砲式って、なんかなんとなく年代がわかっちゃいますよね(笑)。

小飼:じつはイリジウムとかっていうのはそうしてたんだけれども、その場合というのはルーティングが大変になるというのと、中継するときにどの衛星がどの衛星と中継するっていうのの計算がややこしくて。イリジウムはそれでも当初計画で77個、結局のところ66、たかだか66個の衛星だったんだけども、Starlinkは数千、数万のオーダー、

山路:それってやっぱり処理できるようになったのは、半導体とソフトウェアの力みたいなことなんですかね。

小飼:あと太陽電池の性能。

山路:あれ、イリジウムって結局どう、イリジウムって結局どうなったんでしたっけ、

小飼:今どうなったんだっけ、とりあえずアウトオブサービスになったのかな。

山路:まぁしかし、こんな衛星通信っていうのが改めて話題になるようになるとはあんまり思ってなかったですけどもね、携帯電話とか、あるいは本当に普通の一般家庭におけるアンテナで衛星通信使って通信できるみたいなことになるっていうのは。

著作権とコピペAIと性的嗜好、「Googleがガジェットを出す意味」について

山路:じゃあちょいと、IT絡みで、Microsoftの話、Microsoftが最近、イグナイトとかそのイベントとかやってたじゃないですか。いろいろ、Office 365とかなんか発表してた、

小飼:なんかOfficeとOffice365、ごっちゃになって、なんか日本のユーザーにはむしろさらに、ただでさえわかりやすいとはいえないサービスがさらにわかりにくく(笑)、

山路:Microsoft 365に統一していくんですよね、確か、ですよね(笑)?

小飼:Microsoft 365になるんだっけ、正式名称が、Officeというのが取れて。

山路:その中でこう、いろいろ発表はあったんですけども、特にこのMicrosoft Designerっていう、アプリといえばいいのかな、これなんかのところで本格的に画像生成AIなんかも搭載してくるという。画像生成AIっていうのがこんなに商業用サービスですぐになんかこう搭載されてくるんだっていうのがびっくりなところがあるんですけどもね。

小飼:そう?

山路:いや、いろいろ著作権とかの処理なんかも、なんか大変だったりとかすんのかなとか思ったんだけども、

小飼:でもそれ言うと、GitHub Copilot、いよいよこれは著作権に抵触するぞという、

山路:コードがもう、

小飼:そう、コードを保管するときに、CopilotがあくまでもAIが生成したものと。でもその生成するためのAIというのは、GitHubのパブリックレポジトリに、OSSから取っている。なんだけども、それでたとえばHello Worldぐらいであれば、もうそれはトリビアルな例じゃないですか、誰が書いても同じようなコードになるし、当然AIがやってもそうなるけれども、ある人がけっこう複雑なアルゴリズムで、関数1個が50行以上あるやつが、もう本当にコピペだったと。

山路:これは何と言えばいいのかな、結局AIと言いつつも、その使えそうなところっていうのは丸コピで、

小飼:そうそうそう、

山路:する仕組みになってたというか、

小飼:これはAIが生成してんじゃなくて、クソコラのレベルじゃないかと。要は顔写真を丸っと取って、丸っとペーストするという、そういうレベルじゃないかと。だから、クソコラはクソコラで、著作権成り立つかもしれないけど、でもその場合の顔のオリジナルというのは、明らかに、あからさまにそっちのコピーされたにある、

山路:意外に大したことはやってなかったかもしれないっていう、

小飼:そういう感じはあるね。

山路:ちなみにこれって、プログラムのコードをコピペするっていうのは、どこまでがよくって、どこからがダメなんですか。

小飼:だから、ほんとケースバイケースなんだよね。ひどい例になると、すごい長い素数をバイナリダンプすると、著作著作権に抵触するというので違法素数というのまで。

山路:え、なんで? そんなことがあり、素数なのに?

小飼:素数なのに、それを2進数表現したものというのは、プログラムのコードになってしまうと。どんなプログラムも数値の羅列に直せるわけじゃない。それがたまたまDVDの、

山路:あー、それか。

小飼:そう。

山路:そういうことか、はいはいはい。なるほどね。なんかありましたよね、そういえば。なんかDVDの暗号鍵なんか、そんなような形に関わってくるやつですよね。けっこう前の話ですよね、20年くらい前? 下手すると。

小飼:そうね。そうね、1999年だから、もっとだ。で、もう違法素数自体がWikipediaにペーストされてるね。

山路:ああ、じゃあもうそれよくなったってことなのかな(笑)。なるほどね。これは、それこそ、すごいこう、何て言うのかな、1行でもまずいっていうコードもあり得たりするわけですか?

小飼:ん?

山路:たとえばアルゴリズムで1行で表現できるけども、

小飼:あり得る。あり得るけども、でもさっき言ったようにケースバイケースでしょ。

山路:これって結局、なんて言うか、裁判になった時に裁判所がどう判断するかみたいな話なんですか?

小飼:まぁそういうことです。

山路:あ、そうなんだ、意外にまだそういうものなんですね。

小飼:機械的には定義できない。要は、それができるのであれば著作権違反を見抜くAIというのもできるわけだけど、実際にYouTubeとかで運用されているけれども、しょっちゅう誤爆するわけで、誤爆「も」するわけでしょ。

「最近急にAI絵師増えたのなんで?」(コメント)

山路:これはStable Diffusionがあれ、オープンソースで公開されて、たぶんそれを自分のパソコンにインストールしてガリガリと、

小飼:すらないよね、今LINEのアカウントもあるしね、

山路:まぁとにかく、画像生成AIの民主化が始まったというか(笑)、まぁめちゃめちゃ増えてるので、AI絵師が増えてるという、

小飼:AI絵師が描いたやつとかがさ、pixivとかにガンガンアップロードされて、またそこもカオスになってるわけじゃん、だからそうすると、ますますAIと人のが区別できなくなるよね。

山路:これ、なんか弾さんがちょっと前に言ってた、本当にAIが山ほどそういう、なんかこう著作物というか、創作物を出してきてからが本番みたいな(笑)、

小飼:そうね、

山路:いよいよ来ましたね。ただ、この機械的なものでクソコンテンツが山のように出てっていうのは、もう私たち、ここの数十年で何度も体験してるじゃないですか。あと、Microsoftで言うとBing、あれで画像生成の仕組みって、Bingのほうで、画像生成をそのまんまフロントエンドで呼び出せるようになってきてるという、

小飼:前に言った通りだよね。だから検索エンジンが検索ではなくって、自分でコンテンツを生成したり、あるいはコンテンツをパクって表示するというのは、最近のGoogleってWikipediaとか、本当にモロパクリ平気でするようになってきたじゃないですか。

山路:まぁ本当に、このへんのBingとかGoogleとかあの辺のところっていうのがAI搭載、機能搭載してくるっていう流れはもう避けられないんでしょうけどね。まぁしかし、コンテンツってこれで豊かになるんですかね? なんかこう、AIとかでクソコンテンツがいっぱい出てくることで、さらにその足場のもとにいいコンテンツっていうのが量産されたりもするんでしょうかと。

小飼:どうなんでしょうね。

山路:あとはエロコンテンツとかすごい充実しそうですけどもね。

小飼:それもまたどうなんでしょうね。でも、AIにしか生成できないものというのが一定数出てくるところがあるでしょ。

山路:人間の性的嗜好を超えた、

小飼:指の形がおかしくないと俺は興奮できないんだ、とかね、

山路:ドラゴンと車の(笑)、

小飼:そうそうそう、本当にあれですよ、ドラゴンと車のあいの子が生まれるんですよ。

山路:むしろAIによって人間の新しい、

小飼:ドラゴンモルカーとかね、

山路:性的嗜好が開拓されるのかもしれないですけどもね。

「AI君に寝取られのコンテキストを理解するのはまだ早い」(コメント)

小飼:でもAIがAIを、そうそう、AIの視点から寝取られというのは、今まであるAIを使ってた絵師が他に行っちゃうこととか、そういうことになるのかね、

山路:そうなのかな、そこまで人間的なのかな、AIっていうのは(笑)。じゃ、ちょっとIT絡みでもう一つ。GoogleがいろいろPixel 7とかPixel Watchとか発表した、

小飼:そう、7はちょっとそそられたんだけどね、まぁでもうすらデカいんだよね。

山路:これ、どうですか、Pixel WatchとかPixel 7とか、Googleのハードウェア全般についていかがですかと。

小飼:いや、基本的にそれがないとAndroidの開発って、Androidアプリの開発ってすごい難しくなるでしょう。やっぱりReference machineがないと。

山路:ある意味、素の状態というか、メーカーのカスタマイズが入ってない状態での。

小飼:そうそうそう。

山路:ただ、私の偏見かもしれないですけど、Googleってハードウェア事業とかに関して、いまいち信用が置けないイメージが(笑)、

小飼:ね、

山路:偏見じゃないのかな、私のこれは(笑)。Pixelだって、

小飼:Motorolaに対する仕打ちとかも、かなり酷いもんだったしね。

山路:Pixelも日本で売らなかったり売ったりとか、そんなのありませんでしたっけ。出してないやつありますよね、けっこう。Pixel Watchとかも、ちゃんとこう続けてくれるんだろうかっていうのは、この前、前回も言ったStadia、ゲームサービスなんかあっさり終了したりとかしてるから、本当にちゃん後継機とか出すんかいな、

「Nexus 7」(コメント)

小飼:Nexus 7はけっこう良かったんだけどね。でも後が続かなかったよね。

山路:タブレットもいちおう今度、出すとは言ってるんでしたっけ。けど、しばらくタブレット出さなかったりとか、なんかその辺がどうも不安定だったりするんですけどね。これあのPixel、ハードウェアやっていくとか大々的に言いつつも、台数的にiPhoneと比べたらもぜんぜん比べ物にはならないじゃないですか、Googleがハードウェア作る意義ってやっぱりあるんですか?

小飼:やっぱりGoogleが作らないっていうことは、他に作らせなければいけないけれども、他はけっこうそこからいじるわけじゃないですか。そこからいじって、いじったおかげでGoogleがせっかくReference OSをアップデートしても、自分のとこはアップデートできないとか、そういうことになるわけじゃないですか。

山路:Googleとしてはハードウェア事業をちゃんとそれで利益が出るようなもんに育てるつもりってあるんですかね?

小飼:利益が出る出ないではなくて、少なくともAndroidはこういうふうに進めていきますっていうのを示すためのものとして出し続けるっていうのは。MicrosoftのSurfaceも、利益出るかどうかっていうのはわかんないけれども、でも、利益出る出ないにかかわらず、SurfaceもXboxも出してるわけじゃないですか。

山路:まぁXboxは思い切り儲けてはいますけどね、

小飼:そういうコミットメントが、あ、いやそれは日本だから。やっぱりアメリカではそこそこ売れてるわけですよ。それでもまだ黒字かどうかっていうのちょっとわかんないんだけども。重要なことですよ。

山路:そのSurfaceなんかに関して言うと、CPUとかもARMのやつを他よりも先に搭載したりとか、

小飼:そうそうそう、

山路:かなり意欲的なことをやってますね、

小飼:(コメントを見ながら)だからカスタムチップだよって、僕もあの、そうなんだよな、もし糖尿でなければ、ポテトチップ目当てに買ったかもしれない。

山路:ああ、なんか、あったらそういう、

小飼:そう、Pixel 7買うと、要は、カスタムチップが入ってますというのが、

山路:くだらない(笑)、くだらない販促がありましたよね(笑)、

小飼:でも、かなりうまいらしいよ、

山路:本当に?

小飼:かなりうまいらしいよ。

山路:そうなんだ(笑)。

スタッフ:ちょっとよろしいでしょうか、Google、Apple、こういうグッズ系っていうか、ガジェットにはMicrosoftとかはやっぱり参入はもうしない、

小飼:いや、でもSurfaceでしたので、Windows Phoneは流れちゃったけども、Surfaceはもう根付いたわけじゃないですか。

山路:それにまぁXboxあるから、やっぱ、なんか機会は伺ってんじゃないのっていう気はしますけどね。全く、あ、でもちょっと気になるのは、HoloLensとか続けてないみたいな感じがするのはやや、

小飼:なんかディスコンしちゃうような雰囲気だよね。

山路:この流れで言うと、Meta Quest Proって最近出たじゃないですか、けっこう高い。あれって、MicrosoftがTeamsアプリを開発したりとか、

小飼:HoloLensでやろうとしたことなんじゃないのと言うね。

山路:もうなんか、もしもそうだとすると、ハードウェアよりもなんかクラウドだったりとか、サービスの会社になっていくこともあるのかもしれないですよね。

スタッフ:たしかにAzureと入れ替わりな感じが、印象としては。

山路:入れ替わり?

スタッフ:何かこう、Azureがなんか成立してシェアとってきたら、

山路:ビジネスとしてそこに力を入れる、

小飼:入れ替わりとは? Azureのために必要なんだよ、何を言ってんねん。

スタッフ:あ、すいません。

山路:要は事業の柱をAzureにするっていうことですよね。

小飼:だから、こっちに手元のデバイスがなければダメな、クラウドはクラウドだけで成立してるわけないわけですね。こっち側も必要なわけです。

山路:だから、そこんところで本当にHoloLensとかがあんまり力入れなくて、Meta Quest Proのほうのところで大々的に発表したっていうのが気になる、

小飼:ヘッドセットって、なんか来るのかねっていうのは、またOculus Goを見た時には、あ、これでいいんじゃねと思ったんだけれども、やっぱり2点、どうしてもまだ未解決な問題というのがあって。まず一つは、かけてないと外界が見えない。だから、実際にこうやってやんないと、現世に戻って来れない。

山路:パススルーはいちおう、あるはありますけどね。

小飼:パススルーはあるし、HoloLensみたいにMRと、Mixed Realityという方向もあったけど、でもその、にしてもやっぱり重たい、でも重たいのは技術的に、普通に、今の技術を進めていけば、いいところまでいくかもしれないけど、もっと問題なのはインプットデバイスをどうするか。

山路:あれではやっぱダメですか。

小飼:重たい、いや、(両手でVRコントローラを持つジェスチャーをしながら)これ持って街出るの?

山路:そうですね(笑)。

小飼:だから、家の外に出れない。今のVRヘッドセットっていうのは。出なくてもいいんじゃないかという意見もあるんだけど、十分に進めばね。本当に、もうそれこそ『ソードアート・オンライン』のナーヴギアみたいなものができれば、もう家の中にずっといればいいじゃんということになるのかもしれないけれども。

山路:コントローラーって事に関しては、最近のApple Watchってジェスチャー機能、あるじゃないですか。ぎゅって手をやったりとか、これで操作できる、

小飼:まぁ誤動作が多いんだか、僕はまだあれなんだけど、でも、こう言うのもなんだけれども、本当にデジタルクラウンとボタンと、あと画面スワイプで出来ることしかさせてないじゃん。

山路:まぁそうですね。

小飼:それよりもややこしいことというのは、もうiPhoneでやってくれと。それよりもさらに面積が必要なことというのはiPadでやってくれと。あるいはMacでやってくれと、そういう割り切りがあるじゃん。

山路:そのへんのとこ、非常にAppleって保守的というか、現実主義ですね、ほんとに(笑)。夢がないというか。

小飼:おかげでヘッドセットが出ないっていうのも、そういうことなんじゃないですかね。

山路:MetaがHorizonとか、まぁわりと開発途中の段階でもガガッと出した割には、Appleとかなんにも出してきませんもんね。私も月に1回ぐらい、思い立ってMeta Oculusかぶるんですけど、やっぱ1時間が限界なんですよね(笑)。あれ、VRChatで何時間もやる人っていうのはなにが違うんだろうなあ。

小飼:なにが違うんだろうね、体力?

山路:三半規管が違うのかね。

小飼:そうかもしれない。

「なぜ日本にデータセンターを?」と「中国からの半導体人材の引き上げ」

山路:じゃ、ちょっとITがらみもう一つ、さっきクラウドの話が少し出ましたけれども、けっこうMicrosoftにしても、Googleにしても、クラウドサービスに関しては日本への投資をすごい進めてるという話、なんかそれこそ、

小飼:ああ、ちゃんと物理的に投資しますよと言う、

山路:Googleは日本に1000億円投資。再来年には千葉でデータセンター開設でしたっけ。あと、これはMicrosoftじゃないけどAWSのほうか、AWSのほうが、これまた日本リージョンに3480億円投資ですって。

小飼:それよりもマーケットプレイスを何とかしてほしいんだけれども、AWSもいいんだけれども、

山路:まぁまぁ(笑)、それはさておきだ、このビッグテックがこんなに日本のクラウドに投資してるんですか?

小飼:こう言ってしまうとなんだけれども、中国に置けないから(笑)。

山路:それはこう言ってしまうとなんだな(笑)、確かに。