テッツさん のコメント
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斎藤 ありがとうございます。
―― 試合後は病院に直行しましたが、眼窩底骨折という最悪の結果ではなかったそうですね。
斎藤 はい。鼻は折れましたけど……ここは近いうちに入院して手術する予定ですね。
―― 試合の反響は凄かったんじゃないですか?
斎藤 周りはワーっと騒いでますよね。
―― “知らない親戚”から連絡はきませんでした?(笑)。
斎藤 高校卒業以来、会ったことないような人から……「おぼえてる?」みたいな(笑)。前からボクが格闘技をやってることは知ってたんですけど、今回の試合はそれだけ届いてましたね。地元の秋田でも、誰かの家に集まってみんなでPPVを見ていたみたいで。見られなければ評価されないので、ありがたいことだなと。
―― ご家族は会場にいらしたんですよね?
斎藤 秋田から大阪まで来ました。 こういう状況なので、大変だったと思うんですけど。
―― ああ、コロナの第2波が凄いですもんね。
斎藤 あまり無理はしてほしくなかったんですけど、来てくれるということだったので。
―― 試合後に何かお話はされたんですか?
斎藤 試合後はすぐに病院に行ってしまったので、会うことはなくて。電話で話をするぐらいですね。「よかったね」くらいで。
―― ご家族がわざわざ秋田から来られるということは、この試合の重要さを理解していたということですね。
斎藤 そこは届き方を含めて、朝倉選手の知名度が凄いこともありましたね。
―― 斎藤選手にとって大阪城ホールはこれまでで一番大きい会場ではありますよね。
斎藤 大きさはそんなに気にならなかったですけどね。リングチェックのときに見渡して「いい会場で見やすいなあ」と。8月のぴあアリーナMMもいい会場でしたけど。
―― 地方の大会場で試合することに、いつもと違った点はありましたか?
斎藤 同じ控室の関西系のファイター、セコンドの方々がにぎやかだったなあと。関東組は瀧澤(謙太)選手とボクぐらいで。
―― あまり関西のノリは……
斎藤 そういうわけではないですが、東北人と関西のノリが違うかなって、気質的に(笑)。
―― 東北人は寡黙ですからね。雪がしんしんと降る中、グッと堪える感じで。
斎藤 そうです(笑)。東北人はガマン強い人が多いかもしれません。
―― 何日前に大阪入りしたんですか?
斎藤 計量日なので大会前日ですね。体重を落としてから大阪に向かったので移動がキツイなあという感じで。移動で300グラムぐらい落ちました。それを考えると海外の選手はもっと大変ですよね。 飛行機の乗り継ぎもありますし。
―― 今回はメインイベントでしたけど、控室の過ごし方にルーティンはあるんですか?
斎藤 ギリギリまでリラックスしてるぐらいですね。直前でスイッチが入るのが理想かなと思ってるんですけど、セコンドと打ち合わせをしながら基本的にゆっくりしてますね。
―― モニターで他の試合を見たりするんですか?
斎藤 見たい試合は見ますけど、基本的には仮眠をとることが多くて。でも、今回は関西系の皆さんが……にぎやかだったので眠れなくて(笑)。
―― 東北人vs関西人(笑)。
斎藤 ずっと何か話をしてるので。でも、試合が終わるとだんだんと人が少なくなっていったので、休憩ぐらいまでには静かになってきましたね。
―― オープニングの入場式の雰囲気はいかがでした?
斎藤 「いいなあ……」と思いましたね。緊張感もありましたし、お客さんが入ってる中でリングの雰囲気も把握できたので。
―― 入場式でリングに上がったときに裸足だったじゃないですか。
斎藤 リングに上がる前にだいたい靴を脱いでますね。まず裸足でリングの感触をたしかめられるということがあって。あと試合のときにリングに嫌われて足をひねったりするのはイヤだなってて。何か目に見えない力があると思うタイプなので。道場でも掃除しないとケガをする、みたいな。
―― 姿勢を正して試合に臨むじゃないですけど。
斎藤 変なことを気にするA型ですね(笑)。
―― メインの試合前、入場ゲートの入り口で待機してるじゃないですか。今回の試合の 煽りVはご覧になりました?
斎藤 煽りVはまったく見てないです。 ただ、どうしても音は耳には入ってきて「こういう感じなのかな……」と。 何か対立図式みたいものはわかりましたけど。
―― なんとなくどう煽ってるのかは伝わってくるけど。
斎藤 あんまり気にしてもしょうがないのかなと。もう心は決まってるので、 余計な情報を入れてもしょうがないのかなと思って。人によっては左右されちゃう人もいるみたいですけど。動揺したままリングに上がってしまったり。
―― RIZINの煽りVは選手の内面までエグリますからねぇ。
斎藤 そうですね。ちゃんと見ると凄いときがありますよね(笑)。
―― 試合開始前、リング中央で朝倉選手と向かい合ったときに何か思いました?
斎藤 とくに思うこともなく、裸で対面するのは初めてだったので「こういう感じなのかな」と。大きくは見えなかったです。そのままの彼自身の姿が見えていた気がします。
―― 8月の摩嶋一整戦が終わってからこれまで、朝倉選手のペースに巻き込まれないことを繰り返し言われてましたよね。 朝倉選手の幻想や存在感が大きすぎるから、気にしないようにしていたところもあったんですか?
斎藤 朝倉選手のことを熱狂的に見ている人たちが多かったり、プロとして彼自身がそういうふうに見せていた部分はあると思うんですけど。 自分はそういう風には見ていなかったので「そういうやり方をする人なんだなぁ」くらいで。そこに左右されることはないですね。
―― 格闘家として評価しているところはあったわけですよね。
斎藤 それはもちろん、はい。やる前から強いとは思ってました。強さがあって、自分のペースに持ち込むことがうまいというか。彼は矢地(祐介)選手のときと同じように戦えると思ったんじゃないですかね。
―― 矢地選手は朝倉選手のペースに巻き込まれた感はありました。
斎藤 やりあっていく中で楽しくなっていくけど、試合は冷静で。矢地選手の試合は70キロ契約に彼が乗ったかたちなので、失礼な言い方かもしんないけど「勝てばいい」というか。内容よりも勝ちに拘ったんじゃないかなと思いますね。
―― 1ラウンドはお互いに探るじゃないですけど。
斎藤 1ラウンドの最初に彼の右フックに合わせて左フックを当ててるんですけど、そのときに向こうがニヤッと笑って。「やるじゃねえか」っていうことなのかもしれないですけど、あれでだいぶ落ち着いた感じはありましたね。実際に右フックはもらってないし、初見で合わせられたのは大きかったです。向こうからすると精神的なダメージが……こっちからすると右フックは、よほど大きなミスをしないかぎりは大丈夫かなと。
―― 試合序盤の朝倉選手はパンチよりも蹴りのほうがうるさい感じでしたね。
斎藤 左の蹴りは彼の得意だったので、あまり受けたくないなあとは思ってましたね。受け続けるとよくないかなと。でも、最初の2発ぐらいを受けて、自分が何か大きなミスをしなければ大丈夫かなと。
―― その蹴りも途中からあまり出さなくなって。
斎藤 出せなくなった、出さなかったのかは……たぶんテイクダウンがひとつの流れを変えたのかなと。
―― 朝倉選手の左ローキックをすくって押し倒して。
斎藤 彼は公開練習のときに「左のインローから入る」って言ってたじゃないですか。ボクの公開練習のときにマスコミから「朝倉選手がそう言っていた」と聞いたんですよ。揺さぶりだったと思うんですけど、そんなことを教えてくれるなんていい人だなあと。
―― 斎藤選手の中に左のローの意識が刷り込まれたじゃないですけど。
斎藤 ボクは素直に受け止めたんですけど(笑)。ホントに蹴ってきましたからね。あそこでテイクダウンされたので、また掴まれるんじゃないかなと思ったんじゃないですかね。
―― 1ラウンドにローブローがあったから控えたというわけでもないですもんね。
斎藤 それはないですね。 あのあともローは出していたし、そんなことで萎縮するメンタルの持ち主ではないとは思いますけど。
―― あのローブローのダメージはかなり深刻でしたか?
斎藤 うーん、イヤだなあとは思いましたけどね。時間も与えてもらったので呼吸を整えて、しっかりやり直そうとは思いました。 レフェリーの方も「焦らなくていいから」と言ってくれて 。あそこで終わりはないですね。せっかくここまでたどり着けたので。状況もいろいろと不安定な中で、メインイベントということでやることになったので、ああいう終わり方は絶対にないですね。
―― 1ラウンド終わってみてどんな感想がありましたか?
斎藤 5分間やってみて、距離感や構えはある程度、把握できたというか。2ラウンドには攻めていけるなと。
―― 実際に2ラウンドから斎藤選手がアグレッシブに前に出るようになりましたね。
斎藤 1ラウンドはまだ怖いというか、クセやリズムもわからない中で不用意なことはやりたくないなって思ったんですけど。2ラウンドは行けるな、と。ちょっとずつ距離を詰めて、入り方を考えて行けるところは行く。カウンターを狙ってるので、正面から入らないように気をつけて。
―― こう言ってしまうと極端ですけど、朝倉選手の攻撃パターンの見切っていったところあるわけですか。
斎藤 見切ったというよりは2ラウンド、3ラウンドは攻めていけるなっていう感触を掴んだ感じですね。向こうも何か武器を温存してるかもしれないし、危険がなくなったわけじゃないですから。カウンターはうまかったですよね。 ちゃんと相手の動きを見て、どんなときでも合わせてくる。ただ、こちらが前に出ると、向こうはずっと受けていたので、こうなるとなんでもやりやすくなるなと。
―― その流れで2回目のテイクダウンも成功して。
斎藤 あれはタイミングで取れましたね。あそこで取れたことはもの凄く大きかったですね、試合の流れの中で。 彼がタックルでああやって倒されるところはあまりないし、少なからず彼の中でも動揺はあったんじゃないですかね。
―― 2ラウンドになると斎藤選手のキックのバリエーションも増えていきますよね。
斎藤 そうですね、ミドルとかハイとか……あんまり言い過ぎると、次があるかもしれないので(苦笑)。
―― ハハハハハハハ。
斎藤 彼は絶対にこういう記事もチェックしてると思うんですね。見てないふりして見ているか、周りの方が伝えているのかはわかりませんが……カットしてもらえるならいいですけど、ボクが今回の試合で勝てた理由は◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ですね。
―― あっ……たしかに。
斎藤 これが◯◯◯なら◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯だったと思うんですよね。
―― な、な、な、な、なるほどおおおおおおお!!!!! 今回の試合は多くの選手・関係者が感想を残してますけど、その指摘は誰もしてないですね……。
斎藤 ボクが勝ったのは絶対にここがポイントだと思いますね。ボクのイメージしていた朝倉選手とは実際は違ったのかなあと。
―― 数十年後に“事実”を公開いたします(笑)。RIZINオフィシャルYouTubeのバックステージ映像ってご覧になりました?
斎藤 ああ、見ました。
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UFCだとダイレクトリマッチになるんでしょうね。
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