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AKB48のこもりんが登場する「プロレスとアイドル」特集企画の一つとして、講談社の元・名物記者、仙波久幸氏にアイドル取材の舞台ウラを直撃! 仙波氏といえば、猪木政界スキャンダルの仕掛け人であり、芸能方面でも『週刊現代』や『FRIDAY』所属時にスクープを連発した敏腕記者。昭和プロレスの変態でプロレス界との繋がりも深い。
仙波 今日は「純粋なプロレスファン発言」で話題になっていた『週刊プロレス』の佐藤(正行)編集長がオススメする水道橋の『FISh』というオシャレなイタメシ屋に来ました。
─そんな場所で取材できるなんてマスコミ冥利につきますね(棒読み)。今回は仙波さんに「アイドル取材とはプロレスである!」というテーマを無茶ぶりしてみます。
仙波 えーっ!? でもまあ、確かにそんなところもあるかもね。真剣勝負、八百長、アングル、裏切り、共闘……。
─最近では元AKB前田敦子さんの“お姫様だっこ事件”などがありましたが、仙波さんがバリバリの現役記者だった頃のアイドル取材というのはどんな感じだったんですか?
仙波 自分が講談社に入ったのが1985年で、ちょうどその頃というのは、いま思えばおニャン子クラブが全盛の時代だったんですよね。
─おニャン子クラブが誕生したのもちょうど85年4月ですね。
仙波 あの頃、フジテレビで『夕焼けニャンニャン』が月~金で毎日放送されていてね。個人的にはなんの興味もないんだけど、編集長からは「とにかく毎週おニャン子を載っけるぞ!」ということで追っかけさせられて……。ただ、順を追って説明するとですよ、新入社員で入って2年間は『FRIDAY』に配属されたんですけど、最初の年の8月12日に日航機墜落事故が起きて現地に何日も行って、その8月の終わり頃、編集部に「野口五郎と斉藤慶子が青山墓地付近で一緒に車を降りた」という情報が入ってきたんだよ。
─そんなピンポイントな情報がどうやって入ってくるんですか? 八百長だ!!
仙波 誰だかわからないけど、そんなタレコミがあって……。それで当時、自分が一番下っ端だったから「行ってこい!!」と言われて。でも、その日はちょうど友だちと六本木で酒飲む用事を作ってしまって、もう「(二人が)見つからなかったら見つからないですぐ帰っちゃえ!!」という、いい加減な感じで会社を出たんですよ。
─今度は試合放棄ですか。
仙波 そんな感じで新人のカメラマンと一緒に青山へ行くと、タレコミどおりの車があるわけよ。だから、そのへんの飲食店に入っては確かめて、なんてことを続けていたら、野口五郎と斉藤慶子の二人の顔が見えちゃったわけ。そこで普通だったらトラブルを起こすのはよくないから、店を出てくるまでずっと待って、外を歩く姿の写真だけを撮っておいて、事務所に連絡する、という流れにするんだけど、自分もカメラマンも新人だから取材のやり方がよくわからないし、自分の個人的な事情で「早く決着つけて飲みに行きたい」と思ってたからさ。だからズカズカとお店に入っていって「斉藤慶子さんですか?」と声をかけた瞬間にカメラマンがパシャパシャ撮った。そうしたら警察に通報されて赤坂署行きですよ。
─場外乱闘反則負け!
仙波 署内の取調室から上司に連絡をしたら「これもいい経験だ。もう少し粘ってみろ!」と、妙な激励を受けて、朝まで事情聴取が続いてね。で、カメラマンが撮ったフィルムはドサクサの中で手渡しされて自分のパンツの中に突っ込んで隠しておいたんだけど、次の号でその写真を掲載して、トラブルが新聞沙汰になっちゃった。
─勝新より先に“パンツ事件”をやらかしてたんですね(笑)。
仙波 それから11月にはショーケン事件ね。
─ショーケン事件というと、当時、猪木さんの奥さんだった倍賞美津子さんと萩原健一さんとの交際が噂されてて……。
仙波 それも「いま二人が一緒にいますよ」とタレコミがあったんですよね。で、ショーケンといえば、もうタイガー・ジェット・シンみたいなもんで、ケンカ慣れもしてるだろうし、ちょっと身体を低い姿勢にしてアゴの下から頭突きを狙ってくるんですよ。
─仙波さんは根っからの猪木信者であり、倍賞美津子ファンだったから、かなり傷ついたという話でしたよね?
仙波 そう……。倍賞さんからその場で「私には夫もいるし、娘もいるのよ」と言われてさ……。ボクは尊敬するアントニオ猪木とのツーショット写真を手帳に忍ばせながら「そんなの知ってますよ!! ボクの憧れの人はあなたなんですよ!」と吠えたかったけど……。まあ、それも結局、新聞沙汰というか、テレビのワイドショーでも大騒動になったんだけど。
─何をやっとるんですか、いったい(笑)。
仙波 で、そんなことをやりながら、おニャン子ですよ。「おニャン子が人気あるらしいから毎週載せたい」ということで、一番下っ端の自分が、当時、新宿河田町にあったフジテレビで出待ちをするわけですよ。すると、そこには全国からファンが集まってて、要するに“追っかけ”ですよね。そういう人たちに「おニャン子の住所とかを教えてくれない?」と近づくわけ(笑)。
─ファンはメンバーの住所まで知ってたんですか。危ない話ですねぇ……。
仙波 でも、彼らには彼らの縄張りがあるし、「なんで取材の連中に教えないといけないんだよ」という冷たーい空気があってさ。ただ、何度も何度も声をかけては差し入れの缶ジュースを配ったりしてるうちに、何人かのカメラ小僧からおニャン子の住所を教えてもらって、家まで一緒に行ったりしましたよ。
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