「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
 無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

 今回は、2022年12月20日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2023年01月10日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2022/12/20配信のハイライト

  • Steam Deckの紹介と半導体業界の話題、「Macの買い時」
  • 「公共性が高いけれど規制法のないSNS」と「広告のこれから」
  • 視聴者質問「日本の税金が高すぎ?」と「行政の無駄遣いは?」
  • 「NISAと格差と軍事費」と「ドイツの陰謀論クーデター」
  • 「レーザー核融合のニュース、よく見ると」とエネ放題について

Steam Deckの紹介と半導体業界の話題、「Macの買い時」

山路:(右腕を見せながら)なんとか、ようやく添え木、シーネも取れ(笑)、

小飼:すごいねー、

山路:人間の体の自然治癒能力、すごいっすよね(笑)。あんまり嬉しかったので、ちょっと自分にクリスマスプレゼントを買ってしまいました(笑)。

小飼:おー。

山路:ご存知の方、いらっしゃるでしょうか、ちょっと画面切り替わります?

小飼:湯気が出るやつね、Steamね、

山路:(笑)実際、これ、なんか走らすとすぐにファン回るんですよね。たとえば、

小飼:キーボードのないPCだよね、これ。

山路:そうそうそう。しかもけっこう、このサイズで、Steam Deckですね、あ、ご存知ですか。Steam Deck、ちょっとリンク出しますね。そういう、Valveっていう会社がSteamっていう、ゲームマーケットって言えばいいのかな、

小飼:さすがにSteamレベルって説明いるか?

山路:そうか(笑)、

小飼:まぁあれです、PCのゲームをちゃんとダウンロード販売できるようになったのに一番貢献してる会社だよね。

山路:そうそうそう。

小飼:今やPCのゲームって言うと、ほとんどSteam経由だよね。だからわざわざ独自に配信してるところとかって、どれくらいあるというのか、残ってるんだろう。あるいはましてパッケージとかね。

山路:Steam、ゲームのデータの同期もしてくれたりとか、本当になんか。Steam Deckは、トラックパッドが二つもついててですね、操作できるとか(笑)、、

小飼:操作系がゴージャスだよね、

山路:そうそうそう、それでけっこう質感も悪くないんですよ。ただNintendo Switchと比べると、このデカさ、映ってるかな、もう少し、

小飼:箱絵のところが、もう少し、

山路:こっちのほうか、

小飼:そうそうそう、

山路:これぐらいか、

小飼:この大きさを比べてみると、

山路:こんな感じで、だいぶ違うんですよね。こんな感じ。薄さもだいぶ、この厚みで見るとだいぶ違いますよね。

小飼:大体この幅が、じゃあ今度は僕のほうに、だいたいMacbook Airと、これの幅が同じぐらい、ほら。

山路:そう見るとでかいな(笑)。

小飼:ほら。でもね、あんま重たくないんだよね、これ。

山路:バランスがいいんですよね、結構そこのところが。ゲームだけじゃなくて、Chromeとかも普通に、Google Chromeとか、まあ当たり前ですけどパソコンのように、とりあえずブラウジングぐらいは出来たりしますよということなんすけども。しかしこの、最近ゲーム機ってめちゃめちゃLinux多くないですか、かつてLinuxってもう全然デスクトップPCのOSとしては普及、

小飼:それ言ったらさ、PS4もPS5も、SwitchもOS、FreeBSDじゃないですか(笑)。だからむしろ、ゲームコンソールではWindowsみたいなOSというのはマイナーだったんですよね。ファミコンぐらいの時代になると、そもそもOSがない。基本ゲームをするものなので。ただし、今時のゲームというのはもうゲームコンソール単体ではなくてもうネットが必須になってるじゃない。

山路:AppStore的な、

小飼:そうそう、だからその辺でOSが必要で。じゃあ何を使おうって言った時に、どっちかっていうとLinuxはGPLの関係もあるので、むしろちょっと避けたいものではあるんだけれども。

山路:そういうライセンス的なところで、FreeBSDは好かれる場合もあるわけってこと?

小飼:とてもある。

山路:おもしろいのが、Steamで配信されてたゲームって結構Windowsベースのものとか多かったりするんですけど、これSteam DeckはSteamOSの上で、WindowsのAPIのレイヤー乗っけて、エミュレートじゃないですけど、何て言えばいいのかな、やってるわけですよね。なんだろう、すごいソフトウェア的には無駄なことしてる感が(笑)、

小飼:ただ、(そのレイヤーは)ものすごい薄いんですよ。階層が。結局、一番手がかかる部分っていうのは、(CPUの)インストラクションセットそのものなので、それはそのまま使えるわけ。

山路:インストラクションセット、CPUのってことね、

小飼:そうそうそう、だからCPUのエミュレーションはいらないから。同じだから。

山路:Steam Deckもx86系のCPUなんですね、AMDの、Zenだったかな。へええ、しかしWindowsゲームの動くコンソールみたいなものっていうのが出てくることになるとは正直あんまり思ってませんでしたけどね。

小飼:いや、まぁでも昔からやるやるって言ってて、遂に形になったっていう意味ではおめでとうって。

山路:やっぱり半導体性能が上がってったってこともデカい、

小飼:それも1番大きいけど、でもやっぱりちょっと、それはしゃあないかっていうのは、こいつ冷却ファン付きなんですよ(笑)。

山路:ゲームをちょっと動かすと明らかに回るんですよね。

小飼:(MacBook Airを見せながら)こっちにはないのに(笑)。こっちファンレスなのに。それはしゃあないのかな、まあでもこれもファンレスだよね、いちおう(笑)。

山路:SwitchってARM系のチップじゃなかったですかね、

小飼:はい、ARMです、

山路:それこそ、もう最初からハードウェアレベルで低消費電力とか、その辺のところとかも作り込まれて。

小飼:x86はほんとに熱上等で来てるよ、だからPS5とか見ててもわかるように。

山路:しかしSteam Deck、本当によく作ったと思いますよ、インターフェースとかもすごい気持ちよくできてるし、全然パソコンぽくないと言うか、ちゃんとしたコンソールみたいになってますね。あと、いちおう何か一つぐらいゲームやっとくかな。最近話題の『Vampire Survivors』って知ってます? これ、

小飼:いや、初めて見た。それ知らなかったな、

山路:このまま起動、プレイやって、このまま、めちゃめちゃ人気らしいんですよね(笑)。

「やったわ」(コメント)

山路:この『Vampire Survivors』ですか。これ、もうなんというのか、ひたすら時間を食うだけのゲームですよね(笑)。

小飼:それはゲームとしての出来がいいっていうことだよね、

山路:そうなんでしょうけどね(笑)、そうなんすけど、本当にね、ひたすら作業を、これもう、上下左右のやつを動かすだけなんですよ、画面見ながらやってるから下手くそなんですけど(笑)。とにかくひたすら襲ってくる大量の化け物をよけながら、ジェムを獲得していくという、Rogueライクな、昔ながらのゲームが今大ヒットしてるんですけれども、

小飼:死んだー、あははは、

山路:さすがに配信は、ゲーム実況とか慣れてないんでそれは無理なんですけど(笑)。

「ゲーム終わった後に後悔する」(コメント)

山路:いやもう私やってる途中でこれ絶対後に何も残らない感じのゲームだなってことに気付いたんで、やめましたけどね。

「コントローラー部分交換できる?」(コメント)

山路:コントローラーは交換できないですね。ただ、外付けのBluetoothのワイヤレスのコントローラー付けたりとか、

小飼:これ使えるとか(笑)、Switchの、

山路:ああ、使える、使えます、SwitchとかプレイステーションとかXboxの、

小飼:コントローラーは使えるんだ、外せないけど、

「やめられないんだな、それが」(コメント)

山路:『Vampire Survivors』やってる人が(笑)。

小飼:ついやってしまう、

山路:ついやってしまう。そういう、ちょっと楽しげなことがあるので、皆さんもSteam Deck、興味があったらいかがでしょうかという。

小飼:ちなみにおいくら万円でした?

山路:8万はしなかったけども、

小飼:やっぱスイッチと比べるとね。まぁでも、Switchでできないようなゲームもこれならできるはずだから、

「高」(コメント)

スタッフ:ていうか、プレステ5より高いんですね、

山路:そうですね、あっはっはっは、

小飼:まぁでもプレステ5にタイトルがあるとは限らないよ、

山路:インディーズゲームってすごいSteam多いじゃないですか、それとかちょっと簡単にプレイできるからいいかなと、ゲーミングPCをまともに買うよりは安いっていうね、いいゲーミングPC、最低でもなんか20万ぐらいするから。

「3Dゲームとか動きますか」(コメント)

山路:動きますね。これなんかだと、『エースコンバット7』とかあったりして、ちょっと、これ起動に時間がかかっちゃうから、とりあえず、置いておいて。こういう感じのやつをワイヤレスで接続して使うことはできますね。

小飼:本当はあれだね、中身PCだね。

山路:弾さんはゲームはそんなにやらないとは思うけど(笑)。

「SSD交換できるらしい」(コメント)

山路:ただSSD交換、結構ハードルが高いという噂も聞くので、その辺のところはご自分の責任でって感じですね。

「ロマンがあるね」(コメント)

山路:そうですね、ゲーミングPCが手元で動くっていうだけでも、わりと昔からゲームやってる人間にとってはちょっと嬉しいというね。エースコンバットちょっと時間かかりそうだから、これはやめときましょうか(笑)。いいです、画面に戻しちゃってください。さっきCPUの話、出たんですけど、Qualcommが今度はRISC-Vに本腰入れんじゃないのという記事が。

小飼:なんか言ってたね。

山路:これってどの程度、あり得ることなんですか。

小飼:どのていどあり得るんですかね。

山路:Qualcommって今、ARMとライセンスとかですごく揉めてるみたいじゃないですか。それがうまくいかんかったら、

小飼:いや、だからAndroidちゃんと移植されるのであろうか。もちろんすでにRISC-VのOSとしてLinuxやFreeBSDとかがあるんだけれども。重要なのはそうでないところなので。そう、だから今時の端末では、もうトランジスタの数で言うと圧倒的にGPUなんですよ。なので、Asahi Linuxでも一番苦労したところは、

山路:ドライバだって、

小飼:そう、GPUのドライバを。しかも公式のあれがないから、もうリバースエンジニアして。まぁでも見てみたい気もするね、それは。

山路:RISC-Vできちんと動くデバイスってことですよね?

小飼:うん。どの程度、前にも言った通り、Western Digitalがコントローラー用としてRISC-V使いますって言ってるけど、もうすでにそうなったのだろうか。

山路:っていう話ですよね。かなりいろんなとこで使われ始めたという、

小飼:だとしたら、もう連中の売ってるハードディスクやSSDというのは中のコントローラー、RISC-Vなのだろうか。

山路:なんか中華製のデバイスとかを分解した人によると、かなり色んなところでRISC-V使われてるようになってきて、

小飼:かつてのARMみたいになってきてる?

山路:Western Digitalがどうかっていうのは出てなかったですけど。

小飼:大きなところで。あと普通の人も、気軽に触れる、触れそうなところで。

山路:ただRISC-VってべつにARMみたいにきちんとした、カッチリとした決まりがあるというよりは、それぞれのCPUメーカーが色々作り込まないといけないものなんですよね、

小飼:まぁでもそれもARMもじつは同じなので。

山路:そう考えるとx86がARMによって、駆逐じゃないですけど勢力図奪われてったみたいなことがRISC-Vでも同じように起こることは十分にあり得るという、

小飼:どうなんでしょう、でも今(メーカーがCPUを)変えるインセンティブってどれくらいあるかな。だから、もうAppleとかARMでいいじゃん、だよね。ARMどころか、それにAppleシリコンという名前をつけて。

山路:それに言っちゃなんですけど、Appleって一番CPU乗り換えるの気にしなさそうな会社ですよね(笑)、

小飼:まぁそうだね。

山路:何回、今まで乗り換えてきたんだっていうところはあるから。

小飼:たぶんライセンス絡みというだけではインセンティブとしては充分じゃないよね。なんでAppleがARMに行ったかっていうふうに言ったら、まず一つは最初iPhoneの時にIntelに袖に、ジョブズが袖にされたからという、

山路:あれビジネス書の、物語としては面白いけど、そんなんで本当に変わるものなんですか、

小飼:で、やっぱり省電力。やっぱり電気食い過ぎで、こういうのにもう載せづらい、これはIntelのだったら、ファンレスにするのは不可能だね。少なくともこれをファンレスにできるような石というのを今のIntelは持ってない。

山路:これはその、ビジネス書なんかではそういう袖にされたみたいなのがおもしろおかしく語られてるけど、結局それってIntelがモバイルの時代が来るって事を信じきれなかったからなのかなって。

小飼:あとやっぱ、x86は儲かり過ぎてたという。だから、前にも言った通り、あんまおいしいビジネスではないんです、桁が一個違うわけです。ARMの石というのは。これに入ってるやつとかっていうのは、せいぜい高くても30ドル。その10倍は硬いでしょ、Intelの石だったら。

山路:まぁ高いもの売りたいですわな、正直。

小飼:それはそうだ。

山路:半導体の絡みで言うんだったら、今世界の半導体投資がすげえことになってますよと(笑)。アメリカ、

小飼:不足の時代がけっこう続いたからね。しかも、パンデミックのおかげで需要もパーンと増して。

山路:特にこのアメリカのTSMCとかのに対するに7兆ドルとか言ってましたっけ、7兆円か、なんかそんなような規模の、

小飼:それだけあれば、もう最新鋭のファブを二つとか三つとか建てられるので。でも、日本でもIBMがなんか、

山路:Rapidusっていうのかな、

小飼:Rapidusだっけ、

山路:呼びづれえんだよなこれが(笑)。

山路:Rapidusって2ナノメートルの半導体を作るとかって言ってるじゃないですか、その日本って、

小飼:できるの?

山路:そんなCPUの製造ノウハウのある会社ってそんなにないと思うんだけ、ってか全然ないと思うんだけど、

小飼:いや、あったんだけれども、滑り落ちちゃったんだよね。今、TSMC以外だとSamsungぐらいしかないんじゃないかと。あれも、Intel自体、滑り落ちてるもんね。

山路:まぁ相当頑張ってるはずなのに追いつけないという(笑)、不思議な話ですけどね。これ、不思議なのがIBM、2ナノメートルの最先端半導体製造って言うけど、IBMってそんな最先端のCPUを作ってましたか、

小飼:じつは結構、はい。IBMもスーパーコンピューターとかも作ってるじゃないですか。だから実は、そういうハイエンドのところではPowerアーキテクチャというのはまだまだ健在なんですよね。今、いくつだ、Power10まで行ったのか。

山路:それっていうのは命令セットとかはもう全部Power独自の?

小飼:まぁそういうことですね、昔はMacも使ってましたね、PowerPC。ただPowerとPowerPCは全く同じでなくて、下位互換って感じですかね。

山路:PowerPCがサブセットがみたいな、

小飼:そう、PowerPCがサブセット。

「Intelスベってる」(コメント)

小飼:そうなんです、Intelスベってるね。

山路:しかし不思議なのが、半導体製造技術って、それこそIntelもSamsungもすごい頑張ってるけど、なかなかTSMCに追いつけないわけじゃないですか。IBMってそんな大規模にCPUとかファウンドリー持って作ってるわけでもないのに、

小飼:ないけれども、やっぱ1個1個が高いので、なんとか作れてる、いけてるっていう感じなのでしょうかね。だから、せいぜいミリオンのオーダーなので。Powerアーキテクチャを使ったやつというのは。それに対して、ARMのものというのは、AppleのAシリーズにしてもそうです、ビリオンズだから(笑)。ミリオンズとビリオンズの違いはでかい。なんでTSMCが一番最先端を使ってられるかっていうふうに言ったら、まずもって、

山路:数が多いとこやってるから、数が多くてなおかつ付加価値の高いやつやってるからか。

小飼:だいたいAシリーズとか1億ぐらい作ってトントンらしいよ(笑)。恐ろしい世界だよね。

山路:なんでそんな仕事受けるんだっていう(笑)。

小飼:1000万ぐらいじゃぜんぜん元が取れないらしいよ(笑)。

山路:それをやることっていうのは、ひたすら他の会社が追いつけない技術にたどり着くためなんですか、結局。

小飼:まぁそういうことになるでしょうね。

山路:とりあえずそんなに利益が出なくても、圧倒的な技術的優位みたいなことを確保しとくっていう、

小飼:いったん損益分岐点を超えてしまえば、本当にお札刷ってるようなもんなので。損益分岐点ほんと高いけども、そこを超えた時の美味しさときたらと言う。

山路:そうか、例えば今5ナノメートルでどこのファウンドリーも苦労してるけれども、それがもう安定的に作れたら、すごいおいしい商売なるわけだ、とたんに、

小飼:そうなんです、そうなんです。

山路:なるほどね。以前、日本の企業連合がRapidusとかで、2ナノメートルの半導体作るって言った時に、あんまりいい、将来性あるみたいなことはそんなに弾さん、言わなかったじゃないですか。今度IBMと組むってことが発表されて、どうです、何か変わりました、意見?

小飼:まぁでも、これちゃんとファブ作って元取れるかなっていう。ルールが小さくなれば小さくなるほど、それを作るためのファブの値段っていうのは上がってきてて。今や1兆円オーダーって言われてるんですね、ファブ1個で。工場一つで。

山路:ただ、これだけ最先端の半導体がどこの国も必要と言うんだったら、需要はあるんじゃないんですか? そんなに簡単ではないんですか?

小飼:ただ作ったら売れるというものではないじゃん。売れるものを、TSMCが順調に行ってきたのは、作ったものを売れるじゃなくて、売れるものを作ってた、買い手はもう決まってるわけじゃん。そのかわりに例えばIntelみたいに自分のブランドを持ってるわけではないよね。あくまでも、人様のために作ってるわけあって。誰が作ってもいいわけですよ。Appleだけじゃなくて。だからほかの、Snapdragonとかも作ってるわけですし。Qualcommも使ってるし。Intelのも使ってるし、NVIDIAも使ってるし。

山路:そもそも日本にそんな半導体を売るみたいなビジネスモデルがあるんかっていう話になってくる(笑)、

小飼:当初は作るはしから売れてたんだけれど、今でもそういうところはあるんだけれども。

山路:最先端ってなると逆に難しかったりもするのかな。Appleシリコンを受注するならばともかく。

小飼:日本でやるメリットは、どうなんでしょうね。だから、そこちょっとわかんないんだよね。

山路:IBM、コンサルに徹して、あまりリスクは取らずにみたいな、

小飼:確かに今やコンサルテーションの会社ですよね、プライスウォーターハウス、も買って。PWCも買って。

「ジャパンディスプレイの二の舞か」(コメント)

山路:まぁなんか半導体はやんなきゃいけないんだろうけど、なかなか難しいレッドオーシャンな、レッドオーシャンというか、最先端の激烈なプレイヤーの戦いですから、大変ですよね。

小飼:あるいはソニーみたいな生き方もある。要はカメラ用のセンサーっていうのはこれまた別物なので。小さく作ればいいというものではなくて、むしろ小さくなくていいわけですよ。

山路:大きくして像を、光学的な光を入りやすくするみたいなほうに行く事もありえるわけですもんね、

小飼:そうそうそう、

「Mac今買っていい? 年明けになんか出ます?」(コメント)

山路:いやわかんないっすよ、俺らには(笑)、俺らにはわかんない、

小飼:それはさすがにわからんけれども。やっぱりこのクラス(MacBook Airを見せながら)が本当に外れない。だからAirは新しいやつも、これもまだ売ってるので、少しお安く。これは本当に外さないというのか、ただメモリは盛っといたほうがいいね。

山路:まあ今買っていいって言われたら、とりあえずAirとかでいいんだったら、M2のAir買っておけばいいんじゃないんですか。

小飼:どのクラスがって言うと、やっぱりLower Endがいいね、ハイエンドはむしろ、そっちのほうはM2待ちかな。

山路:Mac Pro出る出るつって出ないですもんね。まぁMac Pro買う人もあんまりいないだろうけどな。

「円高になって安くなるかな」(コメント)

山路:円安になって値段は上げられても、円高になって値段が下げられるということはあんまり、

小飼:と言うのか、円安値上げの時のレベルにやっとなったからっていうか、感じだからね。だからもっともっと円高が進んでくれないと(笑)。

小飼:(コメントを見ながら)あ、実はM1のままでもいい。だからじつは、(MacBook Airの)これの16メガはすごいお勧めだよね。なんか、これ本当に、ここまで非の打ちどころのない奴っていうのは。M2にするかどうかというのは、MagSafe欲しいかどうかで決めてください(笑)。あるいは楔形じゃなくて平べったいほうがいいか、あるいはノッチに耐えられるか。

「いい感じにPC買うタイミングがわからんです」(コメント)

山路:自分が必要と感じた時に買っちゃうのがいいです。その後、激烈に値下げしても、そのぶん買ったやつを使い倒せばいいのですよ。

スタッフ:YouTubeのほうのコメントに「M1になってから初めて買う気起こったよなー」っていうコメントが入ってて、

山路:それはそうかもしれない、

小飼:出たての頃は少しは、あれ動かない、これ動かないがあったんだけど、今事実上ないね。

山路:最初からえらい完成度高かった、

小飼:高かった、

山路:口のうるさいMacファンとか、文句を言おうと待ち構えてましたけど。

スタッフ:ちょっと前の時の話題なんですけど、震災の時、東日本大震災の時に最先端とは言えない自動車用の半導体が足りなくなって困ったってことはありましたよねっていうのが、

小飼:ある、じつはけっこう隙間ができちゃうことはあるんだよね。だから、最先端のだけあればいいって言うもんじゃないっていうのもわかってきたじゃん、自動車用の半導体がクランチしちゃって。そういうのというのが、1世代2世代前のファブとかで作ってたりするんですよね。

山路:それはそれでまた利益を生むビジネスでもあるわけなんですよね。

小飼:そうなんですよ、枯れたやつというのは作りやすくもなるので。

山路:半導体で言うと、インドもなんかこうすごい自国生産を、

小飼:それやんなければ、今や人口ベースでは世界最大の国なのだから。

山路:これ、本当に何と言いましょうか、半導体戦争が改めて起こっとると言うか、とにかく自国できちんと半導体を確保しようと、

小飼:まぁでもこっちの戦争は我々ユーザーからしてみれば、ウェルカムですからね、こういう戦争をしようよ。中国ロシアもぜひ参加してくださいという(笑)、感じだよね。我々はもう本当に得する事しかないんだから、そういう戦争であれば。

山路:ITのネタ絡みで、これもさっきAppleの話が出たところだったんですけれども、Appleがいくつか方針の転換を出したところで、

小飼:これはいい、プライバシー的にはいいことだよね。だから、前、チャイルドポルノを保存してないかどうかというのをスキャンするとかって言ってて、もう非難轟々だったんだけど、それも止める、

山路:それも取り下げるそうですよね。これはまぁ本当に、ただチャイルドポルノのことに関して言うと、問題ってないんですか、それを取り下げることで、

小飼:いや、だからそれはもう捜査はしにくくなるけれども、本来、盗み見れないというのを前提に捜査をしなければいけないから。だから押さえるのであれば、チャイルドポルノをデータになってしまったものではなくって、それが撮られている現場でしょ。チャイルドポルノが出来上がっちゃった時にはもう遅いのよ。

山路:なるほどな。納得です。あとこれもう一つ、Apple絡みでいうと、サイドローディングと言われる、要はApple以外のアプリストアの、

小飼:これ、どうかなー、

山路:緩和を認めるんじゃねーのみたいな、これ、こんなことできるんですかという、

小飼:いや、できるはできる、

山路:できるのはそうなんですけれど、Apple的に納得のいくことでは全くないじゃないですか。

小飼:いや、もちろん、たとえばどこかがサイドローディングをさせなければいけないよっていう法を作ったら、それをやるかもしれないけど、そうでない限りは絶対食い下がるだろうね。

山路:これ、それこそ仮にそういう法律がどこかの国で通ったとして、きちんと第2のApp Storeとかでマルウェアとかウイルスとか大丈夫ですよっていう責任を持たせる事っていうのはできるのだろうか?

小飼:いや、だから当然それは免責事項も書き換えられるよね。

山路:外部のアプリストアで買ったものに関しては、Appleはぜんぜん責任取らないよみたいなふうになっちゃう、

小飼:そうそうそう、

山路:それでたとえばiPhoneが壊れちゃったりとかしても、

小飼:そうそう。

山路:そうか、なんだかんだ事実上、ユーザーが他の外のアプリストアでは買わないようなふうにはしてくるんだろうけれどもな。確かにそれは、

小飼:一つ、これは個人的にも認めてほしいのは、要は他のところのIn-App Purchaseを認めてほしい。たとえば今はKindleのタイトルを買えないじゃん。

山路:めんどくさいですもんね。

小飼:そういうのはちょっと手数料とる、とるなよとまでは言わないけれども。

山路:In-App Purchaseのやつって許可してるところとしてないところの基準がいまいちよくわかんない。

小飼:そうなんですよね、そこは不透明ではあるよね、

山路:最近ビデオを買えるようになりませんでしたっけ、なんか、

小飼:ほんと?

山路:プライムビデオとか買えるようになったんじゃなかったかな。

小飼:ほう、

山路:Apple TVではまだだったかもしれないけど、iPhoneとかからプライムビデオの有料のビデオコンテンツ、買えるようになったように思ったが、勘違いかな(編注:買えるようになっています)。

小飼:要はクラスプラットフォームのもののIn-App Purchaseっていうのは認めてほしいよねっていう。

山路:本当にしかし、今の時代ってデバイスだけ売って、さぁ儲かりましたとか、もういうような世界ではぜんぜんない、

小飼:全然ないからね、

山路:本当に、アプリストアを経営して、なんかエコシステム作って、セキュリティとかどうのこうのに応えて、みたいなところまでやって、それがOSの役割みたいな話っていう、

小飼:ただそこまでやりこむと、それがどれだけウハウハかという(笑)事例でもあるんだよね、Appleって、

「公共性が高いけれど規制法のないSNS」と「広告のこれから」

山路:なるほどね(笑)。じゃあ今日のタイトルにもなっていた、Twitterの話とか行きます? あ、イヤな顔してる、イヤな顔してる(笑)、

小飼:あそこまでおバカちゃんだったか(笑)。

山路:おバカちゃんですよね、

小飼:ただ、こう言うのもなんですけれども、現行法の上ではマスクは何も悪いことしてないわけですよね、だからちゃんと大枚をはたいて、会社を買って、その会社をグダグダして紙くずにしても、オーナーは、持ち主はマスクなので。

山路:まさに会社は株主のものという。

小飼:そう、だから金持ちのガキンチョがフェラーリとか買ってもらって、飛ばしてぶつけてぶっ壊したようなものですからね(笑)、それはひどい話だけれども、ただし、その例えで言うと、じゃあその時に誰かを巻き添えにして殺しちゃいましたとかっていって、じゃあ金を払えば済む話なのかというものですよね。実際、今やTwitterとかって言うのは命に関わるような情報とかっていうのも流してるわけですよね。

山路:災害だったりとか、

小飼:そうそうそう、

山路:医療情報だったりとかもありますからね。

小飼:これがたとえば新聞とかテレビとかだと、どの国にも規制法がありますよね。僕が言うのもなんですけれども、ライブドア事件というのはまさにそれに絡んだ事件でしたよね。だから、これはこう言っちゃなんですけども、成功したライブドア事件でもあるわけですよね、Twitterは(笑)。ただ、少なくとも堀江は(買収が成功していたら)フジテレビをもう少し慎重に経営したと思うよ(笑)。

山路:これ、マスク、最近話題になってたのが、自分はCEOを辞めるべきかどうかを投票で決めるつって、それでなんか辞めたほうが、辞めるべきっていうほうが多かったっていう、

小飼:僕も辞めるべきのほうに入れときました、

山路:私もじつはそうなんです、

小飼:ていうのか、これ、たぶん(マスクにTwitterのCEOを)一番やめてほしいのはTeslaの株主だよね。TwitterにかまけてるうちにTeslaの時価総額が半減して、しかもそのおかげでマスクも世界一の金持ちの座から滑り落ちてしまったという(笑)。

山路:本当に何やってんだって感じなんですけど、Teslaはもうべつにマスクなしでもやっていける会社になってるって事なんですかね、なってるからかまけてるのでしょうか、そうでもないのかな。

小飼:だけれども、Twitterを買うためにガツンと借金しちゃったので、それを一生払い続けるか、あるいは元本を返すためにマスクもずいぶん株を手放してるのではないかなと、当然それっていうのはTesla全体の売り圧力になるので。だから、今までマスク推し推しだったTesla関係のアカウントが「遊んでるんじゃねえ」みたいな(笑)、

山路:マジで怒りはじめたという(笑)、

小飼:はい。

「そういうことを投票させるのがどうかと思う」(コメント)

山路:そうなんですよね。しかも、そうやって投票で聞いといて、辞めるべきっていうほうが多かったにも関わらず、じゃあすぐ辞めるって言うふうにはならないところ、ズルいじゃないかと、これは、

小飼:ズルいじゃないって、そもそも何でそんなこと聞くんだと。辞めるべきか否かって言うのはオーナーのセリフじゃないよね、そもそも。

山路:なんか結局、Twitterの株主を辞めるって言うわけじゃないですもんね。CEOを辞めるかどうか聞いてるだけであって、株主、筆頭株主でいつづけるんだったら、自分の意向を働かせ続けるわけじゃんっていう話なんですけど。

小飼:いや、飽きて2束3文で売るんじゃないかという。

山路:しかもつまんないやつが買いそうなんですよね、

小飼:マスクはまだマシだったというふうに、なりかねないよね。

山路:これ、ジャック・ドーシーに経営者をもう1回やってもらうっていうのは、

小飼:じゃあドーシーはいい経営者だったかって言うと、うーんなんだよね。