飛角さん のコメント
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多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマは マネジメントから見たRIZINvsクレベル問題 です!!(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)
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── シュウさんがマネジメントする井上直樹選手が見事バンタム級GP決勝ラウンド進出!ということで、おめでとうございます。
シュウ 「ありがとうございます!!」って言いたいところなんですけど、試合を見ててイライラしました(苦笑)。
── ハハハハハハハ! どのへんがイライラされました?
シュウ あらためて見ていただいたらわかると思うんですけど、2Rのはじめに直樹くんは構えをちょっと下にしたりと、おちょくったような構えをしたんです。あのときから全然余裕があったと思うんですよ。
── なるほど。それはシュウさんがマネジメントとして井上選手を把握しているからわかることで、そういう余裕のポーズだとはわかりませんでした(笑)。
シュウ そうなんですね(笑)。余裕があるんだったら少なくとも2Rの中盤あたりでテイクダウンしてしっかり仕留めてほしいと思ったんですけど。ご存知のとおり「楽しくなっちゃった」らしくて金太郎選手の打撃に付き合って。
── つまりMMAとして勝ちに徹してほしかったということですよね。
シュウ そうですね。日本で試合するようになってからトレント・ガーダム選手以外は試合時間が短すぎたんんで、もっとせめぎ合いの戦いをして欲しいと思っていたん部分もあるんで、フルに3ラウンドできたのはいいとかな?というのと、少なくとも彼のディフェンススキルは見せられたじゃないですか。試合中にはわからなくても、あとで動画で見返せばそれは評価されると思ったんです。そうなるとやっぱりフィニッシュですよね。ここでもう言っちゃいますけど、RIZINさんはフィニッシュすることを求めるし、フィニッシュボーナスがつく。
── 契約によってはRIZINにはフィニッシュボーナスがある、と。
シュウ はい。ですから、無理に打ち合わないでテイクダウンしてフィニッシュしてくれよってイライラしたんですよ(笑)。彼はこれまで相手に付き合って判定負けしたこともありますし。
── マネジメントとしては同じ轍を踏んでほしくないわけですね
シュウ そういう危惧があったんですよ。水垣(偉弥)さんに「公開練習でアリダンスをやってくれ」ってツイートしたのは、どうせやるならそれぐらい余裕を見せてくださいよっていうボクのメッセージでもあったんですよ。
── たしかに余裕のポーズを見せるなら、もっとわかりやすくしたほうがいいですね。シュウさんからアドバイスお願いします!
シュウ ただ、直樹くんはすごく頑固なんですよ。それで自分のこと以外まったく興味ないんですよ。たとえば面白い話、NYに2年近くいたじゃないですか。NYに住んでると日曜日や休日はちょっと観光名所を見に行くはずなのに、彼は2年間で観光名所ひとつも行ってないですからね。
── ……もったいない人生の過ごし方!(笑)。
シュウ ハハハハハハハ。ボクが口を出さないかぎり息抜きもしない感じなんですよ。実際にはゲームやったりとか自分なりの息抜きはあるんでしょうけど。だから自分以外に興味ないんですね。それだけ強さだけを貪欲に目指してることではありますね。
── 正直、あれだけ金太郎選手が間合い詰めてくれば3Rは確実にテイクダウンが取れたはずですけど。猛攻を見せた金太郎選手の価値がアップしちゃった試合ではありますね。
シュウ そこは「アントニオ猪木の風車の理論」っぽいところではあるんですけどね。相手を光らせたなら、ちゃんとフィニッシュしなければダメですよ。
── 相手の力を8〜9引き出して10で返す風車の理論! つまり「アントニオ直樹」になるべきだったんですね(笑)。
シュウ そうあってほしかったですね(笑)。右手がケガで使いづらいとはいえフィニッシュはほしかったです。
── シュウさんの試合直後に「右手をケガしていた」というツイートが「言い訳なんじゃないか」と炎上気味でしたけど。
シュウ ツイートするべきか一瞬悩んだんですよ。あれは直樹くんに対してのメッセージもあったんですけど、皆さんにわかってほしいのは目指すところはどうしてもUFCなんです。ボクは常にUFCのマッチメイカーを相手にセールスをしてる立場なんですね。UFCのマッチメイカーほど辛口な評論家はいないんですよ。世界最強の辛口評論家だから「なぜフィニッシュできなかったのか」を訴えたい気持ちもあったんです。
── 金太郎選手レベルをフィニッシュすれば、いい条件でUFCがピックアップしてくれるということですね。
シュウ たとえば弊社でマネジメントしているキャロル・ローザはUFCの4試合契約を全勝したんですけど、判定勝ちばっかりだから契約更新の交渉では渋いことを言われるだろうな……ってことまで考えなくちゃいけない。
── UFCですら勝てばいいんじゃなくて、ランカーに勝っているのか、内容はどうだたのかをジャッジされる恐ろしさ。
シュウ そういうことを考えていると、いまから数年後を見据えてエクスキューズも垂れておかないとな……って気持ちはありますよね。
── 気になるのは井上選手のケガは大晦日までに治るのかってところなんですけど。
シュウ そこはボクも考えていることがあるんですけど、日本のお医者さんは基本的には自然治癒を求めるんですよね、あまりメスを入れることを好まない。これは内視鏡だろうがなんだろうが。でも、アメリカの医者は逆なんですよ、新しいものを取り入れることが大好きなんで、すぐに手術する。
── すぐに歯を抜く歯医者さんみたいなタイプという(笑)。
シュウ 手術したら痛みは取れるかもしれないけど、やっぱりリスクもあったりするじゃないですか。プロアスリートは将来が懸かってますから。今回の試合が終わったあとにセコンドの安田(けん)さん、水垣さんたちにメールを送ったんですけど。その内容は選手はF1のマシンみたいなものだけど、パーツを変えられないマシンなんですよと。
── 壊れたからといって部品交換はできないと。
シュウ パーツを変えられないんだから、いまのパーツをケアするかどうかで、30代40代になったときに現役でいられるかにえらい違いが出てくると。30代のはじめに失速する選手ってすごく多いじゃないですか。ほとんどがケガが原因ですからね。いまここでしっかりとケアをするか・しないかによってこれからの10年が10倍くらい違ってくるんで。だからいまの対戦相手を見下してるとかそういうわけではなく、その先を見据えるならば、楽しいのはわかるけど、遊ばずに勝ちに徹して身体のケアもしていかないと。
── RIZINとはどういう話し合いをされているかはわからないですけど、決勝ラウンドの組み合わせは扇久保(博正)選手になりそうですね。
シュウ それしかありえないですよね。扇久保選手は海選手と瀧澤(謙太)選手と一度やってますから、リマッチを回避するとそうなっちゃう。今回はGPですから、選手側としての希望は言いますけど、RIZINさんと話し合いをすることはないですよね。誰が来ても文句が言えないのがGPなんで。RIZINさんとの話し合いという点では、どちらかというと、誰が優勝するにせよ、GP後の話し合いのほうが重要になりそうですよね。堀口(恭司)選手がどうなるかわからないんで。私の中では、来年のRIZINバンタムはすべてがディペンズ・オン・堀口、つまり堀口選手次第だと思っているんです。12月に噂されているセルジオ・ペティス選手との結果次第で違ってくると思いますし、ベラトールのバンタム級GPだって、いつからスタートするかによって、堀口選手が来年はいつRIZINに出れるのかも決められないと思いますし。ただ直樹選手のマネジメントとしては彼に取ってのベストは?が常に最優先になるんで、GP優勝できたとしても、堀口選手だけに拘らないでもいい、または拘れない状況になるかもしれないですからね。そうなるとセールスマンとしては、井上直樹という商品に、技術的にもキャリア的にも、なるべく多くのスペックがさらに備わるための最善の方法を模索するしかないんですよね。
── 井上直樹選手がこのまま優勝するとなると、石渡伸太郎、金太郎、扇久保博正、朝倉海or井上直樹と錚々たるメンツを破っていくことになりますね。
シュウ そうなったらセールスマンの私にとったらサンキューベリマッチな展開なんですけど(笑)。
── サンキューベリマッチ(笑)。マネジメントの話でシュウさんに聞きたいのは、クレベル・コイケ選手がRIZINと相当、揉めてるんですけど……。 ・マネジメントから見たクレベル・コイケ問題 ・平本蓮の相手は? ・朝倉未来は世界レベルか……12000字インタビューはまだまだ続く!
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