カニマンさん のコメント
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小説家・ 樋口毅宏氏のUWFインタビュー が大好評だったことから急遽シリーズ化が決定した「こじらせU系」第2弾! このシリーズではUWFの当事者ではなく、あのムーブメントの熱を浴びて人生を変えられた方々にUWFを振り返ってもらいます。今回は元ウェルター級キング・オブ・パンクラシストで、『ハードヒット』の一員としてLIDET UWF 勢との対抗戦にも討って出ている和田拓也選手です!(聞き手/ジャン斉藤)
【1記事¥110から購入できるバックナンバー】 ・船木誠勝「2021年のUWF」14000字インタビュー
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―― 10・9『LIDET UWF Ver.1』では、GLEATエグゼクティブディレクターの田村潔司さんに対してかなり怒ってましたね。
和田 まあボクだけじゃないですけどね。佐藤光留も怒ってましたからね。
―― 「いったい何が起きてるんだろう……」と戸惑ってるファンも多いのでお話を伺いにきました。
和田 たしかに令和にUWFですからね(笑)。この時代にこんなケンカが起こると思いませんでしたね。
―― U系のケンカって基本的にモヤモヤするじゃないですか。それは考え方の違いからなんですけど、田村さんの場合、何を考えてるかわからないから余計にモヤモヤするというか(笑)。
和田 何も考えてないんじゃないですか。あれは宇宙人ですから。
―― 『ハードヒット』の皆さんが怒っているのは田村さんの試合後の総括コメントですね。「勝ち負けじゃないんで。要は試合内容じゃないですか。プロレス村ではやっぱりどれだけお客さんを感動させて引き込めるかなんで。格闘技はもう勝ち負け、白黒、ハッキリさせなきゃいけないですけど、今こっちはもうプロレス村なんで」と言ってましたね。
和田 田村潔司はUインター時代、高田延彦に「真剣勝負をしてください」と詰め寄ったじゃないですか。そんな奴が勝ち負けなんてどうもいいのか、と。……今日あらためてコメント動画を見直したんですけど、何を言ってるかわからなかった。言ってることが宇宙人みたいで最後まで見れなかったですね。
―― 活字だとまだ読めるんですけど、動画だと聞いてるだけで本当にモヤモヤするという(笑)。
和田 ホントに。
―― 田村さんに『ハードヒット』のやってることを否定されたっていう感情もあるんですか?
和田 あれは ……批判されてるわけではないんですよね。何を言ってるかわからないだけで(苦笑)。
―― ハハハハハハハハ! 今回にかぎらず、田村さんに対する姿勢にはひとこと言いたくなるわけですか?
和田 うーん、そうですねぇ。「雇われてやってるんじゃないの?」っていうところはありますよね、佐藤光留も言ってますけど。それは選手もですよね。口ではUだって言うけど技術が伴ってないと思うし。リデットという団体が立ち上がって会社からやれって言われてるから、やってんじゃないの?っていう。でも俺らは違うよっていうのは言いたいですよね。 俺らは好きで格闘技の練習をそれぞれやって、一緒に練習する機会がないんですけど、それでも団結力はありますから。
―― 向こうには真剣にUを追求する選手がいないと?
和田 選手も中途半端な奴ばっかりだし、カズ・ハヤシさんとかあの年齢で新しいスタイルに挑戦するのは素晴らしいことだと思います。そこは認めますけど、だったら、ちゃんとやらないと。誰もできてないから。唯一経験のある松井大二郎であれですよ。対抗戦のときに副将にするぐらいだから、向こうではそれなりには扱いなんでしょうけど。
―― 対抗戦のときに和田さんは松井選手を15分間、なんの見せ場も作らせず封じ込めました。
和田 松井大二郎が相手って言われたんですけど、俺は『ハードヒット』のチャンピオンなのになって。そういう思いで試合をやったんで。回転体なんて絶対にさせないぞっていう怒りというか、呆れですよ。
―― 呆れからの回転体封じ。
和田 回転体ってよく言ってるけど、いまボクらがやってる『ハードヒット』は格闘技の技術を活かして戦うスタイル。それでどっちが勝つか、負けるか。 普段から作り上げてきたもので勝負する。回転体とかいって十字を取った・取られた、逃げた・逃げられたりとか、作られたような動きをやるつもりはないですね。それこそウソくさいというか。
―― 戦いというものを追求すると回転体はありえないってことですか?
和田 回転体はありえないです。いま令和ですよ(苦笑)。これだけMMA の技術が進化して、いろんな団体があって格闘技のレベルが進化している中で回転体はないですよ。彼らが回転体をやりたいって言うんだったらいいんですけど、そんなことで勝てるわけがないし。回転体をやるんだったらそれなりに技術がないと無理ですよね。
―― 逆に回転体をやってほしいですか?
和田 回転してほしいですよね。ボクらに通用するかどうかやってほしい。
―― 田村さんは「『ハードヒット』には緊張と緩和がない」と言ってたじゃないですか。
和田 緊張はめっちゃあったと思うんですけどね。緊張しかなかった。 セコンドのボク自身が前日から緊張して、対抗戦の夢を見るぐらい緊張してましたから(笑)。
―― 緩和はどうですか? 田村さんとしてはプロレスにおける起承転結がほしかったのかなっていう。
和田 緊張しっぱなしは、いいことなんじゃないですか。そこで緩和がほしいならUWFなんてやる必要はなくて。 UWF部門を作らないで、もうひとつのプロレス部門でやってればいいんじゃないですかね。
―― 「ヘタな漫才」とも評してましたね。
和田 ヘタな漫才はそっちですからね(苦笑)。ボクらがヘタなわけないんですよ。どう考えたって向こうには技術がないんだから。あとやっぱりUWFへの執念が感じないですよね。本当にやりたいのかなって。やりたいんだったら作り上げてこなきゃいけないし、田村潔司はもっと指導しなきゃいけないし。
―― 会社に言われてやってるだけなんじゃないかと。
和田 そうですね、金をもらって。 逆にかわいそうになってきますよね、若い子とか。 会社に「UWFなんてやりたくない」って自己主張しろよと思いますよ。俺だったら言いますよ。 やりたくないことをやらされるわけですから。
―― GLEAT旗揚げ戦のUWF部門はご覧になりました?
和田 新日本プロレスの選手が上がった試合ですよね。メイン(伊藤貴則 vs SHO)は構えを見た瞬間にガッカリというか、ちゃんと格闘技をやってないだろって。内容を見たら実際に全然だし。
―― 評判のよかった船木誠勝vs飯塚優はどうでしたか?
和田 そんな昔の人を連れてきてどうするんだよ?って思いましたよ。
―― 厳しいですね(笑)。船木さんは時代に合わせたUWFスタイルだなと思ったんですけど。
和田 飯塚がもっとガンガン攻めればよかったんじゃないですかね。 船木さんは50過ぎてるわけですよね。せっかくのチャンスなわけじゃないですか。
―― 執念がないというのはそういうことなんですかね。
和田 ボクも大した技術を持ってるわけじゃないですよ。レスリングも寝技もまだまだ進化していかなきゃいけないですし、それでも最低限、努力してきた格闘技の技術で戦ってます。
―― ざっくり思ったのは田村さんはプロレス的な見地から UWF を見てて、和田さんは格闘技からUWFを見てるのかなって。
和田 でも、田村潔司もUインターやリングスから格闘技にシフトチェンジしたわけじゃないですか。
―― 田村さんのMMAも回転体じゃないんですよね。
和田 回転体でもないし、すごいグランド技術を見せてわけでもないじゃないですか。その回転体をなぜやってなかったんだ?って話なので。実際PRIDEでも通用してなかったと思うんですよ。
―― ちなみに田村さんは00年代中盤にU-STYLEという興行シリーズが手掛けてたんです。
和田 それは流行らなかったんですか?
―― うーん、なかなか難しかったですね。
和田 そのときはMMAはありましたよね。
―― なので差別化して様式美のUWFをやるしかないところもあって。和田さんは田村さんに対しては昔から違和感があったんですか?
和田 いや、好きなときもありましたよ。K-1でやったパトリック・スミス戦とか。あの頃は総合格闘技が始まったばっかりで、グローブもつけずに素手で戦って勝ったことはすごいと思いました。好きなときもありましたけど……田村潔司には興味がなくなっちゃいましたよね。何か中途半端なことしかやってないなっていう。それはずっと思ってましたよ。なんで階級の違う所英男くんとやってるんだよとか。全盛期ではない桜庭(和志)さんとやったりとか。
―― 長年の積もり積もった不信感みたいなものが……。
和田 いや、そういうわけじゃないと思いますけどね(笑)。
―― パトスミ戦好きってのはすごくわかりますね。
和田 当時自分はスポーツ会館でサンボを習ってたんですけど、田村潔司は自分たちのライバルチームだった木口サンボスクールに出稽古してて。そこで寝技の練習をしていたことは知ってたので、そういうプロレスラーって当時の世の中にはいなかったと思うんですね。
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