ワンスターさん のコメント
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―― 久米鷹介戦は最高でした!!
武田 ありがとうございます!
―― ご自分で見返してもあの激闘は思うところがあるんじゃないですか。
武田 じつはまだ試合を一通り見返してはいないんです。振り返っただけでも、いろんな思いがこみ上げてくるんですけど……。
―― 思い出しただけで涙ぐんじゃいますか!(笑)。
武田 そうですね(笑)。基本的にあとになってから振り返るタイプなんですけど。気になったのは久米選手のパンチに威力があったので、そこに興味があって。3ラウンド目にパンチでカットされたんですけど、あの角度で合わせてくるのはすごい技術だなって。どちらかといえば、ボクは荒削りなパンチの打ち方で、逆に久米選手はダッキングしてフットワークを駆使してというきれいなボクシングをするので。対戦相手の動きが気になったのは、今回が初めてかもしれないですね。
―― 試合後のリング上で武田選手は泣かれていたじゃないですか。
武田 久米選手はリスペクトできる選手なので、その選手を超えることができたというのが一番大きいですね。泣くつもりはなかったんですけども、自然に泣いちゃいましたね(苦笑)。
―― 試合で泣いたことってあるんですか?
武田 DEEPで北岡(悟)選手に勝ったときですかね。あのときもチョロっと泣きました。
―― けっこう泣き虫なんですね(笑)。
武田 ハハハハハ。こう見えて気持ちがそんなに強くないので。
―― 見た目はオラオラ系ですけど。
武田 そうやって強く見せようとしているところが心のどこかにあるかもしれないですね。気持ちが弱いから、いかつく見せようと。見た目が強そうだと相手も多少はビビるんじゃないかなって(笑)。
―― 肌を焼いているのもそういう理由なんですかね?
武田 いや、そこは違うんですけど、そういう風に思われちゃいますよね(笑)。最近自分でもそういう風に思い始めてて。気持ちが弱いから、見た目を強くしているのかもしれないなって。
―― 気持ちが強くないというわりには、久米戦ではパンチにひるまず前に出ましたね。あれはホントすごいなって。
武田 さっきも言いましたけど、ボクは荒削りなスタイルだけど、 久米選手はきれいなスタイルなので。宮田(和幸)先生とも話をしたんですけど、中間のミドルレンジで打ち合いをしても勝てないから、荒削りなインファイトに持っていくしかないだろうという戦略でした。久米選手は左右のフットワークを使って、 自分の距離を保って行っていたので、被弾覚悟で前に出るしかなかったですね。打たれ強さも自分の中では武器だとは思ってて。
―― 頭ではわかっていても、そうやって前に出るのは勇気が必要ですよね。
武田 それは久米選手が相手だからこそ、前に出れたんじゃないかなって。 お互いにプライドもあったと思うし、団体のチャンピオン対決ということもあって。そういったものが重なったから、激しい試合ができたんじゃないかと思いますね。こんな試合を毎回やったら寿命が縮んじゃうだろうし(苦笑)。
―― 武田選手はカード発表記者会見で「内容が問われる」とおっしゃってましたよね。王者対決でそこを強く意識されたのはどういうわけなんですか?
武田 昨年9月のRIZINで川名(雄生)選手と戦ったときに、自分でも内容には納得していなかったし、がすごく悪くて。ファンのみんなからも厳しい批判的な言葉をもらって。、こっちはプロとしてやってるので、いくら勝ってもファンが喜んでくれないと意味がないというのをも改めて思いましたねあったし。それにあの試合では全然自分らしさが出せなかったから、今回は内容が問われるなって。 いくら勝っても内容がダメだったら当分RIZINには呼ばれないだろうという覚悟で試合に臨みましたね。
―― 大晦日にこの王者対決が組まれなかったことへの危機感もあったんですか?
武田 そこは自分でも感じてましたね。大晦日に呼ばれなかったイコール、カードのインパクトがない。ネームバリュー的にはパンクラスとDEEPのチャンピオン対決なんですけど、ボクも久米選手もその9月の試合で内容がよくなかったからかな、とは思うので。
―― そこは燃えるところもあったわけですね。
武田 燃えたし、逆に怖かったですよね。ここでもしダメだったら……。
―― もう呼ばれないかもしれないというプレッシャー。
武田 ……じつは今回の試合前に遺書を書いたんですよ。
―― えっ!?
武田 この試合で死ぬかもしれないという覚悟があって。宮田先生含めて誰にもこの話はしてなかったんですけどね。本当に死ぬかもしれないと思って、遺書を……。覚悟が決まってたから、前に出られたところもありますね。
―― 戦前は久米選手有利の予想が多かったですね。
武田 正直ボクも厳しいかなと思ってました。
―― あ、ご自分でも。
武田 自分と久米選手のスタイルを客観的に見つめ直したら、ちょっと難しいだろうなと。テクニックなんかどう考えたって久米選手のほうが上だし、練習だったらすぐやられると思いますし。自分で分析した結果、7:3か6:4で不利だろうなと。ファンのみんなも実際にそういう風に見ていたるんじゃないですかね。
―― 佐伯さんはDEEPの代表なのに、久米選手有利の予想をしてたくらいですからね。
武田 そこは宮田先生も自分が不利なんじゃないかと見てたと思います。そこをカバーしたのが気持ちと根性なのかなと。次やったら負けるかもしれないし、正直、久米選手とはもうやりたくないですね(苦笑)。
―― あんな死闘で疲れているはずなのに、最終3ラウンドによくジャーマンで投げきったなって。
武田 あそこは魅せなきゃという使命感がありました(笑)。
―― 魅せるため!
武田 会場やPPVで見てくれているファンのみんなのために投げました。その前に四つの展開があったんですけど。ブレイクになってもいいから足の位置を確認して、投げるタイミングを図ってたんですよね。それで「ここしかない」と思って投げました。
―― ジャーマンって自分の体力も消耗しますよね。
武田 いや、そうでもないですよ。
―― ホントですか(笑)。
武田 何回も連発してる倉本(一真)選手はバケモンだと思いますけど(笑)。
―― あれは異常!(笑)。
武田 3ラウンド目は相手も汗をかいてるので、何発もを投げるのは厳しいですけど。ちょっと斜めから角度をつけて、肩から落とす感じで。きれいに落とすとゴロンと転がっちゃうんですけど、角度をつけるとマットにグニャと潰れるので。
―― そのほうがダメージが大きいと。そこまで考えて投げてるんですね。
武田 調整はできますね。いい投げだったなと。久米選手に効いていたかどうかわからないですけど。
―― 判定では勝ったと思いました?
武田 ギリギリだなって思ってました。テイクダウンされたし、けっこう被弾していたので、最終ラウンドでギリギリどうなのかな、2-1でどっちが勝つかな?と。これがマスト判定のDEEPやパンクラスだったらボクが負けてると思います。トータルマストのRIZINだったからこその勝利ですね。
―― ……謙虚ですね!(笑)。
武田 いやいや(笑)。
―― 前回の川名戦では、負けた川名選手の株が上がったみたいなところもありましたよね。
武田 そうですね。
―― そういうところにも苛立ちはあったんですか?
武田 ありましたけど、それはそれでいいんじゃないかなって(笑)。また川名選手との再戦オファーがあったら、ボクもぜひやりたいですし。でも、川名選手は同じ選手とはやらないみたいな話をどこかでしてたので、再戦はないんじゃないですかね。
―― 何か巡り合わせがあるんだったら、ともかく。
武田 ボクと大原(樹里)選手みたいなことになるのであれば。大原選手とはDEEPで3回もやってますからね。 もういいです(笑)。
―― 4回目となったら武田選手のキャリアの3分の1が大原選手になるんですよね(笑)。
武田 いま13戦で3回やってますからね(笑)。 正直3回目のときも気は乗らなかったんですけど、 前の試合でローブローを入れちゃったボクが悪いので。
―― 2回目はローブローで2ラウンド途中の判定決着でしたね。
武田 3回目でしっかり仕留め切ったので、4回目をやることはないだろうと。
―― 大原選手はDEEP100回記念大会で北岡選手を倒したあとに対戦アピールをしてましたけど(笑)。
武田 DEEPでライト級に落とす阿部大治選手とは都内のクラブでセキュリティの仕事をやっていたときに面識があって。「今度試合をしよう」なんて話をしたんですけど。阿部選手と大原選手がやって勝ったほうとタイトルマッチをやりたいなと思ってます。
―― 大原選手が勝ったら4回目でもやるんですか?
武田 やります。それはそれで巡り合わせというかたちになるじゃないですか。
―― 4回目は歴史に残りますよ(笑)。大原選手もRIZIN出場の可能性が高いので、調整は難しそうですが……。
武田 やっぱりRIZIN という国内外問わず各団体のトップレベルの選手が集まる舞台団体に出たいという気持ちが強いですよね。正直、同時期にRIZINとDEEPのオファーがあったら、DEEPには申し訳ないんですけど、RIZINに出たい気持ちはあります(笑)。
―― 佐伯さんも「みんなそんなんばっかだわ!」ってボヤいてますね(笑)。
武田 もちろんDEEPには、もっと出たいんですよね。ボクのプランとしては大晦日に久米選手とやって、勝ち負けはともかく2月のDEEP100回大会にチャンピオンとして出たいという気持ちはあったんですて。
―― 佐伯さんが聞いたら大喜びで、ご飯が進みそうです(笑)。武田選手のRIZIN初参戦は2019年4月のダミアン・ブラウン戦でしたが、じつは極度の体調不良だったんですよね。
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