アテネ&北京オリンピックの柔道金メダリスト・内柴正人のQUINTET出場が公表された当日、すでに出場が発表された矢野卓見はツイートで嫌悪感をあらわし、QUINTET運営が側と協議の上、出場を辞退した。
あらためて矢野氏に出場辞退について話を伺った。
――内柴正人選手のQUINTET出場を受けて、同イベントを出場辞退された件について話を聞かせてください。
――ヤノタクさんのツイートを見るかぎりり、QUINTETの発表で内柴選手の出場を初めて知ったようですよね。
矢野 ボクは聞いてなかったですね。他の選手はどうなのかはよくわからないですけど。あのあとQUINTETの方々と話はしたんですけど、2年前にも内柴出場の話はあったみたいで。そのときは全員反対だったので出場は見送られたけど、今回はチームキャプテン全員の了承をえられたので出場すると。
――ヤノタクさんは事前に内柴選手出場を聞かされていたら、どうするつもりだったんですか?
矢野 事前に聞かされていたとしても出場することはなかったですね。大きな違いは、事前に聞いていたら俺のこういった「出る・出ない」という話は表に出なかったし、出場辞退して騒ぎになることもなかったということですね。
――内柴選手は実刑判決を受けて収監されて罪を償ったという意見もあります。
矢野 刑務所に入ることが償いだとは思わないです。あれはいわば国家による制裁じゃないですか。被害者にとっては一生入ってろ!ぐらいの感覚だと思いますし、「刑務所に入るか・入らないか」を選べと言われたら入んなかったと思いますし。だって内柴は冤罪を主張してるわけですからね。
――格闘技には過去に犯罪歴があったりする選手はほかにもいますよね。
矢野 内柴がやったことは子供が万引きしたのとは一緒にはできないですよね。そもそも地下格闘技に出てた選手は学生時代にヤンチャしましたレベルじゃないですか。そのヤンチャのレベルにもよりますけど、そこは若気の至り的なとこもあるわけで。内柴の場合はいい大人がね、 金メダリストで指導者という立場だっやわけで。
矢野 少なくとも柔道界はそれを隠匿してきたわけでしょ。常態的になっていたことが、被害者が「絶対に許さない」ということで表沙汰になって、それで柔道界がこれはヤバイということで内柴を切り捨てにかかったと。ある関係者が言っていたのは「内柴は切り捨てられて被害者的側面もある」と。 でも、それは柔道界の中のパワーバランスの話で、外の世界にはまったく関係ないじゃないですか。
――内柴選手を擁護するのは違うと。
矢野 そういう面がもしかしたらあるのかもしれない。 ただ表沙汰になった以上は世間から叩かれるのはあたりまえだし、柔道界の常識・非常識と一般世間のそれは違うので。
――出所後の内柴選手の生活に関して第三者が何か強制したりすることはおかしいじゃないですか。
矢野 まあ、そうですよね。
――こういったイベントに出ることに関しても出場を止めることはできないですけども、ヤノタクさんとしては同じステージに立てないということですか。
矢野 このへんに関しては格闘技云々の話ではないような気がするんですよね。今回QUINTETというイベントが図らずも問題提起することになっちゃいましたけど。今回QUINTETが内柴を出すことに、関係者の人たちは了承したとはいえ、そこまで踏み絵を踏んでる感じはなかったと思うんですよね。あの発表の仕方もそうだったけど。
――「内柴正人、QUINTET参戦。それは格闘ファンが夢見た奇跡だ。」「生きてる限り 人は何度でも 生まれ変われる」ってやつですね。
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