TAさん のコメント
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―― RIZINバンタム級のベルト奪還おめでとうございます!
堀口 あざーっす!
―― 年末年始は堀口選手の話題で持ちきりでしたが、ボクシング方面ではタトゥーの件も話題になりましたね。
堀口 ああ、ありましたねえ。
―― 堀口選手はどう思いましたか?
堀口 まあ、ルールがある以上、それに従ったほうがいいんじゃないのかなとは思いますね。「なんのためのルールだ?」という話になると思うので。ただ、もう身体に入れちゃってるので、しょうがないとえばしょうがないんですけど。ルールがあるならそれに沿って、ラッシュガードを着るとか、そこだけ隠すとか。個人的にタトゥー自体にはべつになんとも思わないですけど。
―― 堀口選手も入れようと思ったことはないんですか?
堀口 思わなかったですね。……いや、格闘技をやりはじめた頃、KIDさんのタトゥーが「カッコいいな」と思って。
―― 堀口選手は日本在住のときはクレイジー・ビー所属でした。
堀口 ちょっと入れようかなと思ったことはありましたね。ただ……。
―― ただ?
堀口 自分は針がキライなんですよっ。
―― あ、そんな理由で!(笑)。
堀口 針がキライなのでやめました。チクチクやられるの、イヤじゃないですか。でも、そうじゃなかったら、いま頃バーンと入ってかもしれないですよ(笑)。
―― まったくイメージできないです! ちなみにどんなものを入れようとしていたんですか?
堀口 KIDさんの背中にバラみたいなのが入っていたんで、ああいうのとか。
―― えええーーー! バラのタトゥーが入った堀口恭司!
堀口 あと、お腹のところに漢字で名言みたいなのを入れようかなって。
―― そこまで具体的に考えていたとは……。やっぱり、入れている人の近くにいると、どんどん魅かれていくんですかね。
堀口 というか、感覚が麻痺します(笑)。みんな入ってるし、自分も入れちゃおうかなって。KIDさんといた10代から20代前半とかは、そんな感じでした。でも、自分が「入れたいな」という思いと同じぐらい、KIDさんのタトゥーがどんどん増えていってたので「俺はやめとこ」って(笑)。
―― もしかしたら堀口恭司の身体が大変なことになっていたかもしれない(笑)。
堀口 ワハハハハハ!
―― アメリカだと入ってる選手も多いですけど、感化されなかったんですか?
堀口 うーん、アメリカに住んでからはその気持ちはなかったですけど。
―― 今回の勝利で、そのアメリカと日本の練習環境の違いが凄く語られがちなんです。率直に環境の差はあると思いますか?
堀口 それはもちろん(キッパリ)。日本と違うから自分はアメリカに行ったので。日本ってやっぱりビジネスとして格闘技が浸透していないし、まだ多くの人が儲かるようなマーケットではないじゃないですか。でも、ビジネスとして稼げない職業は有名にならないし、盛り上がらないというか。
―― ビジネス的に大きくなれば、格闘家のなり手も増えて、自然と環境もよくなる……ということですね。
堀口 そうですね。もっとお金が稼げる職業にならないと、日本の環境もよくならないと思いますね。
―― 朝倉海選手に対して「強くなりたいならアメリカに行くべきだ」という声が関係者やファンのあいだから挙がってますが、実際にアメリカに渡った堀口選手からするとどう思いますか?
堀口 そりゃそうですよ。やっぱりいまの日本で練習して、身内がコーチでというのは限界があるんじゃないかなと思います。コーチであるお兄ちゃん(朝倉未来)も完璧にわかっているわけではないと思うので。
―― それに選手との兼任になりますね。
堀口 もうちょっと上を目指したいならトップクラスのコーチを雇ったりしないと難しいかなとは思いますよね。
―― 堀口選手がアメリカ行きを決めたのは、UFCで戦っているうちに足りないものが多いと体感したからですか?
堀口 自分はUFCのタイトルマッチでデメトリアス・ジョンソンに負けて「このままではDJには勝てない」と思ったんです。あのときデメトリアスには本当の総合格闘技を教えてもらいましたよね。ハッキリ言って自分は打撃だけだったじゃないですか。それだけでは勝てない世界だということを教えてもらいました。
―― それでATT所属に。それから堀口選手が一番変わったことってなんですか?
堀口 もちろんトータルに変わりましたけど、「わからないところがなくなった」というのが一番ですかね。
―― 「わからないところがなくなった」。
堀口 日本にいた頃はわからなかったことすらわかってなかったかもしれないですけど。寝技もできる、レスリングもできる、知っている技も増えた。あとはやっぱり信頼できる仲間ができました。
―― チームファイトとしてMMAに臨めるようになったわけですね。
堀口 ああ、そこが一番デカいかもしれないです。
―― 試合をしたばかりですけど、いま海選手が何か迷ったり行き詰まっていることがあるとすれば、堀口選手はなんとなくわかるというか。
堀口 まあ……わかります。というか「ATT来ちゃえば?」と思いますけどね。
―― おおおおお!!! さらりともの凄い提案が!
堀口 まあ、アメリカにはATT以外にもたくさんジムがありますし。仲間と戦うのはイヤだけどなあ……。
―― それはそうですよね。誤解されがちですが、ATTって大世帯でキャンプも別だったりして年がら年中一緒に練習するわけじゃないですよね。
堀口 ATT内でもいろいろ派閥はあるんですけど、同じ日本人となると自分も何かと面倒みちゃうんでねえ。
―― たしかに日本人同士なのにスルーするのは変ですね(笑)。
堀口 まあ、海くんが来たいといえば、それはそれでいいんじゃないっすか?
―― ATTの練習は並のファイターだと持たないという話も聞きますが……。
堀口 いやいや、そんなことないですよ。それは、自分の練習についてこれないという意味ですね。
―― やっぱりつらそうだ(笑)。
堀口 あとは、海外だと最初は友達が周りにいなくて言葉もわからないので、その環境に耐えられない……という人がほとんどで。みんなホームシックになっちゃいますね。
―― 堀口選手はホームシックにならなかったんですか?
堀口 なりましたよ。
―― あっ、堀口選手も。
堀口 一番最初は「うわ、マジつれえ!」と思いましたけど、親の顔とかを思い出したら「絶対に帰れない」と思いました。何がつらいって、やっぱり言葉も通じないし、メシもまずいし、そこっすかねえ。
―― そこで苦悩する堀口恭司は、ちょっと見てみたかったです(笑)。
堀口 いや、悩むといっても、日曜日とかヒマな日だけですけどね。だから、自分は釣り竿を買って、ずっと釣りをしてました。ま、それはいまでも変わらないですけど。向こうに家を買いましたけど、家からジムまで車で5分ぐらいなので、生活もあんまり変わらないし。 ―― まだまだ部活の合宿が続いているという毎日なんですね(苦笑)。今回は、まさかのカーフキックで
決着したことで堀口選手を支えるATTの存在があらためてクローズアップされて。
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