「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2025年04月22日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2025年05月06日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025/04/22配信のハイライト
- 『Gundam GQuuuuuuX』感想と関税問題
- 中央銀行を独立させたというアメリカの発明
- なんでコロンビアは折れてハーバードは折れない?
- 視聴者質問「コロナ総括」「トランプ」「清王朝と中国」
- かつてのライブドア事件と現在のフジテレビ問題について
- 「iPS細胞による治療」と「減税か現金給付か」
『Gundam GQuuuuuuX』感想と関税問題
山路:これ、ナオヤさん、スライド出る? ChatGPTに、ファーストガンダムのif世界で女子高生二人が活躍する話のイラストを描けっていったら、こんなの出してきたんですけど。
小飼:女子高生というのか、女子学生に制服を着させるという文化そのものがかなりマイナーでしょ、ああ、でもコロニーごとにそういうのは保存されているのか。
山路:たとえば今、まさにリンクを出そうとしたこの『Gundam GQuuuuuuX』、新作の『GQuuuuuuX』では、たとえば主人公たちが暮らしているコロニーっていうのは日系人が集まって住んでるっていう話になってますよね。全部コロニー内の表示とかも日本語だったり、
小飼:せっかくよく混ざるようになったのに、宇宙に来てまた分けるわけって思う、
山路:ただ、今の時代のなんか紛争とか分断とか見てると、それはそれでリアリティがあるなぁと思いましたけどね。意外にコミュニティ作って集まって住むんじゃねーの、みたいなものっていうのは。
小飼:いや、だからそれが人種ごとなのか、知り合いごとなのかというね。
山路:それが日系人で集まるというのは、今の世界の状況を見てると、
小飼:やっぱ指が多いね、彼女、
山路:これ、指は、いやいや指合ってますよ、これ、こっちは左手ですよ。
小飼:左手だけども、グリップの幅からいって、どう考えても指が1本多いよ。
スタッフ:なるほど、
山路:そうですか、
小飼:1、2、3、4だよ、というのか1、2、3だな、大人の指だと、
山路:そうか、
小飼:いや、だからこうやって持ったとしても、いや、だから二つぐらい多いな、この子もしかして7本指とかじゃないのか、
山路:あーなるほど、この辺ちょっと怪しいですね。
小飼:いや、四肢動物としてかなり先祖返りというのか、イクチオステガとか。
「黒塗りは誰がやったの?」(コメント)
山路:ってありますけど、これは私がやりました。ChatGPTがちょっとあまりにもまんまなものを出してきたんで、なんか心配になって(笑)、
小飼:いや、でもさ、もうアムロも証言してたんだから、
山路:アムロ? なんでアムロ?
小飼:アムロ、
山路:アムロ・レイのアムロ?
小飼:そうです、だから頭なんて飾りです、偉い人にはそれがわからんのです、
山路:バンダイにその言い訳は通じないと思いますけどね(笑)。
小飼:でもモビルスーツ改めコンバットアーマーであれじゃん、頭がないやつっていたよ、
山路:『ダグラム』?
小飼:『ダグラム』。そう、だから最後の量産型の決定、デロイアが決定的に勝つようになったきっかけになったコンバットアーマーというのは首がなかったよ。いや、頭なかったよ。
山路:量産型の?
小飼:そうそうそう、だからこの部分がなかった。だから、たかがメインカメラなんですよ。
山路:それをそうと『Gundam GQuuuuuuX』始まりましたけど、弾さん見てます?
小飼:うーん、
山路:あはははははは。かんばしくない反応をしてますね。うちは夫婦で喜んで見てますけど。
小飼:あのね、何だかんだ言ってファーストガンダムに納得してないんですよ。
山路:え、どの辺どの辺? どの辺に? でかいモビルスーツが動き回るところ?
小飼:いや、だからそうでなくって、連邦はどういうっふうに元ジオン公国というのか、サイド3に賠償させたのでしょう。
山路:まぁでもそれに関して言うと、ファーストガンダムって宇宙世紀80年の1月でしたっけ3月でしたっけ、その辺りってことで終わって、とりあえずファーストガンダムの話はそこまでじゃないですか(※編注:一年戦争は、宇宙世紀0080年1月1日、ジオン公国に代わって発足したジオン共和国政府が終戦協定に調印して終結)。
小飼:いや、だからとりあえずコロニー落としをされた地球連邦の皆さんとしては、サイド3の皆さんの10人に9人は殺さないと納得がいかないでしょ。
山路:それは(笑)、
小飼:英語にdecimateっていう言葉があります、だからこれは虐殺するみたいな意味に今捉えられてるんですけども、じつは軍隊内における刑罰なんです、decimateっていうのは。どういう刑罰かっていうと、要するに内規の中で、将軍の言うことに反したとかそういう時に使われる刑罰なんですけれども。くじを用意します。で、当たりは10本に1本です。
山路:だからdeciなんだ、
小飼:そうそう、当たった兵士を残りの9人が虐殺するんです。
山路:10分の1くじみたいな、
小飼:10分の1なんです、だから逆ですね。逆のdecimateですね。だから10人に9人はポアしないと、納得せんでしょ。ジオン公国はどういう戦後裁判を受けたんですか、だから戦犯はどういうふうに裁かれたんですか。
山路:その後の続編、『ガンダム UC』なんかではジオンの残党なんかってひどい目にあったという描写はありますね。
小飼:いや、だからもう『サンダーボルト』が正史ということでいいんじゃないですか。
山路:大河内(※編注:太田垣康男の間違い)、えーと『ムーンライト・マイル』描いて『サンダーボルト』の方ですよね。ただまあファーストガンダムでそこまで描いてる余裕はなかったやろってところでイチャモンをつけるのはいかがなものかと私は思いますけれども(笑)、
小飼:いやーそれは、いや、でも、イチャモン上等で作ってたはずなので。
山路:まあいいや(笑)。とりあえず『GQuuuuuuX』は見たんですか、見てないんですか?
小飼:えーと、まとめを見ちゃったね。
山路:要約的な?
小飼:要約な。
山路:じゃあもう考察込みのやつをいきなり見ちゃった感じなわけなんですね。
小飼:いや、だから字幕入りのやつを見ちゃったね。字幕というのか、弾幕というのか。
山路:そうかそうか(笑)。まあまあ、とりあえずちょっと、もうちょっと何話か進んで、とりあえず1シーズン終わるまで見てから、また改めて評価を聞きたいところです。
小飼:頭なんてただの飾りですというのはやっぱりな、言ってほしかったな、それは。ファーストガンダムであるから。そうなんですよ、余計だったのは足でなくて頭だったんですよ。だからそれはアムロが証明してるじゃないですか、そう、ニュータイプにとって頭いらなかったんですよ。それはもう何度言っても。
「『ガンダム』に出てくるヒトラーに関するセリフについてどう思う?」(コメント)
小飼:っていうのは、
山路:「貴殿はヒトラーのしっぽだな」っていうやつですね、
小飼:そうそうそう。そう、デギン親父が、
山路:ギレン・ザビをたしなめたというか、
小飼:純粋培養しすぎたという。
山路:なんか、こんな今の時代にこんな先祖返りした独裁者傾向のやつが生まれるのかいみたいな、
小飼:いや、だけどもリアルワールドではもっと喜劇的な状況が起きているので(笑)、もう確かに何でもありと言えば、何でもあり。
山路:まさに。じゃあ、リアルワールドのほう、いっときますかね。まずは一番話題になっているのはトランプ関税じゃないですか、今大騒ぎしているのは。
小飼:っていうのかさ、これ、事務どうしてるの?
山路:えっと事務作業のほうですよね、
小飼:ペーパーワーク、その通り、
山路:そんなこと対応できている事務員おるのかって思いますけど、
小飼:ジムってガンダムの量産型じゃないです。
山路:勘違いしている人はいないと思いますけど(笑)。半日分のとこだけは関税かかるみたいな処理とかもしなきゃいけないやつとか出てきてるわけでしょ。
小飼:そうですよ。
山路:それって残業でやるんですかね、それとも、もういいやってことにしちゃってやってるんですかね。
小飼:残業って、アメリカでも不可能ではないけれども。かなり難しい。
山路:しかも公務員減らそうとしてるわけじゃないですか、やつら(笑)。
小飼:日本でも消費税を導入した時に税務署員の数を倍増させたそうです。ただ関税っていうのは、他の税項目に比べれば、バルクの部分が多かったのね。要するに関税を誰が払うかって言ったら、その国の国民なんですけれども、もう少し細かく見ると、そのグッズを卸しとして入れてる人たちなんですよね。
山路:関税のその輸入業者ってことですよね。
小飼:そうそう、たとえばiPhoneだったら、Appleが払うわけですよね。関税を払った後にマージンを乗っけた上で小売に回すので。たとえば関税を2割にしましたっていうふうに言っても、普通は2割にならんのですね。と、こ、ろ、が、ですね、今はおよそどの国も個人輸入っていうのはわりと当たり前にやるようになりましたよね。そう、だからAmazonの代わりにAliExpressとかから買ったら、それもう個人輸入なわけですよ。個人輸入の場合というのは、まさにその個人が輸入業者なんですよ。だから、少なくとも1桁、いや1桁半ぐらいは要は納税義務のあるエンティティーズが増えてるはずです。
山路:10年前20年前に比べてってこと?
小飼:だから、それに対応するだけの税務当局キャパシティっていうのもいるわけですよね。
「関税はアカン税」(コメント)
小飼:いいな、これ(笑)、
山路:ちょっと前、まだ有効なのかな。アメリカって確か800ドル以下のやつだったらそういうのがかかんないみたいな、なんかそういうやつはありましたよね、
小飼:いっぱいあります、日本だと16000円だったかな、
山路:それも塞ぐみたいなことを言ってるんじゃなかったでしたっけ、今回の関税、
小飼:いや、塞ぐって一言で言って、じゃあそれを実装するというのはまた別問題なわけです。だから真っ先に思ったのは事務をなめるな、です。
山路:これ結局、アメリカの税務当局がそんなことできねえから、なし崩しになになっちゃうってことだったりするんじゃないですかね。
小飼:でもアメリカという国はペーパーワークに対してけっこう厳しいですよ。
山路:おおー、特に金関係のやつは、
小飼:たとえば入国の時に、あなたは自分の自国で刑に服したことありますか? みたいなチェック項目があって。そこで嘘をつくと、けっこうすごいペナルティになる。
山路:へぇえ。それっていうのはやっぱりランダムサンプリングみたいなもんでピックアップして、きっちり調べるみたいな?
小飼:いや、だから昔はランダムサンプリングだったんだけど、今はけっこう、
山路:パスポートに情報が載ってたり?
小飼:載ってたり。
山路:そうかそうか。へぇー。いや、これ、でも個人輸入業者って本当に、今だったらけっこう簡単な感じでやっちゃうじゃないですか、できるじゃないですか。それってどのタイミングで税務署が入ることになるんですかね?
小飼:いや、だから通関手続きの時。
山路:ほうほうほう。じゃあコメントに書かれてるように、なんか輸入してきたものが倉庫に積み上がった状態で置いとかれるみたいな感じになったりする、
小飼:そうそうそう。で、そこで税務処理をやってから来ることになってる、建前としてはね、少なくとも。
山路:じゃあそれ建前きっちり守ろうと思ったら、もうアメリカの港とか空港とかって、もうピクリとも動かない状態になりませんかと。
小飼:そうですよ。それで通関手続きが長すぎて、だから通関できなかったやつを線路脇にポイポイしてるという映像が上がってました(笑)。
山路:え、アメリカで?
小飼:アメリカで。
山路:それ捨ててるのは、輸入した業者がもう税関を、
小飼:配送業者だね。
山路:へぇえ。なんか、すごいこと起こってますね。
小飼:いや、だから今のトランプ関税云々の前に、そうなので。
山路:今の話ってはトランプ関税の前の話なんですか。
小飼:前の話でそうだったの。前の話で、ペーパーワークが追い着いてねえというね。
山路:へええ(笑)。
小飼:これを各国ごとにやるとかって言ったら、もう本当に担当部署、死にますよね。いや、でもなんで、事務の重さを指摘してる人がいないのか。よくツルの一声って言うじゃん。いや、だからその一声通りに動かすのに、どれだけの労力が必要なのかっていうのは日本でも気にされてないですよね。
山路:なんか摩擦係数はゼロとするみたいな感じの(笑)。
小飼:そうそう、今年の何だったっけ、4万円税還付、それを給与明細にも載せろってさ、そうだ、山路さんはその4万円ってどうしてるんですか、
山路:税務署からなんか書類送られてきて、なんか本になってるんですよ、もう。4万円を受け取るためにこの16ページだったか、32ページのやつ、パンフレット見るのかと思ってうんざりしたので、それは税理士に投げましたね(笑)。
小飼:ははは。
山路:だって自分に給料払っているんだから。4万円をもらうためだけに、そんな面倒な処理なんてできないですよ、そんなの。
中央銀行を独立させたというアメリカの発明
「世界3大キチガイ、トランプ、習近平、プーチン」(コメント)
小飼:か。いや、キチガイっていうのとちょっと違うんだよ。
山路:トランプの話?
小飼:いや、だからキチガイだったらもう少し持ってきようがあるというのがね。
山路:ああ、異常な自己承認欲求の塊みたいな話ってこと?
小飼:まあね。
山路:キチガイではなく。で、まあその関税の次に話題になるのはこの貿易戦争ってことに結局なるわけなんですけど。ChatGPTにアメリカ大統領とか言うと、これはポリシーのことで生成できませんって言うんだけども、普通に貿易戦争の勝者のイラストって言ったら、トランプっぽいやつを(笑)、わかってるやん、きみ、みたいな話なんですけど。これ、結局どうなるんでしょうね。
小飼:えーとね、なんだかんだ言って、作れるほうは、自前で用意できるほうは強いです。だからその意味ではアメリカ空洞化しすぎたんだよね。
山路:中国からボーイング、返品あったそうですね。
小飼:いやー、まあでも今回の話の前に本当に737 Maxの話があったし、ボーイングは既にしてグダグダではあるんだけども。ここで重要なのは、今や中国は737に相当する機体というのを作れるんですね。
山路:FAAに通ってないだけで。
小飼:そうそうそう。737はほとんど国内路線で使われるものなので、べつにFAAの認可がなくてもいいんですよね。
山路:貿易戦争の勝者は?っていちおう疑問形で書いたんですけど、これって圧倒的に今のところ中国が有利に見えるんですけど。
小飼:圧倒的ですね。
山路:クリスマス商戦、半年もすれば始まるじゃないですか。クリスマス商戦になった時にみんなどうすんねんっていう。だっておもちゃとか、なんか電子製品とか、服とか、アクセサリーとか、クリスマスプレゼントで送ったりとかするわけじゃないですか。それだいたい中国製じゃないですか? MAGA帽も含めて。
小飼:そうそうそう。MAGAハットも含めて。そうなのよ。
山路:で、その時にクリスマス商戦の時に輸入する業者ってどうなるかってことをまだわかってないんだろうかと。
小飼:うん。知ったこっちゃないですね。
山路:その時までに、関税とかは解除されるとみんな思っとるんでしょうか。
小飼:その時に一番来るね、だから今のペースだと。
山路:MAGA帽とか1万円とか2万円とかするようになったら、誰も買わないですよね(笑)。
小飼:いやー内製してくれると思ってるんですよ。いや、中国で作れるものというのはアメリカでも作れると本気で思ってます。まぁでも事実は違うんです。もうジョブズが亡くなってから、2011年だったからもう14年、経つんだけども、まだ生きてる頃に、なんでアメリカに工場を置かないんだと。かつて置いてたことあるんですよね。でも、人がいないと、工場で働いてくれる人がいないと。日本でももう、アセンブリーは大丈夫だと思います、組み立ては大丈夫、かろうじて大丈夫だと思います。だけれども、もう日本では用意できないパーツというのがいっぱいあるので、なんといってもSoC用意できないし。
カメラはソニーで用意してくれるし。ストレージはキオクシアがまだ日本にあるので、かろうじていけるんだけれども。まあでも肝心のSoCが日本で用意できない。
山路:これ、アセンブリーだけだったら、それこそなんとかなるというところはあるんですかね。
小飼:ものすごい高くなるのは確かです。だから、なんでアセンブリーを中国でやってるかっていったら、圧倒的に安くできるからそうしてるんですよね。他の国でもやろうとしてるけども、中国の人ほど、