tsuruさん のコメント
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RIZIN衝撃デビューを飾った修斗世界フェザー級王者・ 斎藤裕 インタビュー。朝倉未来に対するスカした発言は確信犯なのか――? 【1記事から購入できるバックナンバー】
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―― RIZIN初参戦、衝撃KOの反響はどうですか?
斎藤 反響は大きいですね。思った以上にというか、周りの人が盛り上げてくれてるので助かってます。
―― 斎藤選手は修斗を主戦場にされていて、いわゆるメジャーイベントの試合は初めてですが、いままでとは何か違いはありますか?
斎藤 やっぱりRIZINのプロモーションの仕方が凄いなあと思います。 RIZINに出るということで地元の秋田から連絡があったりとか。こんなに違うんだなと。 撮影もあったり、メディカルチェックがいつもより多かったし、いままでとは違う経験が多かったですね。
―― そして新型コロナのテストもあって。
斎藤 PCRの検査も受けましたね。これはもう気をつけるしかないんですけど……。
―― いくら気をつけても感染してしまいますもんねぇ。試合当日、会場入りしての印象はどうでしたか?
斎藤 ずっとカメラが回ってるなというのはありましたね。車で会場には行ったんですけども、駐車場を降りた段階からカメラが3台ぐらい待ち構えていて。控室に入ったらスタッフもいますし、実況・解説に繋ぐアナウンサーもいたりして。 試合が終わっても、そのまま控室に帰れないですし、控室に戻ってからもインタビューがあったりして。
―― 控室は誰と一緒だったんですか?
斎藤 控室は原口(健飛)選手と、元谷(友貴)さんと、朝倉海選手ですね。
―― すると、海選手のセコンドについた朝倉未来選手とニアミスはされたんですか?
斎藤 最初はいなかったんですけど、入場式から戻ってきたらいましたね。普通に座ってて。
―― そこで何かコンタクトあったんですか?
斎藤 まったくないですね。友達でも知り合いでもないので(苦笑)。
―― まあそうですよね(笑)。今回対戦した摩嶋(一整)選手は強敵で、フェザー級日本人屈指の実力派対決。オファーがあったときはどう思われました?
斎藤 「そこに来たか……」っていう感じですね。 彼はいろんな団体で試合をしてることもあって、個人的には巡り合うことはないと思っていた選手だったので。
―― RIZINじゃないとできないカードというか。「ここでトップ同士が潰し合いをするのか」って思いませんでした?
斎藤 RIZINがこういうカードを望んでるんだろうなと思ったんで、ボクは全然やるんですけども。いま言われたような潰し合いというか、勝ったほうが上がって、負けたほうが落ちるっていう明確な試合ですよね。RIZINは初参戦でしたけど、一発目が勝負だと思ってて。負けて次があると思ってなかったです。ここで勝つと負けるとでは全然違う。人生の分かれ道だと思って臨みましたね。まあ、すべての試合が大事なんですけどね。
―― 負けていい試合なんてないですけど、ジャンプアップできる試合があるということですね。
斎藤 そうですね。ボクの中ではいえば、修斗のチャンピオンシップや、高谷裕之さんとの試合は、負ければ致命的な傷を負う重要な試合だったと思いますね。今回は相手が摩嶋選手ということで注目度も高くて、決着が劇的だったこともあって、跳ねたなあと。
―― このカードってコロナがなかったら実現できなかったかもしれませんよね。摩嶋選手はUFCを目指してましたし。
斎藤 摩嶋選手は戦績も凄いですから、勝ち続ければUFCのチャンスはあったんだと思います。でも、摩嶋選手はおそらくコロナで試合が決まらなかったことが、今回RIZINに出た理由のひとつでにはあったと思うんですけど。 ボクとしてはチャンスだなって思いましたね。
―― 摩嶋選手は寝技の強さに定評があるファイターですね。
斎藤 摩嶋選手の試合映像はずっと見てて、組んだら強いんだろうけど、組みから打撃に入るまでは雑かなという印象があって。組みに来たところには合うなとは思ってたんですけど。
―― 実際にファーストコンタクトで斎藤選手の打撃がヒットしましたね。
斎藤 ショートフックですね。 パンチは当てたけど、摩嶋選手は前のめりになったので。あそこで摩嶋選手が下がれば追い討ちができたんですけど、前のめりになったので四つの展開になってしまったという。組みになったらやっぱり強かったですね。やる前は「どんなもんなんだろう?」と思ってたんですけど、組力が本当に凄くて。
―― 下になることも想定はされてたんですよね。
斎藤 下にはなりたくなかったんですけど、向こうはテイクダウンにすべてを懸けてくるので。 テイクダウンを奪って一本を取るという作戦。ボクはテイクダウンされましたけど、落ち着いてガードに戻して、反撃の機会を伺っていた感じですかね。摩嶋選手はボクの打撃でだいぶ焦ったとは思うので、精神的にあまり余裕がなかったんじゃないかなと。寝技でけっこう力を使っていたので2ラウンドからチャンスが来るなと思ってました。
―― あの試合の解説を務めた朝倉未来選手は、摩嶋選手の寝技は力をあまり使ってないとコメントしてて。
斎藤 摩嶋選手のスタイルがガチガチに抑え込むというよりは相手を動かして獲るというスタイルだと思うんですよ。1ラウンドやってみて、獲られることはないなあと思いましたね。
―― 1ラウンド、下になってみた感じでは。
斎藤 今回は石渡(伸太郎)さんにギリギリまで指導してもらっていて、石渡さんからも「獲られることはない」と言ってもらって、そこは自信を持って臨めました。実際に1ラウンドやってみて極められることはないかなって。ただ、あの展開が続いていくと消耗していくので、立ちたいけど立てなかったり、逃げたいけど逃げられなかったり。そうなると分が悪いかなとは思いましたけど。
―― 判定まであの展開が続いたら……ということですよね。
斎藤 向こうは極めれなくても上をキープし続ければ、ということですね。 そうなると、どこかで自分も勝負を懸けなきゃなというのは思ってて。
―― 1ラウンド終盤、マウントを奪われましたが……。
斎藤 あれは時間も時間だったんで全然問題なくて。向こうが倒しにきてたので余裕がなかったのかなって。向こうは打撃を嫌がってるから2ラウンドになればチャンスはあると。
―― 斎藤選手が感じた摩嶋選手の焦りみたいなものが、あのサッカーボールキックの瞬間を生み出したと言えるんですかね。
斎藤 もともと作戦はボディをしっかり打っていこうと。サッカーボールキックの前に右のボディが当たってて、おそらくですけど打撃がやりたくなくてタックルにきたのかなとは思います。あのタックルの入り方は、いままで見たことない遠い間合いからのローシングル。とりあえずボクの身体に触りたかったからやったんじゃないのかなと。それは摩嶋選手本人に聞いてみないとわからないですけどね。でも、 間合いは遠いしタイミングもよくないので、あれだったらボクは反応できるし。 だからすぐに蹴りに行けたところはありますね。
―― サッカーボールキックを採用しているMMA団体はわずかで、斎藤選手も摩嶋選手も禁止の団体で試合をしてますよね。経験がなくてもすぐに蹴れるもんなんですか?
斎藤 ボクの中ではパンチで KO するイメージだったので(笑)、まさか蹴りで決まるとは思わなかったんですけど。サッカーボールキックって相手が下にいないとできないですよね。相手が四つん這いになってる状況じゃないと出せないとはずっと思ってて、まさにその体勢になったから出た、という感じですね。
―― とっさに出るのが凄いですね。頭でわかっていても身体が動くものじゃないのに。
斎藤 一番重要なのはそれこそ自分のリズムで戦えていたことですね。相手が焦ってミスをした。自分のリズムで戦っていたからすぐに蹴れた。あのとき相手のリズムだったら蹴れなかったと思いますけど。
―― 主導権を握っていたから蹴れたと。
斎藤 そういうことですね。1ラウンドは摩嶋選手は前に出てたじゃないですか。でも、2ラウンドはできてなかった。そこがポイントだったと思うし、試合を振り返ってみると焦っていたのかなあと思いますね。あれで決まらなかったら面倒くさい展開になってましたけど、スタンドであのリズムとあの距離感で戦っていれば、いつかは何かしら当たっていたとは思います。2ラウンドはもっと蹴って行こうと思ってたんで、たまたまああいう態勢になって一発当たったということですね。
―― 実力者対決だったので判定までもつれ込むのかなと思っていたんですけど。
斎藤 いま流行ってる格闘家の YouTube の勝敗予想、人づでに聞いたかぎり、ほとんどの予想がボクの負けなんですよ(苦笑)。
―― あらま。
斎藤 周りの人間はボクのことを信じていてくれてましたけど、ほとんどがボクの判定負けで、 未来選手はボクの一本負け予想で。ハハハハハハ。
―― 因縁が深まる予想ですね(笑)。今回斎藤選手がRIZINに登場したことも驚きというか、これまで斎藤選手からはRIZINやONEを狙う気配が表向きは感じなかったんですけど……野望が見えづらかったというか。
斎藤 うーん、 RIZINからはじつは3度目のオファーで。 <「タイミングが合えば」の真意は?
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