たかはしさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
野上彰として新日本プロレスでデビューした AKIRA インタビューシリーズ第6弾(聞き手/ジャン斉藤) AKIRAインタビューシリーズ ①新日本プロレス入門、野上彰だった頃
②海外修行で感じた異様な新日本プロレス
③ 小林邦昭さんが言ったんですよ。「JJジャックスはイヤだろ?」って
④ 「平成維震軍と新巻鮭、新日本退団と復帰」 ⑤ 「新日本プロレスと全日本プロレスの違い」
―― 新日本プロレス時代、ストロングスタイルのあり方に悩んでいたAKIRAさんがGLEATのUWFルールをどう見られたんでしょうか。
AKIRA 一番印象に残ったのは女子の試合(橋本千紘vs福田茉耶)ですね。感動してしまったという(笑)。
―― 感動ですか!
AKIRA 歳を取ると涙もろくなるんですかね(笑)。よくやったな、大したもんだな……と。身体の大きい子のほうはよくこのスタイルを理解してるなあと思いましたね。
―― 橋本選手ですね。
AKIRA あの試合を見たあとに佐山聡さんや高田延彦さんの試合や、高田さんvsベイダーも見たんですけど。高田さんたちはクオリティからすれば相当凄い試合をやってますよね。当時は格闘技として打ち出してたわけですけど、それだけのものを魅せてましたね。
―― 最近出版されたベイダーの自伝でもUインター参戦を振り返ってるんですけど。どんな結果に転んでも自己責任のフリースタイルだったみたいですね。
AKIRA ああ、なるほどね。 そういうことでしょうね。
―― 技量がないとできないですし、 そういう試合で中でも信頼関係があるって凄いですね。
AKIRA そういう試合ができる関係というのは素晴らしいし、いま思うと究極の試合なのかもしれないですね。ボクも新日本の前座の頃はそういう試合だったんですけどね。中野龍雄・安生洋二vs野上彰・船木優治は安生さんに言わせると「あれが原点だった」と。安生さんはあの試合からUWFを追求していったんでしょうね。
―― 今回のUWFルールで評価が高かったのは、船木さんなんですね。
AKIRA ああ、 船木さんはさすがでしたね。懐が深いというか、余裕があるというか。船木誠勝がそこにいるだけでUWFが成立しますもんね。 若い子(飯塚優)の可能性もしっかり見えたし、面白い試合だなあとは思いましたね。当時はUWFの試合はあくまでも「格闘技だ」と言い張っていたわけですけど、いまのプロレスとは違う方向でとらえられているから、それを加味したうえでスタイルを作らないといけない。その塩梅が、 とくにメインの試合(SHOvs伊藤貴則)なんかは難しい。違和感みたいなものが出てくるのかなあと。可能性は見出せたかもしれないですけど……まあ難しい。
―― いきなり船木さんみたいなクオリティを求めるのは酷というか。
AKIRA それは大変ですよね。 それこそ昔の新日本の前座のようなところから経験していくしかないです。 メインの2人とも実力はあるんだけど、もっと追求できるんだろうなという可能性はありますよね。 そこにプロレスとしてのドラマを組み込むのがいまの流れなのかもしれないですけど、メインであのスタイルを任せられたことで悩んだかもしれないですし。
―― UWFスタイルとしての重責も果たさなきゃいけない。
AKIRA 2人ともそんなにキャリアがあるわけでもないですし、よく頑張ったなとは思います。でも、「よく頑張ったな」だけですまないポジションにいるわけですから、もっと頑張ってほしいですよね。もっと新しいUWF スタイルができるかもしれないですし。 MMA というものが気軽に YouTube なんかで見れちゃう時代で、何がリアルかというのはお客さんもよく知ってるだろうから。
―― 橋本選手の試合が素晴らしかったのはどのへんですか?
AKIRA 倒れてもいいようなハイキックが入ってるのに「これはまだだな」と。食らったときにわかっていたというか、そこそこいいのが入っただろうし、従来のプロレスならグラっと倒れても良かったかもしれない。なによりも新人の子の気持ちを引き立てた。プロレスとして見て、そこが響きましたよね。 あとUスタイルという格闘技として成立していたので。格闘技としての強さを見せて、ドラマもあったと。
―― こういう格闘スタイルで相手の良さを引き出すのは、自分が弱く見えてしまう恐れもありますよね。
AKIRA そこは難しいですよね。弱く見えるかもしれないし、 技を食らってアクシデントが起きるかもしれないし。
―― AKIRAさんが以前のインタビューで言っていたのは、昔の新日本では相手の技を受けることによってそれが弱さとしての評価になってしまうと。
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