検非遺使さん のコメント
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風雲急を告げるメイウェザーvs天心!! 交渉やルール問題といえば、高田延彦vsバービックや高田延彦vs北尾光司などの「問題作」を連発したUWFインターナショナル……というわけで「Uインターの頭脳」として采配を振るった 宮戸優光 氏に話を聞いた! 【 メイウェザーvs天心 関連記事】 ・メイウェザー騒動、米MMAメディアの反応まとめ 「メイウェザーは帰国して、那須川の動画でも見たんじゃないんでしょうか」 ・なぜ我々は「メイウェザーvs天心」の茶番・八百長扱いを大歓迎するのか ・マネジメントから見たメイウェザーvs天心騒動■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク 【 宮戸優光 過去記事】 ・キャッチはどこへ消えたのか? 宮戸優光×中井祐樹「プロ・レスリング」の文化と競技論 ―― 最近の格闘技界はメイウェザーvs天心の契約問題の話題で持ちきりなんですが、UWFインターナショナルでは髙田延彦vsトレバー・バービックや高田延彦vs北尾光司などルール問題で揉めていたり、先が見えない緊張感ある試合が多く行なわれました。これらの試合を振り返ることでメイウェザーvs天心を考えたいと思ってるんですが、まず元ボクシング世界王者バービックの招聘はどういう経緯があったんでしょうか。
宮戸 Uインターが旗揚げから掲げたテーマというのは「プロレスこそ最強の格闘技である」ということでした。昭和の時代で言えば、アントニオ猪木さんの新日本プロレス全盛期のテーマですが、私たちはそのプロレスに憧れ、この世界に入ったわけですから。Uインターはその先輩方からのテーマを要は引き継いだわけです。新生UWFは「プロレスではない」立ち位置からの打ち出し方でしたから、Uインターとは理念がまったく異なっていたわけです。
―― 新生UWFは従来のプロレスとは一線を画すという方向性でしたね。
宮戸 UWFが「プロレスでない」という立ち位置には正直抵抗がありました。やはりアントニオ猪木さんのプロレス、かつての新日本の方向性に憧れてきてこの世界に入ったわけですから。Uインターの掲げたテーマというのは、そういう原点をあらためて目指したものだったのです。そういう中で旗揚げから1年は地方大会や後楽園ホールで興行を重ねてきました。Uインターにはテレビや大きなスポンサーが付いておらず、新生UWFから分かれた3派の中では一番厳しいだろうと言われながら1年が過ぎた中、年末はビッグマッチで両国国技館を押さえたわけです。
―― その一大イベントのカードをどうするのか。
宮戸 ビッグマッチをやるからには、我々が掲げてきたポリシーを何らかのかたちで見せつけるものでなければ意味がないわけです。「プロレス最強」かつてまさにそのテーマの中で行なわれたスーパーファイトといえば、アントニオ猪木vsモハメド・アリですよね。レスリングとボクシングは数千年単位の歴史を持っている非常に古いものなんです。アメリカでも「フィスト・オア・ツイスト」と言われていて、要は「ボクシングの拳が勝つのか、ひねり技のレスリングが勝つのか」永遠のテーマなわけです。猪木vsアリ戦というスケールに勝つことは到底できませんが、決着が付かなかったかつてのスーパーアーファイトの決着を我々が白黒つけようではないか、とそう思ったわけです。当時の新日本プロレスにはもうそんなテーマに取り組む姿勢も感じられませんでした。ならば、我々がプロレス界にそのテーマを呼び起こして挑戦しようじゃないか、と。それが両国国技館の「格闘技世界一決定戦」ということです。「格闘技世界一決定戦」というタイトルもそのまま復活させたんですね。
―― 髙田さんの相手は、最初からバービック一本に絞っていたんですか?
宮戸 まず現役の世界チャンピオンということが目的でした。当時バービックは現役チャンピオンではなかったけど、そのときの両国大会にはIBFの現役世界クルーザー王者ジェームズ・ワーリングも来ているんですよ。
―― ワーリングはUインターの常連外国人ビリー・スコットと対戦しています。どちらかというと、現役世界王者のワーリングを連れてくるほうが難しかったんじゃないですか?
宮戸 そうかもしれないね。我々が交渉していた相手は、バービックとワーリング両者の契約を持つマネジメント会社だったんです。そこはドン・キング・プロモーション傘下にあった会社だったんですね。その会社とワーリングやバービックが何試合契約していて、どれだけ残っていたのかは知らないけれど、彼らが持っている契約のうち1試合分をUインターで消化したんです。契約上はボクシングルールとは違うルールなんですけど、マネジメント会社の契約で来日しているんですよね。
―― なるほど。Uインターとバービックが直接やり取りしたわけじゃないんですね。
宮戸 2人とも「出稼ぎで来た」と言う人間もいたけど、彼ら、そしてマネージメント会社にとって契約上の1試合という意味ではボクシングの試合もレスラーとの試合もなんら変わらない同等のものだったわけです。「小銭を稼ごう」なんて話はお門違いだよね。
―― 2人とも異種格闘技戦のルールに同意したから来日したということですよね。
宮戸 そういうことです。我々は選手個人と契約しわけじゃなくて、マネジメントの人間が彼らを合意させたわけで。選手と直でやりとりしたら大変だったかもしれないけど。あのときのファイトマネーは選手に当日直接の支払いじゃなかったんですよ。まず両者のあいだの銀行に振り込んで、そこに前払いして試合が行なわれた時点で引き出せるという方式を取りました。それでも来日するかどうかはドキドキしましたよ。
―― そこまで段取りは付いても不安でした?
宮戸 そりゃ不安ですよ。まず空港の迎えからはもちろん、試合当日宿泊先のホテルを出て会場に向かったかどうかまで確認していましたからね。会場到着後も控室の様子を見に行きましたし。
―― 異例の勝負ですから、リングに上がるまでどうなるかわからないってことですね。
宮戸 そりゃね、向こうだって怖いだろうし、それはいざ土壇場で「やっぱり出ない!! 」と言い出す可能性もゼロとは言えないから。ただ一つ安心だったのは、先ほど言ったように選手個人と契約していたんじゃないということです。そういう意味ではまず大丈夫だろうと。
―― 髙田vsバービックやビリーvsワーリングの勝負は、競技だったわけですよね。宮戸さんは異種格闘技戦であるからこそ競技にこだわったんですか?
宮戸 競技というか、いまのプロレスは当時と大きく変わっちゃっているから、皆さんが使う「プロレス」の意味はわからないけれども……当時Uインターは「プロレスこそ最強の格闘技だ」を掲げたわけですよ。そうであれば白黒ハッキリしなきゃいけないでしょう。つまり、そういうことですよね。
―― 宮戸さんや髙田さんらUインター側がそういうテーマに拘るのは理解できるんですけど、ボクサーがそこに乗っかってくるというのは凄いことですよね。
宮戸 まあ、アメリカでも過去にルー・テーズさんがボクサーと試合をしたり、20世紀初頭には柔術vsプロレス、ボクシングvsプロレスなどを実際にやっているんですよ。こういう闘いは国を超えた一つの夢、テーマではあるんですよね。
―― ところがバービックは直前になって「ローキックの禁止」を訴えてきたんですね。
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